Exponential Height Fog (指数関数的高さフォグ) を使用すると、マップ内の低い場所では濃度が濃くなり、高い場所では薄くなります。遷移がスムーズなため、標高が高くなるにつれてはっきりと分断されるような箇所は現れません。指数関数的ハイト フォグには 2 つのフォグ カラーがあります。1 つは、メインのディレクショナル ライトに面した半球のためのものです (何も存在しない場合は上向きに対する)。もう 1 つのカラーはそれとは逆の半球のためのものです。
指数関数的高さフォグを使用する
[Place Actors (アクタを配置)] パネルで、[Visual Effects (視覚効果)] の下にある 指数関数的高さフォグ アクタを選択します。このアクタを左クリックしてドラッグし、ワールドに配置します。

Exponential Height Fog アクタを配置することでフォグの高さが決まります。さらに高さを調整するには、[Fog Height Falloff (フォグの高さのフォールオフ)] を使用します。


Exponential Height Fog (指数関数的高さフォグ) のプロパティ
[Exponential Height Fog Component (指数関数的高さフォグ コンポーネント)] セクションで、このコンポーネントに関連する次のプロパティを編集できます。
プロパティ | ディスクリプション |
---|---|
指数関数的高さフォグコンポーネント | |
霧の密度 | グローバル密度係数であり、フォグ レイヤーの濃さと考えることができます。 |
霧の高度による減少 | 高さ密度係数で、高さが低くなるのに従って密度をどのように増やすかを制御する。値が小さいほど、遷移は大きくなります。 |
2番目のフォグデータ | この設定では、2 番目のフォグ レベルを制御します。この 2 番目のフォグ レイヤーの [Fog Density (フォグ濃度)] を「0」に設定しても影響はありません。
|
フォグのインスキャッタリング カラー | フォグのインスキャッタリング カラーを設定する。基本的に、これはフォグの主要なカラーです。 |
スカイ環境アンビエント寄与カラースケール | フォグの無指向性コンポーネントに対する Sky Atmosphere (スカイ環境) コンポーネントの寄与を調節するために使用される色です。 |
霧の最大透明度 | フォグの最大オパシティを制御する。値「1」ではフォグは完全に不透明になり、「0」ではフォグは事実上見えません。 |
Start Distance (開始距離) | フォグが開始するカメラからの距離です。 |
Fog Cutoff Distance (フォグのカットオフ距離) | この距離を超えるシーン要素にはフォグが適用されません。これは、すでにフォグがベイクされているスカイボックスを除外するのに役立ちます。 |
Inscattering Texturing (インスキャッタリング テクスチャリング) | |
Inscattering Color Cubemap (インスキャッタリング カラー キューブマップ) | フォグ カラーに対して指定できるキューブマップ。深い霧のかかった遠くのシーン要素を空と調和させる場合に役立ちます。キューブマップを指定すると、Fog Inscattering Color は無視され、指向性インスキャッタリングは無効になります。 |
Inscattering Color Cubemap Angle (インスキャッタリング カラー キューブマップ角度) | Z (高さ) 軸を基準とする Inscattering Color Cubemap (インスキャッタリング カラー キューブマップ) の回転角度。 |
Inscattering Texture Tint (インスキャッタリング テクスチャの色合い) | [Inscattering Color Cubemap (インスキャッタリング カラー キューブマップ)] で使用される色合い。[Inscattering Color Cubemap] で指定されたキューブマップを再インポートする必要なしに、すばやく編集するのに役立ちます。 |
Fully Directional Inscattering Color Distance (完全指向性インスキャッタリング カラーの距離) | [Inscattering Color Cubemap (インスキャッタリング カラー キューブマップ)] をインスキャッタリング カラーに直接使用する必要がある距離。 |
Non-Directional Inscattering Color Distance (非指向性インスキャッタリング カラーの距離) | インスキャッタリング カラーとして、[Inscattering Color Cubemap (インスキャッタリング カラー キューブマップ)] を使用する必要のある平均色のみを使用する距離。 |
Directional Inscattering (指向性インスキャッタリング) | |
指向性インスキャッタリング指数 | ディレクショナル ライトからのインスキャッタリングを概算するために使用する指向性インスキャッタリングのコーン サイズを制御します。 |
Directional Inscattering Start Distance (指向性インスキャッタリングの開始距離) | 指向性インスキャッタリングのビューアからの開始距離を制御します。この開始距離はディレクショナル ライトからのインスキャッタリングを概算するために使用します。 |
指向性インスキャッタリング カラー | ディレクショナル ライトからのインスキャッタリングを概算するために使用する指向性インスキャッタリング カラーを設定します。これは、ディレクショナル ライトのシミュレートしたカラーの調整に類似しています。 |
ボリュメトリック フォグ | |
ボリュメトリック フォグ | ボリュメトリック フォグを有効にするかどうかを指定します。フォグ シミュレーションの解像度は、スケーラビリティ設定で制御します。 ボリュメトリック フォグは現在、[Start Distance]、[Fog Max Opacity]、および [Fog Cutoff Distance] をサポートしていません。通常、ボリュメトリック フォグのビヘイビアは非物理的であるため、指数関数的高さフォグとは一致しません。 |
散乱分布 | 散乱位相関数 (入射光がさまざまな方向に散乱する量) を制御します。分布の値が「0」の場合、すべての方向に均等に分散する一方、値が「0.9」の場合、大部分は光の方向に散乱します。側面からのボリュメトリック フォグ ライト シャフトを可視化するには、分布の値を「0」に近づける必要があります。 |
Albedo (アルベド) | ボリュメトリック フォグによって使用される高さフォグ パーティクルの反射率。空気中の水のパーティクルのアルベドは白に近く、ダストの値はやや暗くなります。 |
エミッシブ | 指数関数的高さフォグによって放出される光。これは密度であるため、放出される光が多いほど、フォグを通して遠くが見えやすくなります。ほとんどの場合は、スカイ ライトを選択するのが適切ですが、現時点では、事前計算されたライティングがボリュメトリック フォグでサポートされていないので、固定スカイ ライトでは影がなく、静的スカイ ライトではボリュメトリック フォグに一切影響を与えません。 |
Extinction Scale (エクスティンクション スケール) | ボリュメトリック フォグによって使用される高さフォグ パーティクル エクスティンクション量をスケーリングします。値が「1」より大きいと、フォグ パーティクルはすべての場所でより多くの光を吸収します。 |
View Distance (表示距離) | ボリュメトリック フォグを計算する距離。値を大きくするとエフェクトは遠くまで広がりますが、細部にアンダーサンプリングによるアーティファクトが発生します |
Start Distance (開始距離) | ボリュメトリック フォグが開始するカメラからの距離 (ワールド単位) |
Near Fade In Distance (近接フェードイン距離) | ボリュメトリック フォグが開始距離からフェードインする距離です。 |
Static Lighting Scattering (静的ライティング スキャッタリング) | ボリュメトリック フォグでのスキャッタリングされた静的ライティングの強度を制御します。 |
Override Light Color with Fog Inscattering Colors (フォグのインスキャッタリング カラーによるライト カラーのオーバーライド) | スカイ ライトの ボリュメトリック スキャッタリング カラー に Fog Inscattering Color を使用し、ディレクショナル ライトの スキャッタリング カラー に Directional Inscattering Color を使用するかどうかを決定します。ディレクショナル ライトで [Atmosphere Sun Light (大気太陽光)] が有効になっていることを確認してください。これにより、距離でボリュメトリック フォグを指数関数的高さフォグにより適切に一致させることができます。ただし、サーフェスのライティングと一致しない可能性のある非物理的なボリュメトリック ライティングが生成されます。 |
指数関数的高さフォグ機能を使用する
このセクションでは、Exponential Height Fog (指数関数的高さフォグ) ボリュームにあるいくつかの機能の使用方法について説明します。
Secondary Fog Layer (2 番目のフォグ レイヤー)
[Second Fog Data (2 番目のフォグ データ)] カテゴリのプロパティを使用して 2 番目のフォグ レイヤーをレベルに追加します。これを使用すると、密度、高さフォールオフ、および高さオフセットのコントロールを使用して、マップの 2 番目の Z (高さ) レベルでフォグをより適切に定義および制御できます。


