このページでは、Unreal Engine GitHub レポジトリから Unreal Engine (UE) のソースコードをダウンロードして、コードを使い始めるまでの手順を細かく説明します。
https://github.com/EpicGames/UnrealEngine へアクセスする前に、まず以下のことを行う必要があります。
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Unreal Engine への登録を完了する
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GitHub アカウントを作成する
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UE5 on GitHub の説明に従って GitHub アカウントを Unreal Engine アカウントに連携させる
ソースコードのダウンロードは Unreal Engine での作業に 必ずしも必要というわけではありません。Unreal のバイナリ バージョンのみダウンロードおよびインストールしたい場合は、「Unreal Engine をインストールする」でUnreal Engine を取得する 方法を確認してください。ただし、ソースコードのアクセスは、以下のような点から、ユーザーやプロジェクトにとって非常に価値があると感じていただけると思います。
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Epic のエンジニアが毎日 (実際には毎分) 行っている最新機能およびバグ修正にすべてアクセスすることができます。
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Epic による修正待ちのバグがプロジェクトにとって非常に重要な場合、ソースコードを自分のバージョンにして修正を行い、自分のバイナリを再ビルドすることでプロジェクトを守ることができます。
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修正や機能を Epic にサブミットすることにより、エンジンを改善し Unreal コミュニティ全体を支援することができます。
Unreal Engine ライセンシーは、公開されている GitHub レポジトリではなく Perforce サーバーからソースコードにアクセスできます。
ソースコードのブランチ
リポジトリにアクセスすると、UE のソースコードがいくつかのブランチで発行されていることが分かります。
名前に dev、staging、test が含まれているブランチは、通常、内部 Epic プロセス用であり、エンド ユーザーにはほとんど役立ちません。新しいリリースやホットフィックスが安定すると、他の短期間のブランチがポップアップすることがあります。
リリース ブランチ
リリース ブランチは、現在の公式リリースを反映します。弊社 QA チームが十分なテストを行っており、ここから Unreal Engine の学習やプロジェクト作成を開始すると良いと思います。弊社はリリースの安定性と信頼性を高めるために懸命に取り組んでおり、数か月ごとに新しいリリースの公開を目指しています。
メイン ブランチ
UE のアクティブな開発のほとんどは ue5-main ブランチで行われます。このブランチには、エンジンの最新リリースが反映されるため、バグがあったりコンパイルされていない場合があります。このブランチは、新機能のテストやロックステップ開発に積極的なデベロッパーが利用できるようにしています。
このブランチで作業する場合は、現在の公式リリースと次のリリースのブランチよりも進んでいる可能性があることに注意してください。したがって、ue5-main ブランチで動作するように作成したコンテンツとコードは、将来の公式リリース向けに ue5-main から直接新しいブランチを作成するまでの間、公式リリースとの互換性がない可能性があります。
ローカルマシンで Perforce サーバーをセットアップする
UnrealGameSync などのツールとの潜在的な統合の問題を避けるため、大文字と小文字を区別しない Perforce サーバーの使用をお勧めします。
Perforce サーバーを実行するには P4D と P4S の 2 つの方法があります。P4D はコマンドラインのインスタンスが実行中に実行します。そのため、スポットのメンテナンス タスクでのみ使用されます。 P4S は P4D とサービス ベースで同等です。バックグラウンドでサーバーを実行できるからです。このサービスは Perforce サーバー ツールのインストール時に通常インストールされ、開始します。
サービスが自動的に実行しないことがあります。Windows でサービスをオンにするには、最初に Control Panel -> Administrative Tools ->Services applet の順序で進みます。 次に、リストから Perforce サービスを見つけて開始します。
サービスが実行したら、P4Admin を使用してサーバーに接続できます。これがサーバーへの初めての接続である場合、最初の接続ダイアログでユーザーを作成することができます。

