HoloLens Viewer テンプレートは Collab Viewer テンプレート を改良したもので、Microsoft HoloLens 2 で動作します。これを利用すると周囲の実際の環境に、HoloLens Viewer を通じて 3D コンテンツを重ねて表示できます。さらに、モデルの操作や移動を行ったり、現実世界の空間に注釈を付けたりもできます。
前提条件 - HoloLens Viewer テンプレートを導入する前に、次の両方の内容を詳しく理解しておくことを強くお勧めします。
- Unreal Engine から HoloLens 2 にコンテンツをストリーミングする方法。詳細は「HoloLens ストリーミングのクイック スタート」を参照してください。 このクイック スタートで解説されている構成手順をすべて完了しておく必要があります。
- Windows で Collab Viewer テンプレート の基本機能を使用する方法。
HoloLens Viewer テンプレートをサポートするハードウェアやオペレーティング システムには、HoloLens 2 で Unreal Engine を使用する場合とまったく同様の制限があります。特に Windows Update 1903 以降が必須であることにご注意ください。詳細は「HoloLens 2 前提条件」を参照してください。
入門編
HoloLens Viewer テンプレートには基本的なアセットがいくつか付属しており、これは Collab Viewer や Product Viewer のテンプレートから継承したものです。

Collab Viewer や Product Viewer のテンプレートと異なり、HoloLens Viewer テンプレートのエンジン モデルにはSkydome (天空) や建物などの周囲環境がありません。HoloLens で実際の環境の上に仮想ワールドを重ね合わせるわけですから、通常は何もない環境にモデルだけある状態で操作します。
エンジンのモデルは、まず最初に使用できる基本的な一連の 3D オブジェクトを提供しますが、これはいつでもレベルから削除して独自の 3D コンテンツに置き換えることができます。
レベルにある 3D コンテンツを自由に設定するとプロジェクトのコンテンツを HoloLens にストリーミングできるようになります。この手順は「HoloLens ストリーミングのクイック スタート」の説明の通り、Unreal Editor のツールバーから [VR Preview (VR プレビュー)] オプションを選択します。
HoloLens Viewer テンプレートは、パッケージ化した .exe からではなく、Unreal Editor から HoloLens 2 デバイスにのみストリーミングされます
インタラクション メニューの操作
Collab Viewer テンプレートと同様に、モデルを操作するさまざまなモードの選択にはメニューを使用します。
この [Interaction (インタラクション)] メニューを HoloLens テンプレートで呼び出すには「腕時計」のジェスチャーを使用します。以下に示すように、一方の手の人差し指で、もう一方の手首を指し示します。
人差し指を動かすと小さな点のカーソルが、指し示す項目を追跡します。そのまま人差し指を動かしてメニュー項目をハイライトし、サブメニューを開きます。項目を選択するには、点のカーソルで項目をハイライトした状態で人差し指で前方にタップします。
なにも操作しない場合やインタラクション モードで作業する場合、このメニューは数秒後に消えます。腕時計のジェスチャーを再度行えば、いつでもこのメニューを呼び出すことができます。
コンテンツを移動する
仮想 3D コンテンツは現実世界の空間のどこにでも配置できます。
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インタラクション メニューを開いて [Teleport] > [To Location] オプションを順に選択します。
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仮想 3D コンテンツを移動する先の、現実世界の空間の場所に視線を合わせます。するとマーカーが現在の場所を示します。
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意図する場所に視線マーカーを移動したら、指でつまむ動作をして新しい場所を確定します。
3D コンテンツを操作する
HoloLens Viewer のインタラクション メニューは、Collab Viewer で実行可能な操作のサブセットを提供します。この概要を以下の表に示します。
インタラクション モード全体に共通して、オブジェクトを選択するには点のカーソルをそのオブジェクトに合わせてから「指でつまむ」ジェスチャーを行います。
コマンド | 説明 |
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Xray | [Xray (シースルー)] サブメニューのオプションを使用すると、透明マテリアルをシーン内で選択したオブジェクトに適用して削除できます。 |
Xray > Apply | Xray Apply モードを有効化します。このモードが有効なときは、点のカーソルで選択したシーン内のオブジェクトに対して透明マテリアルを適用します。 |
Xray > Isolate | Xray Isolate モードを有効化します。このモードが有効なときに点のカーソルでシーンにあるアイテムを選択すると、選択したものと同じ階層にある 他の アクタすべてに透明マテリアルを適用します。 |
Xray > Reset All | レベル内のすべてのオブジェクトから透明マテリアルを瞬時に削除し、元のマテリアルに戻します。 |
Transform | [Transforms (トランスフォーム)] サブメニューのオプションを使用すると、選択したオブジェクトをシーン内で移動できます。 |
Transform > Move | Transform Move モードを有効化します。点のカーソルでシーンにあるオブジェクトを選択すると、その選択したオブジェクトを指でつまんだまま 3D 空間内をドラッグできます。オブジェクトの移動を止めるには、つまんだ指を開放します。 |
Transform > Reset | Transform Reset モードを有効化します。点のカーソルでシーンにあるオブジェクトを選択すると、その選択したオブジェクトを瞬時に元の位置と回転状態にリセットします。 |
Transform > Reset All | シーン内のすべてのオブジェクトを元の位置と回転状態に瞬時に戻します。 |
Annotation | [Annotation (アノテーション)] サブメニューのオプションを使って、アノテーションの追加と削除を行います。 |
Annotation > Paint | Annotation Paint モードを有効化します。このモードが有効なときにつまんだ指の状態で現実世界の空間で手を動かすと、空中に線を描くことができます。つまんだ指を解放すると線の描画が止まります。 |
Annotation > Delete Stroke | Annotation Delete Stroke モードを有効化します。このモードが有効な時は、点のカーソルで描画した線を選択することで削除できます。 |
Teleport | 仮想空間の原点を現実世界の空間の新しい位置に移動します。上記の「コンテンツを移動する」を参照してください。 |
現時点で HoloLens テンプレートは、ライブで他のビューアに接続したり、オブジェクトの位置を保存したり読み込んだり、スクリーンショットを撮ったり、距離を測定したりする機能を提供していません。