このドキュメントでは、マテリアルで使用可能なプロパティを分類して説明します。これらのプロパティは、マテリアル エディタで メイン マテリアル ノード を選択している際に [Details (詳細)] パネルに表示されます。
マテリアル プロパティには次が含まれます。
- Physical Material (物理マテリアル)
- マテリアルのプロパティ
- Physical Material Mask (物理マテリアル マスク)
- Translucency (透過処理) と Translucency Self Shadowing (透過セルフ シャドウイング)
- Usage (使用) フラグ
- Mobile (モバイル)
- Forward Shading (フォワード シェーディング)
- Group Sorting (グループ並べ替え)
- Post Process Material (ポストプロセス マテリアル)
- Refraction (屈折)
- Lightmass 設定
- Previewing (プレビュー)
- Import Settings (インポート設定)
上記のプロパティにより、マテリアルで可能なことやできないこと、ライトとのインタラクション、そしてその背後にあるピクセルとのブレンドが定義されます。以下はこれらのプロパティの詳細です。プロパティは [Details] パネルに表示される順番で記載されています。
Physical Material (物理マテリアル)
プロパティ |
説明 |
Phys Material (物理マテリアル) |
マテリアルに関連付けられている 物理マテリアル です。物理マテリアル では、コリジョン (跳ね返る物質の特性) の発生時に維持するエネルギー量や他の物理ベースの特性など、物理プロパティの定義を提供します。物理マテリアルはマテリアルの表示には影響を及ぼしません。 |
Phys Material Mask (物理マテリアル マスク) |
グラフィックス マテリアルに使用する物理マテリアル マスクです。サウンドやエフェクトなどに使用します。 |
Material (マテリアル)
プロパティ |
説明 |
Material Domain (マテリアル ドメイン) |
[Material Domain] の設定では、マテリアルの使用方法を定義できます。デカールなどの特定のマテリアルを使用するケースでは、レンダラ エンジン向けに追加の指示が必要になります。このため、特にマテリアルをサーフェス以外の目的で使用する場合は、[Material Domain] を正確に設定することが重要になります。[Material Domain] には以下のオプションが含まれます。
ドメイン |
説明 |
Surface (サーフェス) |
メタル、プラスチック、スキン、物理サーフェスなど、オブジェクトのサーフェスに使用するものとしてマテリアルを定義します。この設定がデフォルトであり、ほとんどのケースではこれを使用します。 |
Deferred Decal (ディファード デカール) |
デカール マテリアル を作成する場合にこの設定を使用します。 |
Light Function (Light 関数) |
Light 関数で使用するマテリアルの作成時に使用します。 |
Volume (ボリューム) |
マテリアルの属性を 3D ボリュームとして表現する場合に使用します。 |
Post Process (ポストプロセス) |
ポストプロセス マテリアル の作成時に使用します。 |
User Interface (ユーザー インターフェース) |
UMG または Slate ユーザー インターフェース向けのマテリアルを作成する場合に使用します。 |
Virtual Texture (仮想テクスチャ) |
ラインタイム仮想テクスチャ の作成時に使用します。 |
|
Blend Mode (ブレンド モード) |
ブレンド モードは、現在のマテリアルの出力と描画済みの背景とのブレンド方法を表します。厳密には、レンダリング時に、マテリアル (ソース カラー) とすでにフレーム バッファ (Dest カラー) にあるものをエンジンでどのように組み合わせるかを制御できるようになります。次は使用可能なブレンド モードです。
モード |
説明 |
BLEND_Opaque (ブレンド_不透明) |
最終カラー = ソース カラーです。マテリアルは背景の上に描画されます。このブレンド モードはライティングと互換性があります。 |
BLEND_Masked (ブレンド_マスク) |
OpacityMask > OpacityMaskClipValue の場合は最終カラー = ソース カラーです。それ以外の場合、ピクセルは破棄されます。このブレンド モードはライティングと互換性があります。 |
BLEND_Translucent (ブレンド_透過) |
最終カラー = ソース カラー オパシティ + Dest カラー (1 - オパシティ) です。このブレンド モードは、動的ライティングと互換性が ありません。 |
BLEND_Additive (ブレンド_加算) |
最終カラー = ソース カラー + Dest カラーです。このブレンド モードは、動的ライティングと互換性が ありません。 |
BLEND_Modulate (ブレンド_調整) |
最終カラー = ソース カラー x Dest カラーです。デカール マテリアルでない限り、このブレンド モードは動的ライティングまたはフォグと互換性が ありません。 |
