[Color Correction Regions (色補正範囲)] を使用すると、環境やシーンのオブジェクトの色を調整および補正することができます。たとえば、インカメラ VFX シナリオでは、実際のセットと LED ウォールに表示されている環境のライティングおよびシャドウを一致させることができます。

このページでは、色補正範囲をレベルに追加し、その設定を変更する方法について説明します。
Unreal Engine には、次の 2 種類の色補正アクタがあります。
Color Correction Regions (色補正範囲) (CCR):CCR を使用すると、定型ボリューム (球体、ボックス、シリンダー、コーン) 内のアクタに色補正を適用できます。
Color Correction Windows (色補正枠) (CCW):CCW を使用すると、カメラの位置を基準として、平面の背後にある任意のアクタに色補正を適用できます。
シーンに色補正範囲を追加する
シーンに 色補正範囲 (CCR または CCW) を追加するには、次の手順を実行します。
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エディタのメイン メニューで、[Edit (編集)] > [Plugins (プラグイン)] を選択して [Plugins] ウィンドウを開きます。
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[Plugins] ウィンドウの [Other (その他)] セクションで [Color Correction Regions (色補正範囲)] を検索します。[Enabled (有効にする)] チェックボックスをオンにして、このプラグインを有効にします。
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エンジンを再起動します。
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エディタ のメイン メニューから [Edit] > [Project Settings] を選択して [Project Settings] ウィンドウを開きます。
- [Project Settings] ウィンドウで、[Engine (エンジン)] > [Rendering (レンダリング)] に移動して、[Custom Depth Stencil Path (カスタム深度ステンシル パス)] を [Enabled with Stencil (ステンシルで有効化)] に変更します。
[Color Correct Regions] を使用するには、[Custom Depth Stencil Path] を [Enabled With Stencil] に設定する必要があります。
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[Place Actors (アクタの配置)] パネルで、[Volumes (ボリューム)] カテゴリを選択します。
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Color Correction Region アセットまたは Color Correction Window アセットをレベルにドラッグします。
- CCR または CCW ボリュームをレベルに配置した後、[Details (詳細)] パネルで以下の設定を変更すると、レベルにカラー グレーディングを適用できます。
色補正領域の設定を調整する
CCR および CCW は、ほとんどの場合、同じ設定を使用します。ただし、Type 設定および Priority 設定は色補正領域のタイプごとに異なります。
プロパティ | 説明 |
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Type | 範囲の形状を決定します。 CCR のオプション:
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Priority | CCR:複数の色補正範囲が重なっている場合、その範囲の優先度によって、レベルへの範囲のカラー グレーディングの適用順序が決定されます。 CCW: Priority プロパティは CCW の [Details] パネルに表示されます。CCW の優先度は、CCW のカメラからの距離に基づきます。カメラに近い範囲ほど優先度が高く、先に適用されます。 |
Intensity | この設定を使用して、[Color Grading (カラー グレーディング)] の他の設定の強度をコントロールします。 |
Inner and Outer | この設定を使用して、領域のフォールオフ エリアをコントロールします。 |
Falloff | この設定を Inner and Outer と一緒に使用して、フォールオフの強度と領域をコントロールします。 |
Invert | オンにすると、色補正範囲の領域を除く、レベルのすべての要素にカラー グレーディングが適用されます。 |
Temperature Type | この範囲の色温度コントロールのタイプを選択します。 White Balance:ホワイト バランスは従来の色温度コントロール方法です。 Color Temperature:色温度はホワイト バランスの逆のコントロールを行います。 Temperature (Legacy): 温度 (レガシー) は、色温度を変更するためにより旧式のアルゴリズムを使用します。このアルゴリズムは、ホワイト バランス や 色温度 より高速に処理できるものの、従来の色補正アルゴリズムを使用した場合と同等の最終結果が得られない場合があります。 |
Temperature | この設定を使用して、適用された色温度 (ケルビン) を調整します。 |
Tint | この設定を使用して、カラー グレーディングの色合いを調整します。値が低いほどピンクに近い色に調整され、高いほど緑に近い色に調整されます。 |
Color Grading Settings | ガンマ、ハイライト、ミッドトーン、シャドウなどのカラー グレーディング設定です。 |
Enabled | オフにすると、この範囲はシーンに表示されなくなり、色補正も適用されなくなります。 |
Per Actor Color Correction (アクタごとの色補正)

[Per Actor Color Correction (アクタごとの色補正)] を使用すると、シーンのアクタに選択的に色補正を適用することができます。
[Per Actor CC] には、次の 2 つのモードがあります。
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Exclude Selected Actors (選択したアクタを除外):この設定を使用すると、選択したアクタを、この色補正範囲から除外できます。この範囲では、選択されたアクタに色補正が適用されません。
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Affect Only Selected Actors (選択したアクタのみに適用):この設定を使用すると、選択されたアクタ「のみ」が含まれます。この範囲では、選択されたアクタのみに色補正が適用されます。
[Per Actor Color Correction] を有効にするには、色補正ボリュームを選択し、[Details] パネルに移動して、[Enable Per Actor CC] チェックボックスをオンにします。

[Per Actor CC] を有効にしたら、アクタを [Actor Selection (アクタの選択)] に追加することで、この色補正範囲に含めるか、除外するアクタを選択することができます。
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[+] アイコンをクリックして要素をアクタの選択に追加します。
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ドロップダウン メニューからアクタを選択するか、スポイト ツールを使用してビューポートからアクタを選択します。