このページでは、Unreal Engine (UE) で OpenColorIO (OCIO) の利用を開始する方法について説明します。OCIO コンフィグから **OpenColor コンフィギュレーション アセット** を作成する方法を示します。
このファイルを作成後は、OCIO を使用して、「ブループリント」および「UE のビューポートおよび Play in Editor モード」でカラー変換を適用できます。
前提条件
新しいプロジェクトを作成すると、OpenColorIO プラグインが UE によって自動的に有効になります。 OpenColorIO プラグインが無効になっている場合は、UE で OCIO を使用できるようにする必要があります。UE でプラグインを有効にする方法については、「プラグインを操作する」を参照してください。
OCIO コンフィグ
OCIO コンフィグには、OCIO で使用できる色空間、表示、ビューのセットがあります。独自の OCIO コンフィグ ファイル、OCIO プラグインで提供されるデフォルトの ACES コンフィグ ファイルの 1 つ、または Academy Software Foundation GitHub リポジトリの ACES コンフィグ ファイルの 1 つを使用できます。
ビルトインの OCIO コンフィグを使用する
OpenColorIO コンフィギュレーション アセットの コンフィギュレーション ファイル ファイル パスに次の文字列のいずれかを入力することで、ビルトインの OCIO コンフィグの 1 つを使用できます (「OpenColorIO コンフィギュレーション アセットを作成する」を参照)。これらのコンフィグ ファイルは OCIO ライブラリに組み込まれているため、外部ファイルは必要ありません。
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「デフォルトの ACES CG コンフィグ」を使用するには、コンフィギュレーション ファイル のパスに次の文字列を入力します:
ocio://default
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ACES CG コンフィグを使用するには、コンフィギュレーション ファイル のパスに次の文字列を入力します:
ocio://cg-config-v1.0.0_aces-v1.3_ocio-v2.1
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ACES Studio コンフィグを使用するには、コンフィギュレーション ファイル のパスに次の文字列を入力します:
ocio://studio-config-v1.0.0_aces-v1.3_ocio-v2.1
OCIO コンフィグ ファイルをインポートする
OCIO コンフィグ (ocio
または.ocioz
) ファイルをプロジェクトに追加するには、コンピュータのファイル エクスプローラーを使用して、ファイルをプロジェクトの「Content」フォルダに追加する必要があります。UE は .ocio
または .ocioz
ファイルを自動的に認識しないことから、UE 内のコンテンツ ドロワーを使用してそれらのファイルをプロジェクトに追加することはできません。
OCIO プラグインは .ocioz
アーカイブ ファイルもサポートしています。これらは、コンフィグ ファイルとその LUT テクスチャ フォルダを 1 つのアーカイブに圧縮する場合に便利です。
OCIO コンフィグ ファイルの例
Epic では、OCIO プラグインの一部としてサンプルの .ocio
コンフィグ ファイルを作成しました。このサンプルのコンフィグ ファイルは、エンジンのインストール フォルダの下、「Engine\Plugins\Compositing\OpenColorIO\Content\OCIO
」にあります。
コンテンツ ブラウザには .uasset ファイルのみが表示されることから、コンテンツ ブラウザで OpenColorIO プラグインのコンテンツを参照してもこれらのファイルは表示されません。代わりに、コンピュータのファイル エクスプローラーからファイルを参照してください。
OpenColorIO コンフィギュレーション アセットを作成する
OCIO プラグインは、OpenColorIO コンフィギュレーション アセットを用いてプロジェクトで使用するカラー プロファイルを管理します。このアセットは、複数のカラー プロファイルとそれらの間で変換する方法に関する詳細な仕様を含む OCIO コンフィグを参照します。
UE は現在、OCIO v2.2 をサポートしています。OCIO コンフィグ ファイルの詳細については、「OpenColorIO v2 ドキュメント」および「OCIO v2.2 リリース情報」を参照してください。
OCIO を使用する前に、OpenColorIO コンフィギュレーション アセットを作成する必要があります。
OpenColorIO コンフィギュレーション アセットを作成するには、以下の手順を実行します。
- 「コンテンツ ブラウザ」でコンテキスト メニューを右クリックし、[Miscellaneous (その他)] > [OpenColorIO Configuration (OpenColorIO コンフィギュレーション)] の順に選択して OpenColorIO コンフィギュレーション アセット を作成します。

- OpenColorIO コンフィギュレーション アセット をダブルクリックして、設定を編集します。この例では、アセットの名前を「OCIO_Example」としています。

- [Configuration File (コンフィギュレーション ファイル)] パラメータで、[Browse (ブラウズ)] をクリックし、コンピュータにある OCIO コンフィグ (
.ocio
) ファイルを見つけて選択するか、URL を入力してビルトインのコンフィグの 1 つを使用します。デフォルトでは、新しい OpenColor コンフィギュレーション アセットはocio://default
OCIO コンフィグを使用します。

- [Desired Color Spaces (希望する色空間)] パラメータで、[+ Add (追加)] をクリックし、新しい色空間エントリを追加します。

- 新しいエントリで、ドロップダウン リストを開き、UE で使用するコンフィグ ファイルに定義されている色空間の 1 つを選択します。

- 使用する色空間または表示ビューごとに最後の 2 つの手順を繰り返し、アセットを 保存 します。

UE で実際に使用する必要があるカラー プロファイルだけをセットアップします。これにより、コンフィギュレーション アセットをできるだけ軽量に維持できます。
これで OpenColorIO コンフィギュレーション アセットのセットアップが完了したため、これを使用してエンジン内で異なるシステムに色変換を適用できます。
OpenColorIO コンフィギュレーション アセットを構成する

UE 内のシステムに対する色変換のセットアップ手法は異なっていても、OpenColorIO を使用した色変換の設定は同じです。使用する OpenColorIO コンフィギュレーション アセット、変換元色空間、および変換先色空間を指定する必要があります。
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Configuration Source (コンフィギュレーション ソース):使用している OpenColorIO コンフィギュレーション アセット。
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Source Color Space (ソースの色空間):変換元となる入力色空間。
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Destination Color Space (変換先色空間):変換先となる出力色空間。
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Destination Display View (ターゲット表示ビュー):色を変換する表示ビュー。