Unreal Turnkey 用の Google Drive の設定は、Perforce やローカル リポジトリを使用するより複雑ですが、初期設定が完了すると SDK ファイルを保存し管理する共通の場所になります。これを行うには、組織に以下のリソースを設定する必要があります。
*Google Drive が有効な、組織の Google アカウント。
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Google Drive API が有効で OAuth 2.0 認証情報が 設定されている Google Cloud Platform アプリ。
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Google Drive フォルダと必要な認証を指す Turnkey マニフェスト ファイル。
このドキュメントは、これらの組織のリソースの設定方法について説明します。
1. 必要なセットアップ
このガイドでは、組織用に Google Drive アカウントが設定されていることを前提としています。アカウントの設定方法については、Google の資料 を参照してください。
このガイドは、サポートされているプラットフォームに必要な SDK パッケージを作成し、そこに zip ファイルが含まれていることも前提としています。完全な SDK やフラッシュ SDK を作成する方法は、プラットフォームごとに異なります。パッケージによっては受信したときにすでに ZIP 圧縮されているものもあり、その場合は変更を加えることなく直接 Google Drive にアップロードできます。しかし、コンソールの SDK の中には追加の手順が必要なものもあります。
SDK プロバイダから受信したファイルから、完全な SDK やフラッシュ SDK に必要なファイルの作成方法については、Turnkey コマンドライン の ヘルプ コマンドを参照してください。このコマンドは、SDK の設定方法や適切なバージョン番号の付け方についての説明を出力します。
これらの zip ファイルの必須の命名規則はありませんが、参照しやすいように一貫した圧縮形式と命名規則を選ぶことをお勧めします。また、Google Drive プラットフォームからのダウンロード リクエストは、多数のファイルより単一の圧縮されたファイルのダウンロードのほうが大幅に速いため、Google Drive にアップロードする前に SDK ファイルを ZIP 圧縮することも強くお勧めします。
2. Google Drive API の設定
Google Drive フォルダとファイルへのアクセスをユーザーに許可するため、Google Drive API が有効になったアプリを設定する必要があります。また、承認されたユーザーのみが Drive のフォルダにアクセスできるように、安全な資格情報を設定する必要があります。
このセクションでは、API と OAuth 2.0 認証を有効にする方法について説明します。
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https://console.developers.google.com/projectcreate から Google Developer Console にアクセスし、利用規約に同意します。
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プロジェクト名、組織、場所 の欄を入力し、[作成]をクリックします。
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Google Cloud ダッシュボード を操作すると、プロジェクトが設定されたことを確認する 通知 がポップアップ表示されます。この通知の プロジェクトを選択 をクリックします。
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API パネルで、API の概要へ移動 をクリックします。これにより、API とサービス のページが開きます。
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API とサービスのページの上部の、API & サービスを有効にする をクリックします。これにより、API ライブラリ が開きます。
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Google Drive API を選択します。Google Workspace セクションにあります。
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この API の [有効にする] ボタンをクリックします。
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Google Drive API の API とサービスのページが開きます。[認証情報を作成] のボタンをクリックします。これにより、プロジェクトに認証情報を追加するフォームが開きます。
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次の設定でフォームに入力します。
番号 設定 値 1 使用する API Google Drive API 2 API を呼び出す場所 その他の UI 3 アクセスするデータの種類 ユーザー データ -
[必要な認証情報] のボタンをクリックする。
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OAuth 2.0 同意画面の設定を促すポップアップが表示されます。[同意画面を設定] をクリックします。
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OAuth 認証情報を設定する新しいタブが開きます。User Type を 内部 に設定し、[作成] をクリックします。
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アプリ登録を編集する別のフォームが開きます。アプリ情報 に、アプリケーション名 と ユーザー サポート メール を入力します。ユーザー サポート メールには、組織のメンバーが問題解決に使用できる連絡先を必ず指定してください。
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デベロッパーの連絡先情報 まで下にスクロールし、組織の Turnkey Drive フォルダの管理者のメールアドレスを入力します。
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[保存して続行] ボタンをクリックします。
