USD Stage は、サブレイヤー、参照、レイヤー ファイルを含むことができる、レイヤーの複雑な構成です。Unreal Engine で USD Stage Editor を使用すると、USD を使用して作業したり、USD を編集したりすることができます。
このガイドでは、Unreal Engine で USD ファイルを使用して作業しているときに、使用できるアクションとワークフローについて説明します。
USD のステージと用語の詳細については、Pixar の「USD Terms and Concepts (USD の用語と概念)」を参照してください。
また、Unreal Engine での USD Stage Editor の使用方法については、「USD Stage Editor クイック スタート」を参照してください。
プリミティブを複製する
[Duplicate (複製)] を選択すると、プリミティブを複製する複数のオプションがリストされます。USD は複雑な形式であるため、「複製」が何を意味するかはどのような場合においても明確ではありません。このため、USD Stage Editor では、少しずつ異なるアプローチを使用する複数の複製方法を提供されているため、さまざまな状況で役立ちます。

- Flatten Composed Prim (平坦化された合成プリミティブ):プリミティブの仕様を組み合わせ、組み合わせた仕様を使用して新しいプリミティブを作成し、あらゆる要素を「平坦化」します。合成プリミティブの仕様にオーバーライドが含まれている場合、そのオーバーライドが、複製されたプリミティブで表示されるその仕様に対する唯一のオプションになります。
- Single Layer Specs (単一のレイヤー仕様):現在の編集ターゲットでのみプリミティブの仕様を複製しますこのオプションを使用すると、より強固なレイヤーで定義されたオーバーライドも複製することなく、特定のレイヤーでプリミティブの仕様を複製することができます。このオプションは、現在の編集ターゲットに複製するプリミティブの仕様が含まれている場合のみ使用できます。
- All Local Layer Specs (すべてのローカル レイヤー仕様):USD ステージのすべてのローカル レイヤーでそれぞれのプリミティブの仕様を複製します。
USD Stage Editor で複製した仕様を保存した後、テキスト エディタを使用して USD ファイルに行われた変更を確認できます。
プリミティブの切り取り/コピー/ペーストを行う
切り取り および コピー 操作を行うと、プリミティブを複製する [Flatten Composed Prim] 方法を使用する場合と同様に、常にクリップボード ステージにプリミティブの平坦化された表現が追加されます。ペースト 操作を行うと、常に、現在の編集ターゲットに、現在選択されているプリミティブの子としてクリップボード ステージのプリミティブをペーストします。
クリップボード ステージ は、USD Stage Editor がバックエンドで保持している個別のステージであり、現在開いているどのステージからも独立しています。このため、上記の操作を使用して、開いている異なる USD Stage 間でプリミティブの切り取り、コピー、ペーストを行うことができます。
参照を追加する
USD Stage Editor のプリミティブ に、現在ロードされている USD Stage の他のプリミティブや、マシン上の他の USD ファイルを指す参照を付与することができます。右クリックで表示されるコンテキスト メニューの [Add Reference (参照を追加)] オプションを使用して、[Add Reference] ダイアログを開き、選択したプリミティブが他のプリミティブを参照する方法を指定できます。

