
目標
このクイック スタートガイドでは、Unreal Engine 4 (UE4) プロジェクトを Google VR で使用するための設定方法について説明します。
目的
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Google VR 開発をターゲットにした UE4 プロジェクトを新規作成する。
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必要なプロジェクト設定を完了し、プロジェクトで Google VR が使用できるようにする。
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Google VR HMD で UE4 プロジェクトをデプロイおよび表示する。
1 - Google VR プロジェクトの作成
この Google VR クイック スタートでは、Google VR での開発に最も適した設定で UE4 プロジェクトを新規作成する方法について説明します。
手順
- Epic Games Launcher から、UE4 バージョン 4.12 またはそれ以降をダウンロードし、インストールしたことを確認します。完了したら、[Launch] ボタンをクリックして [Unreal Project Browser (プロジェクト ブラウザ)] を開きます。
クリックしてフルサイズで表示。
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[Unreal Project Browser] で、[New Project (新規プロジェクト)] セクションに移動し、[ブループリント] ベースのプロジェクト オプションを選択します。
- 一般的に VR のレンダリング要件は厳しいため、以下の設定で新しい UE4 VR プロジェクトを開始して、プロジェクトが適切なフレームレートで実行することを確認します。
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Blueprint を有効にする
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Mobile / Tablet を有効にする
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Scalable 3D / 2D を有効にする
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No Starter Content を有効にする
- プロジェクトを作成する場所を設定し、プロジェクトに名前を付けます。
- この例ではプロジェクトに 「GVR_QS」 という名前を付けます。
- 最後に、右下隅にある [Create Project (プロジェクトを作成)] ボタンを押してプロジェクトを作成します。
クリックしてフルサイズで表示。
最終結果
Google VR クイック スタートの次のセクションでは、UE4 プロジェクトを Google VR で使用するために必要なプロジェクト設定について説明します。
2 - Google VR プロジェクト設定
この Google VR クイック スタートでは、Unreal Engine 4 プロジェクトを Google VR で使用可能にするための設定方法について説明します。
手順
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エディタがロードされたら、メイン ツールバー から [Edit (編集)] タブを開き、[Plugins (プラグイン)] メニュー項目を選択します。
- [Plugins] メニューの [Virtual Reality] セクションに行き、[Google VR] が有効になっていることを確認します。
クリックしてフルサイズで表示。
Google VR プラグインは、デフォルトで有効になっています。有効になっていない場合、[Enabled (有効にする)] の横のチェックボックスをクリックすれば有効になります。有効にすると、変更を適用するためにエディタを再起動を求められます。Google VR プラグインを有効にした後でエディタを再起動しないと、プラグインが正しく動作しないことがあります。
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メイン ツールバーから [File (ファイル)] オプションを選択し、[Save (保存)] オプションをクリックして [Save Level As] ウィンドウを表示します。
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[Name] セクションの下の [Save Level As] ウィンドウで、レベルに「EntryLevel」と名前を付けてから [Save] ボタンを押します。
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メイン ツールバー に戻って [Edit] メニュー オプションを選択し、次に[Project Settings (プロジェクト設定)] メニュー オプションを選択します。
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[Project Settings] メニューから、[Maps & Modes (マップ & モード)] セクションに移動します。[Default Maps] セクションで、[Editor Startup Map] および [Game Default Map] を [EntryLevel] に変更して、プロジェクトの実行時に EntryLevel がロードされるようにします。
- [Project Settings] の [Target Hardware (ターゲット ハードウェア)] セクションで、[Target Hardware] クラスとグラフィック レベルがそれぞれ [Mobile (モバイル) / Tablet (タブレット)] と [Scalable 3D or 2D] に設定されていることを確認します。
[Pending Changes] セクションに [Restart Editor (エディタを再起動)] ボタンがある場合は、これを押してエディタを再起動すると変更が適用されます。これを行わないと、プロジェクトが Google VR で動作しない可能性があります。
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[Rendering] セクションで、[Mobile HDR] が無効になっていることを確認します。これは、適切なステレオスコピック レンダリングを行うために必要な設定です。
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[Input (インプット)] セクションの下の [Mobile] カテゴリで、 [DefaultVirtualJoysticks] の横にある小さな白い三角形をクリックし、ドロップダウンリストから [Clear (マッピングをクリア)] オプションを選択して、[Default Touch Interface] から [DefaultVirtualJoysticks] を削除します。
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[Android] セクション ([Platforms (プラットフォーム)] ヘッドライン内) で、[APK Packaging] と [Google Play Services] カテゴリの両方で [Configure Now] ボタンを押して、プロジェクトが適切にパッケージ化されていることを確認します。
- [APK Packaging] カテゴリで、次のオプションが設定されていることを確認します。
プロパティ名 | 値 |
Minimum SDK Version and Target SDK Version | 24 |
Disable verify OBB on first start/update | チェックを入れる |
Enable FullScreen Immersive on KitKat and above devices | チェックを入れる |
- [Build] カテゴリで、以下のプロパティを設定します。
プロパティ名 | 値 |
