Foliage ツール を使用すると、フィルタが有効になっているアクタやジオメトリ上のスタティック メッシュまたはアクタ フォリッジのセットをすばやくペイントしたり、消去したりできます。

Foliage ツールを使用している例については、「ランドスケープの機能別サンプル」の「フォリッジ」セクションを参照してください。
フォリッジ編集モード
Foliage ツールを使用するには、[Modes (モード)] ドロップダウン メニューの [Foliage] オプション (Shift+3) をクリックします。

すると、Foliage Mode パネルが開きます。

フォリッジ タイプ

[Add Foliage Type (フォリッジ タイプを追加)] ドロップダウン ボタンを選択して、以下を追加します。
フォリッジ タイプ | 説明 |
---|---|
Actor Foliage | シーンにブループリント インスタンスまたはネイティブ アクタ インスタンスを配置するフォリッジ タイプ。 |
Static Mesh Foliage | メッシュのインスタンス化を使用するフォリッジ タイプ。 |
フォリッジ編集モードで配置されたスタティック メッシュは、ハードウェアのインスタンス化を使用してレンダリングされるバッチに自動的にグループ化されます。ハードウェアのインスタンス化では、1 度の描画呼び出しで多数のインスタンスをレンダリングできます。また、アクタ フォリッジは、通常のアクタをシーンに配置する際にかかるものと同じレンダリングの負荷がかかります。
アクタ クラス
新しいアクタ フォリッジを作成したら、[Actor Foliage (アクタ フォリッジ)] > [Actor (アクタ)] メニューでその [Actor Class (アクタ クラス)] プロパティにブループリントを割り当てる必要があります。

メッシュ リスト
メッシュ リストは、フォリッジとして使用されるスタティック メッシュが配置されている領域です。 スタティックメッシュをメッシュ リストに追加するには、コンテンツ ブラウザ からスタティックメッシュを Drop Foliage Here (フォリッジをここへドラッグ) と表示されている領域にドラッグします。
[Foliage Type (フォリッジ タイプ)] の黄色のハイライトは、正しいタイプを追加しようとしている場合にのみ表示されます。このハイライトが表示されない場合、追加しようとしているタイプのフォリッジは使用できません。
フォリッジとして使用されるスタティック メッシュのプロパティを調整するには、メッシュ リストでスタティック メッシュを選択して、フォリッジ ツールの右下隅にある小さい 虫眼鏡 アイコンをクリックします。この操作により、選択したスタティック メッシュの詳細が公開されます。

クリックすると、次の画像のような表示になります。

Foliage メッシュを選択する
メッシュ リスト内のフォリッジ メッシュは、リストのメッシュにマウスを重ねて、左上隅のチェックボックスをオン/オフにすることで有効/無効を切り替えることができます。

また、メッシュ リストでフォリッジ メッシュをクリックして選択することもできます。 この操作を行うと、フォリッジ メッシュの周りにオレンジのハイライトが表示されます。次に、以下のオプション パネルでは、選択したすべてのフォリッジ メッシュでさまざまなプロパティを調整できます。

非インタラクティブなフォリッジをシーンに追加する必要がある場合は、スタティック メッシュ フォリッジを使用します。アクタ フォリッジとは異なり、スタティック メッシュ フォリッジは、レンダリング パフォーマンスに優れるメッシュのインスタンス化により実装されます。
ブラシ設定
ツールバーには、現在選択されている Foliage ツールに関連するプロパティが表示されます。
すべての Foliage ツールですべての設定が表示されるわけではありません。

