Unreal Engine におけるアクタの トランスフォーム とは、アクタを移動、回転、またはスケーリングすること (つまり、アクタの位置、方向、サイズを調整すること) を指します。このページでは、これらの各アクションを実行する方法と、アクタを操作するときに一般的に使用されるキーボードショートカットのいくつかについて説明します。
Unreal Editor でアクタをトランスフォームする方法は 2 つあります。
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手作業によるトランスフォーム
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インタラクティブなトランスフォーム
Unreal Engine では、縦軸は Z 軸 です。
手作業によるトランスフォーム
[Details (詳細)] パネルの [Transforms (トランスフォーム)] セクションから 手作業によるトランスフォーム が可能です。[Level Viewport (レベル ビューポート)] で 1 つまたは複数のアクタを選択すると、このセクションでそれらの [Location (位置)]、[Rotation (回転)]、[Scale (スケール)] を表示および編集できます。このセクションには、アクタの [Mobility (可動性)] 設定も表示されます (該当する場合)。
各 [Transform] プロパティには、[X]、[Y] 、および [Z] 軸の数値エントリの入力フィールドがあります。特定の値を直接入力して選択したアクタを調整するか、フィールド内をクリックしてマウスを上下にドラッグすることで、これらのフィールドの値を調整できます。
複数のアクタが選択されていて、それらの [Location] または [Rotation] に複数の値が設定されている場合、該当するフィールドには [Multiple Values (複数の値)] と表示されます。この場合、数値を入力すると、選択したすべてのアクタの値が上書きされます。この際、アクタの位置が重なってしまう可能性があることに注意してください。
変更した後、アクタの [Location] 、 [Rotation] 、または [Scale] をデフォルト値にリセットするには、 [Reset to Default (デフォルトにリセット)] ボタン ( ) をクリックします。
[Lock Scale (拡大・縮小をロック)] ボタン () をクリックすると、 [Scale] フィールドをロックできます(convert:false)。ロックすると、各軸 (X、Y 、Z) の値が一斉に変わります。それにより、均一なスケーリングが可能になるため、歪みを防止できます。
[Transform] プロパティのデフォルトの座標空間は相対的です。これは、トランスフォームがアクタの親を基準にして行われることを意味します。プロパティ ラベルの横にあるドロップダウン矢印をクリックすると、トランスフォームを「Relative (相対)」と「World (ワールド)」で切り替えることができます。「World」にすると、アクタの親ではなく、ワールド座標の絶対的な位置が基準になります。詳細については、このページの「ワールドおよびローカル トランスフォーム モード」セクションを参照してください。
インタラクティブなトランスフォーム
ギズモと呼ばれるビジュアルツールを使用して、 レベルビューポート 内で直接 インタラクティブなトランスフォーム を行うことができます。時に、ギズモは Unreal Engine において「ウィジェット」と呼ばれることがありますが、両方とも同じ意味を表します。
ギズモは、影響を受ける軸に応じて色分けされた次のパーツで構成されています。
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赤は X 軸を表します。
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緑は Y 軸を表します。
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青は Z 軸を表します。
トランスフォーム ギズモを使用して、アクタを移動、回転、またはスケールできます。
ギズモはより直感的な入力も可能です。しかしその場合、手動で座標を入力するよりも精度が低くなる可能性があります。ギズモを使用する際は、 グリッドスナップ で正確な配置ができます。 詳細については、「アクタのスナップ」を参照してください。
ギズモは、平行移動、回転、またはスケールなど、実行するトランスフォームのタイプに応じて、形状が変わります。ビューポートの右上のセクションにある [Level Viewport (レベルビューポート)] ツールバーのアイコンをクリックするか、キーボードショートカットを使用すると、使用するギズモのタイプを選択できます。
1 つまたは複数のアクタを選択した状態で、キーボードの スペース バー を押すことにより、ギズモのタイプを切り替えることができます。
平行移動ギズモの表示を切り替えるには、メイン ツールバーの [Settings (設定)] メニューの [Show Transform Widget (平行移動ウィジェットの表示)] オプションを有効または無効にします。
平行移動ギズモ
Translation (平行移動) ギズモは、ワールドの各軸の正の方向を指す色分けされた矢印のセットです。これを使用すると、アクタを軸や平面に沿って移動させたり、自由に移動させたりできます。
選択したアクタをその軸に沿って移動するには、矢印をクリックしてドラッグします。
アクタを 2 つの軸に沿って同時に移動するには、2 つの軸が交わったところにある四角をクリックしてドラッグします。それにより、2 つの軸 (XY、XZ、または YZ) で定義された平面に沿ってアクタを移動できます。
アクタを 3 つの軸すべてに沿って自由に移動するには、3 つの軸すべてが交差するところにある白い球をクリックしてドラッグします。マウスホイールでも、アクタを近づけたり遠ざけたりすることができます。
平行移動ギズモを使用してアクタを複製する
アクタを複製するには、 Alt キーを押しながら、平行移動ギズモの矢印をクリックしてドラッグします。これにより、選択したアクタの複製と移動を行うことができます。この際、元のアクタに影響はありません。