AlphaComposite (アルファ コンポジット) |
乗算済みのアルファを含むテクスチャを使うマテリアルに使用します。カラー チャンネルはすでにアルファによって乗算済みであるため、GPU ではフレーム バッファとのブレンド時に、通常はアルファのブレンドに使用される計算 (SrcAlpha * SrcColor) を省略することができます。加算ブレンドされたものの外観を向上できます。 |
AlphaHoldout (アルファ提供) |
マテリアルのアルファを「提供」できます。ビュー空間では、その背後で透過オブジェクトに直接穴を空けます。 |
ブレンド モードの詳細については、「ブレンド モード」に関するドキュメントを参照してください。
|
Shading Model (シェーディング モデル) |
シェーディング モデルでは、最終的なカラーに仕上げるためのマテリアル入力 (Emissive、Diffuse、Specular、Normal など) の組み合わせを定義します。
モデル |
説明 |
Unlit (非ライティング) |
マテリアルは Emissive 入力と Opacity 入力のみによって定義されます。ライトには反応しません。 |
Default Lit (デフォルト ライティング) |
デフォルトのシェーディング モデル。ほとんどのソリッドなオブジェクトに最適です。 |
Subsurface (サブサーフェス) |
ワックスや氷など、サブサーフェス スキャッタリング (表面化散乱) マテリアルに使用します。Subsurface Color 入力をアクティブ化します。 |
Preintegrated Skin (統合済みスキン) |
人肌に似たマテリアルに使用します。Subsurface Color 入力をアクティブ化します。 |
Clear Coat (クリア コート) |
ラッカーや車のクリア コート塗装などのような、透明のコーティングが施されているマテリアルに使用します。Clear Coat 入力と Clear Coat Roughness 入力をアクティブ化します。 |
Subsurface Profile (サブサーフェス プロファイル) |
人肌に似たマテリアルに使用します。正しく機能させるには、サブサーフェス プロファイル を使用する必要があります。 |
Two Sided Foliage (両面フォリッジ) |
木の葉のように、正確なライティングとサーフェスを通り抜ける光の透過を含む、自然な外見のフォリッジを作成するマテリアルに使用します。 |
Hair (ヘア) |
髪の毛幹を正確に照らし、スペキュラ ハイライトを処理する現実味を帯びた外見の髪を作成するマテリアルに使用します。 |
Cloth (クロス) |
リアルな外見のクロスと、サーフェスに広がる毛羽立ちを作成する必要のあるマテリアルに使用します。 |
Eye (眼) |
人間の目のような外見を再現するマテリアルに使用します。 |
Single Layer Water (単一レイヤー ウォーター) |
[Opaque (不透明)] ブレンド モードを使用しながら、透明な水面のエフェクトを作成することができます。これにより、[Transparent (透明)] ブレンド モードを必要とするマテリアルを使用する際の負荷と複雑さが軽減されます。 |
Thin Translucent (薄い透明) |
着色ガラスのような物理ベースのガラスを作成するマテリアルに使用します。光源からの白いスペキュラと着色されたバックグラウンド オブジェクトを適切に処理します。 |
From Material Expression (マテリアル式から) |
複数のシェーディング モデルを単一のマテリアルにまとめる際に使用します。 |
シェーディング モデルの詳細については、「シェーディング モデル」を参照してください。
|
Two Sided (両面) |
[Two Sided] が有効な場合、法線は裏面で反転します。つまり、ライティングは表面および裏面の両方に対して計算されます。ポリゴン数の倍増を避けるために、フォリッジでよく使用されます。メッシュはライトのマッピングに単一の UV セットのみを使用するため、両面マテリアルは静的ライトとは適切に機能しません。結果として静的ライトを伴う両面マテリアルでは、両面が同じようにシェーディングされます。 |
Use Material Attributes (マテリアル属性を使用) |
このチェックボックスをオンにすると、マテリアルの主要ノードが「Material Attributes」というラベルが付いた単一の入力に簡略化されます。レイヤー マテリアルを利用した複数のマテリアルのブレンドや、Make Material Attributes 式ノードを使った複数のマテリアル タイプの定義に便利です。詳細についてには、「レイヤー マテリアル[LINK NEEDED]」ドキュメントを参照してください。 |
Cast Ray Traced Shadows (レイトレースによるシャドウをキャスト) |
このチェックボックスでは、[Project Settings (プロジェクト設定)] で レイトレーシングの機能 が有効に設定されている場合に、マテリアルでレイトレース シャドウをキャストできるようにします。 |
Subsurface Profile (サブサーフェス プロファイル) |
マテリアルで使用される サブサーフェス プロファイル を変更できます。 |
詳細マテリアルプロパティ
プロパティ |
説明 |