ブラシ オプション | 説明 |
---|---|
Size (サイズ) | Unreal 単位のブラシのサイズ。 |
Density (密度) | マウスの左 ボタンを使用してインスタンスを追加するターゲット密度です。
|
Erase Density (消去密度) | Ctrl+Shift キーを押しながらのクリック により、インスタンスを消去するときに達成する必要のあるターゲット密度。
|
このツールを使用するときにフォリッジ メッシュを受け入れることができるアクタのタイプは、フィルタにより特定されます。エディタでは、デフォルトで、[Landscape (ランドスケープ)]、[Static Meshes (スタティック メッシュ)]、および [BSP] のフィルタが有効になっています。通常、フィルタを有効にすると、そのアクタ タイプでツールを使用する場合にフォリッジ メッシュを追加できます。フィルタを無効にすると、そのアクタ タイプにフォリッジ メッシュを追加することはできません。
フィルター | 説明 |
---|---|
Landscape (ランドスケープ) | フォリッジをランドスケープに配置するには、このフィルタをオンにします。 |
Static Meshes (スタティック メッシュ) | フォリッジをスタティック メッシュに配置するには、このフィルタをオンにします。 |
BSP | フォリッジを BSP ジオメトリに配置するには、このフィルタをオンにします。 |
Foliage (フォリッジ) | その他のフォリッジにフォリッジを配置するには、このフィルタをオンにします。 |
Translucent (半透明) | フォリッジを半透明ジオメトリに配置するには、このフィルタをオンにします。 |
タブレットの圧力感度がサポートされています。筆圧により、他のすべてのパラメータを考慮した後、追加または削除されるフォリッジ メッシュ インスタンスの数が調整されます。
Foliage ツール
フォリッジ ウィンドウの上部にあるツールバーの該当ボタンを選択すると、5 つのツールを使用できます。
項目 | 説明 |
---|---|
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Selection (選択) ツール - 個々のインスタンス、すべてのインスタンス、選択解除、投げ縄選択グループを選んで移動や削除を行います。 |
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Paint (ペイント) ツール - ワールドからフォリッジ インスタンスを追加および削除するために使用します。 |
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Reapply tool - ワールドにすでにペイントされているインスタンスのパラメータを変更するために使用します。 |
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Single tool - ペイント ブラシを使って選択したフォリッジの単一インスタンスを配置するために使用します。 |
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Fill Tool - - ペイント ツールで配置するメッシュの数を決定するために使用します。 |
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Erase Tool - 選択したフォリッジを消去するために使用します。 |
Select (選択) ツール

Select ツールがアクティブな場合、フォリッジ メッシュの個々のインスタンスをクリックすると選択できます。 Ctrl キーを押しながらレベルでフォリッジ メッシュをクリックすると、一度に複数のフォリッジ メッシュを選択できます。
1 つ以上のインスタンスを選択すると、選択したインスタンスに対して次のアクションを実行できます。
操作 | 結果 |
---|---|
ウィジェットの軸をドラッグ | 選択したインスタンスが、ウィジェットのモードに応じて、ウィジェットに追従して移動、回転、またはスケールされます。 |
Alt キーを押しながらウィジェットの軸をドラッグ | 選択したインスタンスがまず複製され、その後ウィジェットに追従して移動されます。 |
Delete キー | 選択したインスタンスが削除されます。 |
End キー | 選択したインスタンスによりフロアへのスナップが試行されます。この設定が有効な状態で最初に配置された場合、選択したインスタンスが法線に対して整列されます。 |
各種 [Select (選択)] ボタンを使用すると、フォリッジ メッシュ アクタをすべて選択したり、無効なフォリッジ メッシュのいずれかを選択したり、現在の選択を解除したりできます。

Paint (ペイント) ツール

Paint ツールは フォリッジ編集モードのデフォルトのツールです。このツールを使用して、レベルのメッシュ リストでスタティック メッシュのインスタンスをペイントします。フォリッジ編集モードがアクティブであると、レベルに透明な球体ブラシが描画され、フォリッジ ブラシが動作する場所を示します。以下の画像で、フォリッジ ペイント ブラシの外観の例を確認できます。

また、フォリッジのペイントは VR エディタでも機能します。VR でのフォリッジ ペイントのコントロールについては、「VR モードの制御」を参照してください。
フォリッジ ペイント モードを使用するには、コリジョンが有効になっているランドスケープ テレインかスタティック メッシュがレベルに含まれている必要があります。
ブラシ領域にフォリッジを追加するには、次の操作を実行します。
- マウスの左ボタンをクリックして、フォリッジを追加したい領域にドラッグします。 メッシュ リストで現在選択されているすべてのメッシュが、それぞれの現在のパラメータと設定に合わせて追加されます。
メッシュをペイントする際、エンジンは、表示方向に平行な球体の内部で多数のライン トレースを実行します。つまり、球体の内部で確認できるすべてのサーフェスが、フォリッジ インスタンスの潜在的なターゲットになります。
ブラシ領域からフォリッジを消去するには、次の操作を実行します。
- Shift キーを押しながらマウスの左ボタンをクリックして、フォリッジを削除する領域にドラッグします。
ペイント設定
メッシュ リストの各スタティック メッシュには、選択したスタティック メッシュをペイントするときにインスタンスを配置、スケール、または回転する方法をコントロールする多くのプロパティがあります。 これらのプロパティにアクセスするには、メッシュ リストで目的の 1 つ以上のスタティック メッシュを選択して、以下に表示されるプロパティを調整します。
各セクションの使用目的の概要は次のとおりです。
プロパティ | 説明 |
---|---|
Mesh | 使用するスタティック メッシュのタイプを入力します。 |
Painting | フォリッジ メッシュ間の最小距離、メッシュを追加する密度、フォリッジ メッシュをスケールするかどうかなどのプロパティを調整できます。 |
Placement | レベルでペイントされるときのフォリッジ メッシュの配置をコントロールします。 |
Instance Settings | この設定を使用すると、コンテンツ ブラウザのスタティック メッシュから派生したプロパティではなく、当該インスタンスのビヘイビアを調整します。 |
Reapply (再適用) ツール

