Unreal Engine でバーチャル プロダクション プロジェクトを作成するときには、バーチャル プロダクション ステージで起動する前にローカル ハードウェアでプロジェクトのアピアランスと機能をテストするのが有用です。nDisplay Quick Launch ローカル ツール は、完全なバーチャル プロダクション ステージ環境を必要とすることなく、すばやく効率的にバーチャル プロダクション プロジェクトを起動できる設計となっています。これにより、テストとデバッグのための安全で管理しやすい環境が構築されます。
このドキュメントでは、Unreal Engine で Quick Start ローカル ツールを使用してバーチャル プロダクション プロジェクトを開始する方法がわかるワークフローの例を示します。
前提条件
- nDisplay と nDisplay Launch 両方の プラグイン を有効にします。メニュー バー で [Edit (編集)] > [Plugins (プラグイン)] > [Virtual Production (バーチャル プロダクション)] の順に移動し、nDisplay プラグインと nDisplay Launch プラグインを見つけます。また、検索バー を使用することもできます。


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両方のプラグインを有効にしてエディタを再起動します。
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Cluster Display ノードが動作する、少なくとも 1 つのコンフィグ ファイルを含む稼働中のバーチャル プロダクション プロジェクトが必要です。そのようなプロジェクトがない場合は、nDisplay Template プロジェクトを使用できます。
nDisplay Launch アセットを設定する
nDisplay プラグインと nDisplay Quick Launch プラグインをインストールしたら、nDisplay Config アセット、およびバーチャル プロダクション プロジェクトの開始とレンダリングに使用するクラスタ ノードを選択できます。
nDisplay Launch アセットを設定するには、次の手順に従います。
- Quick Launch のオプション メニュー で、[CONFIGURATION (コンフィギュレーション)] の コンフィグ ファイル がオンになっていることと、[NODES (ノード)] > [Select nDisplay Nodes (nDisplay ノードを選択)] で正しい クラスタ ノード が選択されていることを確認します。このワークフローの例のコンフィグ ファイルとクラスタ ノードでは、それぞれデフォルトのアセット名である
nDisplayConfig
とNode_0
が使用されています。

複数のクラスタ ノードを使用するマルチディスプレイ インスタンスでは、[Select nDisplay Nodes] メニューで各ノードを個別に切り替えることができます。

選択したディスプレイ ノードは、デスクトップのディスプレイのネイティブ解像度でレンダリングされます。ノードの解像度の組み合わせがモニターの解像度の範囲を超えている場合、一部のノードがモニターの視野角を超えてレンダリングされることがあります。
- 正しいコンフィグ ファイルとノードが選択されていることを確認したら、プロジェクトを [Save (保存)] します。そうすると、ツールバーの [nDisplay Launch (nDisplay の起動)] ボタンを使用して nDisplay を起動できるようになります。

プロジェクトのレンダリングのパフォーマンスを向上させるには、Quick Launch オプション メニュー の [Close Editor on Launch (起動時にエディタを閉じる)] オプションを有効にします。

1 つの nDisplay ノードを実行した場合、プロジェクトをテストするときに使用される計算リソースが少なくなります。
マルチユーザー プロジェクトでは、nDisplay Launch ツールでプロジェクトを開始したときにマルチユーザー サーバーが自動的に起動します。また、nDisplay Quick Launch オプションで [Enable Unreal Insights (Unreal Insights を有効化)] をオンにすることにより、デバッグ目的でプロジェクトのデータとパフォーマンスをトラックできます。マルチユーザー プロジェクトの設定の詳細については、「マルチユーザー バーチャル カメラ クイックスタート ガイド」のドキュメントを参照してください。マルチサーバー セッションの作成方法について説明するテクニカル リファレンス ガイドについては、「マルチユーザー nDisplay のテクニカル リファレンス」を参照してください。
設定とオプション
nDisplay Launch プラグインには、次のような設定があります。
Quick Launch オプション メニュー
[nDisplay Launch] ボタンのドロップダウン メニューを使用して、コンフィグ ファイル、クラスタ ノード、および nDisplay Quick Launch の動作の管理と設定を行うことができます。