Decal Response (デカール反応) (DBuffer) |
DBuffer デカール上のマテリアルの反応方法を定義します (外観、パフォーマンス、テクスチャ/サンプルの使用に影響を及ぼします)。DBuffer デカール以外はプリミティブで無効にすることができます (スタティックメッシュなど)。 |
Cast Dynamic Shadow as Masked (動的シャドウをマスクとしてキャスト) |
透過ブレンド モードの場合であっても、マテリアルでシャドウをマスクとしてキャストするかどうかを指定します。 |
Opacity Mask Clip Value (オパシティ マスク クリップ値) |
マスクされたマテリアルの OpacityMask 入力がピクセルごとにクリップする参照値です。OpacityMaskClipValue よりも高い値は通過して、そのピクセルが描画されます (不透明)。OpacityMaskClipValue より低い値は失敗とみなされて、そのピクセルは破棄されます (透明)。 |
Dithered LOD Transition (LOD 遷移時のディザリング) |
このマテリアルでレンダリングされたメッシュで、ディザ補間された LOD 遷移をサポートするかどうかを指定します。 |
Dither Opacity Mask (ディザ オパシティ マスク) |
テンポラル アンチエイリアシングと組み合わせた場合に、すべてのライティング機能をサポートする制限された透過フォームを提供できます。 |
Allow Negative Emissive Color (負のエミッシブ カラーを許可) |
マテリアルがマイナス (負) のエミッシブ カラー値を出力することを許可するかどうかを指定します。これを使用できるのは 非ライティング マテリアル上のみです。 |
Num Customized UVs (カスタマイズされた UV の数) |
表示するカスタム仕様の UV 入力の数を設定します。未接続のカスタム仕様の UV 入力は頂点 UV をパススルーします。 |
Generate Spherical Particle Normals (球状パーティクル法線を生成) |
このマテリアルを使用するパーティクル システムの周りを回転することで、球状のまま維持されるサーフェス法線を作成します。スプライトは常にカメラの方を向いて回転するため、ボリュメトリック パーティクル システムで便利な機能です。このオプションによって、ボリュームの外観がより球状になります。 |
Tangent Space Normal (接線空間法線) |
接線空間法線はオブジェクトのサーフェスから計算され、Z 軸 (青色) は常にサーフェスと反対方向をポイントします。ワールド空間法線では、サーフェスの元の向きを無視して、ピクセルの角度の計算にワールド座標システムを使用します。接線空間の計算はパフォーマンス上の負荷がやや増大しますが、通常、これらは Photoshop などの 2D アプリケーションで作成可能な法線マップ タイプであるため、一般的に利便性に長けています。視覚的には、接線空間法線マップは主に青っぽく見える傾向があり、ワールド空間マップはより鮮やかな虹色に見えます。 |
Emissive (Dynamic Area Light) (エミッシブ (動的エリア ライト)) |
有効にすると、マテリアルのエミッシブ カラーはライト プロパゲーション ボリュームに注入されます。 |
Fully Rough (完全なラフ) |
マテリアルを強制的に完全に粗い状態 (ラフ) にすることで、マテリアル命令数と 1 つのサンプラが減ります。 |
Normal Curvature to Roughness (ラフネスに対する法線曲率) |
スクリーン空間の法線の変化に基づいてラフネスを軽減します。 |
Wire Frame (ワイヤー フレーム) |
マテリアルが適用されたメッシュのワイヤー フレーム ビューを有効にします。 |
Shading Rate (シェーディング レート) |
可変レート シェーディングがサポートされているプラットフォームで、どのシェーディング レートを適用するかを選択します。 |
Is Sky (空かどうか) |
マテリアルで使用されている非ライティング モードおよび不透明ブレン モードを天空メッシュでスカイ マテリアルとして使用できます。有効にすると、これらのメッシュは空気遠近法の影響を受けなくなります。高さとボリュメトリック フォグの効果は引き続き適用されます。 |
Asset User Data (アセット ユーザー データ) |
アセットとともに格納されるユーザー データの配列です。 |
Physical Material Mask (物理マテリアル マスク)
プロパティ |
説明 |
Physical Material Map (物理マテリアル マップ) |
このマテリアルに使用する物理マテリアル マップの配列です。マスク スロットを使用して、サウンド、エフェクト、その他のタイプの物理マテリアルを好みのカラー チャンネルに適用できます。 |
Nanite
プロパティ |
説明 |
Nanite Override Material (Nanite オーバーライド マテリアル) |
Nanite でのレンダリング時に使用されるオーバーライド マテリアル。 |
Translucency (透過処理)
プロパティ |
説明 |
Screen Space Reflections (スクリーン空間反射) |
