Unreal Engine のランドスケープのクイックスタート ガイドでは、新規ランドスケープの作成、ランドスケープのスカルプト処理、ランドスケープ用のマテリアルの新規作成、ランドスケープでのそれらのマテリアルのペイントについて説明します。
1 - ランドスケープ ツールを使用する
Unreal Engine 5 (UE5) の Landscape (ランドスケープ) システムは、屋外環境の作成を可能にするツールのコレクションです。初めてランドスケープの作成を開始する前に、ランドスケープ システムでの操作で使用頻度の高いツールやキーボード入力に慣れておきましょう。
ランドスケープ ツールを開いて各モードを使用する
ランドスケープ システムを操作するために使用されるすべてのツールは、[Modes (モード)] ドロップダウン メニューの [Landscape] オプションにあります。ランドスケープ ツールを有効にするには [Modes] ドロップダウンを開いて、メニューからオプションを選択します。
ランドスケープ ツールには Manage、Sculpt、Paint の 3 つのモードがあり、Landscape ツールバーの上部にあるアイコンをクリックしてアクセスできます。それぞれのモードを使って、異なる方式でランドスケープを操作することができます。以下に、各モードで何ができるかについて、ごく簡単に示します。
アイコン | モード | ディスクリプション |
---|---|---|
Manage (管理) モード | 新しいランドスケープを作成し、ランドスケープ コンポーネントを変更します。[Manage (管理)] モードでは、[Landscape Copy Tool] を操作して、ランドスケープの各部のコピー、貼り付け、インポート、およびエクスポートを実行することもできます。[Manage] モードの詳細については、「ランドスケープ ツールの管理モード」を参照してください。 | |
Sculpt (スカルプト) モード | 特定のツールを選択して使用することで、ランドスケープの形状を変更できます。[Sculpt] モードの詳細については、「ランドスケープ スカルプト モード」を参照してください。 | |
Paint (ペイント) モード | ランドスケープのマテリアルで定義されたレイヤーに基づいて、ランドスケープ上のテクスチャをペイントすることにより、ランドスケープの各部の外観を変更できます。[Paint] モードの詳細については、「ランドスケープ ペイント モード」を参照してください。 |
ランドスケープ ツールを操作する
ランドスケープ ツールの 3 つのモードを使って異なる方式でランドスケープを操作することができますが、キーボードとマウスの操作は同様です。ランドスケープ ツールの操作で最もよく使用されるキー、キーの組み合わせ、マウス ボタンの一例を以下に示します。
よく使われるコントロール | 操作 |
---|---|
Ctrl キー | ランドスケープ コンポーネントを選択できます。 |
マウスの左ボタン | 高さマップを上げるか、または選択しているレイヤーのウェイトを増やします。たとえば、Sculpting モードでは、ランドスケープの高さマップを上げます。Paint モードでは、選択しているマテリアルをランドスケープに適用します。 |
Shift + 左マウス ボタン | 高さマップを下げるか、または選択しているレイヤーのウェイトを減らします。たとえば、Sculpting モードでは、ランドスケープの高さマップを下げます。Paint モードでは、ランドスケープの特定のセクションに適用されていた、選択しているマテリアルを消去します。 |
Ctrl + Z キー | 直近の操作を元に戻します。 |
Ctrl + Y キー | 直近の元に戻す操作をやり直します。 |
2 - ランドスケープを新規作成する
FPS ブループリント プロジェクトを新規作成する
最初のランドスケープを作成する前に、ファースト パーソン プロジェクトを新規作成します。 プロジェクトを新規作成する方法については、「新規プロジェクトを作成する」ページを参照してください。
ランドスケープを作成する
- まず、ファースト パーソン プロジェクトをまだ作成していない場合は、新規作成します。
このチュートリアルで他のテンプレートを使用することもできますが、First Person プロジェクトを使用したほうがランドスケープを確認しやすくなります。[First Person (ファースト パーソン)] オプションを選択してから [Next] ボタンをクリックします。
-
ブループリントを使用し、「Starter Content」フォルダが含まれるようにプロジェクトを設定します。プロジェクトのコンピュータ上での保存先を選択し、適切な名前を付けます。そして、[Create Project (プロジェクトを作成)] ボタンをクリックして、続行します。
-