Perforce サーバーに接続情報を入力して OK を押します。P4Admin でサーバーに接続したら、新規のデポ、ユーザー、グループを非常に簡単に作成することができます。 P4V とアンリアル エディタを使用して、最初の接続ダイアログで入力した認証情報を使用してサーバーに接続します。
Perforce のチェックイン、チェックアウトに関する詳しい情報は、「P4Admin のドキュメント」をご覧ください。
P4 タイプマップ
デポにファイルを追加する前に、P4 タイプマップ をセットアップし、Perforce がアンリアルのファイル タイプをどのように扱うかを認識させます。 タイプマップを設定すると、Perforce 内でファイルが読み出しのみなのか、書き出し可能なのかの設定に影響を及ぼします。しかし、これを行うには、 新規コマンド プロンプトを開き、いくつかの p4 環境変数をセットアップする必要があります。
p4 set P4USER=your.username
p4 set P4PORT=localhost:1666
上記の値を各自のユーザー名と接続アドレスに置き換えてください。 コマンド プロンプトに以下を入力してタイプマップを開きます。
p4 -P YourPassword typemap
続いてテキスト ウィンドウが開きます。これがサーバーのタイプマップです。以下のタイプマップは過去に使用した例です。
# Perforce File Type Mapping Specifications.
#
# TypeMap: a list of filetype mappings; one per line.
# Each line has two elements:
#
# Filetype:The filetype to use on 'p4 add'.
#
# Path: File pattern which will use this filetype.
#
# See 'p4 help typemap' for more information.
TypeMap:
binary+w //depot/....exe
binary+w //depot/....dll
binary+w //depot/....lib
binary+w //depot/....app
binary+w //depot/....dylib
binary+w //depot/....stub
binary+w //depot/....ipa
binary //depot/....bmp
text //depot/....ini
text //depot/....config
text //depot/....cpp
text //depot/....h
text //depot/....c
text //depot/....cs
text //depot/....m
text //depot/....mm
text //depot/....py
binary+l //depot/....uasset
binary+l //depot/....umap
binary+l //depot/....upk
binary+l //depot/....udk
binary+l //depot/....ubulk
編集したら、キーボード上で Ctrl+S を押して保存し、終了します。コマンド プロンプトに Typemap saved と表示されます。
ローカル ネットワーク上のサーバー
共同使用するためにサーバーをローカルのネットワーク上にセットアップすることができます。 これを行うには、サーバーに関する上記の手順に従い、サーバーの名前またはクライアントからの IP を使用して接続します。
クラウド プロバイダ
Perforce サーバーをオフサイトでホストし、リモートで共同作業するための様々なクラウド プロバイダがあります。 Perforce Hosting でオンラインで簡単に検索するといくつかの結果が得られます。各ホスティング プロバイダは異なりますが、最終的には接続に使用する 認証情報一式が提供されます。Perforce クラウド プロバイダへの接続に関する注記である以下の「アンリアル エディタから接続する」のセクションもご覧ください。
ローカルのワークスペースをセットアップする
Perforce の管理下にあるファイルで作業するには、ワークスペースをセットアップし、ローカル マシンでファイルを管理できるようにします。これは、P4V 経由で [View] ドロップダウンから [Workspaces] タブを開いて行うことができます。

新規ワークスペースを作成するには、ワークスペース ウィンドウで 右クリック して、[New Workspace] オプションを選択します。ワークスペースの名前とローカルマシンでファイルを入れたい場所、 Workspace Root を入力します。

サーバーとワークスペースの用意ができたら、ファイルの追加を開始します。しばらくは、ファイルの追加は P4V を介してエディタ外で行う必要があります。他の誰かがいくつかのファイルをセットアップしたワークスペースが既にある場合、スキップして先に進むことができます。編集 新規プロジェクトを作成したら、C++ コードおよびブループリント エレメントを含むか否かを選択することができます。プロジェクトで C++ コードを使用している場合は、Source/ ディレクトリも表示されます。 最初にプロジェクトの以下のディレクトリだけを追加します。

緑 でハイライトされているフォルダやファイルはデポに追加します。黄色 のバイナリ フォルダはオプションです。チームがどのように共同作業するかに応じて変わります。これはチームの各メンバーがエディタ / ゲームを自分でコンパイルする場合は必須ではありませんが、 チームのメンバーのいずれかがデポからバージョンを取得してコンテンツを作成する場合は 最初の追加 (initial add) に含める必要があります。 上記のサーバーのタイプマップのセットアップは Perforce によって Read-Only に設定されなくともコーダーがそのバイナリをコンパイルできることを意味します。
Perforce にファイルを追加する
Perforce にファイルを追加するには以下の手順に従います。
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ファイル / フォルダを Perforce に追加するには、最初に P4V でファイル / フォルダを選択し、右クリック し、[Mark For Add] オプションを選択します。
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これでファイルがデフォルトの変更リストに追加されます。追加したすべてのファイルは Pending change lists タブで見ることができます。
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何かをサブミットするには最初に変更リスト上で 右クリック します。次に [Submit] を選択します。続いて、変更リストの簡単な説明を入力し、[Submit] ボタンをクリックします。
誰かが既に開始したプロジェクトで作業を開始する場合、 P4V を使用して Perforce から最新の変更ファイルを取得する必要があります。 これを行うには、 P4V のデポビューでプロジェクトを探し、取得したいプロジェクト上で 右クリック して [Get Latest Revision] を選択します。 これで上記の Workspace Root に対して指定した場所にすべてのファイルがダウンロードされます。
Unreal Editor から接続する
エディタから Perforce サーバーに接続することができます。これは ツールバー の [Source Control (ソース コントロール)] アイコンをクリックして行います。

