このガイドでは、モバイル プラットフォームに向けて新しい Unreal Engine ゲーム プロジェクトを設定する方法を詳しく説明します。モバイル デバイスの仕様はさまざまで、一部のデバイスではより強力なレンダリング機能をサポートしています。このガイドで説明する設定は、多様な新規プロジェクトに対応しています。
1. プロジェクトのセットアップ
画像をクリックするとフルサイズで表示されます。
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Unreal Editor を起動します。Unreal プロジェクト ブラウザ が開いたら [Games (ゲーム)] をクリックします。
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プロジェクトを次のとおりに設定します。
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Project Template (プロジェクト テンプレート):Top Down (トップダウン)
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Target Platform (ターゲット プラットフォーム): Mobile (モバイル)
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Quality Preset (品質プリセット):Scalable (スケーラブル)
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Project Name (プロジェクト名): MobileTestGame
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作成するプロジェクトは、ブループリント と C++ のいずれでもかまいません。
- [Create (作成)] をクリックしてプロジェクトを作成し、Unreal Editor で開きます。
2. プロジェクト デフォルトの概要
このセクションでは、前のセクションで設定したプロジェクト デフォルトと、これらが新規モバイル プロジェクトに推奨される理由について説明します。
Project Template (プロジェクト テンプレート):Top Down (トップダウン)
すべてのゲーム テンプレートはモバイル ユーザー インターフェースに対応しますが、タッチスクリーンの使用には、トップ ダウン ゲーム向けのポイントアンドクリック インターフェースが最適です。サードパーソン テンプレートも同じように簡単に使用できます。
C++ プロジェクトとブループリントのみのプロジェクト
ブループリントのみのプロジェクトを iOS および Android にパブリッシュすることはできますが、C++ のみで利用可能なプラットフォーム設定機能が多数存在します。
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Windows マシンからでも、ブループリントのみのプロジェクトを使用して、iOS プロジェクトをビルドして iOS デバイスでテストすることはできますが、iOS アプリケーションでは、app store でのシッピングのために、プロジェクトの署名とプロビジョニングが必要になるため、最終的にはゲームのシッピングに、Xcode を備えた Mac が必要になります。
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Android プロジェクトの場合は、C++ プロジェクトを使用することで、追加のデバッグ オプションとツールを利用できるメリットがあります。
Target Platform (ターゲット プラットフォーム):Mobile (モバイル)
ターゲット ハードウェアとして [Mobile] を選択すると、モバイル デバイスで通常、またはまったくサポートされていない機能や、Unreal Engine でサポートするローエンドのモバイル デバイスではリソース消費量が多すぎる機能が無効になります。
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[Engine (エンジン)] – [Rendering (レンダリング)]
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[Bloom (ブルーム)] が無効になります。
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[Separate Translucency (個別の透過処理)] が無効になります。
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[Motion Blur (モーション ブラー)] が無効になります。
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[Ambient Occlusion (アンビエント オクルージョン)] が無効になります。
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[Anti-Aliasing Method (アンチエイリアス手法)] が [None (なし)] に設定されます。
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[Project (プロジェクト)] – [Maps and Modes (マップ&モード)]
- [Use Splitscreen (分割画面を使用)] が無効になります。
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[Slate (スレート)]
- [Explicit Canvas Child ZOrder (明示的なキャンバス子 ZOrder)] が無効になります。
Quality Presets (品質プリセット):Scalable (スケーラブル)
[Scalable] の設定では、いくつかのポストプロセスを無効にして、忠実度よりもパフォーマンスを優先する最小限のレンダリング機能が提供されます。
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[Engine (エンジン)] – [Rendering (レンダリング)]
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[Motion Blur (モーション ブラー)] が無効になります。
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[Auto Exposure (自動露出)] が無効になります。
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[Anti-Aliasing Method (アンチエイリアス手法)] が [None (なし)] に設定されます。