新規プロジェクトを作成すると、エディタが読み込まれます。[File] -> [New Leve (新規レベル)] を使用してレベルを新規作成し、[New Level Template (新規レベル テンプレート)] から Default Level を選択します。
- レベルを新規作成したら、レベルから フロア を選択し Delete キーを押して、レベルからフロアを削除します。
プレイヤーの開始位置を選択し、Z 軸に沿って少し上に移動するようにします。そうすると、プレイヤーの開始位置が、新しく作成したランドスケープの下になるのを避けることができます。
完了すると、このような画像になります。
-
作成したレベルを整えて、プレイヤーの開始位置が Z 軸に沿って少し上に移動した状態になったら、ランドスケープを新規作成します。ランドスケープを新規作成するには、[Modes] ドロップダウン メニューの [Landscape] オプションをクリックします。
-
[Landscape] オプションをクリックすると、[Landscape] パネルに以下のランドスケープ ツールが表示されます。
-
このチュートリアルでは、ランドスケープの作成に重点を置くので、デフォルト設定を使用します。 ランドスケープ ツールの Manage モードで使用できる各種設定の詳細については、「ランドスケープを作成する」を参照してください。 今は、設定が次の画像と同様であることを確認してから、[Create (作成)] ボタンをクリックして、ランドスケープを作成します。
このような結果になります。
3 - ランドスケープをスカルプト処理する
ランドスケープ のスカルプト処理には時間がかかります。スカルプト処理に使用されるすべてのツールは [Landscape] ツールバーの [Sculpt (スカルプト)] タブにあります。各スカルプト処理ツールの詳細については、「Sculpt モード」ページを参照してくだい。ランドスケープをスカルプト処理するときに最もよく使用するキーとマウス操作のクイック リファレンスを以下に示します。
よく使われるコントロール | 操作 |
---|---|
Ctrl キー | ランドスケープ コンポーネントを選択できます。 |
マウスの左ボタン | 高さマップを上げるか、または選択しているレイヤーのウェイトを増やします。たとえば、Sculpting モードでは、ランドスケープの高さマップを上げます。ペイント モードでは、選択したマテリアルをランドスケープに適用します。 |
Shift + 左マウス ボタン | 高さマップを下げるか、または選択しているレイヤーのウェイトを減らします。たとえば、Sculpting モードでは、ランドスケープの高さマップを下げます。Paint モードでは、ランドスケープの特定のセクションに適用されていた、選択しているマテリアルを消去します。 |
Ctrl + Z キー | 直近の操作を元に戻します。 |
Ctrl + Y キー | 直近の元に戻す操作をやり直します。 |
ランドスケープ のチュートリアルのこの部分では、ランドスケープの完全に平らなセクションから始め、進行するにつれてディテールを作り上げていきます。チュートリアルで作成したものを正確に真似るのではなく、さまざまな ランドスケープ ツールの使用に慣れていただくことが目標です。
このチュートリアルに従って操作したにもかかわらず、結果が以下の画像に一致しない場合、様々な理由が考えられます。ランドスケープ ツールの作業では試行錯誤を繰り返すため、結果にばらつきが生じて、以下の画像とはまったく違う結果になる場合があります。このチュートリアルの最も重要なポイントは、各ランドスケープ ツールが機能する仕組みを理解し、すべてのツールを組み合わせて作業すると最終的にどのような成果物を作成できるのかを理解することです。
- まず、使用するランドスケープのセクションを見つけます。 このチュートリアルでは、ランドスケープ全体を埋めるのではなく、その一部を処理します。 カメラをブックマークしておくと便利です。キーボードの CRTL + 1 を押します。 カメラをブックマークしておくと、いつでもカメラビューに戻って簡単にランドスケープの進捗を評価できます。 エディタ セッション中にいつでも 1 キーを押して、設定位置にカメラを正確に戻すことができます。
- ブックマークを設定したら、Scupt (スカルプト) ツール を使用して広範囲にわたって丘や谷を詳細にペイントします。
この手順で使用したブラシ サイズと強度設定は以下のとおりです。完了すると次のようになります。ブラシ サイズと強度の値はビューポートの上にある [Landscape] パネルまたは [Landscape] ツールバーで変更できます。
マウスの左ボタン をクリックすると、ランドスケープの高さが上がり、Shift キーを押しながら マウスの左ボタン をクリックすると、ランドスケープの高さが下がります。