ボリュメトリック フォグ
[Volumetric Fog] カテゴリの [Exponential Height Fog] の [Details (詳細)] パネルで有効にして、ボリュメトリック フォグを制御します。
Unreal Engine のボリュメトリック フォグでは、フォグに影響するさまざまな密度とライトをいくつでもサポートできるように、カメラの視錐台のすべてのポイントで関与するメディアの密度とライティングを計算します。

詳細と使用方法については、「ボリュメトリック フォグ」を参照してください。
パフォーマンス
指数関数的高さフォグのレンダリング負荷は、一定濃度の高さフォグの 2 つのレイヤーの負荷と同等であり、さらなる最適化 (フォグの [Start Distance (開始距離)]) が可能です。開始距離を使用して、ビューアの前にある定義された領域を、意図的にフォグなしにすることができます。ピクセルが Z バッファによってカリングされるため、パフォーマンス面でも役立ちます。
次の画像は、これが適用されたものです。
- フォグ開始距離:0
- フォグ開始距離:5000
- フォグ開始距離:5000 + 高いフォグ密度を設定



フォグ開始距離のプレビュー
シーン コンテンツに応じて、また遠方フォグ 開始距離 を使用する場合、レンダリング負荷が 50% 以下になることがあります。この最適化を実装するには、z 値と深度テストが有効になっているフルスクリーン クワッドをレンダリングします。