Support armv7 (aka armeabi-v7a) | チェックを外す |
Support arm64 (aka arm64-v8a) | チェックを入れる |
Support OpenGL ES2 | チェックを入れる |
- 次に、[Advanced APKPackaging] カテゴリで、以下のオプションを有効にします。
プロパティ名 | 値 |
Configure Google VR to support specific hardware configurations | 0:Cardboard |
Configure Google VR for sustained-performance mode | チェックを入れる |
[Configure Google VR Deployment Mode] にはいくつかのオプションがあり、これを選択すると以下の処理が実行されます。
プロパティ名 | 説明 |
Cardboard | Google VR を Cardboard 専用モードで実行するように設定します。 |
Daydream (3.3 DoF) | Google VR を Daydream 専用モードで実行するように設定します。このモードにすると、Daydream 非対応のスマートフォンではアプリの実行はできません。 |
Daydream (6.3 DoF) | Google VR を Daydream 専用モードで実行するように設定します。このモードにすると、Daydream 非対応のスマートフォンではアプリの実行はできません。 |
Daydream (6.6 DoF) | Google VR を Daydream 専用モードで実行するように設定します。このモードにすると、Daydream 非対応のスマートフォンではアプリの実行はできません。 |
Daydream と 自由度 (DoF) の詳細については、「Degrees of Freedom」 を参照してください。
- [Android SDK] セクションの [SDKConfig] のカテゴリにある [SDK API Level] を「latest」 に、[NDK API Level] を 「android-19」 に設定して、プロジェクトが最新の Android SDK でコンパイルされるようにします。
Unreal Engine 4 の Daydream プロジェクトを Daydream デバイスに適切にデプロイするには、CodeWorks に以下のコンポーネントがインストールされていることを確認する必要があります。
Android SDK Platform 24
Android NDK 12b
* JDK 1.8
Android SDK の追加インストールに関しては、Android SDK の追加インストール を参照してください。
最終結果
Google VR クイック スタートの次のセクションでは、Google VR デバイスでプロジェクトを実行するために必要なパッケージ化の手順について説明します。
3 - Google VR プロジェクトをパッケージ化してデプロイする
Google VR クイック スタートの次のセクションでは、UE4 プロジェクトを Google VR デバイスで実行するために必要なパッケージ化の方法について説明します。
このステップの先に進む前に、使用しているスマートフォンが USB ケーブルで開発用 PC に 接続されていることを確認します。次に、接続されているスマートフォンが ADB に承認されたデバイスとして表示されているか確認します。確認方法が分からない、または ADB がデバイスを認識しない場合は、Android デバイスの設定方法 を参照してください。
手順
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パーケージ化処理を開始するには、メイン ツールバー に移動し、[File (ファイル)] メニューから[Package Project (プロジェクトをパッケージ化)]\>[Android]\>[Android (ASTC)] と移動します。
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Android (ASTC) を選択すると、Windows ダイアログ ボックスが表示されます。[Make New Folder (新規フォルダを作成)] ボタンをクリックして、「Android_Builds」という名前にします。フォルダが作成されたら、[OK] をクリックしてパッケージ化処理を開始します。
- プロジェクトのパッケージ化処理中は、ステータス ウィンドウが Unreal Editor の右下隅に表示されます。
パッケージ化処理中の詳細は、[Output Log (アウトプットログ)] ウィンドウに表示されます。
クリックしてフルサイズで表示。
- プロジェクトがパッケージ化されたら、「Android_Builds」フォルダを開き、「Install_GVR_QS_Development-armv7-es2.bat」ファイルをダブルクリックして、Android スマートフォンにプロジェクトをインストールします。
インストールするには、Android スマートフォンが開発用マシンに USB で接続されている必要があります。接続されていないと、プロジェクトがデバイスにインストールされません。
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.BAT ファイルを実行すると、インストールの進捗状況を示すコマンドライン ウィンドウが実行されます。インストールが完了すると、コマンドライン ウィンドウが自動的に閉じます。
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スマートフォン上で 「GVR_QS」 というアプリケーションを探します。見つけたら、GVR_QS アプリケーションのアイコンをタップしてプロジェクトを起動します。
- VR ヘッドセットを使用して GVR_QS プロジェクトを実行すると、以下の図のように表示されます。
クリックしてフルサイズで表示。
アプリケーションの実行中に Gear アイコンをクリックして、スマートフォンと UE4 が使用する VR デバイス用に適切に設定されていることを確認します。表示されたメニューから、VR HMD の横にある QR コード をスキャンして、UE4 が出力する画像が接続された VR HMD に合わせて適切に補正されているか確認することができます。
最終結果
完成すると、以下のビデオのように Google VR を使って UE4 プロジェクトを表示できるようになります。
4 - 動かしてみよう!
UE4 プロジェクトを Android ベースのスマートフォンにデプロイして Google VR HMDで表示できるようになったら、以下の項目を追加してみてください。
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Migrate ツール を使って、コンテンツをモバイル コンテンツ サンプルから使用するプロジェクトに移動します。
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Android スマートフォンへデプロイした時に、プロジェクトができるだけ速く実行するように Default Device Profiles の設定を変更します。
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GPU Profiler を使って、ビルドをしながらプロジェクト パフォーマンスをトラックしやすします。
クイック スタートガイドで取り扱った内容の詳細は、以下を参照してください。
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Android SDK の設定に関する詳細は、Android SDK をインストールする
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UE4 開発用に Android SDK を設定する方法の詳細は、Android デバイスを設定する
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Android デバイスがサポートする機能に関する詳細は Android デバイスの互換性
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プロジェクトのパッケージ サイズの縮小に関する詳細は APK パッケージ サイズの縮小