プロパティ | 説明 |
---|---|
Internal Reference | オンの場合、参照のターゲットがこのステージのプリミティブになります。 |
Target File | USD ファイルを選択して、参照として使用します。 |
Use Default Prim | ターゲット レイヤーのデフォルトのプリミティブを参照プリミティブとして使用します。 |
Target Prim Path | Use Default Prim がオフの場合、ターゲット ステージの特定のプリミティブを参照プリミティブとして選択します。 |
Advanced (詳細設定) | |
Time Code Offset | 参照プリミティブのタイムライン サンプリング属性にオフセットを適用します。たとえば、「10」と設定すると、参照アニメーションの開始を 10 タイム コード遅らせることができます。 |
Time Code Scale | 参照プリミティブのタイムライン サンプリング属性に適用するタイム スケール因子です。 |
現在ロードされている USD Stage のプリミティブに参照を追加するには、[Internal Reference] をオンにし、[Use Default Prim] をオフにします。これにより、[Target File] オプションがオフになり、使用するプリミティブを指定できる [Target Prim Path] オプションがオンになります。
別の USD レイヤーを参照するには、[Internal Reference] をオフのままにして、[Target File] としてそのレイヤーを指定できるようにします。ターゲット レイヤー内の参照として使用するプリミティブを指定するために、必要に応じて、[Use Default Prim] をオフにすることができます。[Use Default Prim] をオンのままにすると、ターゲット レイヤーのデフォルト プリミティブを参照プリミティブとして使用できます。
右クリックで表示されるコンテキスト メニューの [Clear References (参照をクリア)] を使用して、このプリミティブが使用している参照をすべて削除することができます。
ペイロードを追加する
USD Stage Editor のプリミティブ は、ペイロード を含むことができます。参照と同様に、プリミティブを右クリックして、ペイロードの詳細を指定できる [Add Payload (ペイロードを追加)] を選択すると、新しいペイロードを追加できます。

プロパティ | 説明 |
---|---|
Internal Reference | オンの場合、ペイロードのターゲットがこのステージのプリミティブになります。 |
Target File | USD ファイルを選択して、ペイロードとして使用します。 |
Use Default Prim | ターゲット レイヤーのデフォルトのプリミティブをペイロード プリミティブとして使用します。 |
Target Prim Path | Use Default Prim がオフの場合、ターゲット レイヤーの特定のプリミティブをペイロード プリミティブとして選択します。 |
Advanced (詳細設定) | |
Time Code Offset | ペイロード プリミティブのタイムライン サンプリング属性にオフセットを適用します。たとえば、「10」に設定すると、ペイロード アニメーションの開始を 10 タイム コード遅らせることができます。 |
Time Code Scale | ペイロード プリミティブのタイム サンプリング属性に適用するタイム スケール因子です。 |
現在ロードされている USD Stage のプリミティブにペイロードを追加するには、[Internal Reference] をオンにし、[Use Default Prim] をオフにします。これにより、[Target File] オプションがオフになり、使用するプリミティブを指定できる [Target Prim Path] オプションがオンになります。
ペイロードとして別の USD レイヤーを使用するには、[Internal Reference] をオフのままにして、[Target File] を指定できるようにします。ターゲット レイヤー内のペイロードとして使用するプリミティブを指定するために、必要に応じて、[Use Default Prim] をオフにすることができます。[Use Default Prim] をオンのままにすると、[Target Layer] のデフォルト プリミティブをペイロードのプリミティブとして使用できます。
右クリックで表示されるコンテキスト メニューの [Clear Payloads (ペイロードをクリア)] を使用して、このプリミティブが使用しているペイロードをすべて削除することができます。
レイヤーを分離する
[Isolate (分離)] オプションは、USD Stage 全体ではなく、レイヤーの特定のサブツリーを表示する場合に役立ちます。分離する特定のレイヤーを選んでいる間、バックエンドではそのレイヤーとすべてのサブレイヤーが表示されます。
このオプションにアクセスするには、[Layers (レイヤー)] パネルで分離したいレイヤーを右クリックします。

レイヤーを分離すると、当該レイヤーとそのサブレイヤーのみが表示されます。その他すべてのレイヤーはグレー表示され、分離対象外のステージには存在するものの、分離されたステージには影響しないことを示します。
ステージからレイヤーが分離されていることを示すために、[USD Stage] ウィンドウの右上に [Isolated Mode (分離モード)] と表示されます。このメッセージをクリックすると、分離モードが終了し、完全に構成されたステージに戻ります。

また、同じレイヤーを右クリックして [Stop Isolating (分離を停止)] を選択すると、レイヤーの分離を停止できます。