このページでは、Unreal Engine と Unreal Editor for Fortnite (UEFN) の両方に登場する機能について説明しています。
このページは元々 Unreal Engine 用に作成されたものなので、一部の説明やスクリーンショットは UEFN で表示されるものとは異なっている場合があります。
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マテリアルが複雑になると、ノード グラフも読みづらく、使用しづらいものになりがちです。複雑で乱雑なグラフでは編集作業の効率も下がり、マテリアルを作成者からアーティストやデベロッパーに渡した際に誤解が生じる原因ともなります。
マテリアル エディタの整理ツール
Unreal Engine には、マテリアル グラフを整理するためのツールがいくつか用意されています。
コメント機能
コメント機能は、マテリアル グラフの内容をわかりやすくするうえで最も手早い方法です。次のマテリアルは決して複雑なものではありませんが、注釈がないと、次のアーティストなどに渡した際に、内容の理解に時間がかかることがあります。


コメント付きとコメントなしのマテリアル グラフ ネットワーク。
スライダーをドラッグして、コメント付きの同じマテリアルを表示してください。ラベルが付いていることで、各ノード グループの動作をすぐに把握することができます。
マテリアルにコメントを追加するには 2 つの方法があります。
ノードの説明
ノード グラフ内のあらゆるマテリアル表現式または関数に、コメントや説明を個別に追加できます。
- マテリアル グラフ内で、マウス ポインタを目的のノードの上に置きます。
-
コメント切り替えのバブル アイコンを 左クリック します。
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フィールドにコメントを入力します。
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マテリアル グラフを拡大/縮小表示する際にコメントを表示したままにする場合は、ピン アイコンをクリックします。これにより、縮小表示した際にもコメントが判読可能なサイズで表示されます。コメント切り替えのバブル アイコンを再びクリックすると、コメントを非表示にできます。
コメントのバブル ボックスに入力したテキストは、そのノードの [Details] パネルの [Desc (説明)] フィールドに表示されます。この説明は、コメントのバブルが非表示の場合でも表示されます。

コメント ボックス
コメント ボックスを使って、関連する複数のノードをグループ化できます。

- コメント ボックスに含めるすべてのノードを選択します。
- C キー を押して、選択したノードの周辺にコメント ボックスを作成します。
- ヘッダ フィールドに名前を入力します。
コメント ボックスでは、ボックス内のすべてのノードを一つのグループとして移動できます。コメント ボックスを移動するには、そのヘッダ バーを 左クリックしてドラッグ します。
- ノードをドラッグしてコメント ボックスに入れたり、コメント ボックスから取り出したりすることで、ノードを追加または削除できます。
- コメント ボックスの隅やエッジ部分をドラッグすることで、コメント ボックスのサイズを変更できます。
- コメント ボックス内に他のコメント ボックスをネストできます。
コメントの色
[Details] パネルには、コメント ボックスの色に関するプロパティがあります。
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メント ボックスの ヘッダ バー をクリックして、その [Details] パネルを表示します。
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[Comment Color (コメントの色)] の色見本をクリックして、[Color Picker (カラー ピッカー)] ダイアログで新しい色を選択します。
リルート ノード
リルート ノードは 2 つのマテリアル式ノードの間のワイヤーのパスを修正する方法を提供します。また、リルート ノードを使って、ワイヤーを分割し、複数の入力に接続することも可能です。
ワイヤーに沿った部分をダブルクリックして、リルート ノードを追加します。

ワイヤーのパスを修正するには、リルート ノード上にカーソルを乗せて、移動アイコンを表示させます。

ノードを左クリックして目的の位置にドラッグします。ワイヤーをリルートすることで、元のパス上にあったノード周辺のワイヤーがリダイレクトされます。

この動画では、リルート ノードを使用してワイヤーを分割して 3 つのダウンストリーム入力にフィードします。
Named Reroute
Named Reroutes (名前付きリルート) 機能では、ワイヤーの接続を取り除き、代わりに入力と出力のノードを介して情報をルートすることで、マテリアル グラフを簡素化します。Named Reroute は、マテリアル グラフのある領域から別の領域へのトンネル、またはポータルと捉えることができます。
たとえば、ラフネス マップに関連する次の小さなノード グループからは、マテリアル グラフの中央を横切る長いワイヤーが引かれています。Named Reroute を使うことで、情報のフローに影響を与えずにワイヤーを取り除くことができます。

Named Reroute を作成する
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ワイヤー部分をダブルクリックしてリルート ノードを追加します。
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ノードを右クリックして、コンテキスト メニューから [Convert to Named Reroute (名前付きリルートに変換)] を選択します。
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ワイヤーの接続が取り除かれて、接続の最初と最後の部分に 2 つの Named Reroute ノードが作成されます。次の図では、名前付きリルートによってトンネルが形成されていることがわかります。データが最初のノードに入力されて、2 つ目の Named Reroute Usage ノード から出力されます。
リルートの最初のノードは Named Reroute Declaration と呼ばれるものです。このノードには、[Details] パネルで一意のわかりやすい名前を付けることが非常に重要です。

Named Reroute Declaration ノードを選択して、[Name (名前)] フィールドにその説明を入力します。リルートの部分をカラーコード化する場合は、Node Color プロパティを変更します。
名前付きリルートの 出力ノード は、下流工程で複数の入力に渡したり、複製して複数回使用したりすることができます。
たとえば次のように、リルート ノードを使って Global UV Controls を下流行程にある 3 つの入力に渡します。

このピンを名前付きリルートに変換すると、1 つではなく 3 つの Usage ノードがスポーンされます。

Global UV Controls コメント ボックス内のすべてのものが、機能面でノード ネットワークの残りの部分からデタッチされました。これをグラフ内の別の場所に移動しても、データは名前付きリルートを通じて Albedo、Roughness、Base Normal UV にそれぞれ渡されます。

