Live Link プラグインを使用すると、Unreal Editor と、Maya や Houdini などの外部のデジタル コンテンツ制作 (DCC) ツールとの間でアニメーション アセットを同期し、これらがエンジン内で表示される際にそのプレビューをすぐに確認できるようになります。Unreal Engine では、Universal Scene Description (USD:ユニバーサル シーン デスクリプション) ファイルを Live Link 接続の一部として使用して、これらをプロジェクト全体にわたって維持し、このワークフローの有用性と利便性を向上します。このチュートリアルでは、USD ファイルを使って Unreal Engine 内で Live Link 接続を設定する方法と、Live Link を使用する際の USD 形式のメリットについて概要を説明します。
概要
USD ステージ を使って Live Link 接続を設定すると、カスタム仕様の Live Link スキーマが、その接続の性質を示す属性とともに USD プリミティブに追加されます。この情報が USD ファイル内に維持されており、DCC と Unreal Engine の両方に有効な Live Link 接続があれば、アセットのこの接続は再確立可能です。いずれかのアプリケーションを再起動したり、DCC 内でファイルをいったん閉じて再び開いたりした場合は、Live Link 接続を再び確立する必要があります。
本ガイドの使用方法
本ガイドで紹介する例では Autodesk Maya と Unreal Live Link V2 プラグインを使用していますが、Live Link 統合機能を備えた DCC ツールセットであれば Unreal Engine への接続を確立できます。ここで紹介するワークフローとの違いについては、お使いの DCC の Live Link 統合機能に関する指示を確認してください。
Unreal Live Link V2 プラグインを使用する際は、インストーラによって Unreal Engine 用の Maya Live Link プラグインも設定されます。Maya を使用する際は、標準的な Live Link プラグインの代わりにこれを使用してください。
1. 必要な設定
本ガイドの手順を始める前に、次の前提条件を満たす必要があります。
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Unreal Engine とお使いの DCC の両方で、Live Link プラグインを有効にします。
- Autodesk Maya を使用する場合は、代わりに Maya Live Link プラグインを使用してください。
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Unreal Engine で USD Importer プラグインを有効にします。
Unreal Engine でこれらのプラグインを設定するには、[Edit (編集)] > [Plugins (プラグイン)] をクリックして [Plugins (プラグイン)] メニューを開き、これらのプラグインを見つけて有効にします。プラグインを有効にする方法については、お使いの DCC の Live Link 統合に関する指示を参照するか、プラグインの使用に関するガイドを参照してください。
本ガイドでは、サードパーソン テンプレート を使った新しいプロジェクトも使用しており、これには Unreal マネキン モデルとそのアニメーションが含まれます。これらは コンテンツ ブラウザ の「Content/Mannequins
」フォルダにあります。本ガイドの例ではこれらのアセットを使用しますが必ずしも必要ではなく、ここに記載されている手順は、あらゆるスケルタルメッシュを使って実行できます。
2. Live Link 接続を確立する
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お使いの DCC と Unreal Editor の両方を起動します。
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DCC の Live Link 統合を設定します。
- Maya の場合は Unreal Live Link プラグインをダウンロードしてインストールしてください。インストーラは ここ からダウンロードできます。インストールしたら、[File (ファイル)] > [Unreal Live Link] をクリックして開くことができます。
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Unreal Editor で、[Window (ウィンドウ)] > [Virtual Production (バーチャル プロダクション)] > [Live Link] をクリックして [Live Link] ウィンドウを開きます。
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[Live Link] ウィンドウの [+ Source (+ ソース)] ボタンをクリックします。[Message Bus Source (メッセージ バス ソース)] を選択してお使いの DCC の Live Link 接続 を選びます。
クリックして拡大表示。
お使いの DCC と Unreal Engine とが Live Link を介して接続され、同期されます。ただし、まだ同期されるアセットがないため変更はありません。
3. USD ファイルをエクスポートしてアセットの同期に使用する
Live Link 接続を確立したので、次は USD ファイルをエクスポートしてアセットの同期に使用します。
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コンテンツ ブラウザで
MM_Run_Fwd
アニメーションを見つけます。これは「Content/Characters/Mannequins/Animations/Manny
」にあります。クリックして拡大表示。