開いたらソース コントロールのログイン ダイアログからプロバイダとして [Perforce] を選択し、ログインの認証情報を入力します。 ワークスペース (現在のプロジェクトが中に入っている) をセットアップ済みであったら 、ログインの認証情報は自動的に入力されます。

多くのクラウド プロバイダを含むサーバーをいくつか使用する場合、エディタからデポにアクセスするためにホストとパスワードを入力する必要があるかもしれません。これは Perforce のログイン ダイアログの下部で [advanced] 欄を開いて行うことができます。

ソース コードのダウンロード
Unreal Engine のソースコードをダウンロードするには、以下の手順に従います。
「Visual Studio を設定する」を参照して、作業を開始する前に、Visual Studio が使用する Unreal Engine のバージョンと互換性のあることを確実にしてください。
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GitHub for Windows をインストールし、レポジトリにフォークおよびクローン します。 コマンドラインで Git を使用する場合は、『Git を設定する』 と 『レポジトリをフォークする』 に関する記事を参照してください。
Git を使用しない場合は、右側の [Download ZIP] ボタンを使ってソースを取得してください。ビルトインされている Windows zip ユーティリティがインターネットからダウンロードされた zip ファイルのコンテンツの実行を安全でないとマーク付けするので、解凍前にこの zip ファイルを右クリックして [Properties...] および [Unblock] を選択します。サードパーティ zip ユーティリティではこの作業は通常行われません。
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Visual Studio 2019 をインストールします。
Visual Studio 2019 のデスクトップ エディションは、Visual Studio Community 2019 を含めて UE4 をビルドします。小規模チームおよびインディー デベロッパーは無料で利用できます。 「Visual Studio を設定する」を参照して、UE を使って作業するために必要とされるすべてを確実にダウンロードするようにしてください。
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エクスプローラでソースフォルダを開き Setup.bat を実行します。 これにより、エンジン用バイナリ コンテンツのダウンロード、前提条件のインストール、Unreal Engine ファイルの関連付けの設定が実行されます。
Windows 8 では SmartScreen からの警告が表示される場合があります。まず [More Info]、次に [Run Anyway] をクリックして続行します。
エンジン バイナリ全体のダウンロード サイズは現在 3-4 GB なので、完了までに時間を要することがあります。 その後のチェックアウトはインクリメンタル方式のダウンロードのみなので、かなり高速になります。
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GenerateProjectFiles.bat
を実行してエンジン用のプロジェクト ファイルを作成します。1 分もかからずに完成します。 -
「
UE5.sln
」ファイルをダブルクリックして、プロジェクトを Visual Studio にロードします。ソリューション コンフィギュレーションを [Development Editor]、ソリューション プラットフォームを [Win64] にそれぞれ設定し、UE5 ターゲットを右クリックして [Build] を選択します。システム仕様によっては、コンパイル完了に 10 分から 40 分程度かかることがあります。 -
コンパイルが完了したら、スタートアップ プロジェクトを [UE4] に設定し、F5 を押してデバッグし、Visual Studio からエディタをロードします。
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GitHub for Mac などの Get クライアントをインストールし、レポジトリにフォークおよびクローン します。
ターミナルで Git を使用する場合は、『Git を設定する』 と 『レポジトリをフォークする』 に関する記事を参照してください。 Git を使用しない場合は、'Download ZIP' ボタンを使ってソースを直接ダウンロードしてください。
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Xcode の最新版をインストールしてください。
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Finder でソースフォルダを 開き Setup.sh をダブルクリックしてエンジンのバイナリ コンテンツをダウンロードします。ダウンロードしたらターミナルのウィンドウを閉じます。
Zip ファイルでソースをダウンロードすると、デベロッパーとして認識できない旨の警告が表示されます (GitHub 上の Zip ファイルはデジタル署名されていないので)。 回避するには、Setup.コマンドを右くりっくして、[Open] を選択し、[Open] ボタンをクリックします。
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同じフォルダの中の GenerateProjectFiles.command をダブルクリックします。完了までに 1 分弱程度かかります。
