このページでは、アセットの参照を定義し、Unreal Engine でのその表示方法を説明します。また、アセットの参照を特定する Unreal Engine のツールの概要、およびその設定やその他の機能についても示しています。
アセットの参照とは
あるアセットが何らかの方法で他のアセットを使用している場合、最初のアセットが 2 番目のアセットを 参照している と表現します。
たとえば、Cube アクタ が Color マテリアル を使用している場合、このアクタはそのマテリアルを参照しています。また、アクタにはそのマテリアルに対する 依存関係がある と表現することもできます。次のように考えてみてください。アクタは、そのマテリアルを参照しなければならず、そのマテリアルが必要なのです。

上の例では、DistanceToNearest_Mat_Gradient マテリアルが OceanNoise Texture2D アセットを参照しています。
参照は、一方向にのみ行われます。参照先のアセットが参照元のアセットを参照することはありません。
Reference Viewer ツール
Reference Viewer には、1 つ以上のアセットの参照元または参照先になっているアセットのグラフが表示されます。
Reference Viewer を開く方法
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コンテンツ ブラウザ で、1 つ以上のアセットを選択します。
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選択したアセットを右クリックします。次に、コンテキスト メニュー から [Reference Viewer] を選択します。
選択内容に応じて、以下のようになります。
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1 つのアセット:Reference Viewer にアセットの参照が表示されます。
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複数のアセット:選択したアセットに共通する参照のみが表示されます。
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フォルダ:フォルダ内のすべてのアセットに対する参照のグラフが表示されます。
画像をクリックするとフルサイズで表示されます。
上のスクリーンショットでは、以下の Reference Viewer の主要要素を示しています。
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選択したアセットを参照する他のアセット。
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選択したアセット。
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選択したアセットに参照されている他のアセット。
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Reference Viewer ツールバー。
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複数のアクティブな [Asset Filters (アセット フィルタ)] を備えた検索パネル。
これらの要素の詳細については、以下で説明します。
アセットの参照
Reference Viewer ツールには、選択したアセットの参照元または参照先になっているアセットのグラフが表示されます。参照関係は、参照されているアセットの方向を指す矢印で示されます。

この例では、M_Tree_FallTreeMerged_01 マテリアルと他の 3 つのアセットとの関係が、それらを接続する 3 つの矢印によって明確に示されています。
グラフ内のいずれかのアセットを右クリックすると、以下のオプションを含むコンテキスト メニューが表示されます。
オプション | 説明 |
---|---|
Browse to Asset (アセットをブラウズ) | アセットを選択した状態で コンテンツ ブラウザ ウィンドウを開きます。 |
Edit (編集) | アセットをエディタで開きます。たとえば、World アセット は、レベルのビューポート で開きます。 |
Zoom to Fit (画面に合わせてズーム) | 参照ツリーがウィンドウ内に収まるようにサイズ変更します。 |
Re-Center Graph (グラフを再センタリング) | 選択したアセットの 新しい 参照ツリーを生成します。 |
Make Collection With (次でコレクションを作成) | 選択したアセットの参照元または依存関係によって、新しい コレクション を作成します。 |
Copy Referenced Objects List (参照されたオブジェクト リストをコピー)、Copy Referencing Objects List (参照中のオブジェクト リストをコピー) | 選択したアセットについて、参照先または参照元となっているアセットのリストをクリップボードにコピーします (テキスト形式)。リストでは、アセットの相対パスが使用されます。 例:
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Show Referenced Objects List (参照されたオブジェクト リストを表示)、Show Referencing Objects List (参照中のオブジェクト リストを表示) | 選択したアセットについて、参照先または参照元となっているアセットのリストを表示します (テキスト形式)。リストでは、アセットの相対パスが使用されます。 例:
|
Show Reference Tree (参照ツリーを表示) | Reference Tree ツールを開きます。 Reference Tree には、特定のアセットの参照チェーンがリストされます。参照チェーンは、参照のリストであり、リスト内の各オブジェクトが、リスト内でオブジェクトの下にある各オブジェクトを参照しています。 Reference Tree でいずれかのアセットを右クリックし、[Select Actor (アクタを選択)] をクリックしてレベルのビューポート (存在する場合) のアセットのアクタを選択します。 選択したアセットを参照するスクリプト オブジェクトを表示するには、[Reference Tree (参照ツリー)] メニューから、[Options (オプション)] > [Show Script Objects (スクリプト オブジェクトを表示)] オプションをオンにします。デフォルトでは、これらの参照は表示されません。 |
Size Map (サイズ マップ) | アセットおよび依存関係のサイズ (ディスク上またはメモリ内) の視覚的な内訳を表す サイズ マップ を表示します。これは、パフォーマンスのプロファイリングに役立ちます。 アセットを右クリックし、コンテンツ メニューから サイズ マップ を選択して、コンテンツ ブラウザからアセットおよびその参照に対してサイズ マップを開くこともできます。 |
Audit Assets (アセットの監査) | [Asset Audit] ツールを開き、選択したアセットに関する情報を表示します。この情報を、[Asset Audit] ウィンドウの右上の 設定 メニュー (ギアのアイコン) から .csv ファイルにエクスポートできます。 |
Reference Viewer ツールバー
[Reference Viewer] ウィンドウの上部にある Reference Viewer ツールバー は、次のオプションを提供します。

