
このクイック スタート ガイドでは、Unreal Engine (UE4) のゲームにアセットを追加する方法について説明します。このガイドの最後まで進むと、 プロジェクト ブラウザ を使って新規プロジェクトを作成し、コンテンツ ブラウザ でコンテンツの確認および追加方法を理解します。マテリアル エディタ を使って スタティックメッシュ アクタ に適用する前に マテリアル を修正する方法を学びながら FBX コンテンツ パイプライン で情報を見つける方法も学びます。
1.必要なプロジェクトを設定する
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ランチャーから Unreal Engine を開きます。プロジェクト ブラウザ が表示されます。
- [Games] > 「Blank」テンプレートを使って、以下の設定で新規プロジェクトを作成します。
- C++ を有効にする
- With Starter Content を有効にする
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プロジェクト名を入力する必要があるので、ここでは「Artist_QuickStart」とします。
- [Create Project (プロジェクトを作成)] をクリックすると開始します。
Unreal Editor が新規プロジェクトを開きます。Visual Studio も開き、プロジェクトが作成したソリューション ファイルをロードします。
2. フォルダを作成する
プロジェクトのコンテンツをいつも整理しておくと便利です。まず最初に、インポートしたコンテンツを格納するフォルダを作成してみましょう。
開始前に、以下のリンクから Quick Start Assets (クイックスタート アセット) をダウンロードしてください。
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ダウンロードしたアセットをコンピュータで展開します。
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エディタの コンテンツ ブラウザ で、[Add New (新規追加)] ボタンをクリックします。
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[New Folder(新規フォルダ)] を選択して '/Game' にフォルダを作成します。
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フォルダに「QuickStartContent」という名前をつけます。
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「QuickStartContent」フォルダをダブルクリックします。
命名規則は重要です。フォルダとファイルの命名には一貫性を持たせましょう。
3. メッシュをインポートする
コンテンツを UE4 プロジェクトに追加する方法は以下のように何通りかありますが、ここではコンテンツ ブラウザの Import 機能に焦点をあてます。
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現在、「QuickStartContent」フォルダ内になっています。コンテンツ ブラウザの [Import] ボタンをクリックしてファイルのダイアログ ボックスを開きます。
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Basic_Asset1 と Basic_Asset2 の FBX メッシュ ファイルを探して選択します。
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プロジェクトへの FBX メッシュ ファイルのインポートを開始するには、[Open] をクリックします。
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エディタ内に、[FBX Import Options] ダイアログ ボックスが表示されます。[Import (インポート)] または [Import All (すべてインポート)] をクリックすると、メッシュがプロジェクトに追加されます。
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[Save All (すべて保存)] ボタンをクリックしてインポートしたメッシュを保存します。
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[Save Content (コンテンツを保存)] ダイアログ ボックスが表示されます。インポートしたアセットを保存するには、[Save Selected (選択したものを保存)] をクリックします。
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「QuickStartContent」フォルダへ移動し、対応する .uasset files が UE4 で作成されたことを確認します。
アセットを整理しておけば、簡単に見つけることができます。
4.テクスチャのインポート
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[Import] ボタンをクリックしてファイル ダイアログ ボックスを開きます。
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T_Rock_04_D と T_Rock_04_n Targa (TGA) 画像ファイルを探して選択します。
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[Open] をクリックして TGA 画像ファイルのプロジェクトへのインポートを開始します。
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確認ボックスがアンリアル エディタの右下隅に表示されます。
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T_Rock_04_n.TGA 法線マップの設定を受け入れるには、 OK をクリックします。
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[Save All (すべて保存)] ボタンをクリックして、インポートした画像を保存します。
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[Save Content (コンテンツを保存)] ダイアログ ボックスが表示されます。
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インポートしたアセットを保存するには、[Save Selected (選択したものを保存)] をクリックします。
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「QuickStartContent」フォルダへ移動し、対応する .uasset files が UE4 で作成されたことを確認します。
マーケットプレイス (Epic Launcher からアクセスできます) はコンテンツを探したり共有するための素晴らしい場所です。
5.インポートするメッシュを準備する
インポートするメッシュがある場合は、このセクションをご覧ください。
UE4 の FBX インポート パイプラインでは、FBX 2018 を使用します。エクスポート中に他のバージョンを使用すると、互換性がなくなる場合があります。
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ビューポートでエクスポートするメッシュを選択します。