使用ツール ブラシ サイズ 強度設定 Scupt ツール 8192 0.29 - 丘や谷の輪郭を作ったら、次は Smooth (スムーズ) ツール を使用して、ルックアンドフィール (見た目と雰囲気) を調整します。スムーズ ツールは、ランドスケープ の特徴を滑らかにして、見た目をより自然に仕上げます。すべての特徴を滑らかにしてしまわないように注意しましょう。
この手順で使用したブラシ サイズと強度設定は以下のとおりです。完了すると次のようになります。
使用ツール ブラシ サイズ 強度設定 Smooth ツール 2048 0.29 - ランドスケープを滑らかにしたので、次は Flatten (平坦化) ツール を使用してセクションのような卓状台地を追加します。平坦化ツールは最初にクリックした場所の高さ情報を捉えて、ブラシをドラッグした点に合わせて高さマップを上げ下げします。
この手順で使用したブラシ サイズと強度設定は以下のとおりです。完了すると次のようになります。
使用ツール ブラシ サイズ 強度設定 Flatten ツール 2048 0.29 - 次は Ramp (傾斜) ツール を使って卓状台地の間に平らな傾斜を追加します。傾斜ツールでは、傾斜の始点と終点を指定した後で [Add Ramp (傾斜を追加)] ボタンをクリックすると 2 点の間に平らなパスが作成されます。各点を任意の方向に移動させて、ユニークな状態に合う傾斜を作成することができます。
この手順で使用したブラシ サイズと強度設定は以下のとおりです。完了すると次のようになります。
傾斜の使用箇所が明確でない場合は黄色で強調表示されます。
使用ツール 傾斜幅 Side Falloff Ramp ツール 2000 0.40 - 次に、風による侵食をシミュレートする Erosion (侵食) ツール を使用して、ランドスケープに侵食エフェクトを加えて侵食された外観にします。このツールは、丘を部分的に削って山頂や稜線を作成するのに最適です。
この手順で使用したブラシ サイズと強度設定は以下のとおりです。完了すると次のようになります。
使用ツール ブラシ サイズ 強度設定 Erosion ツール 693 0.25 - 次の手順では、前の手順で加えた侵食を使用し、さらに水による侵食をランドスケープに加えます。
この Hydro Erosion (水侵食) ツール は、時間経過と共に水がランドスケープの詳細に侵食する様子をシミュレーションします。侵食ツールとは異なります。スムーズ ツール と同様に、すべての特徴を侵食してしまわないように注意しましょう。
この手順で使用したブラシ サイズと強度設定は以下のとおりです。完了すると次のようになります。
使用ツール ブラシ サイズ 強度設定 Hydro ツール 2048 0.29 - ランドスケープのサーフェスをさらに細分化するために、Noise (ノイズ) ツール を使用します。
ノイズ ツールはランドスケープのサーフェスにランダムなノイズを加えます。これは、ランドスケープの頂点をランダムに上か下、または上下両方に移動して行います。
この手順で使用したブラシ サイズと強度設定は以下のとおりです。完了すると次のようになります。
使用ツール ブラシ サイズ 強度設定 Noise ツール 2048 0.29 - ランドスケープのスカルプト処理では、手順の最後に Smooth (スムーズ) ツール を再度使用して、ランドスケープで荒削りした部分を滑らかにして自然な外観に仕上げます。
この手順をご自身で行う必要はないかもしれませんが、深すぎたり、プレイヤーが落ちると動けなくなるかもしれないエリアを調整する支援をします。この手順で使用したブラシ サイズと強度設定は以下のとおりです。完了すると次のようになります。
使用ツール ブラシ サイズ 強度設定 Smooth ツール 8192 0.29
4 - ランドスケープ マテリアルを作成する
フォルダ設定
ランドスケープのスカルプト処理が終わったので、次はマテリアルをいくつか追加し、さらに現実世界のものに見えるようにしていきます。 その前に、プロジェクトに作成および移行するコンテンツを整理するためのフォルダを設定する必要があります。
Unreal Engine 5 におけるフォルダのセットアップ方法に関する詳細情報は「フォルダ」を参照してください。
- プロジェクトの「Content」フォルダの中に「Landscape」という名前のフォルダを新しく作成します。
- 次に、「Landscape」フォルダ内に次の 3 つのフォルダを作成します。
- Materials
- Resources
- Textures
完了すると以下のようになります。
テクスチャを移行する
フォルダの用意ができたので、Landscape Mountains ラーニング プロジェクトからいくつかのテクスチャを移行し、作業するためのテクスチャを用意します。Landscape Mountains プロジェクトは、Epic Games Launcher の [Learn] タブにあります。プロジェクト間でのコンテンツの移行方法に関する詳細は、「コンテンツの移行」を参照してください。
