ランドスケープ システムを使用すると、山、渓谷、起伏または傾斜のある地表、洞窟の開口部など、ワールドにテレインを作成し、さまざまなツールを使用してその形状や外観を簡単に変更できます。
ランドスケープ ツールを開く方法や使用方法の詳細については、「ランドスケープの作成」を参照してください。
Landscape ツールのモード

Landscape ツールには 3 つのモードがあり、メイン ビューポートの上にあるそれぞれのタブから使用できます。
アイコン | モード | 説明 |
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Manage モード | 新しいランドスケープを作成したり、ランドスケープ コンポーネントを変更できます。Manage モードでは、ランドスケープ ギズモ を操作して、ランドスケープの各部のコピー、貼り付け、インポート、およびエクスポートを実行することもできます。Manage モード の詳細については、「Manage モード」をご参照ください。 |
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Sculpt モード | 特定のツールを選択して使用することで、ランドスケープの形状を変更できます。Sculpt (スカルプト) モードの詳細については、「Sculpt モード」をご参照ください。 |
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Paint モード | ランドスケープ マテリアルで定義されたレイヤーに基づいてランドスケープ上のテクスチャをペイントすることにより、ランドスケープの各部の外観を変更できます。Paint モードの詳細については、「Paint モード」をご参照ください。 |
ランドスケープの作成は、Landscape アクタを作成することを意味します。他のアクタと同様に、レベル エディタの [Details (詳細)] パネルで、割り当てられたマテリアルを含む、多くのプロパティを編集できます。Unreal Engine の [Details (詳細)] パネルに関する詳細は、「詳細パネル」をご参照ください。
ランドスケープの機能
以下に、ランドスケープ テレイン システムで採用されている主な機能と手法について説明します。
大型のテレイン サイズ
ランドスケープ システムは、従来 Unreal Engine で作成できるテレインと比較してはるかに大きいサイズのテレインを作成できます。強力な [Level of Detail (詳細度)] (LOD) システムとメモリの効率的な使用により、最大 8192x8192 の高さマップが正式に実現可能になりました。Unreal Engine では、ストック エンジンやツールを変更することなく、さまざまな種類のゲームをすばやく簡単に作成できる、巨大な屋外ワールドをサポートできるようになりました。

ランドスケープのメモリ使用量
広大なテレインを作成する場合は、通常、スタティック メッシュよりもランドスケープの方が適しています。
ランドスケープでは、頂点データを格納する場合、頂点 1 つにつき 4 バイト使用します。スタティックメッシュは、位置を 12 バイトの ベクターとして格納され、タンジェント X と Z ベクターはそれぞれ 4 バイトにパックされ、頂点ごとの合計が 24 もしくは 28 バイトで 16 ビットもしくは 32 ビット浮動小数値 UV になります。
つまり、スタティックメッシュが同じ頂点密度に対してランドスケープの 6 ~ 7 倍のメモリを使用します。また、ランドスケープはデータをテクスチャとして格納し、離れた領域の未使用の LOD をストリーム出力して、ユーザーがその領域に近づくと、バックグラウンドでディスクから LOD を読み込むこともできます。ランドスケープでは、スタティックメッシュのコリジョン データよりもより効率的にデータを格納できるように、標準の高度フィールドを使用します。
GPU メモリにテクスチャとして格納される静的なレンダリング データ
ほとんどのプラットフォームでは、ランドスケープ システムはテレインのレンダリング データをGPU メモリのテクスチャに保存するため、頂点シェーダーでデータを検索できます。データは、32 ビットのテクスチャにパックされます。高さが、R および G チャンネルの形式で 16 ビットを使用し、法線は X および Y がそれぞれ、B および A チャンネルを使用して 8 ビットの値として保存されます。さらに Retopologize ツールを使用している場合は、別の 32 ビット テクスチャが X オフセットと Y オフセットを格納します。
連続的なジオ ミップマップ LOD
ランドスケープ テレインの LOD は、標準のテクスチャ ミップマップを使用して処理されます。各ミップマップは詳細度であり、サンプリングするミップマップは text2Dlod
HLSL 命令を使用して指定できます。これによって多数の LOD を使用できるとともに、スムーズな LOD 遷移も可能になります。これは、両方のミップ レベルをサンプリングすることができ、高さと X オフセットおよび Y オフセットが頂点シェーダで補間されてクリーンなモーフィング エフェクトを作成できるためです。
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完全に LOD 1 | LOD 1 から LOD 2 へモーフィング | 完全に LOD 2 |
高さマップおよび重みデータのストリーミング
データはテクスチャに格納されているため、Unreal Engine 4 の標準のテクスチャ ストリーミング システムを使用して、必要に応じてミップマップをストリーミング入力/出力することができます。これは、高さマップ データだけでなく、テクスチャ レイヤーの重みにも適用されます。各 LOD に必要なミップマップのみが必要な場合、常時使用されるメモリ量を最小限に抑えることができます。このことにより、メモリが解放され、作成できるテレインのサイズを大きくすることができます。
高解像度 LOD に依存しないライティング
ランドスケープの X スロープおよび Y スロープは保存されているため、ライティング計算に高解像度 (LOD を適用しない) の法線データ全体を使用できます。
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ランドスケープの LOD | フル解像度法線 |
これにより、LOD が適用されていない遠くのコンポーネント上であっても、ピクセル単位のライティングにテレインの最高解像度を常に使用できます。
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Simple Vertex Lighting | 高解像のピクセルごとのライティング |
この高解像度の法線データを詳細法線マップと組み合わせると、ランドスケープ テレインはきわめて詳細なライティングをほとんどオーバーヘッドなしで実現できます。
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ジオメトリ法線のみ | 詳細な法線 |
PhysX コリジョン
ランドスケープでは、Unreal コリジョンと剛体コリジョンの両方に PhysX 高度フィールド オブジェクトを使用します。物理マテリアル はレイヤーごとに指定でき、それぞれの位置でコリジョン システムが使用する優先レイヤーで、使用する物理マテリアルを決定します。低解像度のコリジョン高度フィールド (レンダリング解像度が 0.5 倍など) を使用して、広大なランドスケープ テレインのメモリ要件を節約できます。また、遠方のランドスケープ用のコリジョンとレンダリング コンポーネントをレベル ストリーミング システムを使用して、ストリーミング出力することもできます。