Unreal Engine (UE) は、Visual Studio 用の Android Game Development Extension (AGDE) プラグイン によるデバッグをサポートしています。このプラグインによって、Android Studio 環境に切り替えることなく、Visual Studio の Android プロジェクトでデバッグ ツールとプロファイリング ツールを使用することができます。これは、UE の Android プロジェクトに推奨される、Windows ユーザー向けのデバッグ環境です。
このガイドでは、このプラグインをダウンロードして有効にする方法を説明し、使用に役立つリソースへのリンクを紹介します。
1. AGDE をダウンロードしてインストールする
AGDE プラグインをインストールするには、以下の手順に従ってプラグインが使用できるようにプロジェクトのソリューションを設定します。
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Visual Studio 2022 がインストールされており、Unreal Engine のデフォルト Visual Studio バージョンとして使用していることを確認します。
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Android Developer ページ から AGDE プラグインをダウンロードします。UE の現在のバージョンには、AGDE 23.1.82 以上のバージョンが必要です。
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AGDE プラグインを Visual Studio にインストールします。
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プロジェクトの .uproject ファイルを見つけて、右クリックしてコンテキスト メニューを開きます。[Generate Project Files (プロジェクト ファイルの生成)] をクリックして Visual Studio ソリューションを再生成します。
この新しいソリューション ファイルでは、このプラグインがデフォルトで有効になります。
2. JDK 環境変数を検証する
Unreal Engine 5.3 以降では、AGDE および Unreal Engine の両方で、JDK のターゲット バージョンとして OpenJDK 17.0.6 2023-01-17 が必要です。Android Studio と Unreal Engine 5.3 以降を新規にインストールする場合は、UE の Android SDK セットアップ プロセス で自動的にこのバージョンの JDK がセットアップされるため、追加の手順は必要ありません。旧バージョンの UE から移行する場合は、次の手順を実行します。
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[System Settings (システム設定)] を開き、[Environment Variables (環境変数)] をクリックします。
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AGDE_JAVA_HOME
という環境変数がある場合は、削除します。 -
JAVA_HOME
がC:\Program Files\Android\Android Studio\jbr
を指していることを確認します。
旧バージョンの Unreal Engine のインストールを保持する必要がある場合は、UE で SDK パスを手動で指定する方法について、「Android SDK および NDK を設定する」を参照してください。旧バージョンの Unreal Engine を使用している場合は、そのバージョンのドキュメントを参照してください。
3. AGDE を使ってプロジェクトを起動する
AGDE では Android デバイス上で Unreal Engine アプリケーションをデバッグしたり、それにアタッチしたりすることができます。それには、Visual Studio でコンフィギュレーション オプションをいくつか設定する必要があります。また、AGDE を使用する前に、APK をパッケージ化する必要もあります。これは、AGDE では Android プロジェクトのコードはコンパイルできるものの、コンテンツはクックできないためです。次の手順に従って、お使いのデバイスでプロジェクトを起動します。
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BuildCookRun コマンドを使ってプロジェクトを Android 向けにパッケージ化します。Unreal Editor の ターンキー または [Platforms (プラットフォーム)] ドロップダウンを使用することもできます。
クック処理とパッケージ化のプロセスの詳細については、「ビルド作業」および「コンテンツのクック処理」を参照してください。
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プロジェクトの Visual Studio ソリューションを開きます。
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[Solution Configuration (ソリューション構成)] を [DebugGame] に、[Solution Platform (ソリューション プラットフォーム)] を [Android] に設定します。
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テストに使用する Android デバイスを、USB ケーブルを使ってコンピュータに差し込みます。USB デバッグを行うための権限、またはコンピュータでデバイスのデータにアクセスするための権限を許可するようデバイスで求められたら、その権限を許可します。
USB 接続を使用する場合は、ケーブルとコンピュータ上のポートの両方でデータがサポートされることを確認してください。
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プロジェクトのビルドとデバッグを行うボタンにデバイスの名前が表示されます。これをクリックするか、F5 キーを押してデバッグを開始します。デバッガが起動するまで時間がかかる場合があります。
SIGILL エラーが発生した場合は F5 キーを押してエラーをスキップし、AGDE を引き続き実行します。
デバイスでプロジェクトがビルドされて起動し、ユーザーは他の Windows アプリケーションと同様に、Visual Studio のデバッグ ツールを使用できるようになります。
4. AGDE をアプリケーションにアタッチする
次の手順に従って、Unreal Engine アプリケーションの実行中のインスタンスにアタッチします。
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ツールバーの [Debug (デバッグ)] ドロップダウンをクリックして [Attach to Process (プロセスにアタッチ)] を選択します。
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[Connection Type (接続タイプ)] を [Android Game Development Extension] に設定します。
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[Connection Target (接続ターゲット)] ドロップダウンをクリックして、使用しているデバイスのエントリを選択します。
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アプリケーションのプロセスを選択して [Attach (アタッチ)] をクリックします。
追加資料
AGDE の機能の詳細については、以下のドキュメントを参照してください。