Unreal Engine には、アニメーションおよびシネマティック シーケンスの作成を可能にする堅牢なシネマティックツールが用意されています。カメラを操作してフライスルーの作成、キャラクターのアニメート、ライトやその他のオブジェクトなどシーンにあるアクタのプロパティの移動および変更、そしてシーケンスのレンダリングが可能です。 シーケンサーは、非線形編集スイートとして、多くのワークフローの中核となるものです。 Unreal Engine でアニメーションやシネマティック コンテンツを作成する際に使用する主要なツールです。
シーケンサーの使用を開始するには、次のトピックを参照してください。
シーケンサーを使用する主なメリット
リアルタイム シネマティックス。アニメーション、ライティング、エフェクトをリアルタイムにプレビューでき、従来のオフライン レンダリング ワークフローと比べてイテレーション時間を大幅に短縮できます。
非線形タイムラインベースの編集機能。動画編集ツールセットのように、アニメーション、音声、イベント、カメラ カットをレイヤー化して、ブレンドできます。
Unreal Engine と完全に統合。レベルにあるどのアクタのプロパティも、位置、回転、マテリアルの変更、ライティング、シャドウイングなどの共通プロパティおよび固有のプロパティを使用してアニメートできます。
カメラシステムおよびカットによって、シネマティックカメラおよびそのプロパティ (視野角、被写界深度、レンズ効果、ポスト プロセス設定など) を完全に制御できます。 編集用のカットトラックを使用し、カメラを追加したり、切り替えたりすることができます。
イベント トラックとゲームプレイ同期。イベント トラックを使用してシーケンサーからゲームプレイ ロジックを直接トリガーします。これは、シネマティック中に音声、アニメーション、ブループリントの再生を開始するのに役立ちます。
音声統合。音声トラックを追加し、プレビューして、さらにレベル内で発生したものと直接同期します。
エクスポート オプション。ムービー レンダー キューまたはムービー レンダリング グラフを使用してシーケンスをレンダリングし、高品質のオフライン出力を生み出します。モーション ブラーやアンチエイリアスを適用した静止画、動画、画像シーケンスとしてキャプチャできます。
クイック レンダリング オプション。作業結果を確認するためにムービー レンダリング キューまたはムービー レンダリング グラフを手動で設定することなく、ビューポートからシーンをレンダリングします。
コラボレーション ワークフロー。複数のレベルやプロジェクト間でもサブシーケンスを共有できるため、タイムライン全体を再ビルドすることなくアセットとアニメーションを入れ替えることができます。
エンジンのプラグイン。ワークフローにツールと機能をさらに追加できます。 一部のツールは、メディア ビューアなど、特定のタイプのコンテンツで作業するプロセスを簡素化したり、アニメーション キットとそのユーティリティ、デフォーマー コントロール リグなど、アニメーションのゲームプレイに関連しない編集を追加したりします。
シーケンサーのコンポーネントと機能
以下に、シネマティックスを作成し、オブジェクトをアニメートするためにシーケンサーで使用するさまざまなコンポーネントのリストを示します。
| Unreal Engine コンポーネント | 説明 |
|---|---|
シーケンサー エディタ | レベル シーケンス アセットを編集する際に使用するメイン インターフェースです。シネマティックス、カットシーン、アニメーション、スクリプト化されたイベントを作成するためのタイムラインを使用したシネマティック コンテンツを制作できます。 |
レベル シーケンス アセット | Unreal Engine でゲームや従来型アニメーション向けシネマティック コンテンツを作成する際に使用される基本アセットです。 これらのアセットは、その中の特定のレベルおよびアクタに関連付けられています。 これらのアセットには、カメラ、キャラクター、およびゲーム中またはレンダリング出力中に再生するためにアニメートできる他のゲーム オブジェクトが含まれています。 よりダイナミックで複雑なシネマティックスを作成するために、サブシーケンスやショットも含まれます。 詳細については、「シーケンス、ショットおよびテイク」の「レベル シーケンス」を参照してください。 |
レベル シーケンス アクタ | これらは、レベル シーケンス アセットのコンテナであるレベルに配置されたアクタです。 使用すると、割り当てられたレベル シーケンスの再生オプションを管理できます。 「シーケンサーの概要」の「シーケンサー アセットおよびアクタ」セクションを参照してください。 |