これを有効にすると、透過マテリアル上でスクリーン空間反射 (SSR) がサポートされます。 |
Contact Shadows (コンタクト シャドウ) |
これを有効にすると、透過マテリアル上でコンタクト シャドウがサポートされます。 |
Lighting Mode (ライティング モード) |
マテリアルでの透過処理の使用方法の詳細については、「
このマテリアル内の透過処理に使用するライティング モードを制御できます。セルフ シャドウイングの煙や蒸気など、透過処理を利用するパーティクル システムで特に有用です。
モード |
説明 |
Volumetric NonDirectional (非指向性のボリュメトリック) |
指向性は考慮せずに、ボリュームに対するライティングが計算されます。煙や埃などのパーティクル エフェクトに使用します。最も負荷の低いライティング方法ですが、マテリアル法線は考慮されません。 |
Volumetric Directional (指向性のボリュメトリック) |
指向性を含めてボリュームに対するライティングが計算されるため、マテリアル法線は考慮されます。パーティクル接線空間はデフォルトでカメラの方を向いているため、bGenerateSphericalParticleNormals を有効にすることで、接線空間がより使いやすくなります。 |
Volumetric PerVertex NonDirectional (非指向性の頂点ごとのボリュメトリック) |
Volumetric NonDirectional と同じですが、ライティングが頂点のみで評価されるため、ピクセル シェーダーの負荷が大幅に削減されます。ライティングは引き続きボリューム テクスチャから生じるため、範囲は制限されます。ディレクショナル ライトは距離が離れるとシャドウが薄くなります。 |
Volumetric PerVertex Directional (指向性の頂点ごとのボリュメトリック) |
[Volumetric Directional] と同じですが、ライティングが頂点のみで評価されるため、ピクセル シェーダーの負荷が大幅に削減されます。ライティングは引き続きボリューム テクスチャから生じるため、範囲は制限されます。ディレクショナル ライトは距離が離れるとシャドウが薄くなります。 |
Surface Translucency Volume (サーフェス透過処理ボリューム) |
サーフェスに対してライティングが計算されます。ライトはボリュームに累積されるので、その結果はぼやけるようになります。距離は制限されますが、ピクセル当たりの負荷が非常に小さくなります。ガラスや水のような透明なサーフェスに使用します。ディフューズ ライティングのみがサポートされます。 |
Surface Forward Shading (サーフェス フォワード シェーディング) |
サーフェスに対してライティングが計算されます。ガラスや水のような透明なサーフェスに使用します。これはフォワード レンダリングで実装されるので、ローカル ライトのスペキュラ ハイライトはサポートされますが、ディファードのみの機能の多くはサポートされません。それぞれのライトの影響がピクセルごとに計算されるため、最も負荷の高い 透過ライティング方法です。 |
Lit の透過処理」を参照してください。 |
Directional Light Intensity (ディレクショナル ライトの強度) |
透過処理で生成されたライティングに対する法線の影響を人為的に増加させる場合に便利です。値が 1 より大きいと法線の影響が増加し、1 より小さいとライティングがより環境色に近くなります。 |
Apply Fogging (フォグの適用) |
有効にすると、透過マテリアルにフォグがかかります。 |
Compute Fog Per Pixel (ピクセルごとにフォグを算出) |
有効にすると、透過マテリアルでフォグがピクセルごとに計算されます。より多くの負荷がかかりますが、低テッセレーションによるアーティファクトを修正できます。 |
Output Velocity (速度の出力) |
これを有効にすると、速度パスにおいて透過マテリアルでモーション ベクターが出力されます。 |
透過処理の Advanced (詳細) プロパティ
プロパティ |
説明 |
Responsive AA (anti-aliasing) (対応 AA (アンチエイリアス)) |
特にパーティクルなどの小さな移動オブジェクトは、アンチエイリアシングによって消されてしまう場合があります。このプロパティを 有効 にすると、追加の定義を提供する別の AA アルゴリズムを使用できます。たとえば、ブリザードやそれに似たパーティクル システムを作成した際、雪片がよく見えない場合にこのオプションを使用すると、鮮明度を高めることができます。ただし、背景にエイリアシングによるアーティファクトが生じるため、このオプションは小さな移動オブジェクトのみに使用してください。 |
Translucency Pass (透過処理パス) |
マテリアルを 別の透過処理パス でレンダリングする必要があることを示します。DOF の影響は受けず、.ini ファイルで AllowSeparateTranslucency を設定する必要があります。 |
Mobile Separate Translucency (モバイル用の個別の透過処理) |
このオプションを有効にすると、個別の透過処理パスでマテリアルがレンダリングされます。これは、マテリアルは DOF の影響を受けず、.INI ファイルで bAllowSeparateTranslucency を設定する必要があることを意味します。 |