プロジェクト間でコンテンツを移行する場合、不要なフォルダが追加されてしまう可能性があります。 それを修正するには、コンテンツ ブラウザ 内で必要とするテクスチャを選択し、それを現在の場所から、配置したいフォルダにドラッグします。 これは、純粋に整理するだけの手順であり、チュートリアルの成果には一切影響を及ぼしません。
ランドスケープ機能別サンプル プロジェクトの以下のフォルダの中にテクスチャがあります。
/Game/ExampleContent/Landscapes/Textures/
以下は、ランドスケープ機能別サンプル プロジェクトから移行するテクスチャです。
- T_LS_Grass_01_D
- T_LS_Grass_01_N
- T_FullGrass_D
- T_FullGrass_N
- T_IceNoise_N
テクスチャを移行が終わったら、前の手順で作成した「Textures」フォルダにそれらのテクスチャが入っていることを確認します。
ランドスケープのマテリアルを作成する
ランドスケープ用のマテリアルの作成は、以下の手順で行います。
- コンテンツ ブラウザ の「Materials」フォルダに移動します。
- コンテンツ ブラウザ を 右クリック して [Create Basic Asset (基本アセットを作成する)] から [Material] を選択します。
- 新規作成したマテリアルに、見つけやすい名前を付けます (例:Landscape_Material)。
Unreal Engine 5 でマテリアルが機能する仕組みについて理解を深めたい方は、「マテリアル」ページを参照してください。
完了すると以下のようになります。
新規ランドスケープ マテリアルが作成したら、次は コンテンツブラウザ 内でそのマテリアルを ダブルクリック して開きます。そうすると、次のような画面が表示されます。
次に、マテリアル エディタ内でノードを追加していきます。 まず LandscapeLayerCoords UV ノードを配置します。このノードはランドスケープ マテリアルをランドスケープ アクタにマッピングするために使用する UV 座標を生成するのに役立ちます。
最も素早くランドスケープ固有のノードを見つけるには、[Materials] の [Palette] ボックスで「Landscape」をキーワードにして検索します。
次に、地面の Base Color (基本色) と Normal (法線) マップのテクスチャのためのマテリアル ノードを追加します。雪には、オフホワイト カラーを使っている Vector Parameter (V + 左クリック) を使用します。Metallic 情報が使用されないようにするには、Constant (1 キーを押しながら左クリック) に「0」を設定し、Metallic 入力につなぎます。そして、Roughness では、Material Instance で後から値を調整できるように、スカラー値 (S キーを押しながら左クリック) を設定します。最後に、LandscapeCoords が各 Texture Samples の UV につながれていることを確認します。完了すると、ノード ネットワークは次のようになります。
さまざまなテクスチャの Texture Sample ノードを追加するには、コンテンツ ブラウザ で目的のテクスチャを選択し、マテリアル エディタ のグラフで T キーを押しながら左クリック してノードを作成します。
これらのキー バインディングの詳細については [Edit (編集)] > [Editor Preferences (エディタ環境設定)] > [Keyboard Shortcuts (キーボード ショートカット)] ウィンドウで [Material Editor - Spawn Nodes] セクションを選択します。
番号 | テクスチャ名 |
---|---|
1 | T_ForestGround_D |
2 | T_Ground_Grass_D |
3 | T_ForestGround_N |
4 | T_Ground_Grass_N |
5 | T_IceNoise_N |
マテリアル ノードを配置して LandscapeCoords をテクスチャの UV に接続したら、Landscape Layer Blend ノードを追加しセットアップします。Landscape Layer Blend ノードは、重みブレンド、高さブレンド、アルファ ブレンドを使ったレイヤーのブレンドを可能にします。重みブレンドは各レイヤーのペイントされた重みを使って表示する部分を判断します。砂の中の岩など、2 つの表面をお互いシームレスにブレンドする場合に重みブレンドを使用します。高さブレンドは、テクスチャ サンプルのアルファ チャンネルから取り出した追加の高さ値の他に重みブレンドと同じ情報を使用します。Soil レイヤーの上部に置かれた Glass と Snow など、1 つのマテリアルを何かの上にはっきり置く場合に最適です。アルファ ブレンドでは、アルファ レイヤーでアルファ レイヤーペイントされた重み情報を使って最終結果が判断されます。
