概要
Unreal Engine で高度な視覚効果を構築する場合、Niagara システムが非常に複雑になる可能性があります。各エミッタには最終的なアウトプットを制御する数十、あるいは数百のパラメータが含まれることもあります。これは視覚効果アーティストや上級ユーザーにとってはメリットとなりますが、初心者や非 VFX アーティストにとっては手に負えない可能性があります。
ユーザーは、サマリ ビュー を使用してエミッタのパラメータのサブセットを作成することができます。このビューは完全にカスタマイズ可能であり、ユーザーが選択したパラメータのみが含まれます。これにより、シミュレーションに影響を与える主要なパラメータを強調表示したり、技術者ではないユーザーが簡単に使用できるように特定のパラメータを公開したりすることができます。
サマリ ビューは、すべての Niagara システムでエミッタごとに作成することができます。このサンプルでは、デフォルトでサマリ ビューが設定されるエミッタを備えた流体システムを使用します。その後、サマリ ビューを最初から作成します。
Niagara システムを作成する
このセクションでは新しく Niagara システムを作成して、デフォルトのサマリ ビューを確認します。
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[Plugins (プラグイン)] ウィンドウを開くには、[Settings (設定)] > [Plugins (プラグイン)] の順にクリックします。[FX] カテゴリに移動して、NiagaraFluids プラグインを有効にします。必要に応じて、Unreal Engine エディタを再起動します。
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コンテンツ ブラウザ で右クリックして、[FX] > [Niagara System (Niagara システム)] の順に選択します。
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[New system from a template or behavior example (テンプレートまたは動作例に基づく新しいシステム)] を選択して [Next (次へ)] をクリックします。
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[Grid 3D Gas Colored Smoke (グリッド 3D ガスの色付き煙)] を選択して [Finish (完了)] をクリックします。Niagara システムの名前を「NS_ColoredSmoke」にします。
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NS_ColoredSmoke をダブルクリックして開き、Grid3D_Gas_Master_Emitter を選択して [Emitter Summary (エミッタのサマリ)] をクリックします。
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[Details (詳細)] パネルに移動して、このエミッタの サマリ ビュー を確認します。
サマリ ビューは セクション (1) と個々の パラメータ (2) で構成されています。セクションを使用して、表示されるパラメータをフィルタリングできます。パラメータは個々の変数やモジュール全体、プロパティを備えたレンダラの場合もあります。また、カテゴリを作成して (画像にはありません)、特定のセクションでパラメータをさらにグループ化することができます。
最初のサマリ ビューを作成する
このセクションでは、エミッタの 1 つにサマリ ビューを作成します。また、パラメータを検索して追加する方法についても説明します。
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NS_ColoredSmoke で ParticleSourceEmitter を選択して、[Emitter Summary] をクリックします。
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[Details] パネルに移動して [Summary View] が空であることを確認したら、[Edit Summary (サマリを編集) をクリックして [Edit Summary View (サマリ ビューを編集)] ウィンドウを開きます。
- [Edit Summary View] ウィンドウは、次の領域で構成されています。
- (1) ソース リスト 領域。個々のパラメータ、モジュール、レンダラなどについての情報ソースを検索することができます。ソースを選択してカテゴリ (2) までドラッグすると、サマリ ビューに含めることができます。
- (2) セクション および カテゴリ 領域。パラメータをカテゴリとセクションの下に並べて整理することができます。
- (3) 詳細 領域。選択した要素の詳細が表示されます。
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検索バーをクリックして「Spawn Count」と入力し、[Spawn Count (スポーン回数)] をクリックして [Add Category (カテゴリを追加)] ボタンの下にある領域までドラッグします。
パラメータを選択して、詳細 領域に表示される情報を確認します。この場合は、ディスプレイ ネームのオーバーライド と ツールチップのオーバーライド を入力することができます。また、エミッタのサマリ ビューがすぐに更新されて Spawn Count パラメータが表示されることも確認してください。
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上記の手順に従い、次のように Color、Noise Strength、Noise Frequency のパラメータをサマリに追加します。
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サマリ ビューは次の画像のようになります。
サマリ ビューを整える
このセクションでは、サマリ ビューのカテゴリとセクションを作成します。また、パラメータの 1 つに Display Name Override (ディスプレイ ネームのオーバーライド) も使用します。
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[Edit Summary View] ウィンドウで [Add Category] をクリックして、カテゴリの名前を「Particle Spawn」にします。
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Spawn Count パラメータをクリックして Particle Spawn カテゴリまでドラッグし、パラメータをカテゴリにネストします。
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カテゴリに「Particle Color」を追加して、そこに Color パラメータを追加します。カテゴリに「Particle Noise」を追加して、そこに Noise Strength パラメータと Noise Frequency パラメータを追加します。
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[Add Section (セクションを追加)] をクリックして、新しいセクションの名前を「Color」にします。デフォルトで新しいセクションが選択されます。この新しいセクションには、パラメータもカテゴリも入っていません。
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[All (すべて)] をクリックしてすべてのセクションを表示します。Particle Color カテゴリを選択して Color セクションにドラッグします。
Color セクションをクリックして、Particle Color カテゴリに関連付けられているパラメータがそのカテゴリに入っていることを確認します。
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セクションの [All] に戻って新しいセクションを作成し、名前を「Forces」にします。Particle Noise カテゴリを選択して、そのセクションにドラッグします。
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セクションの [All] に戻って Spawn Count パラメータを選択します。詳細 領域で [Display Name Override] 入力ボックスをクリックして「Particle Count」と入力します。
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これで、サマリ ビューにすべてのセクションとカテゴリが反映されているはずです。
エミッタからパラメータを追加する
[Edit Summary View] ウィンドウの使用に加えて、エミッタ内での作業中にサマリ ビューに直接パラメータを追加できます。これにより、エミッタで作業しながら簡単にサマリ ビューを構築することができます。
エミッタからパラメータを追加するには、次の手順を実行します。
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[Edit Summary View] ウィンドウを閉じ、エミッタで [Particle Update (パーティクルの更新)] をクリックします。
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[Details] パネルに移動して Curl Noise Force モジュールまで下にスクロールします。Noise Quality / Cost パラメータを右クリックして、[Add to Emitter Summary (エミッタのサマリに追加)] を選択します。
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Spin Position モジュールまで上にスクロールします。モジュール名を右クリックして [Add to Emitter Summary] を選択します。サマリ ビューに個別のパラメータ、モジュール全体などを追加することができます。
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エミッタでサマリ ビューをクリックして、パラメータが追加されていることを確認します。