Disable Depth Test (深度テストを無効化) |
透過ブレンド モードでのみ有意な、マテリアルの深度テストを無効にします。深度テストを無効にすると、オクルードされたピクセルが Z カリングを取得できないため、レンダリングが非常に遅くなります。 |
Write Only Alpha (書き込み専用アルファ) |
透過処理パスで自身のアルファのみをフレームバッファに書き込むかどうかを指定します。 |
Allow Custom Depth Writes (カスタム深度の書き込みを許可) |
追加のシェーダーをコンパイルすることで、透過マテリアルでカスタム深度の書き込みを使用できるようにします。 |
Allow Front Layer Translucency (前面レイヤー透過性を許可) |
追加のシェーダーをコンパイルして、前面レイヤー透過性とともに透過マテリアルを使用できるように許可します。前面レイヤー透過性に含める内容を制御するのに役立ちます。 |
Translucency Self Shadowing (透過セルフ シャドウイング)
透過セルフ シャドウイングは、煙や蒸気の柱のなど、ボリュメトリックな Lit 透過オブジェクトの作成に最適です。セルフ シャドウイングは、Self Shadow Density (セルフ シャドウ密度) と Second Self Shadow Density (2 番目のセルフ シャドウ密度) の 2 つに大別できます。バリエーションを持たせるためにこれらの 2 種類が存在します。それぞれの密度は個別に定義することができ、その 2 つの差を利用してセルフ シャドウを通じてさまざまなパターンを作成できます。
プロパティ |
説明 |
Shadow Density Scale (シャドウ密度のスケール) |
この透過マテリアルにより、別のサーフェスにキャストするシャドウの密度を設定します。この動作は、シャドウイングのマスター スケーリングに若干似ています。値を「0」に設定すると、陰影が一切付きません。値を「1」以上に設定すると、キャストされたシャドウとセルフ シャドウの両方が暗くなります。 |
Self Shadow Density Scale (セルフ シャドウ密度のスケール) |
このマテリアルが自身にキャストするシャドウの密度を設定します。煙の柱にできるシャドウなどに使用できます。 |
Second Density Scale (2 番目の密度のスケール) |
バリエーションを加えるために設定できる 2 つ目のセルフ シャドウ密度です。内部グラデーションは、この値と透過性セルフ シャドウ密度のスケールとの間で作成されます。 |
Second Opacity (2 番目のオパシティ) |
補助的なセルフ シャドウイングにオパシティ値を設定します。セルフ シャドウと 2 つ目のセルフ シャドウ間のグラデーション効果をスケーリングできます。 |
Backscattering Exponent (バックスキャッタリング指数) |
サブサーフェス シェーディング モデルと透過性とを併用する場合に使用されるバックスキャッタリングを制御します。この値を高く設定するほど、バックスキャッタリング ハイライトがより小さく、より明るくなります。この値は、ディレクショナル ライトから形成されたボリュメトリック透過シャドウ内のみで使用されます。 |
Multiple Scattering Extinction (複数の散乱減衰) |
煙や柱などのボリュメトリック透過シャドウを含むオブジェクトの色の減衰値です。これによって色付きのシャドウとなります。 |
Start Offset (開始オフセット) |
透過ボリューム内で作成されたセルフ シャドウのワールド空間オフセットです。この値を高く設定するほど、シャドウは光源から遠ざかります。 |
Usage (使用)
これらの使用フラグは、マテリアルを適用するサーフェスのタイプをエンジンに伝えるために使用します。これらの設定により、エンジンで各アプリケーションの特別なバージョンをコンパイルできるようになります。これらは サーフェス マテリアル ドメイン 設定の使用時のみに有効です。
マップにすでに含まれるオブジェクトについては、これらのフラグがエディタ内で自動的に設定されます。たとえば、レベル内の任意の場所に配置されたマテリアルを使用するパーティクル システムがある場合、そのマップをエディタにロードすると、[Used with Particle System (パーティクル システムで使用)] フラグが自動的に設定されます。ゲームで、その特定のメッシュ上でマテリアルを使用できるようにするには、マテリアル アセットを保存する必要があります。
使用フラグの設定が正しくないと、デフォルトのワールド グリッド マテリアルがゲームで使用されます。これにより、ゲーム クライアントのログに適切なメッセージが出力されます。
プロパティ |
説明 |
Used with Skeletal Mesh (スケルタルメッシュで使用) |
マテリアルをスケルタルメッシュに配置する場合に設定します。 |
Used with Editor Compositing (エディタ コンポジットで使用) |
マテリアルをエディタ UI と使用する場合に設定します。 |
Used with Particle Sprites (パーティクル スプライトで使用) |
マテリアルをパーティクル システムに配置する場合に使用します。 |
