シーケンサーでは、シーンの既存のアクタを参照する (Possessable (所有可能なもの) という) か、新しいアクタをスポーンする (Spawnables (スポーン可能なもの) という) かを選択できます。このドキュメントでは、この概念の概要と、シーンでこの概念を利用する方法を説明します。
前提条件
Possessable (所有可能なもの) および Spawnables (スポーン可能なもの)
Possessable (所有可能なもの)
アクタを所有するには、レベルに存在するアクタをシーケンスに追加します。このリンクは、ソフト オブジェクト パス として形成されます。ほとんどの場合、これは受入可能なワークフローであり、望ましいワークフローである場合もあります。シーンにおいて、レベル シーケンス 内にある既存アクタとの高度なインタラクションが必要な場合、所有はアクタを参照するための最善の方法である可能性があります。
アクタを選択するか、[Actor to Sequencer (シーケンサーにアクタを追加)] リストからアクタを選んで、シーケンスに追加できます。アウトライナー からアクタを シーケンサー の空いている領域にドラッグすることもできます。

Spawnable (スポーン可能なもの)
ワンシーンの間一時的なアクタが必要な場合、Spawnable (スポーン可能なもの) を使用することができます。デフォルトでは、Spawnable アクタを含むシーケンスが開始されると、アクタがスポーンされます。シーケンスが終了すると、アクタは破壊されて削除されます。Spawn トラックを使用して、アクタがスポーンされるフレームと破棄されるフレームを明示的に制御することもできます。
Spawnable (スポーン可能なもの) を作成する
アクタをスポーンするには、アクタをドラッグする方法とアクタを追加する方法があります。
シーケンサー にない既存のアクタがあり、そのアクタを Spawnable に変換したい場合は、Possessable として シーケンサー に追加してから、そのアクタを Spawnable に変換します。
Spawnable はシーケンサーにドラッグすることで作成できます。コンテンツ ブラウザ、アウトライナー、または [Place Actors (アクタの配置)] パネルからアクタをシーケンサー アウトライナーの空いている領域にドラッグします。

アクタをコンテンツ ブラウザからシーケンサーにドラッグする

アクタを [Place Actors] からシーケンサーにドラッグする
Possessable を Spawnable に変換するには、次の手順を実行します。
-
ビューポートまたはアウトライナーからスポーンしたいアクタを選択します。
-
シーケンサーで、[Track (トラック)] > [Add Actor to Sequencer (シーケンサーにアクタを追加)] > [Add '{name of selected actor}' ('{選択したアクタの名前}' を追加)] の順に選択します。この操作により、アクタがシーケンサーに追加されますが、まだ Spawnables ではありません。
-
シーケンサーでアクタを右クリックし、[Convert to Spawnable (Spawnable に変換)] を選択します。
Spawnable アクタを再度変換すると、Possessable に戻すことができます。これを実行した場合、アクタがレベル内で再作成され、トラックがそのアクタにバインドされ、Spawnable アクタは削除されます。
シーケンサーで Spawnable を特定する
アクタがスポーンされると、シーケンサーおよび アウトライナー でアクタに 稲妻のオーバーレイ が表示されます。

Possessable アクタ Spawnable アクタ

アウトライナーでのスポーン アクタ
Spawnable プロパティ
Spawnable アクタには、動作およびシーケンサーとのインタラクションを制御するさまざまなプロパティがあります。それらのプロパティにアクセスするには、Spawnable バウンド トラックを右クリックし Spawnable カテゴリを選択します。
プロパティ名 | 説明 |
---|---|
Spawned Object Owner | アクタを所有するレベル シーケンスを指定します。同時に自動スポーンの動作を決定します。
|
Spawnable Level | アクタがスポーンされるレベルを指定します。このリストは、レベル ウィンドウにどのレベルが存在するかによって決まります。 World Partition またはデータ レイヤーを指定することはできません。 |
Change Class | このオプションは、この Spawnable にすでに追加されているシーケンサー トラックを保持しながら、スポーンされるクラスを変更する方法を提供します。これは、オブジェクトのプロパティなど、シーケンサー以外のデータは保持されません。 |
Continuously Respawn | 有効にすると、(Spawn トラックのステータスに基づき) アクタがまだ存在していることを確認するため、ティックごとにチェックされます。外部破壊イベントによってアクタが破壊された場合、アクタはリスポーンされます。 |
Evaluate Tracks When Not Spawned | オンにすると、アクタがスポーンされなくても、アクタのすべてのトラックが評価されます。これは、アクタがスポーンされる前に何らかの前処理が必要な場合に役立ちます。 |
Net Addressable | オンにすると、サーバーとクライアントが参照できる一意の名前を使用して Spawnable アクタがスポーンされます。 |
Save Default State | この Spawnable アクタの現在の状態を保存します。通常は、Unreal Engine によって Spawnable アクタへのすべての変更が自動保存されるため、このプロパティをクリックする必要はありません。 |
Convert to Possessable | アクタを Possessable アクタに変換します。これを実行した場合、アクタがレベル内で再作成され、Actor トラックがそのアクタにバインドされ、Spawnable アクタは削除されます。 |
ワークフロー
Spawnable アクタは、コンテンツの構成と管理の点でより適切に構成されたシーンの作成に役立ちます。
シーンのライティング
ショットごとに手動により有効化または無効化を設定するライトをレベル内に複数配置するのではなく、ショットに必要なライトを Spawnable アクタとして追加することができます。追加したライトは対象のショットにのみ存在するため、不要なライトでレベルが雑然とした状態になることはありません。

このワークフローは、アクタのインスタンスを作成できるように、パーティクルなどのあらゆる一時的なアクタに利用できます。