Physics Field System (物理フィールド システム) を使用すると、ユーザーが指定された空間の領域上の Chaos Physics (ケイオス物理) シミュレーションにランタイム時に直接作用することができます。これらのフィールドは、剛体に力を加えたり、ジオメトリ コレクション クラスタを破壊したり、破砕された剛体を固定したり無効にしたり、剛体アイメーション ノードとインタラクトするなど、さまざまな方法で物理シミュレーションに作用するように設定することができます。
さらに Physics Field システムは Niagara や Material などの他のエンジン システムとの通信が可能です。これらのシステムは、特定の場所でフィールドの評価を可能にするビルトイン関数を使用することで、物理フィールドをサンプリングすることができます。
フィールドは、 Field System (フィールド システム) コンポーネント ブループリントを作成し、フィールドへのクエリを許可するシステムを指定して設定します。フィールドを World Field (ワールド フィールド) として設定し、 マテリアル システム と Niagara システム でフィールドをサンプリングするようにできます。
内部では Physics Field は Chaos パーティクル に直接影響を与えます。Chaos Particle は、position、velocity、mass など、さまざまなプロパティを使用して空間の点として定義されます。これは Chaos Physics ソルバの影響を受ける可能性があります。Chaos Particle の一般的な例には、ジオメトリ コレクションの破砕された剛体、キャラクターに取り付けられた剛体、クロス シミュレーションの個別の頂点などがあります。
物理フィールドを追加する
ブループリントが作成されると、Transient、Construction、Persistent の 3 つのタイプの物理フィールドから 1 つを追加することができます。
Transient Field はランタイム時に作成、実行、破壊され、物理シミュレーションに一時的な影響を与えるために使用されます。一般的な例として、フィールド ボリュームがオーバーラップする剛体への外部ひずみや線速度の適用などがあります。
Construction Field はブループリントのコンストラクション スクリプトで作成され、それぞれのコンパイル後にフィールドをストアします。このタイプのフィールドで最も一般的な例は、ジオメトリ コレクションの破砕されたピースを所定の場所に保持するために使用される Anchor フィールドです。
Persistent Field は作成されると、明示的に削除されるまで有効になります。Persistent フィールドは物理シミュレーションのティックごとに評価されます。一般的な例は Disable フィールドです。これは、ボリュームがオーバーラップするジオメトリ コレクションの破砕されたピースを無効にするために使用できます。
物理タイプを適用する
各フィールド タイプは、Linear Force (直線力)、External Strain (外部ひずみ) や Disabled Threshold (無効なしきい値) など、オーバーラップしている Chaos パーティクルの特定の 物理タイプ に適用されます。各物理タイプはさらに Integer (整数)、Scalar (スカラー)、Vector (ベクター) のタイプに分類されます。これらの分類は、マテリアル エディタや Niagara システムでビルトイン関数を使用する際に参照されます。
メタデータを追加する
フィールドは、さまざまなタイプの メタデータ を使用して、評価方法についての追加情報を追加することができます。このメタデータは Chaos パーティクルの状態 (Dynamic、Static、Kinematic、Sleeping、Disabled) およびオブジェクト タイプ (クロス、剛体、破壊、キャラクター) に応じてフィルタを提供することができます。また、重心やピボットポイントなど、剛体内の物理フィールドを評価する位置の設定にも使用できます。
フィールドを定義する
各フィールドは、 Add Transient Field 、 Add Construction Field や Add Persistent Field ノードの Field Node ピンに接続するブループリント グラフによって定義されます。グラフは、フィールドのスコープおよびプロパティを定義します。グラフは、フィールドのスコープとプロパティを定義します。
ブループリント グラフは、Field System コンポーネントの子コンポーネントとして追加される Field Nodes で構成されます。これらのオブジェクトの一般的な例には、オーバーラップしているフィールドを組み合わせるボックスおよびラジアル フォールオフ、一様およびラジアル ベクター、フィールド演算子があります。
フィールドを視覚化する
適切なコンソールコマンドを実行することで、永続的な物理フィールドをレベルで視覚化することができます。ビューポート内の [Show] > [Visualize] > [Physics Field] をクリックして視覚化を有効にします。

シミュレーション中にコンソールに次のコマンドを入力します。
コンソール コマンド | 使用可能な CVARS | 説明 |
---|---|---|
r.PhysicsField.Rendering.TargetType | 1:Dynamic State 2:Linear Force 3:External Strain 4:Kill Particles 5:Linear Velocity 6:Angular Velocity 7:Angular Torque 8:Internal Strain 9:Disabled Threshold 10:Sleeping Threshold 15:Collision Group 16:Activate Disabled |
物理フィールド ターゲット タイプを表示する必要があるのか設定します。 |
r.PhysicsField.Rendering.SystemType | 0:Chaos Field 1:World Field |
物理フィールド ターゲット タイプを表示する必要があるのか設定します。 |
r.PhysicsField.Rendering.EvalType | 0:Analytical Evaluation (precise, slower) 1:Sample the Clipmap (approximate, faster) |
使用するフィールド評価を設定します。 |