Used with Beam Trails (ビーム軌跡で使用) |
マテリアルをビーム軌跡 (Beam Trails) と使用する場合に設定します。 |
Used with Mesh Particles (メッシュ パーティクルで使用) |
マテリアルとそのインスタンスをメッシュ パーティクルとともに使用できるかを示します。これを設定すると、メッシュ パーティクルをサポートするために必要なシェーダーがコンパイルされることになり、シェーダーのコンパイル時間とメモリ使用量が増加します。 |
Used with Niagara Sprites (Niagara スプライトで使用) |
マテリアルを Niagara スプライトと使用する場合に設定します。 |
Used with Niagara Ribbons (Niagara リボンで使用) |
マテリアルを Niagara リボンと使用する場合に設定します。 |
Used with Niagara Mesh Particles (Niagara メッシュ パーティクルで使用) |
マテリアルを Niagara メッシュ パーティクルと使用する場合に設定します。 |
Used with Geometry Cache (ジオメトリ キャッシュで使用) |
マテリアルをジオメトリ キャッシュと使用する場合に設定します。 |
Used with Morph Targets (モーフ ターゲットで使用) |
モーフ ターゲットを利用するスケルタルメッシュにマテリアルを適用する場合に設定します。 |
Used with Spline Meshes (スプライン メッシュで使用) |
マテリアルをランドスケープ スプライン メッシュに適用する場合に設定します。 |
Used with Instanced Static Meshes (インスタンス化されたスタティックメッシュで使用) |
マテリアルをインスタンス化されたスタティックメッシュに適用する場合に設定します。 |
Used with Geometry Collections (ジオメトリ コレクションで使用) |
マテリアルをジオメトリ コレクションと使用する場合に設定します。 |
Used with Clothing (クロスで使用) |
マテリアルを Apex で物理的にシミュレートされた衣服に適用する場合に設定します。 |
Used with Water (水で使用) |
水メッシュのサーフェスで使用されるマテリアルに使用します。 |
Used with Hair Strands (ヘア ストランドで使用) |
ヘア グルームで使用されるマテリアルに使用します。 |
Used with Lidar Point Cloud (Lidar 点群で使用) |
Lidar 点群で使用されるマテリアルに使用します。 |
Used with Landscape (ランドスケープで使用) |
マテリアルをランドスケープのサーフェスで使用する場合に設定します。 |
Used with UI (UI で使用) |
このマテリアルとすべてのマテリアル インスタンスを Slate UI と UMG で使用できることを示します。 |
Automatically Set Usage in Editor (使用方法をエディタで自動設定) |
エディタ内でのマテリアルの適用対象に基づいて使用フラグを自動的に設定するかどうかを指定します。このオプションはデフォルトで有効に設定されています。 |
Mobile (モバイル)
プロパティ |
説明 |
Full Precision Mode (最大精度モード) |
ピクセル シェーダーでマテリアルに強制的に最大 (高) 精度を使用させます。これはデフォルト (中) よりも処理に時間がかかりますが、精度に関連したレンダリングのエラーに対処することができます。この設定は、高精度をサポートしない旧型のモバイル デバイスには効果がありません。 |
Use Lightmap Directionality (ライトマップ指向性を使用) |
ライトマップ指向性とピクセルごとの法線を使用します。無効にすると、ライトマップからのライティングがフラットになりますが、負荷は小さくなります。 |
Mobile High Quality BRDF (モバイル高品質 BRDF) |
モバイルで高品質の BRDF 関数を使用すると、視覚効果が向上します。ただし、GPU 負荷は増大します。 |
モバイルの Advanced (詳細) プロパティ
プロパティ |
説明 |
Use Alpha to Coverage (範囲にアルファを使用) |
モバイルでのマスクされたマテリアルの範囲にアルファを使用します。この設定を機能させるには、マルチサンプル アンチエイリアス (MSAA) を有効にする必要があります。 |
Forward Shading (フォワード シェーディング)
プロパティ |
説明 |
Preintegrated For Simple IBL (シンプル IBL に向けて統合済み) |
フォワード (モバイルも含む) レンダラはシンプルな IBL に向けて統合済みの GF LUT を使用しますが、サンプラをもう一つ使用します。 |
High Quality Reflections (高品質反射) |
フォワード レンダラは、一緒にブレンドされる複数の視差補正反射キャプチャを有効にします。モバイル フォワード レンダラでは最も近い 3 つの反射キャプチャをブレンドしますが、反射キューブマップではさらに 2 つのサンプラが使用されるため、マテリアルに使用できるサンプラの数が減少します。 |
