Localization Dashboard (ローカライゼーションダッシュボード)
Unreal Engine (UE) の、Localization Dashboard は、ローカライゼーション ターゲットを管理するためのツールです。 このツールはまだ実験段階のものですが、安定して機能しており、社内のすべてのプロジェクトで使用されています。 これはローカライゼーション ターゲットの管理に推奨される方法で、エディタの [Window] ウィンドウ メニューからアクセスできます。
ダッシュボードはデフォルトで ゲーム ローカライゼーション ターゲットを作成し、プロジェクトが特に複雑でない限り、必要なローカライゼーション ターゲットは 1 つで十分です。 Gather Text 設定を使ってソースコードやアセットを見つける場所を指定し、 Cultures 設定を使ってプロジェクトをローカライズする言語を指定することができます。 これには、コンテンツを書いた言語に ネイティブ カルチャを設定することも含まれます。
新しいローカライゼーション ターゲットが追加された場合は、適切なロード ポリシー (通常は、 ゲーム ) が指定されていることを確認します。 そうしないと、実行時にローカライゼーション ターゲットがロードされません。
ローカライゼーション ターゲットを設定すると、 [Cultures] セクションのツールバーを使って、プロジェクトのテキストを 収集 、 エクスポート 、 インポート 、そして コンパイル することができます。 これは、新しい翻訳が利用可能になったとき、または新しいソース テキストが追加されたときに、繰り返し実行されるプロセスです。
これらのアクションを実行すると、Config/Localization
フォルダに INI ファイルが表示されます。 これらのファイルは、ダッシュボードを使って実行されるたびに生成され、ローカライズを自動化するパイプラインがない限り、ソース コントロールにサブミットする必要はありません。
現在、Localization Dashboard とローカライゼーション コマンドレット (Localization Dashboard でのコマンドレット バージョンの生成) には、ローカライゼーション ターゲット (ローカライゼーション パイプラインを形成する) 用に 2 つの設定レイアウトがあります。
翻訳エディタ
翻訳エディタには、[Localization Dashboard] からアクセスできます。 これにより、テキスト翻訳を簡単にチェックできます。 UI には、以下の 3 つの翻訳タブがあります。
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Untranslated:翻訳が関連付けられていないテキストです。
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Needs Review:旧バージョンのソース テキストに対して翻訳されたテキストです。
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Completed:現在のバージョンのソース テキストに対して翻訳されたテキストです。
翻訳エディタは頻繁に更新されることのないシンプルなツールのため、総合的な翻訳作業に必要な機能 (たとえば、翻訳メモリ機能はありません) が欠けている可能性があります。 このため、翻訳エディタはスポット修正にのみ使用することをお勧めします。 翻訳エディタを使用する代わりに、PO エクスポート / インポート パイプラインを使用し、外部翻訳ツール (例えば、Poedit、OneSky、XLOCなど) と組み合わせて翻訳作業を行うことをお勧めします。
Translation Picker (翻訳ピッカー)
Translation Picker は実験的なツールのため、頻繁には更新されていません。 このツールを使用すると、Play in Editor (PIE) を使用する場合など、UI で使用されているテキスト値から情報を調べることができます。
[Editor Preferences (エディタの環境設定)]>[Experimental] をクリックして、[Translation Picker] を有効にします。 一度有効にすると、エディタの [Window] メニューからアクセスできるようになります。
Translation Picker がアクティブになると、カーソルの近くにフローティング ウィンドウが表示され、カーソルの下にあるウィジェットに使用するすべてのテキスト値が一覧表示されます。 検査する文字列が見つかったら、Esc キーを押してピッカーをその選択範囲にロックします。
ローカライズ可能なテキスト (つまり、「LocRes」ファイルに収集、コンパイルされた ID 付きのテキスト) には、現在の翻訳をインライン編集で修正可能なテキスト フィールドが表示されます。
Unreal Engine 4.13 から 4.21 では、翻訳をインラインで編集できませんでしたが、Unreal Engine 4.22 では修正されています。
ローカライゼーションの自動化
Unreal Automation Tool (UAT) の ローカライズ スクリプトを使うと、ローカライズの自動化が可能となります。 このスクリプトでは、ローカライゼーション パイプラインの各パーツを実行する方法が提供されています。このスクリプトを使用して、夜間に製品のローカライゼーション アップデートを生成したり、外部のローカライゼーション プロバイダとのインターフェースを提供します。 このスクリプトは現在、Win64 開発エディタ ビルド用にハードコードされています。
Unreal Engine 4.22 以前:
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このスクリプトは、Localise という名前でした。 この名前はまだエイリアスとして残っています。
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LocalizationProvider
引数のデフォルト値は、OneSky
でした。 ローカライゼーション プロバイダを使用していない場合は、この引数を空の文字列に設定する必要があります。
外部のローカライゼーション プロバイダを使用せずに、ソース内ビルド (Unreal Engine ルートフォルダ内のプロジェクト) を呼び出す基本的な方法は、以下の通りです。
Localize-UEProjectDirectory="YourProject"-UEProjectName="YourProject"-LocalizationProjectNames="TargetName"
外部のローカライゼーション プロバイダを使用せずに、ソース外ビルド (UE4 ルートフォルダ外のプロジェクト) を呼び出す基本的な方法は、以下の通りです。
Localize-UEProjectRoot="Path/To/Project"-UEProjectDirectory=""-UEProjectName="YourProject"-LocalizationProjectNames="TargetName"
外部ローカライゼーション プロバイダとのインターフェースには、LocalizationProvider
から派生するクラスを作成する必要があります。 デフォルトでは、2 つのローカライズされたプロバイダである、OneSky と XLOC を提供しています。
ローカライゼーション プロバイダ | インプリメンテーション情報 |
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OneSky |
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XLOC |
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