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[File] メニューから、[Export Selection (選択したメッシュをエクスポート)] を選びます (選択に無関係にシーン内のすべてをエクスポートする必要がある場合は [Export All (すべてをエクスポート)] を選びます)。
- Export ダイアログ ボックスで以下の操作を行います。
- UE4 Project (1) 内の「Content」フォルダを選択します。
- ファイル名を入力し、それを FBX Export (2) に設定します。
- Export Options (3) を設定します。
- [Export All (すべてエクスポート)] (4) をクリックします。
上記の Geometry カテゴリの設定は スタティックメッシュ を Unreal Engine 4 へエクスポートする最も基本的な要件です。
インポートをデフォルト オプションのままにしておくこともできます。各オプションの詳細については、FBX インポート オプションの参照 を参照してください。
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アセットがインポートされたので、コンテンツ ブラウザ からレベル内へドラッグ アンド ドロップすることができます。
(インポート オプションの一部として) 上の例では、 マテリアル と テクスチャ をインポートしました。
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ビューポートでエクスポートするメッシュを選択します。
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[File] メニューから、 [Export Selected] を選びます (選択に無関係にシーン内のすべてをエクスポートする必要がある場合は [Export] を選びます)。
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UE4 Project (1) から「Content」フォルダ、そして FBX file (2) 用の名前を選択し、
ボタンをクリックします。
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[FBX Export] ダイアログボックスでオプションをセットし、
ボタンをクリックして、メッシュを含む FBX ファイルを作成します。
上記の Geometry カテゴリの設定は スタティックメッシュ を Unreal Engine 4 へエクスポートする最も基本的な要件です。
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インポートをデフォルト オプションのままにしておくこともできます。各オプションの詳細については、FBX インポート オプションの参照 を参照してください。
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アセットがインポートされたので、コンテンツ ブラウザ からレベル内へドラッグ アンド ドロップすることができます。
(インポート オプションの一部として) 上の例では、 マテリアル と テクスチャ をインポートしました。
完了です!UE4 にインポートするメッシュの準備方法について学習しました。
FBX コンテンツ パイプラインに関する詳細はここをクリック してください。
モデリングを整理するとゲームのパフォーマンスが向上します。
6.マテリアルを作成する
マテリアル はメッシュに適用されるアセットで、シーンに見た目の美しさを加えます。
UE4 プロジェクト用マテリアルを作成、編集する方法は何通りかありますが、ここでは マテリアル エディタ を使う方法を紹介します。
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コンテンツ ブラウザ へ移動して [Add New (新規追加)] をクリックし、 [Material] を選びます。
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マテリアル名を「Rock」にします。
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これで 'Rock' マテリアル が使える状態になりました。
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'Rock' マテリアル をダブルクリックすると、マテリアル エディタ が開きます。
マテリアル ノードの操作については、マテリアル操作ガイド を参照してください。
2 のべき乗をつかってテクスチャ サイズを調整します。
7.マテリアルの編集
この時点で、新規マテリアルが作成されて マテリアル エディタ が開いていることでしょう。
マテリアル エディタ の中で、マテリアルの色、輝き、透明度をはじめ、マテリアルの様々な定義を設定することができます。それでは、作成した Rock マテリアル の編集を行ってみましょう。
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マテリアル グラフ 中央の Main Material ノードを選択します。選択すると、マテリアル エディタ でノードがハイライトされます。
グラフエリア内にはこのノードしかありません。マテリアルにちなんだ名前が付けられます。
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[Details(詳細)] パネルで [Shading Model] を [Default Lit] から [Subsurface] に変更します。
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[Subsurface Shading Model] を選択すると、Main Material ノード の Opacity と Subsurface Color のピンがさらに有効になります。
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テクスチャをグラフに入れます。エディタのグラフ内で [T] キーを押しながら左クリックします。Texture Sample ノード がグラフ内に表示されます。
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テクスチャは最低 2 つはあるといいでしょう。以下のようになるまで、ステップ 4 を繰り返してください。
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Texture Sample ノード をどれか 1 つ選択し、[Details] パネル の [Material Expression Texture Base] カテゴリを見つけてください。
Texture プロパティで、'None' というプルダウン メニューを左クリックして、T_Rock_04_D というカラー テクスチャを選びます。
検索フィールドに「T_Rock_04_D」と入力して、テクスチャ アセットを検索できます。
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もう片方の Texture Sample ノード にも同様のプロセスを行いますが、T_Rock_04_n という法線マップテクスチャを選択します。
マテリアル グラフは上の画像のようになります。
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T_Rock_04_D テクスチャ サンプルの カラーピン (白) を Rock マテリアルの Base Color ピン に接続します。
いま接続した 白いピン にはテクスチャのカラー チャンネルが含まれています。
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T_Rock_04_n テクスチャ サンプルの Normal ピン (白) を Rock マテリアルの Normal ピン に接続します。