以下の表は、各 テクスチャ が関連付けられている Layer Name と、使用している Blend Type を示しています。
最初に Landscape Layer Blend ノードを配置すると 1 の画像のようにブランクになります。レイヤー を追加するには、最初に [Material Graph] でノードを選択し、[Details (詳細)] パネルで [Elements] と [ゴミ箱] アイコンの間にある [+ (プラス)] アイコンをクリックします。画像 2 ではこのアイコンは黄色に強調表示されています。使用するテクスチャの数に応じて必要なレイヤー数が決まります。
レイヤー ブレンドの基本色
Texture | Layer Name (レイヤー名) | Blend Type (ブレンド タイプ) | Preview Weight (重みのプレビュー) |
---|---|---|---|
T_LS_Grass_01_D | Soil | LB Weight Blend | 1.0 |
T_FullGrass_D | Grass | LB Height Blend | 0.0 |
Snow as a Vector 3 | Snow | LB Height Blend | 0.0 |
Layer Blend Normal (レイヤー ブレンドの法線)
Texture | Layer Name (レイヤー名) | Blend Type (ブレンド タイプ) | Preview Weight (重みのプレビュー) |
---|---|---|---|
T_LS_Grass_01_N | Soil | LB Weight Blend | 1.0 |
T_FullGrass_N | Grass | LB Height Blend | 0.0 |
T_IceNoise_N | Snow | LB Weight Blend | 0.0 |
Landscape Layer Blend ノードの詳しい使用方法および問題のトラブルシューティングについては、「テレイン表現式」ページを参照してください。
Layer Blend ノードをセットアップしたら Texture マップを接続します。高さブレンドされたマテリアルは、追加の高さ情報に対するニーズを調節するためにレイヤー接続と高さ接続があります。完了すると以下のようになります。
マテリアル接続を Photoshop で色付けすると、必要な接続が分かりやすくなるので便利です。現時点では、Unreal Engine 4 でマテリアル ノードの接続を表す色を変更することはできません。
5 - ランドスケープ マテリアルをペイントする
ランドスケープ マテリアルを作成したら、それをランドスケープに適用し、ランドスケープ ペイント ツールを使用してランドスケープのペイントを始めます。
ランドスケープをペイントする準備
ランドスケープのペイントを始める前に、最初にいくつかのセットアップが必要です。ます、ランドスケープ マテリアルをランドスケープに適用します。
-
コンテンツ ブラウザ でマテリアルを探します。前の手順で作成した「Materials」という名前のフォルダの中にあるはずです。見つけたらクリックして選択します。
-
コンテンツ ブラウザ でランドスケープ マテリアルを選択したら、ワールドでランドスケープを選択します。次に、[Details] パネルの [Landscape] セクションを展開し、Landscape Material 入力を見つけます。
- [Use Selected Asset from the Content Browser (コンテンツ ブラウザから選択したアセットを使用する)] の矢印アイコンを使用して、マテリアルをランドスケープに適用します。マテリアルを コンテンツ ブラウザ から [Details] パネルにドラッグして Landscape Material 入力にドロップすることもできます。
- 完了すると以下のようになります。
ランドスケープに黒い線がある場合は、ビルドされていないライティングがあります。レベルのライティングを再ビルドすると黒い線はなくなります。
これでランドスケープ マテリアルが適用されたので、ペイントを開始する準備がほぼ整いましたが、その前に 3 つの Landscape Layer Info Objects を作成して割り当てる必要があります。Landscape Layer Info Objects を割り当てる前にペイントしようとすると、以下の警告メッセージが表示されます。
ペイントする各テクスチャに 1 つ必要なので、3 つの Landscape Layer Info Objects を作成します。次のようにします。