ショット | これらはレベル シーケンス内の個別のシーケンスであり、これを使用してより複雑なシネマティックスを作成できます。 各ショットは独自のシーケンス アセットに対応しており、さまざまなレベル シーケンスで使用できます。 詳細については、「シーケンス、ショットおよびテイク」の「ショット」を参照してください。 |
カーブ エディタ | キーフレームを変更して微調整することでオブジェクトをアニメートする方法を制御するために使用されます。 グラフでは、新規キーフレームの作成、接線の編集、組み込みツールを使用したアニメーションカーブの調整が可能です。 詳細については、「カーブ エディタ」を参照してください。 |
トラック | キーフレームを使用して特定のタイミングでそれぞれの値を指定することで、時間の経過とともにアニメートさせて制御するオブジェクトの特定のプロパティや動作を表すタイムライン コンポーネントです。 各トラックはアクタのトランスフォーム、可視性、アニメーション、マテリアル、ライティングなどのプロパティを制御します。 詳細については、「トラック」を参照してください。 |
レンダリング出力 | シーケンサーを使用すると、ゲームプレイ中にリアルタイムでシーケンスを再生できるだけでなく、従来のリアルタイム レンダリングと比較した場合に高品質の画像や動画をレンダリングできます。 このレンダリング オプションでは、追加の設定とコマンドを使用して、Lumen のグローバル イルミネーションや反射などの機能に対する品質、精度、外観を大幅に向上し、不要なアンチエイリアス アーティファクトを除去したモーション ブラーも改良されています。 このエンジンには、画像を出力する方法がいくつか用意されています。詳細については、次のトピックを参照してください。 |
コントロール リグでのコンストレイント
アニメートするとき、場合により、アウトライナーのコントロール階層を変えることなく、要素をまとめてアタッチすることが必要になります。 このようにアタッチすることはコンストレイント処理 (拘束) と呼ばれます。 Unreal Engine でのコンストレイントは異なる方式、位置、回転、スケール、親、および 視線に分けられます。 これらの機能を使用すると、アタッチメント オフセットの制御や、コンストレイントを通常のキーフレームにベイクし直すなど、これらのコンストレイントの動作を制御するオプションを設定できます。
コンストレイントは、2 つ以上のオブジェクト間で親 - 子関係を作成することで設定されます。 レベル エディタのアニメーション モードを使用しているときは、メッシュにコンストレイントを追加できます。
タイプと使用法の詳細については、「コンストレイント」を参照してください。
デフォーマー
アニメーション デフォーマーを使用すると、Unreal Engine でスケルタルメッシュのサーフェスを調整したり歪ませたりすることができます。 Animator Kit プラグインを使用すると、シーケンサーでメッシュに追加できる、アニメーターが使いやすいデフォーマーのセットを追加できます。
Animator Kit プラグインには、使用可能な複数のユーティリティ リグとデフォーマーが含まれています。 次にいくつかの例を示します。
Animator Kit は、メイン メニューの [Edit (編集)] メニューから [Plugins (プラグイン)] ブラウザを通じて有効にできます。
このプラグインとデフォーマーの使用方法の詳細については、EDC ラーニング コースの「Getting Started with Deformers」を参照してください。
トランスフォーム トラック
シーケンサーでは、トランスフォーム トラックを適用して、シーン内でカメラを移動させたり、オブジェクトやキャラクターをアニメートさせたりすることができます。 スケルタルメッシュなどのアクタに適用した場合、メッシュのスケール、回転、移動が可能です。 トランスフォーム トラックはエクスポートしたアセットの原点を移動させるため、ゲームプレイ アニメーションに最も役立ちますが、線形コンテンツの一般的なアニメーション ワークフローでも便利です。 それをリグの最上位ノードにアタッチすると、二重のトランスフォームになったり、トランスフォーム中に対象が爆発したりするなど、意図しない結果につながります。
Maya では、設定なしでこのようにリグにトランスフォームを適用する方法はありません。
これに関する以下の例では、シーケンサーのトランスフォーム トラックを適用することにより、リグとメッシュが破綻することなく適切にスケールされる様子がわかります。
Unreal Engine でアクタに適用されるスケーリング。 | リグに適用されるスケーリング。破綻の原因となります。 |