Reapply ツールを使用すると、ワールドにすでに配置されているフォリッジ メッシュの特定のパラメータを選択して、変更できます。 Reapply ツールをアクティブにしてフォリッジ メッシュをペイントすると、メッシュ リストで選択されているフォリッジ メッシュが更新され、再適用ツールで行った変更が反映されます。
チェックボックスがオンの場合、既存のインスタンスをブラシでペイントするときに、対応するパラメータが再適用されます。 ほとんどの設定は、一部の違いを除き、ペイント ツールを使用するときの設定と同じです。
項目 | 説明 |
---|---|
Mesh | 使用するスタティック メッシュのタイプを入力します。 |
Painting | フォリッジ メッシュをレベルに追加するときに実行する必要のある処理内容をオーバーライドします。 |
Placement | フォリッジ メッシュがレベルにどのように配置されるかをオーバーライドします。 |
Single ツール

選択したフォリッジ メッシュ (複数) の単一インスタンスを配置するためのツールです。フォリッジで隙間の塗りつぶしや特定のテレイン地物の作成に使用することができます。2 つ以上のメッシュが選択されると、ツールは同じ場所にメッシュを重ねて配置します。

Fill (塗りつぶし) ツール

Fill ツールを使用すると、選択したフォリッジ メッシュでレベル内の Static Mesh アクタ全体を塗りつぶすことができます。 Fill ツールは Paint ツールと非常によく似ています。主な違いは、1 度のクリックでフォリッジのアクタ全体を塗りつぶすことができる点です。 Fill ツールを使うには、フォリッジでペイントされているスタティック メッシュ上で マウスの左 ボタンを押します。 マウス ボタンをクリックすればするほど、より多くのフォリッジが追加されます。 フォリッジを削除するには、Shift キーを押しながら マウスの左 ボタンを使用して、フォリッジを削除するスタティック メッシュをクリックします。
以下はフロア スタティック メッシュに適用された SM_Tree フォリッジ メッシュです。
Fill ツールを使用してフォリッジ メッシュを消去する際に問題が発生した場合は、追加されたフォリッジ メッシュではなく、必ず配置されているアクタをクリックしてください。
Erase (消去) ツール
Erase ツールを使って、フォリッジ領域から選択したメッシュを取り除くことができます。Erase ツールを使用するには、取り除くスタティック メッシュまたはメッシュを選択して、領域に半透明の球のブラシをかけます。選択されたスタティックメッシュのみが除去されます。


カリング
フォリッジ インスタンスは 1 度の描画呼び出しでクラスタとしてレンダリングされるため、各クラスタはオクルージョンに基づいてレンダリングされたり、レンダリングされなかったりします。End Cull Distance パラメータに値を設定すると、この距離を超えてもクラスタがカリングされます。ただし、クラスタ全体が範囲外になると、メッシュのグループが突然表示されなくなります。
このような状況は、Start Cull Distance パラメータを追加してから、適宜マテリアルを設定することで軽減できます。 頂点シェーダでは、インスタンス単位のフェーディング係数 (開始距離 1.0 から終了距離 0.0 まで) が計算されます。 これは、PerInstanceFadeAmount ノードを使用してマテリアルでアクセスできます。 これをオパシティ値またはマスキング値に接続すると、Cull Distance End に到達してレンダリングから削除される前に、この係数を使用して特定の距離にわたってインスタンスをフェーディングできます。
次のサンプル マテリアルでは、フェード係数によってマテリアルのマスクが乗じられています。その結果、フォリッジ メッシュの葉が、完全に消えるまで間引かれていきます。

