Xcode の iOS シミュレーター では、物理テスト デバイスを所有する必要がなく、iOS デバイスの Apple のバックカタログでアプリケーションをテストできます。このページでは、Unreal Engine プロジェクトで iOS シミュレーターを設定して使用する方法を説明します。
前提条件
iOS シミュレーターを使用するには、以下が必要です。
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MacOS Ventura 以降を実行する Apple シリコンの Mac (M1 Mac 以降)。
- お使いの UE のバージョンに対応した Xcode のインストール。詳細については、iOS の開発要件 を参照してください。
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初期設定のための物理 iOS テスト デバイス。
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C++ ソース コードを使用した UE プロジェクト
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iOS ターゲット プラットフォーム
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使用する iOS シミュレーターをインストールする必要もあります。iOS シミュレーターのインストールの詳細については、Apple のドキュメント を参照してください。
UE 5.3 では、tvOS シミュレーターのサポートは現在、利用できません。また、ファースト パーソンとサード パーソンのプロジェクトのみで、iOS シミュレーターでの操作がテストおよび確認されています。他のプロジェクトでは、iOS シミュレーターをサポートするようにまだ更新されていない追加のプラグイン ライブラリを使用している場合があります。
UE プロジェクトに iOS シミュレーターのサポートを有効にする
プロジェクトに iOS シミュレーターのサポートを有効にするには、以下の手順に従います。
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Unreal Editor を開いて [Project Settings (プロジェクト設定)] を開きます。
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[Project Settings (プロジェクト設定)] > [Platforms (プラットフォーム)] > iOS > [Build (ビルド)] で [Enable iOS Simulator Support (iOS シミュレーターのサポートの有効化)] を選択します。
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[iOS] > [Rendering (レンダリング)] セクションで、[Support Apple A8 (Apple A8 をサポート)] を選択します。
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GenerateProjectFiles.command
を再実行して Xcode プロジェクトを再生成します。これにより、iOS シミュレーターをサポートするように Xcode の.xconfig
ファイルが更新されます。 -
Unreal Editor を再起動します。
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[Platforms] ドロップダウンをクリックして、少なくとも 1 つの クイック起動 を iOS デバイスに対して実行します。これにより、iOS のクックされたコンテンツが含まれているビルドが作成されます。
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Xcode で iOS プロジェクトを開きます。Click [Edit Scheme (スキーム編集)] をクリックし、[Run (実行)] を選択して 診断 セクションに移動します。[Metal API Validation (Metal API 検証)] を無効にします。
Metal API 検証を無効にしていない場合、Xcode から iOS シミュレーターを起動しようとすると、プロジェクトではエラーがスローされます。
iOS の Xcode プロジェクトにはすべてが含まれており、これは iOS シミュレーターを使用するために必要です。
iOS シミュレーターを使用するように既存のプロジェクトをアップグレードする
iOS シミュレーターのサポートをコンパイルおよびクック済みのプロジェクトに追加している場合、iOS シミュレーターのサポートを有効にしてコンパイルしようとすると、シェーダー ライブラリの問題のためにエラーが発生する場合があります。これらのエラーを修正するには、[Enable iOS Simulator Support] 設定を有効にした後で、プロジェクトのクック済みコンテンツをすべて削除してから、iOS デバイスに対してプロジェクトを再度起動します。
iOS シミュレーターでは物理デバイスと異なるシェーダー ライブラリが必要であるため、UE プロジェクトでは、標準ライブラリとシミュレーター用の Metal-Sim と呼ばれるライブラリの 2 つの Metal ライブラリを作成します。
Xcode から iOS シミュレーターを起動する
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Xcode でプロジェクトの「
UE5 (IOS).xcworkspace
」ファイルを開きます。 -
[Target Device (ターゲット デバイス)] ドロップダウンをクリックして、[iOS Simulator (iOS シミュレーター)] をクリックします。シミュレートできる iOS デバイスを表示するドロップダウン メニューが開きます。
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お使いの Unreal Engine のバージョンに対応した iOS デバイスを選択します。サポートされているデバイスのリストについては、iOS 開発要件 を参照してください。
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[Play (プレイ)] ボタンを クリックして、プロジェクトをコンパイルして実行します。
プロジェクトがコンパイルを終了すると、iOS シミュレーターがターゲット デバイスを模倣するウィンドウで起動します。アプリケーションがビルドされ、コードが変更されていない場合、物理的な iPhone のインストールと比較すると非常に短時間でコンパイルされます。
複数のインスタンスを実行する
アプリケーションに対して最大 6 つの iOS シミュレーターを同時に実行できます。複数のシミュレーターを実行すると、さまざまなバージョンの iOS 間のレンダリングの問題を比較する際に役立ちます。現在使用しているシミュレーターを確認するには、ツールバーの [Window (ウィンドウ)] ボタンをクリックします。
3 つ以上のインスタンスの iOS シミュレーターを同時に実行すると、大幅に速度が低下する場合があります。