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現在のタブを閉じ、認証情報 ページに戻り、[更新] ボタンをクリックします。認証情報に 名前 を付け、[OAuth クライアント ID を作成] をクリックします。
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作成されると、認証情報をダウンロードする のセクションが使用可能になります。[ダウンロード] ボタンをクリックし、ユーザーに組織の Google Drive へのアクセスを許可するのに必要な、「client_id.json」という名前のファイルをダウンロードします。
設定した認証情報によって、アプリケーションから共有ドライブへのアクセスやファイルのダウンロードができるようになります。
3. Google Drive の認証情報の提供
Google Drive 上のファイルを確認するには、それにアクセスするセキュリティ認証情報の提供が必要です。この情報は、TurnkeyManifest.xml
ファイルに含まれています。
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前のセクションで作成した「client_id.json」ファイルを、Engine のインストールの 「Engine/Build/Turnkey」フォルダへ移動します。ユーザーが利用できるように、必ず組織のバージョン管理システムにファイルを追加してください。
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このフォルダ内にある「
TurnkeyManifest.xml
」ファイルを開き、以下の行をファイルの上部に追加してください。$(ThisManifestDir)/client_id.json -
マニフェストを保存し、組織のバージョン管理システムで更新してください。
これで提供された認証情報を使ってアプリケーションを Google Drive に接続できます。
ユーザーが初めて Google Drive に接続するとき、ユーザーを認証するウェブページが開きます。この間は、Turnkey は停止し、認証待ちであることを示すメッセージが表示されますが、手動で新しいブラウザ ウィンドウを確認する必要があるかもしれません。このステップが完了すると、Google Drive は今後使用するためユーザーのログイン情報をキャッシュします。
4. Google Drive に SDK をアップロードする
これでDrive へのアクセスに必要な認証情報を作成し、割り当てられたので、ファイルを保存する Google Drive フォルダ構造を設定する必要があります。
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「SdkInstallers」という名前の組織用の共有ドライブを作成します。
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このドライブ内にサポートするプラットフォームごとにフォルダを作成します。フォルダ名が「
TurnkeyManifest.xml
」マニフェスト ファイルに記載されている名前と一致することを確認してください。 -
各プラットフォーム内に、ホストする SDK バージョンごとのサブフォルダを作成します。
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SDK バージョンごとに、「
Install.zip
」という名前の zip ファイルを作成します。このファイルを Google Drive 上の対応するプラットフォームとバージョンのフォルダに入れます。
このステップが完了すると、SDK は組織内で配布できるようになります。
「$fileexpansion:」のプレフィックスとファイル拡張変数「$[ExpVersion]」を使用した自動ファイル検出を使用している場合、バージョン フォルダ名が対応するプラットフォームで使用されるバージョン番号の付け方と一致していることを確認してください。この情報は、Turnkey コマンドラインのヘルプ コマンドで確認できます。
5. マニフェスト ファイルの作成
最後に、Turnkey マニフェストが Google Drive のファイルを指すように編集する必要があります。
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Engine インストールの「Engine/Build/Turnkey」フォルダにある
TurnkeyManifest.xml
を開きます。 -
たとえば、以下は「TurnkeyManifest_Win64.xml」に有効な「
」です。 Win64 Full $(ExpVersion) Win64 v.($ExpVersion) fileexpansion:googledrive:/SdkInstallers/Win64/$[ExpVersion]/Install.zip ソース パスは「fileexpansion:」と「$[ExpVersion]」キャプチャ変数を含むため、Turnkey は「Win64」フォルダ内にあるすべてのバージョン フォルダを確認し、有効なバージョン番号ごとに FileSource オブジェクトを作成します。これらの FileSource オブジェクトは「$(ExpVersion)」を見つかったバージョン番号に置き換えます。
マニフェストをフォーマットする方法の詳細については、「Turnkey マニフェスト ファイル」の編集を参照してください。
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各マニフェストを SdkInstallers ドライブ上の対応するプラットフォームのフォルダにアップロード
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すべてのユーザーの Engine インストールがアクセスできるようにするため、「Engine/Build/Turnkey」内のベース「
TurnkeyManifest.xml
」ファイルが保存され、組織のバージョン管理システムで更新されていることを確認してください。マニフェストを作成したら、Turnkey が開始すると Google Drive 上で SDK ファイルを検索できるようになります。
6. 最終結果
このガイドに従うと、組織にはプラットフォームの SDK をアップロードやアクセスできる共有ドライブが装備されます。組織の管理者は SDK を追加や削除したり、マニフェストを編集したりできます。一方、Unreal Engine のユーザーは Turnkey に SDK のインストールやアップデートをリクエストすることで SDK にアクセスできるようになります。