Switchboard アプリケーションを使用すれば、複数のワークステーションのユーザーが同じシーンで同時に複数のバーチャル カメラ (VCam) の制御とレンダリングを行える、マルチユーザー VCam ワークスペースを構築できます。
このドキュメントではワークフローの例を示し、複数のユーザー が同じシーンで同時に VCam を操作するための接続された作業環境を設定できます。
前提条件
- Switchboard プラグイン が有効になっていること。メニュー バー で [Edit (編集)] > [Plugins (プラグイン)] の順に移動し、[Virtual Production (バーチャル プロダクション)] セクションで Switchboard プラグインを見つけます。また、検索バー を使用することもできます。プラグインを有効にしたら、エディタを再起動します。

プラグインが正常にインストールされたら、Unreal Engine ツールバーのアイコンを使用して Switchboard アプリケーションにアクセスできます。

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稼働中の バーチャル プロダクション プロジェクトがあること。そのようなプロジェクトがない場合は、Template プロジェクトを使用できます。
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マルチユーザー エディタ サーバー があること。詳細については、「マルチユーザー クイックスタート ガイド」を参照してください。
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プロジェクトで バーチャル カメラ (VCam) アクタ を使用していること。
バーチャル プロダクション ロールを宣言する
Switchboard アプリケーションでは、どのユーザーがどの VCam アクタ に関連付けられているのかを区別して識別するために、各ユーザーが Editor や Render などの VP ロール を持つ必要があります。
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Unreal Editor のプライマリ ワークステーションで、ツールバーの [VP Roles (VP ロール)] ボタンを選択し、ドロップダウン メニューから [+ Add Role (+ ロールを追加)] オプションを選択します。新しいロールに名前を付けます。このワークフローの例では、プライマリ ワークステーションの名前を
Editor
にします。 -
[VP Roles] ツールバー ボタンを使用して、2 台目のデバイスが持つ 2 番目の ロール を追加します。このワークフローの例では、セカンダリ ワークステーションの名前を
Render
にします。 -
メニュー バー で [Edit] > [Project Settings (プロジェクト設定)] の順に移動し、[Multi-User Editing (マルチユーザー編集)] セクションでドロップダウン メニューを使用して [Validation Mode (検証モード)] のプロパティを [Soft (ソフト)] に設定します。
プロジェクトにダーティ パッケージが含まれている場合は、マルチユーザー セッションに参加するときにエラーが表示されます。そのときに接続をキャンセルして問題を修正できます。続行することを選択した場合、ダーティ パッケージはすべて削除されます。
これで Switchboard を使用してプロジェクトで他のデバイスを接続し、複数のユーザーが同じシーンで同時に VCam を操作する準備が整いました。
Switchboard プラグインを使用して複数のユーザーを接続する方法の詳細については、「Switchboard」と「Switchboard クイックスタート ガイド」を参照してください。
デバイスを接続する
Unreal Editor で VP ロールを作成したら、Switchboard アプリケーションを使用してデバイスをマルチユーザー セッションに接続します。
- ツールバーの Switchboard ボタンの横にある オプション メニュー を使用して SwitchboardListener を起動します。

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ツールバー のボタンをクリックして Switchboard アプリケーション を起動します。
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[Add Device (デバイスを追加)] ドロップダウン メニューから [Unreal] を選択し、プライマリ ワークステーションを表す新しい Switchboard デバイスを作成します。
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表示されたフィールドで、名前 とプライマリ ワークステーションの IP アドレス を設定します。名前は、Unreal Engine で設定されているプライマリ ワークステーションのロールと同じにします。このワークフローの例では、Editor が使用されています。
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同じ方法で 2 台目のワークステーションを表す 2 台目の Switchboard デバイスを作成します。2 台目のデバイスに関しては、2 台目のワークステーションのロールと同じ名前を使用します。このワークフローの例では、Render が使用されています。これで、Switchboard アプリケーションの [Unreal Devices (Unreal デバイス)] リストに両方のデバイスが表示されます。
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ネットワーク接続を自動的に開いてデバイスをマルチユーザー エディタ セッションに接続するには、[Unreal Devices] リストの各デバイスの [Auto-Join (自動参加)] アイコンと [Network Connection (ネットワーク接続)] アイコンを選択します。デバイスがネットワークに正常に接続されると、接続インジケータ が青色になります。
[Unreal Devices] リストのヘッダにある [Auto-Join] アイコンと [Network Connection] アイコンを使用すれば、表示されているすべてのデバイスの ネットワーク接続 を開いて 自動参加 を有効にできます。
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接続されている各デバイスに VP ロール を割り当てます。Switchboard の メニューバー で [Settings (設定)] > [Settings] の順に移動し、接続されている各デバイスのセクションまで下にスクロールします。[Roles (ロール)] プロパティで、ドロップダウン メニューを使用して各デバイスの Unreal Engine の VP ロール を選択します。
ワークステーションが接続されてロールが割り当てられたら、各デバイスを起動してマルチユーザー環境で VCam の操作を開始できます。
マルチユーザー バーチャル カメラの操作
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Switchboard アプリケーションで、[Unreal Devices] リストのプライマリ Editor デバイスの横にある [Launch (起動)] アイコンを選択してプライマリ ワークステーションをマルチユーザー セッションに接続します。
プロジェクトが開始されると、[Multi-User Browser (マルチユーザー ブラウザ)] ウィンドウでエディタがマルチユーザー セッションに接続されていることを確認できます。Multi-User Browser を開くには、メニューバーで [Window (ウィンドウ)] > [Multi-User Browser] の順に移動します。
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[World Outliner (ワールド アウトライナー)] で [VCamActor] を選択します。
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VCam アクタの [Details (詳細)] パネルで [VCam] コンポーネント を選択します。
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[Virtual Camera (バーチャル カメラ)] プロパティ セクションで [Role] プロパティを [Edit] に設定し、ドロップダウン メニューから [Editor] VP ロールを選択します。
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[Enabled (有効)] プロパティを切り替えてバーチャル カメラを有効にします。
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Switchboard アプリケーションで [Launch] アイコンをクリックし、Render デバイスを起動します。上記の手順に従って、[Multi-User Browser] ウィンドウでマルチユーザー セッションにセカンダリ Render デバイスも接続されていることを確認します。
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これで両方のエディタ インタスタンスが開いたので、プライマリ Editor デバイスの バーチャル カメラ を動かして、セカンダリ Render デバイスにリアルタイムで変更がレプリケートされることを確認します。以下の例では、Editor デバイス (左) で VCam アクタ を操作しており、Render デバイス (右) がその変更を受信してシーンをレンダリングしています。