また、希望する場合は、単一の名前付きリルートの出力ノードを 3 つの UV 入力につなげることもできます。

Named Reroute Usage ノードを追加する
右クリック メニューまたは [Palette (パレット)] から追加の Named Reroute Usage ノードを加えることができます。
マテリアルに含まれる名前付きリルートは、メニューの最上部に表示されます。また、既存のリルート ノードを選択して Ctrl+D キーを押し、これらを複製することもできます。

通常のリルートに変換する
ケーブルの接続を表示したい場合は、名前付きリルートを名前なしのリルート ピンに変換することができます


Roughness Named Reroute が通常のリルート ピンに変換し直されています。
- Named Reroute Declaration または Usage ノード (のいずれか) を 右クリック します。
-
メニューから [Convert to Reroute (リルートに変換)] を選択します。
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ワイヤーが復元されて、名前なしのリルート ピンが残ります。このピンが不要な場合は、それを選択して Delete キーを押します。
リルートの選択オプション
Named Reroute ノードには選択オプションがあり、これを使って、対応する Reroute ノードをマテリアル グラフ内で 検索して選択する ことができます。
Named Reroute Declaration ノードを右クリックして [Select Named Reroute Usages (名前付きリルート用途を選択)] をクリックし、そのリルートの下流工程にあるすべての出力ノードを選択します。

Named Reroute Usage ノードを右クリックして [Select Named Reroute Declaration (名前付きリルート宣言を選択)] をクリックし、そのリルートの上流工程にある原点ノードを選択します。

整列と均等配置
メディア エディタの右クリック メニューには、マテリアル グラフ内のノードを整理整頓するためのオプションがいくつか用意されています。
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整列させる複数のノードを選択します。
-
選択したノードの一つを 右クリック して [Alignment (アライメント)] サブメニューを開きます。
-
選択したノードを整列または均等配置するためのオプションを一つ選びます。
この例では、[Align Left (左に揃える)] を使って、選択したノードを左に揃えて整列させました。次に [Distribute Vertically (上下に整列)] を使って、ノード間の垂直方向のスペースを均等にしました。
整列
整列のメニューに含まれるオプションでは、ノードを 6 つの軸方向に揃えることができます。また、2 つのノード間の接続ワイヤーを水平方向にまっすぐに伸ばすことも可能です。
オプション | 結果 | ショートカット |
---|---|---|
Align Top (上に揃える) | 選択したノードを上に揃えます。 | Shift+W |
Align Middle (真ん中に揃える) | 選択したノードを垂直方向の真ん中に揃えます。 | Alt+Shift+W |
Align Bottom (下に揃える) | 選択したノードを下に揃えます。 | Shift+S |
Align Left (左に揃える) | 選択したノードを左に揃えます。 | Shift+A |
Align Center (中央に揃える) | 選択したノードを水平方向の中央に揃えます。 | Alt+Shift+S |
Align Right (右に揃える) | 選択したノードを右に揃えます。 | Shift+D |
Straighten Connection (ケーブルの真直化) | 2 つのノード間のワイヤーを水平方向にまっすぐ伸ばします。 | Q キー |
配布
均等配置 のオプションでは、選択したノード間の水平方向または垂直方向のスペースを均等にします。
オプション | 結果 |
---|---|
Distribute Horizontally (左右に整列) | 選択したノード間の水平方向のスペースを均等にします。 |
Distribute Vertically (上下に整列) | 選択したノード間の垂直方向のスペースを均等にします。 |
折りたたみノード
Collapse Nodes (ノードの折りたたみ) オプションを使用すると、複数のマテリアル表現式や関数を単一のノードにまとめることができます。
これには次のような利点があります。
- 関連するノードのグループが大規模になってより複雑になった場合に、これらを折りたたむことでグラフ内のスペースを確保し、マテリアルを読みやすくできる。
- 繰り返し使用する共通のノード グループがあり、その機能や目的をすでに把握しており、完全なノード ネットワークを毎回表示する必要がない場合に、これらを折りたたむことで簡素化できる。
たとえば、次の図の Detail Normal Tiling ノードでは、テクスチャのスケールを制御する馴染み深い手法が使用されています。

Detail Normal Tiling ボックス内のすべてを折りたたみ、グラフをシンプルにすることができます。
ノードの折りたたみ方法
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折りたたむすべてのマテリアル ノードを選択しま
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.ノードの一つを 右クリック して、コンテキスト メニューから [Collapse Nodes] を選択します。
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選択した複数のマテリアル表現式が単一のノードに置き換わります。このノードのデフォルト名は「Collapsed Nodes」です。
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ノード上部にあるこの名前を 左クリック して、フィールド内にわかりやすい名前を入力します。
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グラフ内の「Detail Normals」セクションが大幅に簡素化されました。
折りたたんだノードを編集する
ノードを折りたたんでもマテリアル グラフ自体は変化しません。折りたたんだノードは、ノード ネットワークを含むコンテナとしてグラフ内で機能します。
折りたたんだノード上にマウス カーソルを合わせると、内部のマテリアル グラフをプレビューできます。

折りたたんだノードを ダブルクリック すると、同じマテリアル エディタのウィンドウ内にサブグラフが開きます。
マテリアル エディタ上部のブレッドクラム ナビゲーションにある「Material Graph」をクリックし、折りたたんだノードの表示を中止してメイン グラフに戻ります。

折りたたまれたノードを展開する
マテリアル グラフ内で折りたたまれているノードを展開して、元の表示に戻すことができます。
- 折りたたまれたノードを右クリックします。
-
コンテキスト メニューの [Expand Node (ノードを展開)] をクリックします。
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折りたたまれたノードが元の位置に復元されます。