Blend Sky Light Cubemaps (スカイ ライト キューブマップをブレンド) |
スカイ ライト キューブマップ テクスチャのブレンドを有効にします。無効にすると、ブレンド係数が 1 のときのみセカンダリ キューブマップが表示されます。 |
Planar Reflections (平面反射) |
モバイル上で、またはフォワード レンダラを使用する際に平面反射を有効にします。この設定を有効にすると、平面反射にサンプラがもう 1 つ使用されるため、マテリアルに使用できるサンプラの数が減少します。 |
Post Process Material (ポストプロセス マテリアル)
プロパティ |
説明 |
Blendable Location (ブレンド可能な位置) |
このマテリアルをポストプロセス マテリアルとして使用する場合に、マテリアルの計算をトーンマッピングの前に行うか、後に行うかを制御します。ポストプロセスの色の編集にマテリアルを使用する場合は重要です。 |
Output Alpha (アルファの出力) |
有効にすると、ブレンド可能なオブジェクトでアルファが出力されます。 |
Blendable Priority (ブレンド可能なオブジェクトの優先度) |
同じタイプの複数ノードが同じ位置に挿入された場合に、その順序と、それらが結合されるかどうかを定義します。マテリアル ドメインが [Post Process (ポストプロセス)] に設定されている場合のみに使用します。 |
Is Blendable (ブレンド可能かどうか) |
ブレンド可能性を無効にできます。マテリアル ドメインが [Post Process] に設定されている場合のみに使用します。 |
Advanced (詳細) プロパティ |
|
ポストプロセス マテリアルの Advanced (詳細) プロパティ
プロパティ |
説明 |
Enable Stencil Test (ステンシル テストを有効化) |
カスタム深度/ステンシル バッファに対するステンシル テストに合格したピクセルのみに対してポストプロセス マテリアルを実行します。ステンシル テストに失敗したピクセルには、以前のポストプロセス マテリアルの出力またはシーン カラーが適用されます。 |
Stencil Compare (ステンシル比較) |
ドロップダウンを使ってステンシル テストを比較します。 |
Stencil Ref Value (ステンシル参照値) |
ステンシル参照値を設定します。 |
Refraction (屈折)
プロパティ |
説明 |
Reflection Method (反射メソッド) |
マテリアルで使用する屈折のタイプを制御します。
モード |
説明 |
Index Of Refraction (屈折率) |
屈折は、屈折率が Refraction マテリアル入力によって定義される媒体に入力するカメラ ベクターに基づいて計算されます。新しい媒体のサーフェスはマテリアルの法線で定義されます。このモードを使用すると、横からの平面に一定の屈折オフセットが適用されます。これは屈折の物理モデルですが、シーン カラー テクスチャ以外を読み取るため、水のような大きな屈折面には適していません。 |
Pixel Normal Offset (ピクセル法線オフセット) |
シーン カラーへの屈折オフセットは、ピクセルごとの法線と頂点ごとの法線の差に基づいて計算されます。このモードを使用すると、法線がデフォルト (0,0,1) のマテリアルでは屈折は生じません。このモードは接線空間法線でのみ有効です。Refraction マテリアル入力は、1.0 の値では屈折がなくなり、2 の値ではオフセットのスケール 1.0 にマッピングされますが、オフセットをスケーリングします。これは屈折の非物理モデルですが、シーン カラー以外の読み取りを避けるためにオフセットは小さくする必要があるので、水のような大きな屈折面に対しては有用です。 |
2D Offset (2D オフセット) |
デフォルトでは、ルート ノードの Refraction ピンがつながれていない場合、屈折は表示されません2D スクリーンの明示的なオフセット。このオフセットは、画面解像度およびアスペクト比と無関係です。強度およびフェードはユーザーに任されています。 |
|
Refraction Depth Bias (屈折深度バイアス) |
このプロパティでは屈折テストの深度をオフセットします。屈折値によって不要な隣接オブジェクト (通常は透過オブジェクトの前面周辺) がマテリアルのサーフェスにレンダリングされる場合に便利です。数値が高いほど、屈折を分離するために歪みがオフセットされますが、サーフェスと屈折したオブジェクトとの間に目立った割れ目が生じます。このプロパティは、式ノードが Refraction 入力に接続された状態でないと有効になりません。 |
World Position Offset (ワールド位置オフセット)
プロパティ |
説明 |
Max World Position Offset Displacement (ワールド位置オフセットの最大ディスプレースメント) |
マテリアルの最大ワールド位置オフセットを指定します。この値を使用すると、ワールド位置オフセットに起因するカリングやセルフオクルージョンの問題を解決し、オフセットの許容量を制限することができます。たとえば、各軸で値をクランプすることができます。なお、値が「0」の時は実質的にオフセットに対して「最大値なし」となり、オフセットはクランプされません。ただし、オブジェクトのカリングの範囲も拡張されません。 |