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ターゲット プラットフォームと品質プリセットは、[Project Settings] > [Target Hardware (ターゲット ハードウェア)] で変更できます。また、プロジェクトのニーズに合わせて個別の設定を変更したり、[Device Profiles (デバイス プロファイル)] でデバイスごとに設定をオーバーライドしたりすることもできます。
3. Android 向けにプロジェクトを設定する
Android 向けの完全なプロジェクト設定については、「Android クイック スタート」を参照してください。以下は、必要な手順をまとめたものです。
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Unreal Engine に対応する最新版の Android Studio をインストールします。お使いのバージョンの Unreal Engine に対応する Android Studio、SDK、NDK の各バージョンの詳細については、「Android Development Requirements (Android 開発要件)」ページを参照してください。Android Studio の具体的な設定については、Android SDK および NDK の設定ガイドを参照してください。
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エンジンの「Extras」>「Android」フォルダにある
SetupAndroid.bat
、SetupAndroid.command
、またはSetupAndroid.sh
スクリプトを実行します。 -
[Project Settings] > [Android] に移動し、Android プラットフォーム向けにプロジェクトを設定するためのプロンプトを見つけて、[Configure Now (今すぐ設定)] をクリックします。これによって、プロジェクトに「
Build/Android
」フォルダが追加されます。 -
まだ Android SDK ライセンスに同意していない場合は、[Project Settings] で [Accept SDK License (SDK ライセンスに同意する)] をクリックする必要があります。
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Google Play ストアをサポートする必要がある場合は、[Google Play Services] セクションまでスクロールダウンし、Google Play 向けの設定のプロンプトを見つけて [Configure Now] をクリックします。
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[Android Package Name (Android パッケージ名)] に、リバース ドメイン形式 (
com.(OrganizationName).(ProjectName)
) で名前を追加します。このサンプル プロジェクトでは、パッケージ名は「com.YourCompany.MobileTestGame
」になります。 -
お使いの Android デバイスを [Developer Mode (デベロッパー モード)] に設定し、これを Wi-Fi ローカル エリア ネットワークに接続するか、USB ケーブルを使ってコンピュータに接続します。詳細については、「開発用 Android デバイスの設定」を参照してください。
4. iOS 向けにプロジェクトを設定する
iOS 向けにプロジェクトをビルドするには、Apple Developer アカウントと Xcode を備えた MacOS コンピュータが必要です。iOS 向けの完全なプロジェクト設定については、「iOS クイック スタート ガイド」を参照してください。以下は、必要な手順をまとめたものです。
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[Xcode] > [Preferences] > [Accounts] で、お使いの Developer アカウント で Xcode を接続します。
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USB ケーブルを使って iOS デバイスを Mac に接続し、[Window] > [Devices and Simulators で Xcode をデバイスに接続します。
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Apple Developer ページ で、アプリ用の 識別子 (App ID) を作成します。バンドル ID については、リバース ドメイン形式 (
com.(OrganizationName).(ProjectName)
) で文字列を指定します。このサンプル プロジェクトでは、パッケージ名は「com.YourCompany.MobileTestGame
」になります。 -
Apple Developer ページでデバイスを登録します。
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プロジェクトで コードの署名を自動管理 するよう Xcode を設定します。バンドル ID が、App ID に使用したものと同じ名前であることを確認します。
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お使いの ID、Xcode で生成された署名証明書、登録済みのデバイスを使用して、Apple Developer ページで プロビジョニング プロファイル を作成します。これを任意の場所にダウンロードして、ドック内の Xcode にドラッグします。
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Unreal Editor でプロジェクトを開きます。[Project Settings] > [Platforms] > [iOS] で、バンドル ID を App ID に使用したものと同じ名前に設定します。エディタでプロビジョニング プロファイルと署名証明書が認識されたら、それぞれのチェックボックスをオンにします。
5. プロジェクトをオンデバイスでテストする
プロジェクトをデバイスでテストするには、USB ケーブルを使って対象のデバイスをコンピュータに接続し、[Platforms] ドロップダウンをクリックします。対象のデバイスが [Quick Launch (クイック起動)] セクションに表示されます。デバイスの名前をクリックすると、Unreal Engine によってプロジェクトがビルドされて、対象のデバイスにデプロイされます。
6. 最終結果
このガイドで説明した手順に従うことで、Android とiOS の両方で、モバイル プロジェクトをビルドしてデプロイし、テストすることができます。