設定 | 説明 |
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CONFIGURATION | nDisplay のレンダリングを開始するときに使用する コンフィグ ファイル を選択します。 |
Connect to Multi-User (マルチユーザーに接続) | 有効にすると、nDisplay Quick Launch ツールは マルチユーザー編集環境 に接続しようとします。nDisplay Launch の [Project Settings] でマルチユーザー セッションが設定されていない場合、または Unreal Engine がサーバーに接続できない場合は、nDisplay Quick Launch ツールがマルチユーザー サーバーを起動します。 セッション名を手動で設定するには、[Advanced Settings] の [Multi-User (マルチユーザー)] プロパティ セクションを参照します。 |
Enable Unreal Insights | 有効にすると、Unreal Insights のデバッグ ツールが nDisplay のレンダリングの読み込みと報告を行います。 この機能を使用するには、Unreal Insight プラグイン をインストールする必要があります。 Unreal Insights レポートのファイル ディレクトリと動作を設定するには、[Advanced Settings] の [Unreal Insights] プロパティ セクションを使用します。 |
Close Editor on Launch | 有効にすると、nDisplay のレンダリングを開始したタイミングで Unreal Editor が閉じます。エディタを閉じると、コンピュータの計算ワークロードを減らしてレンダリングのパフォーマンスを向上させることができます。 1 台のマシンの計算負荷を減らすために、可能な限り少ないレンダリング ノードで nDisplay を起動することをお勧めします。 |
Advanced Settings (詳細設定) | nDisplay Launch ツールの [Advanced Settings] にアクセスできます。これらの設定には、メニュー バー で [Edit] > [Project Settings (プロジェクト設定)] の順に移動し、[Plugins] セクションで [nDisplay] の設定を選択してアクセスすることも可能です。 |
プロジェクトの設定
nDisplay Launch プラグインには、以下のような設定があります。これらの設定には、Quick Launch オプション メニュー の [Advanced Settings] オプション メニューを使用してアクセスできます。また、メニュー バー で [Edit] > [Project Settings] の順に移動し、[Plugins] セクションで [nDisplay Launch] の設定を選択して nDisplay Launch の設定にアクセスすることも可能です。

設定 | 説明 |
---|---|
Close Editor on Launch | 有効にすると、nDisplay のレンダリングを開始したタイミングで Unreal Engine Editor が閉じます。エディタを閉じると、コンピュータの計算ワークロードを減らしてレンダリングのパフォーマンスを向上させることができます。 |
Connect to Multi-User | 有効にすると、nDisplay Quick Launch ツールは マルチユーザー編集環境 に接続しようとします。 接続する特定のマルチユーザー セッションの名前を設定するには、[Explicit Session Name] プロパティを参照します。 |
Explicit Session Name (明示的なセッション名) | マルチユーザー編集環境 に接続するときに使用するセッションの名前を指定します。 このフィールドが空のままの場合は、エディタが自動的に名前を生成します。 |
Enable Unreal Insights | 有効にすると、Unreal Insights のデバッグ ツールが nDisplay のレンダリングの読み込みと報告を行います。 この機能を使用するには、Unreal Insight プラグイン をインストールする必要があります。 Unreal Insights レポートのファイル ディレクトリと動作を設定するには、[Advanced Settings] の [Unreal Insights] プロパティ セクションを使用します。 |
Enable Stat Named Events (Stat の名前付きイベントを有効化) | Unreal Insight の Stat の名前付きイベント の機能を有効にします。 |
Explicit Trace File Save Directory (明示的なトレース ファイルの保存ディレクトリ) | Unreal Insights のトレース ファイル を格納するディレクトリのパスを設定します。空の場合、Unreal Insights が自動的にファイルをローカルに格納します。 トレース ファイルをローカルに格納したい場合は、Unreal Insights プラグインをインストールして起動する必要があります。 接続するソケットを指定するには、コマンドライン引数を使用します。 |
Console Variables Preset (プリセットのコンソール変数) | nDisplay の起動時にデフォルトで適用する コンソール変数アセット を設定します。 設定したコンソール変数アセットに含まれる使用可能なコマンドと変数はすべて、[Additional Console Variables] および [Additional Console Commands] プロパティの変数とコマンドの前に実行されます。 コンソール変数の管理と編集の詳細については、「Console Variable Editor」のドキュメントを参照してください。 |
Additional Console Variables (追加のコンソール変数) | 追加のコンソール変数を指定して設定します。これらの変数は、[Console Variable Asset (コンソール変数アセット)] プロパティの変数の後に定義と設定が行われます。 追加のコンソール変数を設定しておくと、定義したコンソール変数アセットの変数をオーバーライドするときに便利です。 |
Additional Console Commands (追加のコンソール コマンド) | 追加のコンソール コマンドを指定して設定します。これらのコマンドは、[Console Variable Asset] プロパティのコマンドの後に実行されます。 追加のコンソール コマンドを設定しておくと、定義したコンソール変数アセットの変数をオーバーライドするときに便利です。 |
Command Line Arguments (コマンドライン引数) | 単一のワークステーションで Switchboard アプリケーションの機能を模倣する、nDisplay Launch ツールで実行される一連の Switchboard のコマンドライン引数を設定します。 コマンドに半角ダッシュ (「-」) を含めないでください。ダッシュは、コマンドを呼び出すときにエディタによって自動的に追加されます。 ワークステーションで GPU を 1 つ以上処理する場合は、次のコマンドで nDisplay Launch ツールを実行して複数の GPU でプロジェクトをレンダリングできます。
これを手動で指定しない場合、nDisplay は 2 つ目の GPU を認識せず、GPU が 1 つのワークステーションと同じように動作します。 |
Log File Name (ログ ファイル名) | Unreal Insights が起動されたノードのログを書き込むログ ファイルの名前を設定します。 名前を指定しない場合、生成されるログ ファイルの名前はノードと同じになります。 |
Logging (ロギング) | 生成されたログ ファイルに記録されるログとログを記録するときの詳細度を設定します。 (+) 追加 を使用して新しいログを追加できます。 指定されたフィールドにログの種類を入力してログの カテゴリ を選択します。 関連する [Verbosity Level (詳細レベル)] ドロップダウン メニューから詳細度を選択します。 |