この 白いピン には、テクスチャの Normal Map 情報が含まれています。
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プレビュー すると、下の画像のようになっているはずです。
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[1] キーを押したまま [Graph] パネル内で左クリックすると、Constant ノードが 3 つ作成されます。
Constant ノード は、変更可能なスカラーの float 変数です。
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[3] キーを押したまま [Graph] パネル内で 左クリック すると、Constant3Vector ノードが 3 つ作成されます。
Constant3Vector ノードはアルファ チャンネルのない色に対応する変更可能なベクターです。
Constant 表現式については、Constant 表現式 を参照してください。
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ワイヤーが交差したり重なりあったりせず、簡単に接続できるようにノードを調整してください。
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すべての Constant ノードと Constant3Vector ノードを 'Rock' Material Main ノードの対応するピンに接続します。
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[Details] パネルの Value パラメータを更新することで、Constant と Constant3Vector のそれぞれの値を変更します。
- Specular Value = 0.0
- Roughness Value = 0.8
- Opacity Value = 0.95
- Subsurface Color = Red(1,0,0)
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プレビュー すると、下の画像のようになっているはずです。
マテリアル エディタ を終了する前に、必ずマテリアルを保存してください。
あともう少しです!ここまでで マテリアル エディタ を使って、Rock マテリアル を編集しました。
マテリアル エディタのキーボード ショートカットの一覧は、[Edit Menu (編集メニュー)] -> [Editor Preferences (エディタの環境設定)] -> [Keyboard Shortcuts (キーボードのショートカット)] -> [Material Editor] および [Material Editor - Spawn Nodes] カテゴリで確認できます。
8.マテリアルを Static Mesh アクタへ適用する
いよいよ仕上げの段階です。
このステップの目的は、インポートしたスタティック メッシュに マテリアル を適用することです。具体的には、以下について学習します。
アクタのデフォルト マテリアルを設定する
このセクションでは Static Mesh アクタ のデフォルト マテリアルの設定方法を説明します。アクタ がレベル内に配置される時には必ずデフォルト マテリアルが使われます。
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コンテンツ ブラウザ 内で、前のステップでインポートしたアセットをダブルクリックします。
スタティックメッシュ エディタ に編集用のアセットが取り込まれます。
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[Details (詳細)] パネルの LOD0 で [Material] ドロップダウン メニューをクリックします。
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前のステップで作成した 'Rock' マテリアル を選択します。選択ウィンドウでマテリアルを利用できます。
新しく適用したマテリアルを有効にするために [Preview (プレビュー)] ペイン が更新されます。
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まず [Save (保存)] ボタンをクリックしてから、 マテリアル エディタ を閉じます。
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コンテンツ ブラウザ 内で新しくテクスチャ化した Static Mesh アクタをレベル内にドラッグ&ドロップします。
このアセットをレベル内に配置する場合は、指定した マテリアル が使用されます。
アクタが使用するマテリアルを変更する
レベル内に Static Mesh オブジェクトを置く時に、オブジェクト (アクタ) のインスタンスを作成しました。その アクタ のインスタンスのそれぞれに、マテリアルを指定することができます。
Static Mesh アクタの マテリアルは以下の手順で変更します。
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Static Mesh アクタ を選択します。
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[Details (詳細)] パネルの [Material] セクションで、[Materials] ドロップダウン メニューをクリックします。
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ポップアップ メニューで、別のマテリアルを選択します。
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または、新しいマテリアルを Static Mesh アクタ 上にドラッグ&ドロップします。
以下の方法で、Static Mesh アクタにマテリアルを適用しました。
- アクタのデフォルト マテリアルを設定する。
- アクタが使用するマテリアルを変更する。
アーティスト向けクイック スタート ガイドが終わりました。ここまでに修得したスキルは以下の通りです。
✓ プロジェクトを設定する
✓ マテリアルを作成する
✓ マテリアルを編集する
✓ スタティックメッシュ アクタにマテリアルを適用する
それでは力を試してみましょう。
9.応用編
ではこれまでの知識を踏まえて、このグラフと同様の マテリアル を作成してみましょう。

Main Material ノード設定で、プラスチック マテリアルのシミュレーションを行います。
Basic_Asset1 をレベルへ追加し、それにマテリアルを適用し、マテリアルを更新して "Brick" のNormal Map テクスチャを追加します。

以下は、コンテンツの各種タイプのインポートに関する情報です。
- FBX パイプライン全般の情報:FBX コンテンツ パイプライン
- FBX スケルタル メッシュ パイプラインの情報:FBX スケルタルメッシュ パイプライン
- FBX アニメーション パイプラインの情報:FBX アニメーション パイプライン
- FBX モーフ ターゲット パイプラインの情報:FBX モーフターゲット パイプライン
- FBX マテリアル パイプラインの情報:FBX マテリアル パイプライン
- オーディオのインポートに関する情報:オーディオ ファイル
このクイックスタートガイドで取り上げている詳細は以下の通りです。
- サポート対象の画像ファイル:テクスチャ インポート ガイド
- マテリアルに関する情報:マテリアル
- コンテンツ ブラウザに関する情報:コンテンツ ブラウザ
- スタティックメッシュ エディタに関する情報:スタティックメッシュ エディタ UI