あまりに多くのサウンドを同時に再生すると、大量のリソース消費やパフォーマンスの低下が発生する可能性があります。サウンド並列処理 アセットは、そのような問題に対処するために使用できる主なツールの一つです。サウンド並列処理アセットを使用すると、同時に再生されるサウンドの数を制限でき、その上限に達したときにどうなるかを指定できます。それらのルールを個々のサウンド、サウンドのグループ、またはプロジェクト内のすべてのサウンドに割り当てることができます。
サウンド並列処理アセットを作成する
サウンド並列処理アセットを作成するには、コンテンツブラウザ にある [Add (追加)] ボタンをクリックして、[Audio (オーディオ)] > [Sound Concurrency (サウンド並列処理)] を選択します。
サウンド並列処理アセットを編集する

並列処理アセットのプロパティを編集するには、コンテンツ ブラウザ 内でそのプロパティをダブルクリックするか、そのプロパティを右クリックしてコンテキスト メニューで [Edit... (編集...)] を選択します。そのアセットの [Details] パネルが表示されます。
Details (詳細) パネル
Concurrency (並列処理)
プロパティ | 説明 |
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Max Count | このグループで許容される同時にアクティブなサウンドの最大数であり、この値を超えると Resolution Rule が有効になります。 |
Limit to Owner | オンであれば、これらの並列処理ルールを、サウンドを再生している各アクタに限定します。 |
Resolution Rule | Max Count に達した場合の動作を設定します。
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Retrigger Time | サウンドを再生するまでの待機時間 (秒単位)。この設定によって拒否されたサウンドでは、仮想化設定が無視されます。 |
アクティブに再生されているサウンドだけではなく、すべてのアクティブなコンポーネントが Max Count に反映されます。そのため、オーディオを再生することなくアクティブのままにできるシステム (シンセサイザーなど) に影響を及ぼす可能性があります。また、ソース バス は Max Count の範囲内で 2 つのスポットを占める (1 つは元のソース用、もう 1 つはバス用) ため、ソース バスに影響を及ぼす可能性もあります。ソースで [Output to Bus Only (バスのみに出力)] に設定されている場合でも、アクティブなコンポーネントのままであるため、ソース バスに影響を及ぼす可能性があります。
Volume Scaling (ボリュームスケーリング)
プロパティ | 説明 |
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Can Recover | オンであれば、グループ内のすべてのサウンドの再生が停止した後に、ボリューム スケーリングがそのデフォルト値に回復できます。 |
Volume Scale | 再生開始時間が最も早いサウンドに適用されるスケーリング係数 (ダッキング) であり、Volume Scale Mode に基づいて合成されます。 |
Volume Scale Mode | グループ内のアクティブなサウンドの属性に基づいて、使用するボリューム スケーリング動作を次のいずれかに設定します。
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Duck Time | Volume Scale を使用してダッキングする時間 (秒単位)。 |
Recover Time | ボリューム スケーリングから回復する時間 (秒単位)。 |
サウンドのスラッシングが発生しないように、Stop Quietest ルールが評価された後に、Volume Scale が適用されます。
Voice Stealing (音声スティール)
プロパティ | 説明 |
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Voice Steal Release Time | グループ内の別のサウンドの再生が開始されたことによってサウンドが停止される場合のフェードアウト時間 (秒単位)。 |
サウンド並列処理アセットを設定する
[Project Settings (プロジェクト設定)] での設定

[Project Settings (プロジェクト設定)] で、サウンド並列処理をすべてのサウンド ソースのデフォルトとして設定できます。
プロジェクトのデフォルトのサウンド並列処理を設定する手順
- [Edit (編集)] > [Project Settings... (プロジェクト設定...)] を選択すると、[Project Settings] が開きます。
- パネルの左側の [Engine (エンジン)] セクションにある [Audio (オーディオ)] をクリックします。
- Default Sound Concurrency にあるドロップダウンをクリックして、使用するサウンド並列処理を選択します。
ソース アセットでの設定

サウンド ソース アセット (MetaSound、Sound Cue、Sound Wave など) でサウンド並列処理を直接設定することもできます。
サウンド並列処理をサウンド ソースに設定する手順
- サウンド ソースの [Details] パネルを開きます。
- [Details] パネルで [Voice Management (音声管理)] > [Concurrency (並列処理)] > [Concurrency Set (並列処理のセット)] を見つけます。
- [Add] ボタンをクリックして、[Concurrency Set] にインデックスを追加します。
- 新しいインデックスのドロップダウンをクリックして、使用するサウンド並列処理を選択します。
複数のサウンド ソース アセットで同じサウンド並列処理を使用できます。そうすると、サウンド並列処理のプロパティと状態はそれらのソース間で共有されます。
1 つの [Concurrency Set] 内で複数のサウンド並列処理アセットを指定できます。ソースが再生されるには、そのセットにあるすべてのルールを満たしている必要があります。
1 つの [Concurrency Set] に、アクティブなサウンドを停止するルールを満たしているサウンド並列処理アセットが複数ある場合、グループごとに 1 つのサウンドが停止されて、新しいサウンド用の空きが確保されます。

また、[Override Concurrency (並列処理をオーバーライド)] オプションをオンにし、[Concurrency Overrides (並列処理のオーバーライド)] にあるプロパティを使用して、サウンド並列処理アセットを作成することなく個々のサウンド アセットの動作を指定することもできます。