プレイヤーを Epic アカウント サービスに接続する

Rajen Kishna、Epic Games テクニカル アカウント マネージャー |
2022年6月16日
複数のストアフロントやプラットフォームでゲームを利用できるようにする際の課題の 1 つが、どのようにクロスプレイ マルチプレイヤーのプレイヤーベースを統合するか、です。Epic Online Services SDK 1.15 のリリース により、この課題への対処がこれまでになく簡単になりました。新しい SDK で、次のことができるようになりました。
 
  1. 複数のストアフロントとプラットフォーム間でのプレイヤー認証プロセスの合理化
  2. 友達がお互いを見つけてつながる
  3. ゲームのマッチメイキング プールを最大化する

SDK 1.15 は、Epic Games ストア と Steam 全体の Windows PC でのこれらのタスクを簡素化します。今後の SDK リリースでは、このサポートがコンソール、macOS、Linux、およびモバイル プラットフォームに拡張されます。

クロスプレイのこれらの各領域を掘り下げて、何が利用可能であり、Epic Online Services に現在含まれている無料の機能をどのように利用できるかを説明します。

プレイヤー認証プロセスを合理化する

複数のストアフロントとプラットフォームを扱う場合は、複数のアカウント システムとソーシャル グラフを使用する必要があります。デベロッパーは、無料の Epic Online Services の一部として、かなり長い間 Epic アカウント サービスを活用してきました。現在、Epic アカウント サービスは、複数のプラットフォームやストアフロント間でプレイヤーを接続するアカウント システムとして使用できます。

SDK 1.15 以前は、Epic アカウント 認証を提供し、ネイティブ アカウント (ネイティブ アカウントの例: Steam の Steam アカウント) にリンクしていました。そのため、プレイヤーはゲーム外のブラウザに移動して Epic アカウントにログインしたり、ネイティブ アカウントにリンクしたりするという、やや面倒な方法を取る必要がありました。

SDK 1.15 では、このフロー全体がゲーム内で行われます。そして、オーバーレイが (「EOS_Auth_Login」API を介して) Epic アカウントのログインを処理し、(「EOS_Auth_LinkAccount」API を介して) Epic アカウントをネイティブ プラットフォーム アカウントにリンクします。また、必要な場合は年齢確認も行うため、未成年のプレイヤーが親または保護者から適切な同意を得ることができるようになります。
 
プレイヤーの Epic アカウント サービス アカウントを接続する
Epic アカウント ログイン ダイアログ


また、SDK 1.15 は、Epic アカウントをまだ持っていないプレイヤーに対してもより合理化されたエクスペリエンスを提供します。アカウントがないプレイヤーは、「Epic プロキシ アカウント」を作成できます。ネイティブ アカウントの場合、メールアドレス、名前、パスワードなどの詳しい情報を入力しなくても、ネイティブ アカウントを新しい Epic アカウントにリンクできます。プレイヤーは後日プロキシ アカウントを完了させて詳細を入力したり、他のプラットフォームのアカウントとリンクしたりできます。

友達がお互いを見つけてつながる

Epic アカウント サービス API を使用すると、認証、プレゼンス、およびフレンドリストを有効にできます。SDK 1.15 では、API から「EOS_Friends_SendInvite」を使用して、ゲーム内から直接友達を追加できるようになりました。この API を使用すると、プレイヤーは以前に対戦でプレイしたことがあるユーザーをフレンドリストに追加できます。プレイヤーが常にフレンドリストを管理できるようにするため、この API は、「ソーシャル オーバーレイ」がプレイヤーにフレンド追加アクションの確認を求めるようになったときにのみ利用可能になります。「EOS_Friends_AcceptInvite」API および「EOS_Friends_RejectInvite」API を使用して、ゲーム内のフレンド管理機能を有効にすることもできます。

ソーシャル オーバーレイの統合を容易にするために、SDK 1.15 ではオーバーレイを Epic Games Launcher から切り離しました。そのため、Epic Games Store 以外のストアフロントで公開するゲームとは「別に再頒布可能な状態」でパッケージ化されています。インストールするとオーバーレイは自動的に更新されるため、ゲームでの更新に関する心配は要りません。新しい「EOS_Platform_GetDesktopCrossplayStatus」API を使用すると、オーバーレイを使用できる状態かどうかを確認できます。

SDK1.15 とソーシャル オーバーレイは、アカウントがリンクされると Steam と Epic Games のフレンドリストを単一のビューに表示することで、Steam でゲームをプレイするプレイヤーのクロスプレイ エクスペリエンスも合理化します。これにより、つながっているプラットフォームに関係なく、友達と一緒にプレイするのがさらに簡単になります。

プレイヤーの Epic アカウント サービスのフレンドリストをつなぐ
Epic Games と Steam の友達を表示する Epic ソーシャル オーバーレイ
 

ゲームのマッチメイキング プールを最大化する

ストアフロントやプラットフォームにまたがるマルチプレイヤーゲームの大きな問題は、通常、これらは別々のマッチメイキング サービスを使用していることです。これらのサービスは、その特定のストアフロントまたはプラットフォームにのみに適用されるため、利用可能なマッチメイキング プールが大きく縮小してしまいます。Epic Online Services は、次の 2 つの方法で無料のマッチメイキング サービスを提供しています。

  • Sessions:「Sessions (セッション) インターフェース」を使用すると、マッチメイキングをゲームに統合できます。セッションは、ホスト (ピアツーピアまたは専用サーバー) によって制御されたクライアントに権限のあるマッチメイキング (サーバーの参照など) に使用されます。マッチが行われると、実際のマルチプレイヤー セッションのコントロールがホストに渡されます。
  • Lobbies:「Lobbies (ロビー) インターフェース」は Sessions に似ていますが、Lobbies は、ただのマッチメイキングというよりはチーム、ゲーム オプション、プレイヤー属性を調整するために使用されます。これにより、Epic がホストする、リアルタイムのデータ交換に使用できる他のプレイヤーへの永続的な接続が提供されます。「Voice (ボイス) インターフェース」を使用して、ボイスチャットでロビーを拡張することもできます。

これらのサービスを使用すると、ゲームに適した方法で、サポートされているすべてのストアフロントとプラットフォームでマッチメイキングとマルチプレイヤーを利用できるようになります。すべてのコンソール上のプレイヤーを一緒にプレイさせるといったことが可能です。PC 上のプールとコンソール上のプールを分離させるといったことも、もちろん可能です。

Sessions または Lobbies をソーシャル オーバーレイと組み合わせて使用すると、クロスプラットフォームでのゲームの招待と友達のゲーム参加がシームレスに行えるようになります。

使用を開始する

これらの機能のゲームへの実装を開始するには、デベロッパー ポータル にアクセスして組織と製品をセットアップし、SDK をダウンロードします。「包括的なドキュメント」または「入門編ブログ シリーズ」を確認すると、素早く物事を理解できます。

不明な点がある場合、または Epic Online Services の実装についてサポートが必要な場合は、コミュニティ フォーラム にアクセスして、質問を投稿してください。

    デベロッパーみなさんの成功が、Epic の成功です

    Epic は、オープンで統合されたゲーム コミュニティを大切にしています。
    オンライン サービスをすべての人に無料で提供することにより、より多くのデベロッパーがそれぞれのプレイヤー コミュニティにサービスを提供できるようにすることが目標です。