番号 | 名前 | 説明 |
---|---|---|
1 | [Refresh (リフレッシュ)]、[Back (戻る)]、および [Forward (進む)] ボタン | これらのボタンは、Web ブラウザの [リフレッシュ]/[戻る]/[進む] ボタンと同じように機能します。これらのボタンを使用し、ビューをリフレッシュしたり、前のビューに移動したりします。 |
2 | [View (表示)] メニュー | Reference Viewer グラフ内に表示する情報やその情報の表示方法について、細かな制御を行うオプションを含んでいます。 |
3 | [Toggle Duplicate References (重複する参照を切り替える)] ボタン | ビジュアル グラフ内の重複する参照の表示を切り替えます。 |
4 | [Asset Filters (アセット フィルタ)] コントロール | [Asset Type Filters (アセット タイプ フィルタ)] ボタン (左) を使用すると、検索パネル (次のセクションを参照) に設定されたアセット タイプ フィルタごとに Reference Viewer のフィルタリングが切り替わります。 [Auto-Populate Asset Type Filters (アセット タイプ フィルタを自動入力)] ボタン (右) を使用すると、参照グラフ内に表示されているすべてのアセットに対応するフィルタが自動的に選択されます。このボタンがアクティブな間は、新しいルート アセットを選択、またはグラフのパラメータを変更するごとに、グラフ内に存在するすべてのアセット タイプが検索パネルのフィルタ リストに自動的に入力されます。 フィルタされたグラフとフィルタされていないグラフを切り替えるには、キーボード ショートカットの A を使用します。 |
5 | N/A | グラフ内に依存関係が表示されたアセットの相対パス。 |
検索パネル
Reference Viewer の右上隅の 検索 パネルを使用すると、以下のことができます。
- 名前で参照または依存関係を見つける。
- アセットタイプで参照をフィルタリングする。
- Unreal Engine で参照および依存関係を検索する深さを設定する。
- 検索を特定のアセット コレクションに制限する。

