このページでは、nDisplay を初めて起動して実行する方法について説明します。
前提条件:
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物理的機器 (スクリーン、プロジェクターなど) が正しくセットアップされ、動作していることを確認する。
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プライマリ コンピュータで使用する Windows アカウントに、nDisplay ネットワークで使用するすべてのコンピュータの管理者権限があることを確認する。
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nDisplay ネットワークで使用するすべてのコンピュータがポート 41000、41001、41002、および 41003 を介して TCP/IP 通信を受信できることを確認する。(代わりに他のポートを使用することもできます。「nDisplay 通信ポートを変更する)」を参照してください)
Step 1 - nDisplay のプロジェクトを設定する
nDisplay を使用したプロジェクトを設定する最も簡単な方法は、「nDisplay」テンプレート プロジェクト からプロジェクトを作成することです。このテンプレートは、[New project... (新規プロジェクト....)] ウィンドウの [Film, Television, And Live Events (映画、テレビ、ライブ イベント)] カテゴリにあります。
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このテンプレートは、nDisplay および Switchboard プラグインを自動的に有効にし、便利な設定を追加でいくつか構成する他、サンプルのコンフィギュレーション アセットをいくつか含んでいます。
このガイドでは、NDC_Basic コンフィグ アセットを使用して、単一のクラスタ ノードとビューポートで nDisplay を起動する方法を説明します。
nDisplay で使用したい既存のプロジェクトがある場合、同じ設定を手動で行うことができます。「nDisplay を既存のプロジェクトに追加する」を参照してください。
ステップ 2 - コンフィギュレーション ファイルを設定する
テンプレート プロジェクトは NDC_Basic コンフィギュレーションの nDisplay ルート アクタにすでに含まれています。アクタを選択してシーンの周辺で動かして nDisplay クラスタ コンフィギュレーションでプレビューします。このリアル タイム コンフィグ プレビューはレベルやプロジェクトを問わずにプレビューできる nDisplay セットアップのレプリカとなることを目的としています。

その他の nDisplay コンフィギュレーションをプレビューするには、nDisplay Config アセットを コンテンツ ブラウザ から ビューポート へドラッグします。
ステップ 3 - パッケージ化してデプロイする
nDisplay のコアコンセプトは、エディタ内で実行されないことです。その代わり、nDisplay は Switchboard と呼ばれるツールを介して起動する Unreal Engine の個別のインスタンスとして実行されます。Switchboard とそれに付随するアプリケーションである SwitchboardListener も、Unreal Engine の外部で実行されます。
これらの例ではループバック アドレス 127.0.0.1 は使用していません。理由は、同じスイッチボード コンフィギュレーションで他の非ループバックアドレス (他のマシンに属するアドレスなど) と組み合わせて使用できないからです。
次の手順に従って nDisplay クラスタを開始します。
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ツールバー で Switchboard の横にあるドロップダウン矢印をクリックし、 Launch SwitchboardListener を選択します。SwitchboardListener が起動し、すぐに自動で最小化されます。SwitchboardListener は nDisplay クラスタのある各コンピュータで起動する必要があります。
ツールバーに Switchboard オプションが見当たらない場合は、右の矢印をクリックしてその他のオプションを開きます。
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ツールバー の [Switchboard] ボタンをクリックして、コンピュータでアプリケーションを起動します。
Switchboard の初回起動時には、Switchboard ウィンドウが開く前に、必要な依存関係をインストールしているコマンド プロンプト ウィンドウが表示される場合があります。
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Switchboard が開くと、[Add New Switchboard Configuration (新規 Switchboard コンフィギュレーションを追加)] ウィンドウが表示されます。このウィンドウで、Config Path、uProject、Engine Dir のそれぞれのフィールドが正しいことを確認して [OK] をクリックしてブランクのコンフィギュレーションを開きます。
Switchboard のコンフィギュレーションは、Switchboard 用の設定のコレクションです。これは、ディスクに保存され、再ロードして切り替えることができます。そして、通常、プロジェクトごとに新しい Switchboard コンフィギュレーションが作成されます。
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Switchboard の左上の [Add Device (デバイスの追加)] をクリックして [nDisplay] を選択して [Add nDisplay Device] ウィンドウを開きます。
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プロジェクトの NDC_Basic.uasset コンフィギュレーション ファイルを参照して選択し、[OK] をクリックしてコンフィギュレーション アセットに記載されているすべての nDisplay デバイスを Switchboard に追加します。
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コンフィギュレーション アセットで指定された nDisplay クラスタ ノードはひとつだけなので、nDisplay Devices の Switchboard に nDisplay デバイスがひとつ表示されます。IP アドレスをコンピュータの外部 IP アドレスに設定します。複数のマシンをセットアップする場合は、ループバック アドレスと非ループバック アドレスの両方を使用できません。そのため、後で nDisplay クラスターにコンピュータを追加する場合は、デフォルトのローカルホスト IP アドレス 127.0.0.1 の代わりにコンピュータの外部 IP アドレスを使用する必要があります。このステップでは例として IP address 192.0.2.0 を使用します。
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[Connect to listener] ボタンをクリックして、コンピュータの SwitchboardListener に接続します。
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[Start Unreal] ボタンをクリックして、コンピュータの nDisplay レンダラで Unreal を起動します。
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nDisplay インスタンスが起動すると、コンピュータ上のすべての他のウィンドウが最小化されて nDisplay ビューポートがデスクトップに表示されます。
上記のデフォルトの Switchboard の起動メカニズムはユーザー ゲーム モードを使用します。クックビルドを使用することもできます。この場合、uproject ファイルの代わりにクックされた実行ファイルのファイル パスを指定する必要があります。
クック済みビルドを使用する場合、exe ファイルのパスと空の UProject パスをインクルードするように Switchboard 設定を更新する必要があります。Switchboard はプロジェクト位置を無視し、クック済みの .exe ファイルを使用するように指示されます。

4 - 応用編
このガイドでは、Switchboard を備えた 1 台のコンピューターで 1 つの nDisplay クラスタ ノードをセットアップして起動する方法について説明しました。
- 複数のマシンで nDisplay をセットアップする方法については、nDisplay Template で利用できる他の nDisplay コンフィギュレーションを使用してください。Switchboard からの接続ができるように、各マシン上で必ず SwitchboardListener を実行してください。
- 複数台のディスプレイでシームレスな表示を作成するためにディスプレイの同期とマシンでゲンロックを設定する方法については、「nDisplay での同期」を参照してください。
- nDisplay クラスタでトラッキング システムを使用するには、Cluster コンフィギュレーションに LiveLinkComponent を追加する必要があります。詳細については、Live Link を参照してください。