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MM_Run_Fwd
を右クリックし、[Asset Actions (アセット アクション)] > [Export (エクスポート)] をクリックします。 -
アセットを
.usda
ファイル形式でエクスポートします。クリックして拡大表示。
USD ステージを使用するにはファイルを
.usda
形式でエクスポートする必要がありますが、Maya へのインポートを目的とする場合は.fbx
形式にもエクスポートできます。 -
[USD Export Options (USD エクスポート オプション)] ダイアログで [Export Preview Mesh (プレビュー メッシュをエクスポート)] がオンになっていることを確認し、[Export (エクスポート)] をクリックします。
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DCC を開いて
.usda
ファイルをインポートします。- Maya では、[File (ファイル)] > [Import (インポート)] をクリックして [USD Import (USD インポート)] を選択し、
.usda
ファイルを選択します。これを X 軸に沿って 90° 回転し、上向きにします。
- Maya では、[File (ファイル)] > [Import (インポート)] をクリックして [USD Import (USD インポート)] を選択し、
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ルート ボーン を選択して Live Link に加えます。
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Maya で [File] > [Unreal Live Link] をクリックし、[Unreal Live Link] ウィンドウを開きます。
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階層内でメッシュの ルート ボーン を選択し、[Unreal Live Link] ウィンドウの [+ Add Selection (+ 選択内容を追加)] をクリックして、これを Live Link サブジェクトのリストに加えます。
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選択したオブジェクトの [Type (タイプ)] ドロップダウンをクリックし、[Full Hierarchy (完全な階層)] を選びます。
オブジェクト名は、Unreal Editor で後にサブジェクト名を選択する際に必要になります。
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[Window] > [Virtual Production] > [USD Stage] をクリックして [USD Stage] ウィンドウを開きます。
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[USD Stage] ウィンドウで [File] > [Open (開く)] をクリックし、「
MM_Run_Fwd.usda
」ファイルを選択します。 -
[USD Stage] ウィンドウ内でモデルの SkelRoot を右クリックし、[Set Up Live Link (Live Link を設定)] を選択します。
[Live Link integrations (Live Link 統合)] パネルが開いて、アニメーション ブループリントとして DefaultLiveLinkAnimBP が表示されます。
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[Live Link Subject Name (Live Link サブジェクト名)] ドロップダウンをクリックして、DCC で選択したオブジェクト名に対応する値を選択します。Live Link 接続を機能させるには、これらが一致する必要があります。
結果
DCC 内でアセットのアニメーションをスクラブ再生すると、Unreal Engine 内でそのアニメーションが同期します。
コンフィギュレーション
[USD Stage] ウィンドウでは、Live Link 設定のコンフィギュレーションに向けた以下のオプションを使用できます。
Live Link 接続の有効/無効
[USD Stage] ウィンドウの [Enable Live Link Connection (Live Link 接続を有効にする)] 設定を使って、USD ステージの Live Link 接続を有効または無効にできます。

これによって、Live Link を使って提供されたアニメーションの表示と、USD ステージでの元のアニメーションの表示をすばやく切り替えることができます。
カスタム仕様のアニメーション ブループリント
USD ステージで Live Link を設定する際には、デフォルトでスケルタルメッシュによって DefaultLiveLinkAnimBP アセットが使用されます。このアニメーション ブループリントでは、DCC によって提供されるポーズのリッスンに Live Link Pose ノードを使用します。

[Live Link integrations] パネルの [Anim Blueprint Asset (アニメーション ブループリント アセット)] フィールドを変更することで、代わりにカスタム仕様のアニメーション ブループリントを使用できます。カスタム仕様のアニメーション ブループリントで Live Link Pose ノードを使用して、Live Link との互換性を高めることができます。
Live Link サブジェクトの選択
[Live Link Subject Name] では、この特定のプリミティブと同期する特定の Live Link サブジェクトを選択します。これは、DCC の Live Link 管理機能に加えたオブジェクトの一つの [Object Name] 値と一致する必要があります。