- まず、ランドスケープの Paint モード になっていることを確認します
- [Landscape] パネルの [Target Layers (ターゲット レイヤー)] セクションに、Soil、Grass、Snow という名前の 3 つの入力があります。
- 名前の右側に、プラス記号 のアイコンがあります。プラス記号のアイコンをクリックすると、どのタイプのレイヤーを追加したいかを尋ねる別のメニューが表示されます。ここでは、[Weight-Blended Layer(normal)] オプションを選択します。
- [Weight-Blended Layer (normal)] オプションを選択している場合は、新しく作成された Landscape Layer Info Objects を保存する場所を尋ねるポップアップ ボックスが表示されます。「Landscape」フォルダの中の「Resources」フォルダを選択して [OK] ボタンをクリックします。
- 1 つ目の作成が完了したら、残りの 2 つについても同じプロセスを繰り返します。次のようになります
Landscape Layer Info Objects を作成し、適用したら、ランドスケープのペイントを開始できます。
ランドスケープをペイントする
ランドスケープをペイントする前に、頻繁に使用するキーボードとマウス入力を以下に示します。
よく使われるコントロール | 操作 |
---|---|
マウスの左ボタン | 選択されているツールのエフェクトを、選択されているレイヤーに適用するストロークを実行します。 |
Ctrl+Z | 最後のストロークをアンドゥします。 |
Ctrl + Y キー | 元に戻した直近のストロークをやり直します。 |
テクスチャをランドスケープに適用するために使用するメインツールは、ペイント ツール です。ランドスケープのペイントに使用できるすべてのツールとその機能の詳細については、「ペイント モード」のドキュメントを参照してください。
マテリアルをランドスケープに適用するには、マウスの左ボタン を押したままにして、選択したテクスチャをブラシの下にあるエリアに適用します。
ペイントする新規テクスチャを選択するには、ランドスケープ ペイント モード になっていることを確認し、次に [Target Layers] セクションでリストの中からペイントしたいテクスチャをクリックして選択します。強調表示されているテクスチャがランドスケープにペイントされます。次の画像では、Soil レイヤーがオレンジ色で強調表示されています。つまり、これがランドスケープにペイントされるテクスチャです。
ペイントを完了すると、次のようになります。
起こりうる問題とその回避策
初めてランドスケープでペイントを開始したときに、次の写真のように、ベース マテリアルが消えたり黒色になったりするという問題にぶつかる可能性があります。
これは、ペイント開始時にランドスケープにペイントレイヤー データが存在しないために起こります。この問題を修正するには、ランドスケープへのペイントの操作を続けていると、ペイント レイヤー データが生成されます。ランドスケープ全体を埋める場合は、まず大きいブラシ サイズ (8192.0 など) を選択し、ベースとして使用するレイヤーを選択して、ランドスケープ全体を一度ペイントします。そうすると、ペイント レイヤー データが作成されるので、黒色にならずにペイントを続行することができます。
起こりうる他の問題としては、ランドスケープのテクスチャのスケールが大きすぎたり、小さすぎたりすることがあります。この問題を修正するには、ランドスケープ マテリアルを開いて、Landscape Coords ノードを選択します。このノードを選択し、[Details] パネルで [Mapping Scale (マッピング スケール)] を調整してからマテリアルを保存します。マテリアルが再コンパイルされたら、ビューポートでスケールアウトをチェックします。スケールが望ましい結果になるまで、この処理を繰り返します。
Mapping Scale の比較を以下に示します。左側が 0.5、右側が 5.0 です。
6 - ランドスケープのヒントとコツ
上記の ランドスケープ クイックスタート チュートリアルでは、ランドスケープでの作業を開始しましたが、それはランドスケープ ツールでできることのほんの一部にすぎません。このセクションでは、ランドスケープ ツールを使用する上でのヒントとコツ、およびランドスケープを生成するために使用できるいくつかの外部ツールについて説明します。
ヒントとコツ
- ペイント ツール を使用する際に、消したいものの上にペイントした方が、Shift + マウスの左ボタン を使用して消去するよりも簡単だと感じるでしょう。
- アルファ ブラシ を使用する場合は、Texture Channel ドロップダウンメニューから異なる RGB チャンネルを選択してブラシが使用するパターンを変更できることを覚えておいてください。これは、単一のテクスチャに 3 種類までアルファ パターンをパックできるので非常に便利です。