シーケンサーでのトランスフォーム トラックおよびトラックの使用方法については、「トランスフォーム トラックおよびプロパティ トラック」を参照してください。
ドッキング可能メディア ビューア
アニメーターは場合により作業するアニメーションと既存の参照フッテージを並べて確認することが必要になります。 Unreal Engine では、動画ファイルまたはシーケンサーによるメディア トラックを、アニメーションを作業するビューポートの隣にドックできます。 このメカニズムでは、ドッキングするメディア アセット (画像、メディア テクスチャ、ライブ ビューポート テクスチャ) を UE インターフェースのどこにでも配置できます。 水平または垂直構成の 2 つの A/B バンクにより画像の 2 セットを比較できます。 ズームとパン制御もここに配置するコンテンツをうまく整列するのに使用できます。
このツールはエンジンのプラグインです。 プロジェクトでこのツールを有効にするには、メインメニューの [Edit (編集)] メニューから [Plugins (プラグイン)] ブラウザを開きます。 「Media Viewer」を検索し、プロジェクトでこのプラグインを有効にします。
レベルとレベル シーケンスの比較
Unreal Engine では、レベルとレベル シーケンスは基本的に異なるものですが、シネマティックおよびゲームプレイのワークフローでは併用されます。
レベルとは、リアルタイム環境でプレイ可能および編集可能なあらゆる要素を保持するコンテナのことです。 これにはジオメトリ、ライティング、カメラ、サウンド、ロジックなどが含まれます。 ここでは、環境の構築、キャラクターや小道具の配置、ブループリント、イベント、トリガーを使ったゲームプレイの定義を行います。
レベル シーケンスとは、アクタを使用してレベル内のアニメーション、カットシーン、スクリプト化されたイベントを作成するためのアセットです。 シーケンサー エディタを使用して、レベル内でイベントが発生するタイミングを制御するために、タイムラインを使用してトラックをセットアップします。 タイムラインには、アニメーションやカメラ カット、ブループリント イベントなどをトリガーするキーフレームとともにアニメートされた値が格納されます。 レベル シーケンスは、シネマティックスの作成、スクリプト化されたゲームプレイ イベントのトリガー、事前に記録されたカメラの動きやアニメーションの再生に使用できます。
詳細については、「シーケンス、ショットおよびテイク」の「レベル シーケンス」セクションを参照してください。
ムービーレンダリングパイプライン
Unreal Engine は基本的にリアルタイム エンジンですが、ムービー レンダリング パイプラインには、オフラインの画像シーケンスおよびムービー レンダリング ソリューションが含まれています。 一般的なワークフローでは、リアルタイムのワークフローとツールを使用してすべてを作成します。 ただし、ムービー レンダー キューまたはムービー レンダリング グラフを介してオフライン出力を使用すると、リアルタイム機能を使用してレンダリングおよびライティングを行い、より高品質な結果を得ることができます。 これらのツールには、リアルタイム パフォーマンスと品質とのバランスを気にすることなく、エンジンのライティングとレンダリング機能の品質、精度、外観を大幅に向上させる設定やコマンドが含まれています。
ムービー レンダリング パイプラインのインターフェースとして使用できるツールは 2 つあります。 それぞれにはプロジェクトのニーズを満たす、さまざまな機能があります。
ムービー レンダリング グラフ (MRG) は、レンダリング操作を実行するロジックを構築できるグラフベースのインターフェースです。
ムービー レンダー キュー (MRQ) は、レンダリング プロセスをキューに入れて、高品質の動画や画像をエクスポートするためのプリセットとスクリプトを作成できるツールです。
これらのレンダリング出力オプションの使用法については、「ムービー レンダリング パイプライン」を参照してください。
ムービー レンダー キューを使用したクイック レンダリング
クイック レンダリング ツールバー オプションを使用すると、キューやグラフを手動で設定することなく、シーンをすばやくレンダリングすることができます。 現在のマップとレベル シーケンス、レベル シーケンスの再生範囲、およびビューポートの外観を使用して、フレームが生成されます。
[Quick Render (クイック レンダリング)] ドロップダウン メニューには、[Quick Render] ツールバー ボタンで実行する必要があるアクションと、実行するために使用するメソッドに関するオプションが含まれます。
シーンのレンダリング出力の詳細については、「ムービー レンダー キュー」を参照してください。