Datasmith は、シーンを Unreal Engine にインポートするとき、ソース アプリケーションで作成したジオメトリ、マテリアル、シーン階層を保持できるように最大限努めています。ただし、リアルタイム レンダリング以外を目的とする特殊なアプリケーションで 3D モデルをビルドする場合、Unreal のようなリアルタイム レンダリング エンジンが理解できるような形ではシーンが用意されていないことがほとんどです。例えば、部品の製造や押出を主な目的とする Rhino のようなアプリケーションで作業する場合、構築プロジェクトを文書化する目的で Revit または IFC 準拠アプリケーションで作成するシーン、Cinema 4D でプロシージャルに生成された要素で作成するシーンなどです。
生のシーン データをいつでもインポートできるため、インポート完了後に Unreal Editor が提供するツールを使用することでアセットとアクタの調整が可能です。ただし、これにはいくつかの制限があります。例えば、ソース アプリケーションで行われた変更を反映するためにシーンを再インポートする場合、または同じ設定で別のシーンを再インポートする場合、これらの手順を繰り返す必要があります。
しかし、Visual Dataprep システムを使用することで、Unreal Engine プロジェクトで最終的なアセットとアクタを作成する前に、シーン要素を再編成、クリーンアップ、マージ、変更できる再利用可能なインポート「レシピ」を作成できます。レシピを 1 回作成しておけば、シーンをインポートする度にそのレシピを再利用できます。また、同じレシピを再利用して異なるソース ファイルをインポートしたり、異なるプロジェクト間で再利用することもできます。これにより、コンテンツのニーズに合った独自の標準化されたアセット インポート パイプライン セットを効率的に作成できます。
Visual Dataprep システムを使用すると、次のような一般的なデータ準備タスクをインポート プロセスに組み込むことができます。
- ソース シーンで使用されているマテリアルを、リアルタイム ビジュアリゼーション専用に作成された高品質のマテリアルに置き換えます。
- 不要なジオメトリを特定し、シーンから削除します。
- ジオメトリをマージして、シーン内の個別のオブジェクトの数を減らします。
- 複雑なジオメトリをより効率的にレンダリングできる LOD を作成します。
- 床や壁など、ランタイム エクスペリエンスで機能させるためにはコリジョン メッシュが必要となるオブジェクト用に、コリジョンを作成します。
Visual Dataprep を使い始めると、リアルタイム シーン用に再利用可能な Dataprep レシピを準備するための操作が他にもいくつかあることがわかります。