- ランドスケープは、どのレイヤーがペイントされているかに基づき各コンポーネントに対してシェーダーを個別にコンパイルします。例えば、土のレイヤーを持つコンポーネントがあって、その上に草のレイヤーがペイントされた痕跡がない場合、草のレイヤーのテクスチャはそのコンポーネントに対してマテリアルがなく、レンダリングの負荷が低くなります。そのため、最適化パスを行う場合、ランドスケープを検討し、任意のレイヤーの小さなトレースのみを持つコンポーネントを探して消去し、マテリアルの複雑さを軽減することは価値があります。
- レイヤーをペイントする場合に注意すべき問題はまだあります。1 つのコンポーネントに過剰な数のテクスチャを持たせないことです。マテリアル エディタの統計情報には、使用が認められるテクスチャ サンプル数の制限が表示されていますが、ランドスケープ マテリアルについては、各レイヤーのマスクもテクスチャ サンプルとしてカウントされ、統計情報には表示されません。新規レイヤーをペイントする場合にコンポーネントにデフォルトのテクスチャ (グレーの正方形) が表示され始めたら、テクスチャ サンプルの制限を過ぎた可能性が高くなり、レイヤーを消去するか、マテリアルを最適化して使用するテクスチャを少なくする必要があります。
- 個々のランドスケープ コンポーネントの LOD (Level of Detail) 距離係数 を変更し、より近い、またはより遠い閾値では単純化するようにします。山の頂上やはっきりとしたシルエットを持つものは、離れるにつれて LOD が非常に目立つようになります。そのため、こうしたコンポーネントの LOD バイアスを減らしてその形状を保つようにします。テッセレーションが少なくても外観に目立った違いがない平野などの詳細度が低いエリアの LOD バイアスも上げることができます。
ワールド コンポジション
Unreal Engine 4 (UE4) は、ワールド コンポジション ツールを使用して簡単に管理できる巨大なワールドをランドスケープを使って作成する機能を提供します。ワールド コンポジションは、巨大なワールドの管理を簡素化するために設計されました (特に、ランドスケープを使用して作成されたワールドの場合)。ワールド コンポジション ツールの詳しい情報は、以下の公式ドキュメントを参照してください。
外部作成ツール
デフォルトのランドスケープ ツールはスカルプト処理とペイント処理のすべてのニーズを満たしますが、ランドスケープの見た目と雰囲気をさらに調整したい場合があります。ランドスケープ ツールを使用しても得ることができない外観の取得を支援するソフトウェア パッケージの一覧を以下に示します。
Houdini | Houdini でのプロシージャルなテレイン生成では、高度フィールド ノードのコレクションを使用します。レイヤー形状を使用して、ノイズを追加してデジタル ランドスケープの外観を定義します。河川のライン、川岸、岩くず、新しい階層スキャタリングなどをさらに調整したら、要素をランドスケープに効率的に配置するには、高度な侵食ツールを使います。高さレイヤーとマスク レイヤーをエクスポートして UE4 にテレインを作成したり、テレイン ネットワークを Houdini デジタル アセットにまとめて Houdini Engine プラグインを使って UE4 で開くことができます。デジタル アセットに高度フィールド ノードが含まれると、Unreal Engine のネイティブ テレイン ツールを使ってシームレスに統合します。 |
Mudbox | 主にデジタル スカルプトと 3D メッシュのペイントのツールですが、ランドスケープの高さマップデータ生成にも使用できます。Mudbox がランドスケープにどのように役立つかについては、以下のウェブサイトを参照してください。 |
Terragen | Terragen も強力で完全にプロシージャルな地形作成ソフトウェアです。World Machine と同様に、これを使用してランドスケープをビルドし、質感を持たせ、高さマップとテクスチャの両方をエクスポートできます。Terragen がランドスケープにどのように役立つかについては、以下のウェブサイトをご覧ください。 |
World Machine | World Machine は強力でプロシージャルな地形作成ソフトウェアです。ランドスケープをビルドし、高さマップとテクスチャの両方をエクスポートできます。World Machine がランドスケープにどのように役立つかについては、以下のウェブサイトをご覧ください。 |
ZBrush | Zbrush はもうひとつのデジタル スカルプトと 3D メッシュのペイントのツールですが、ランドスケープの高さマップデータ生成にも使用できます。Zbrush がランドスケープにどのように役立つかについては、Zbrush のウェブサイトをご覧ください。 |