Max World Position Offset Displacement (ワールド位置オフセットの最大ディスプレースメントの使用方法)
たとえば、ジオメトリがオブジェクトの境界の外側に押し出されすぎると、ビジュアル アーティファクトやカリングの問題が発生するため、マテリアルのワールド位置オフセットで許容されるオフセット量を制限して、アーティファクトの発生を抑制したい場合があります。このタイプの問題は、Nanite メッシュでより顕著になります。Nanite メッシュでは細かいクラスターに分割されるためです。これらのクラスターはそれぞれ個別の境界を持ち、GPU 上で個別にカリングされます。WPO のクランプは、これを管理する優れた方法であり、Nanite ジオメトリと非 Nanite ジオメトリで役立ちます。
[Max World Position Offset Displacement] を使用すると、マテリアルの WPO の上限を制限し、典型的な WPO アーティファクトを防止することができます。「0」に設定すると、マテリアルはクランプされていないかのように動作します (つまり、従来の動作)。
この設定は、マテリアル インスタンスでオーバーライドできます。パラメータのオーバーライドが WPO の大きさに影響する場合に役立ちます。親マテリアルが指定する [Max World Position Offset Displacement] は、[Material Property Overrides (マテリアル プロパティのオーバーライド)] セクションでオーバーライドできます。
[Max World Position Offset Displacement] が「0」より大きいマテリアルを持つメッシュは、メッシュの境界をその分だけ自動的に押し広げます。境界を押し広げると、メッシュが最大オフセットを超えることがないように上限が強制されます。これにより、メッシュが境界の外側でレンダリングされることはなく、「ポッピング」によるビジュアル アーティファクトを防ぐことができます。ただし、マテリアルで WPO をクランプしても、独自のアーティファクトが発生しないわけではありません。オフセットが均一であることを意図していても、所々でつぶれたり平坦になったりすることがあります (下図参照)。また、スムーズで連続的である必要のある WPO によって制御されるアニメーションが、失速したり、ヒッチしたりすることがあります。
以下の例では、特定量の WPO ディスプレースメントを適用したメッシュを示しています。どちらのメッシュも同じディスプレースメント量ですが、右側のメッシュは最大 WPO ディスプレースメントによってクランプされています。手、膝、角の周辺は、他の部分に比べて顕著にクランプが発生します。
以下の例では、WPO マテリアルは、正弦波を使用して頂点法線の方向にオフセットをアニメートします。このマテリアルのオフセットの大きさは 5.0 です。0 より大きく、オフセットの大きさより小さい値の [Max World Position Offset Displacement] を適用すると、この設定を使用してオフセットをクランプすることができることを示しています。
[Out of Bounds Pixels (範囲外のピクセル)] 表示フラグを使用すると、WPO がクランプされているオブジェクトを調べることができます。これは、[Show (表示)] > [Visualize (視覚化)] メニューのレベル ビューポートにあります。
[Out of Bounds Pixels] 表示フラグは、マテリアルのワールド位置オフセットの大きさが [Max World Position Offset Displacement] を超えたためにクランプされたメッシュの部分を示します。
Lightmass
プロパティ |
説明 |
Diffuse Boost (ディフューズ ブースト) |
マテリアルのディフューズ コンポーネントが静的ライティングに及ぼす影響度を調整するための乗数です。 |
Export Resolution Scale (解像度スケールのエクスポート) |
マテリアルの属性をエクスポートする際の解像度を調整するための乗数です。細部のディテールが必要な場合はこの値を高く設定します。 |
Cast Shadow as Masked (マスクとしてシャドウをキャスト) |
有効 にすると、Lit 透過オブジェクトがあたかも [Masked] ライティング モードを使用しているかのようにシャドウをキャストします。よりくっきりとしたシャドウを透過オブジェクト上にキャストできます。 |
Previewing (プレビュー)
プロパティ |
説明 |
Preview Mesh (プレビュー メッシュ) |
マテリアルを プレビュー ビューポートでプレビューする際に使用するスタティックメッシュを設定します。 |
Import Settings (インポート設定)
プロパティ |
説明 |
Asset Import Data (アセット インポート データ) |
マテリアルで使用する選択項目に関連したインポート データ型とオプションを選択できます。たとえば、[Fbx Texture Import Data (Fbx テクスチャ インポート データ)] を選択すると、このインポート タイプに影響する固有のプロパティが提供されます。 |