Turnkey は、RunUAT.bat
からアクセスする Unreal AutomationTool (UAT) のスクリプトです。ほとんどのユーザーにとっては Unreal Editor 内から Turnkey を使用するツールで十分ですが、コマンドラインを使用すると SDK を管理するためのより詳細で高度なオプションが使用できます。このガイドでは、Turnkey コマンドラインにアクセスする方法と、各種オプションの使い方について説明します。
Turnkey コマンドラインにアクセスする
コマンド ラインから Turnkey にアクセスするには、次の手順を実行します。
-
Windows コマンドプロンプトなど、お好みのコマンドラインを開きます。
-
Unreal Engine のインストールディレクトリに移動します。
-
RunUAT.bat turnkey
と入力して Turnkey を実行します。
コマンドラインは、AutomationTool の構築に少し時間がかかります。その後、Turnkey スクリプトを開始し、番号付きコマンドの一覧を表示します。

このメニューから実行したいコマンドに対応する番号を入力し、[Enter] キーを押します。これらのコマンドのほとんどは、そのコマンドに固有の追加オプションを含むサブメニューを表示します。
どのメニューでも「0」と入力すると現在の操作がキャンセルされます。サブメニューでキャンセルを選択すると、Turnkey のメインメニューに戻ります。メインメニューでキャンセルを選択すると、スクリプトが停止して終了します。以下のセクションで、その他の利用可能なコマンドとサブメニューを示します。
Turnkey コマンドラインの引数を使用する
または、「.bat
」 ファイルを実行する際に、一連の指定子を追加することで、これらのプロンプトをスキップして、コマンドをすぐに実行することもできます。引数に -command=[コマンド名]
を使用して、コマンドを選択してから、指定子を追加して、他のオプションを処理させます。
例えば、次のように入力すると、プラットフォームが Android に設定され、InstallSdk コマンドが実行されます。
`RunUAT.bat turnkey -command=InstallSdk -platform=Android`
各コマンドで使用可能な指定子については、以下のセクションを参照してください。
SDK をインストールする
InstallSdk
コマンドを実行すると、Turnkey にインストールしたい SDK の種類を選択するプロンプトが表示されます。

次のオプションがあります。
-
Full or Auto SDK` は、AutoSDK または Full SDK いずれかのインストールを試行し、利用可能な場合は AutoSDK を選択します。
-
Full Sdk
は、プロジェクトで利用できる、コンポーネントの完全な配列を備えたフル SDK をダウンロードします。 -
AutoSdk
は、AutoSDK が利用できれば、インストールを試みます。 -
Device Software / Flash
は、プロジェクトに最適な Flash SDK をダウンロードします。この SDK には、開発キットのフラッシュやテストに必要なコンポーネントのみが含まれています。
Turnkey が選択した SDK タイプを見つけられない場合、操作を中断してエラーをスローします。
SDK の種類を選択すると、Turnkey によってインストールするプラットフォームの SDK を選択するプロンプトが表示されます。

セットアップしたいプラットフォームの番号を入力すると、Turnkey はそのプラットフォームに対応する SDK のダウンロードとインストール処理を開始します。利用できる SDK が存在しない場合、プロセスは失敗し、エラー メッセージが表示され、メイン メニューに戻ります。
指定子
次の指定子は、コマンドラインで -command=InstallSdks
を使用する場合に互換性があります。
指定子 | 説明 |
---|---|
-Platform= |
プラットフォームを選択します。プラットフォームの選択プロンプトに表示されるプラットフォームの名前を使用します。例えば、-Platform=Win64 は有効ですが、-Platform=Windows は有効ではありません。この指定子を使用すると、プラットフォーム選択のサブメニューはスキップされます。
|
-NeededOnly |
Turnkey が SDK の種類として AutoSDK を検索するように指定します。 |
-BestAvailable |
Turnkey が SDK の種類として完全な SDK を検索するように指定します。-NeededOnly と組み合わせると、完全な SDK または AutoSDK のいずれかが検索されます。 |
-UpdateOnly |
Turnkey が完全なインストールを実行するのではなく、既にインストールされている SDK を更新するように指定します。 |
Auto Install All Needed SDKs
コマンドは、指定子 -command=InstallSdk -Platform=All -NeededOnly -BestAvailable
で Turnkey を実行します。これは、[Full or Auto SDK] を選択してから、プラットフォームに [All of the Above] を選択することと同じです。
Auto Update Installed Sdks
コマンドは、指定子 -command=InstallSdk -Platform=All -UpdateOnly -BestAvailable
で Turnkey を実行します。
SDK の確認
VerifySdk コマンドを実行すると、SDK を検証するプラットフォームを選択するためのプロンプトが表示されます。次に Turnkey は、現在の SDK インストールに関する情報を出力し、Unreal Engine が想定するパラメータと一致するかどうかを確認します。