上のスクリーンショットは、検索パネルの主要領域を示しています。
番号 | 名前 | 説明 |
---|---|---|
1 | 検索ボックス | アセット名で参照を検索します。 |
2 | フィルタ | アセットタイプで参照をフィルタリングします。これらのフィルタの動作方法は、コンテンツ ブラウザのフィルタ と同様です。 |
3 | 検索オプション | Reference Viewer のグラフで表示するアセットをさらに設定するには、次のオプションを使用します。 Search References Depth (参照の検索の深さ):Unreal Engine で選択したアセットを参照するアセットを検索する際の深さ。たとえば、値「2」は、選択したアセットに関連するもののみがグラフに表示されるのでなく、それらの関連するアセットにさらに関連するアセットも表示されます。 Search Dependencies Depth (依存関係の検索の深さ):Unreal Engine で依存関係 (選択したアセットが参照しているアセット) を検索する際の深さ。たとえば、値「2」は、選択したアセットに関連するもののみがグラフに表示されるのでなく、それらの関連するアセットにさらに関連するアセットも表示されます。 Search Breadth Limit (幅の検索の制限):特定の列にリストされる参照 (参照元または参照先) の数。たとえば、あるアセットが 20 個のアセットを参照しているが、[Search Breadth Limit] が 10 に設定されている場合、その列には 10 個のアセットのみが表示されます。 Collection Filter (コレクション フィルタ):検索を 1 つの コレクション に制限します。 |
Reference Viewer のアセット ノード
Reference Viewer の各アセットは、ビジュアル グラフ内の ノード によって表されます。ノードは、アセット タイプごとに色分けされ、名前、タイプ、サムネイルなど、アセットに関するより多くの情報を含んでいます。
ノードは、通常 (完全表示) とコンパクトのどちらかにすることができます。Reference Viewer ツールバーの [View] メニュー (上の Reference Viewer ツールバーのセクションを参照) から、またはキーボード ショートカットの V を使用して、これら 2 つのモードを切り替えます。
![]() |
![]() |
---|---|
通常ノード | コンパクト ノード |
非アクティブ ノード
フィルタを使用すると、非アクティブなノードがいくつか表示される場合があります (それらのノードは半透明で常にコンパクト モードです)。これらのノードは現在のフィルタでは除外されていますが、2 つのアセットのいずれかとして存在し、除外されていません。参照のチェーンが明確になるように、非アクティブなノードも表示されます。

この例では、Material アセットがフィルタで除外されています。2 つの Material ノード (M_Tree_FallBark_01 と M_Tree_FallTreeMerged_01) は、参照チェーンが元のまま維持されるように、非アクティブなノードとして表示されています。
Overflow ノード
検索パネルの [Search Breadth Limit] の値が大きい場合、Reference Viewer にすべてのアセットの参照が一度に表示されないことがあります。代わりに、Overflow ノードが表示されます。残りの参照を表示するには、このノードをダブルクリックします。

以下の GIF は、Overflow ノードが使用されている状況を示しています。

Reference Viewer のキーボード ショートカット
機能 | キーボード ショートカット |
---|---|
参照元 | |
参照元の検索の深さを大きくする | R |
参照元の検索の深さを小さくする | Shift + R |
参照元の検索の深さを設定する | CTRL + R |
依存関係 | |
依存関係の検索の深さを大きくする | D |
依存関係の検索の深さを小さくする | SHIFT + D |
依存関係の検索の深さを設定する | CTRL + D |
幅の制限 | |
幅の制限を大きくする | L |
幅の制限を小さくする | SHIFT + L |
幅の制限を設定する | CTRL + L |
参照のタイプ | |
ソフト 参照を表示/非表示 | S |
ハード 参照を表示/非表示 | H |
エディタのみの 参照を表示/非表示 | E |
管理 参照 (プライマリ アセット ID) を表示/非表示 | M |
名前 参照 (検索可能な名前) を表示/非表示 | N |
C++ パッケージ参照を表示/非表示 | C |
表示 | |
重複する 参照を表示/非表示 | U |
コンパクト 表示 を切り替える | V |
コメントとしてのアセット パス を切り替える | P |
画面に合わせて ズーム | F |
アセット フィルタのオン/オフを切り替える | A |
検索 | CTRL + F |
[REGION:asset]表示[/REGION] | |
アセットを編集 | CTRL + E |
アセットをブラウズ | CTRL + B |
選択したアセット パスをクリップボードにコピー | N |