LOD
フォリッジではスタティック メッシュ LOD がサポートされています。これには次のような注意事項があります。
- スタティック メッシュの要素配列にはエントリが 1 つだけあることを確認してください (LOD0 の下に表示)。
- ライトマップとシャドウ マップはすべての LOD レベルで共有されるため、すべての LOD は同じアンラップを使用する必要があることに注意してください。
- 現在、インスタンスのクラスタ全体で LOD が同時に変更されます。将来、インスタンスごとの距離ベースのフェーディングがサポートされる可能性があります。
ライティング
個々のメッシュ インスタンスには、ライトマスによって生成された独自のシャドウ マップまたはライトマップ、あるいはその両方があり、これらは事前計算されたバッチごとにまとめてタイリングされます。スタティック メッシュには、事前計算されたライティングがインスタンス化されたフォリッジで適切に動作するように、確認する必要のある設定がいくつかあります。インスタンス化されたメッシュのシャドウ マップを生成する場合ライトマスはあまり柔軟性がありません。また、設定を誤ると、ライティングの再ビルド後に、黒いメッシュが生成されることがあります。
- Light Map Coordinate Index (ライトマップ座標インデックス) - これは、一意の UV アンラップを持つ有効な UV チャンネルに設定する必要があります。スタティック メッシュ エディタの [Generate Unique UV (一意の UV を生成)] 機能 ([Window (ウィンドウ)] メニューからアクセス可能) を使用すると、独自のアンラップをすばやく生成できます。
- Lightmap Resolution (ライトマップ解像度) - これは、単一のクラスタ (デフォルトでは 100) のインスタンスのすべてのシャドウ マップを、最大テクスチャ解像度 (4094x4096) を超えることなくまとめてタイリングできる小さい数値である必要があります。
Foliage Scalability (フォリッジのスケーラビリティ)
フォリッジ スタティック メッシュは、スケーラビリティ システム を使用して、現在画面にレンダリングされているフォリッジ インスタンスの量を増減できます。この機能をプロジェクトに追加するには、次の手順を実行する必要があります。
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コンテンツ ブラウザ 内を右クリックします。[Create Advanced Asset (高度なアセットの作成)] セクションで、[Foliage] セクションを展開し、[Static Mesh Foliage] オプションを選択します。
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スタティックメッシュ フォリッジの名前 (この例では FT_Box を使用) を入力して、FT_Box Foliage Type をダブルクリックして開きます。
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FT_Box が開いたら、[Mesh (メッシュ)] セクションおよび[Scalability (スケーラビリティ)] セクションを展開します。
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コンテンツ ブラウザ でスタティック メッシュを選択します (この例では、スターター コンテンツに含まれる Shape_Cube を使用)。FT_Box フォリッジ タイプの [Mesh (メッシュ)] セクションで、Shape_Cube をコンテンツ ブラウザから [Mesh (メッシュ)] オプションにドラッグします。
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FT_Box フォリッジ タイプの [Scalability (スケーラビリティ)] セクションで、[Enable Density Scaling (密度スケーリングの有効化)] の横にあるボックスをクリックして、スケーラビリティ システムがこのスタティック メッシュにアクセスできるようにします。
[Enable Density Scaling (密度スケーリングの有効化)] オプションは通常、小さな岩や茂みなどのコリジョンのない 詳細なフォリッジに対してのみオンにする 必要があります。削除されたインスタンスのコリジョンはゲーム内に存在し続けるため、木などコリジョンを含むフォリッジ タイプでは オフ にする必要があります。有効 にします。
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[Modes (モード)] ドロップダウン メニューの Foliage Tool をクリックします。コンテンツ ブラウザから FT_Box フォリッジ タイプを選択して、[Drop Foliage Here (ここにフォリッジをドロップ)] と表示されている領域にドラッグします。
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[Foliage Type (フォリッジ タイプ)] リストに配置した FT_Box フォリッジ タイプをクリックして選択します。ビューポートで、マウスの左ボタン を押して、FT_Bo フォリッジ メッシュのサーフェスへのペイントを開始します。
Foliage Painting モードを使用するには、コリジョンが有効になっているランドスケープ テレインかスタティック メッシュがレベルに含まれている必要があります。
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ツールバー の [Play (プレイ)] ボタンをクリックして、レベルを起動します。フォリッジが追加された場所に移動します。
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バッククォート キー (`) を押してコンソールを開き、次のコマンドに続けて 0 から 1 の範囲の 10 進数の数字を入力することで、フォリッジがレンダリングされる密度をコントロールできます。
- foliage.DensityScale
[Foliage Density Scale (フォリッジ密度スケーリング)] 設定を調整してから、リアルタイムでその更新結果を表示するのは、どのエディタのビューポートでもできません。[Foliage Density (フォリッジ密度)] の更新をリアルタイムで確認する唯一の方法は、プロジェクトが [PIE]、[Simulate (シミレーション)]、[Standalone (スタンドアローン)] などのゲーム モードのときにコマンドを入力することです。
以下では、foliage.DensityScale 設定を「0.1」、「0.2」、「0.3」、「0.4」、「0.5」、「0.6」、「0.7」、「0.8」、「0.9」、「1.0」に設定すると、フォリッジ密度が変化します。










スライダをドラッグして、foliage.DensityScale 設定を「0.1」から「1.0」に調整してください。