指定子
-command=VerifySdk
は -Platform=
指定子と互換性があります。
ビルドの実行
ExecuteBuild
コマンドは、選択したプラットフォームのプロジェクトをビルドします。このオプションを選択すると、ターゲット プラットフォームの一覧が表示された後に、別のプロンプトがビルド可能なプロジェクトを一覧表示します。

プロジェクトは認識された .uproject
名に基づいています。例えば、ShooterGame
はサンプル プロジェクトとして表示されます。プラットフォームとプロジェクトを選択すると、Turnkey はプロジェクトのクック処理とパッケージ化処理を開始します。
指定子
-command=ExecuteBuild
は -Platform=
指定子と互換性があります。また、-project=
指定子を使用して、認識されたプロジェクト名を選択し、プロンプトでの選択をスキップすることもできます。例えば、次の入力は Win64 プラットフォーム向けに ShooterGame のビルドを試みます。
`RunUAT.bat Turnkey -command=ExecuteBuild -platform=Win64 -Project=Shootergame`
ビルドのインストール
Turnkey でビルドをインストールする機能は、UE5 の早期アクセス ビルドでは開発途上ですが、信頼性を高めたものを最終リリースで提供する予定です。
InstallBuild
コマンドを実行すると、以前に作成したデバイスへのインストール準備ができているビルドの一覧と、コンピュータに接続されている有効なデバイスの一覧が表示されます。。両方とも選択すると、Turnkey によって選択したデバイスにビルドがインストールされます
指定子
-command=InstallBuild
は -platform=
指定子と互換性があります。-device=
指定子を使用することもできます。デバイスの形式は [プラットフォームの種類]@[デバイス名] です。ここでのプラットフォームの種類は Turnkey によって認識されるプラットフォームであり、デバイス名はコンピュータに表示されるデバイスの ID です。例:-device=Android@ABCXYZ123.[ListPlatforms] を使用して、デバイスとその ID の一覧を表示できます。
ヘルプ
Help
コマンドは、Turnkey の設定方法と使用方法に関する情報を提供するヘルプ メニューを開きます。これには TurnkeyManifest.xml
の FileSource エントリの書式を設定する方法や、一部のプラットフォーム向けに特定バージョンの書式に関する情報が含まれます。
プラットフォーム情報の一覧表示
ListPlatforms
コマンドは、選択したプラットフォーム用に設定された SDK とデバイスに関する情報を一覧表示します。併せて、現行バージョンの Unreal と互換性のある SDK のバージョンと、お使いのネットワーク上で確認できるデバイスに関する情報も表示されます。

指定子
-command=ListPlatforms
は -platform=
指定子と互換性があります。
SDK の一覧表示
ListSdks
コマンドは、FileSource リポジトリで使用可能な SDK の一覧を出力します。Turnkey から、SDK を一覧表示するプラットフォームの選択を求められます。
指定子
-command=ListSdks
は -platform=
指定子と互換性があります。
設定の管理
ManageSettings
コマンドは、設定可能な一連の変数を表示します。これらの変数は、組織のコピー プロバイダー設定と、特定のプラットフォームの資格情報に関連しています。通常、「MobileProvision.ini
」ファイルや「TurnkeyStudioSettings.xml
」ファイルなど異なる複数のファイル中に存在しますが、このコマンドは、それらをオーバーライドする一元的な場所を提供します。
指定子
-command=ManageSettings
は -ListOnly
指定子と互換性があります。これにより、構成可能なすべての変数の一覧および、各変数の機能についての説明が出力されます。Turnkey メニューのList Settings
コマンドは、-command=ManageSettings -ListOnly
.を実行します。
デバイスの制御
Control
コマンドは、デバイスをリモートで制御するためのメニューを表示します。プラットフォームを選択すると、お使いのコンピュータからアクセスでき、そのプラットフォームにマッチしたデバイスがすべて表示されます。

デバイスの電源オン / オフ、再起動、接続 / 切断ができます。これと同じ機能が、Unreal Editor の デバイスマネージャー にも存在します。
Turnkey のテスト
Test
コマンドは、診断テストを実行して、環境が正しくセットアップされているかどうか確認します。テストは、選択したコピー プロバイダーに接続し、必要なディレクトリを確認しようとします。ある段階で処理が失敗すると、エラーが報告されます。