回転ギズモ
Rotation (回転) ギズモは、3 つの色分けされた円弧のセットであり、それぞれが 1 つの軸に関連付けられています。円弧の 1 つをドラッグすると、選択したアクタがその軸を中心に回転します。このギズモの場合、関係する円弧のいずれかによって影響を受けるのは、円弧に垂直な軸です。たとえば、XY 平面に位置合わせされた円弧は、アクタを Z 軸を中心に回転します。
特定の円弧にカーソルを合わせると、その円弧が黄色に変わります。これは、ドラッグしてアクタを回転できることを示しています。アクタの回転を開始すると、ギズモの形状が変化し、アクタが回転している軸のみが表示されます。どれだけ回転したのかはリアルタイムで表示されるため、進行状況がわかりやすくなっています。
スケール ギズモ
Scale (スケール) ギズモには、端にキューブの付いたハンドルがあります。ギズモに付いたこれらのハンドルのいずれかをドラッグすると、選択したアクタが関連付けられた軸方向に沿ってスケーリングされます。ハンドルは、 平行移動 ギズモと 回転 ギズモと同様に、軸ごとに色分けされています。
平行移動 ギズモでの 2 つの軸で定義された平面に沿ってアクタを移動するのと同じ方法で、2 つの軸に沿ってアクタを同時にスケーリングすることもできます。各軸は、補助的な線で三角形となるように互いに接続されています。これらの三角形は、3 つの平面 (XY、XZ、YZ) のいずれかと対応します。これらの三角形の 1 つをドラッグすると、その平面を定義する両方の軸に沿ってアクタがスケーリングされます。マウスをこれらの三角形の 1 つに合わせると、関連するハンドルが黄色に変わります。
3 つの軸すべてに沿ってアクタをスケーリングすることもできます。それにより、元の比率を維持できます。3 つの軸すべてが交わるところにあるキューブにカーソルを合わせると、3 つのハンドルすべてが黄色に変わります。その中央の立方体をドラッグすると、アクタが比率を維持したままスケーリングされます。
ワールドおよびローカル トランスフォーム モード
インタラクティブなトランスフォーム メソッドを使用する場合、トランスフォームを実行するときに使用する参照座標系を選択できます。これは、次のいずれかに従ってアクタをトランスフォームできるということです。
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ワールド空間 - ワールド上の軸に沿ってトランスフォームする
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アクタのローカル空間 - そのローカル軸に沿ってトランスフォームする
以下の例は、スタティック メッシュ アクタを使用したワールド空間とローカル空間の違いを示しています。
ワールド空間:平行移動ギズモの XYZ 軸は、ワールドの XYZ 軸と同じです。Z 軸に沿ってドラッグすると、キューブが床に対して上下に移動します。 | ローカル空間:平行移動ギズモの XYZ 軸は、キューブのローカル座標を使用します。Z 軸に沿ってドラッグすると、キューブも上下に移動しますが、角度が付きます。 |
デフォルトでは、Unreal Editor はワールド トランスフォーム モードで起動します。ローカル トランスフォーム モードに切り替えるには、 [レベル ビューポート] ツールバーの [地球] アイコンをクリックします。[地球] アイコンが [キューブ] アイコンに変わると、ローカル トランスフォーム モードになったことを示します。キューブをクリックして、ワールド座標に切り替えます。
アクタのピボット ポイントを調整する
アクタをトランスフォームするときは、通常、アクタのベース ピボットから実行します。トランスフォーム ギズモを有効にしている場合は、そのギズモの 3 つの軸が交差する ピボット ポイント を確認できます。
平行移動 ギズモの中心点にある球体を中クリックし、ドラッグしてピボットを移動することにより、アクタのピボットの位置を一時的に調整できます。すると、新しいピボット ポイントを中心にオブジェクトをトランスフォームできるようになります。
ピボット ポイントは、アクタの内側または外側にあります。
アクタの選択を解除するとすぐに、ピボットは元の場所にジャンプして戻ります。ピボットがジャンプして元の場所に戻らないようにするには、ピボットを調整した後、スタティック メッシュを右クリックし、 [Pivot (ピボット)] > [Set as Pivot Offset(ピボットのオフセットとして設定)] を選択します。
ピボットをデフォルトの位置にリセットするには、スタティック メッシュを右クリックし、 [Pivot (ピボット)] > [Reset Pivot Offset (ピボットのオフセットをリセット)] を選択します。
キーボード ショートカット
以下では、アクタを操作する際の一般的なキーボードショートカットの一部をご紹介します。
コントロール | ツールまたはアクション |
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W | 移動ツールを選択します。 |
E | 回転ツールを選択します。 |
R | スケーリング ツールを選択します。 |
V (平行移動ギズモを使用している間、押し続ける) | 頂点スナップを切り替えます。 |
クリックしてドラッグ (平行移動ギズモ上) | 現在アクティブなトランスフォーム ギズモに応じて、選択したアクタを移動、回転、またはスケーリングします。 |
中央クリックしてドラッグ (ピボット ポイント上) | 選択したアクタのピボットを移動します。 |
Ctrl + W (アクタ上) | 選択したアクタを元のアクタと同じ座標で複製します。 |
Alt + クリックしてドラッグ (平行移動ギズモ上) | 選択したアクタを複製します。 |
H (アクタ上) | 選択したアクタを非表示にします。 |
Ctrl + H | 非表示となっているすべてのアクタを表示します。 |
Shift + E (アクタ上) | 選択したアクタと同じタイプのレベルで一致するすべてのアクタを選択します。 |
Ctrl + クリック (アクタ上) | 現在選択している一連のアクタにクリックしたアクタを追加します。 |