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プロジェクトを XCode にロードするには、「UE4.xcworkspace」 ファイルをダブルクリックします。タイトルバーで My Mac ターゲット向け ShaderCompileWorker を選択し、次に [Product] > [Build] を選択します。Xcode のビルドが終了したら、My Mac ターゲット向け UE4 を選択し同じことをします。システム仕様によっては、コンパイルに 15 分から 40 分程度かかることがあります。
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コンパイルが終了したら [Product] > [Run] を選択してエディタをロードします。
Epic のデベロッパーおよびサポートチームは Ubuntu の最新版を使用しているため、他の Linux ディストリビューション (Ubuntu の他のバージョンも含めて) をサポートできない場合があります。
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visual Git client and fork our repository をインストールします。 Git を使用したくない場合は、[Download ZIP] ボタンを使ってソースを Zip ファイルでダウンロードしてください。
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ソースフォルダを 開き Setup.sh を実行して、エンジンのバイナリ コンテンツを ダウンロード します。
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クロスコンパイルとネイティブ ビルドがサポートされます。
Windows (Mac もサポート予定) デベロッパーが一番楽な方法でゲームを Linux 向けにパッケージ化する場合、クロスコンパイル が便利です。その場合、クロスコンパイラ ツールチェーン のインストールが必要です (Linux クロスコンパイルのページ を参照してください)。
ネイティブ コンパイル は 別の README で説明されています。
このページでは、ライセンシーが GitHub 上のソースコード レポジトリから Unreal Engine をダウンロードおよびビルドする方法を説明します。Unreal Engine のバイナリ バージョンをダウンロードしたい場合は、「Installing Unreal Engine」で Unreal Engine を取得する 方法を確認してください。
追加のターゲット プラットフォーム
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Android サポートは、Android NDK がインストールされている場合、セットアップ スクリプトによってダウンロードされます。詳細は「Android クイックスタート ガイド」を参照してください。
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iOS 開発には Mac が必要です。インストラクションは「iOS クイックスタート ガイド」を参照してください。
*コンソールや、Sony PlayStation、Microsoft Xbox、Nintendo Switch など、アクセス制限のあるその他のプラットフォームの開発の場合は、これらのサードパーティ ベンダーに登録済みのデベロッパー アカウントを持っている場合にのみ可能です。
プラットフォームによっては、追加のドキュメントやガイダンスが Unreal Developer Network サポートサイト サポート サイトで提供されている可能性や、そのプラットフォーム専用の Unreal Engine フォーラム セクションでダウンロード可能なアーカイブとして入手できる可能性があります。
これらのリソースにアクセスできない場合は、まず、デベロッパー アカウントをサードパーティ ベンダーに登録してください。その後、担当の Epic Games アカウント マネージャーに問い合わせます。または、担当マネージャーがいない場合は、Unreal Engine の コンソール開発リクエスト フォームに記入して提出します。Epic から正式な契約書へのデジタル署名を求める連絡があります。これが承認されると、そのプラットフォームのソース コード、バイナリ、追加指示にアクセスする方法の説明が提供されます。
ライセンス契約と貢献
GitHub 上の Unreal Engine へのアクセス、使用は、EULA (エンドユーザーライセンス契約書) によって規定されます。随時修正される、EULA の条件に従わない場合は、Unreal Engine へのアクセスや使用は許可されません。
GitHub の プル リクエスト を用いた Unreal Engine の開発に対する貢献を歓迎します。弊社の進行中の開発のほとんどは、Master ブランチにあります。そのため、そこからプル リクエストを行ってください (特に新機能の場合)。すべての新規コードは、Epic Games のコーディング規約 を順守するようにしてください。すべての貢献は、EULA (エンドユーザーライセンス契約書) の条件によって規定されます。
次のステップ
Unreal Engine のダウンロードとセットアップが終了しました。次は、ソースからエンジンをビルドする ステップに進みます。
補足説明
新しいソース ビルドから初めてエディタを起動すると、ロードに時間がかかる場合があります。 Unreal Engine は使用するプラットフォームのコンテンツを 派生データ キャッシュ に最適化します。これは 1 回だけ行われます。
Unreal Engine のコードのプライベートのフォークは、GitHub アカウントの許可に関連付いています。 サブスクライブの解除または GitHub のユーザー名を切り替える場合は、再度フォークし、ローカル コピーから変更をアップロードする必要があります。