テクスチャ グラフ エディタ により、Unreal Engine でテクスチャをプロシージャルに作成し編集するためのノードベースのインターフェースをアーティストが利用できます。マテリアル エディタ と同様のノード グラフがあり、ユーザーはエディタで各ノードを配列し、イメージを表すテクスチャ グラフを構築します。このグラフから、テクスチャを出力します。ノードのネットワークは テクスチャ グラフ アセット として保存されます。
テクスチャ グラフを使用する
テクスチャ はイメージ アセットであり、Unreal Engine でエクスペリエンスを作成するためのコア プロセスの一部です。テクスチャはマテリアルとユーザー インターフェース (UI) で主に使用します。テクスチャは直接入力 (ベース カラーなど) として適用する、マスクとして使用する、または他の計算にその RGBA 値を使用することもできます。テクスチャはアセットで単独に使用することも、タイルで並べることもできます。
マテリアル はメッシュのサーフェス プロパティを定義しますが、異なる目的の複数のテクスチャをサンプリングすることもできます。たとえば、シンプルなマテリアルでは、ベースカラー、スペキュラ、法線マップの各テクスチャがあります。さらに、これら同じテクスチャの 1 つまたは複数のアルファ チャンネルに格納される、エミッシブおよびラフネス用のマップがあります。単一のテクスチャに複数の値をパックする処理は、パフォーマンスのためにドローコールを節約し、ディスク スペースを削減しながら、簡単に利用できます。
テクスチャ グラフをブループリント、マテリアル、マテリアル関数と組み合わせて、Unreal Engine でのみ可能な独自のワークフローを作成できます。このエディタは テクスチャ アセット エディタ とともに機能します。これによりテクスチャ アセットを詳細にコントロールし管理する機能が提供されます。
プラグインをロードする
テクスチャ グラフ エディタは実験的機能プラグインであり、エンジンを開始したときにデフォルトではロードされません。
プラグインを有効にするには、次の手順を実行します。
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メニュー バー で、[Edit (編集)] > [Plugins (プラグイン)] を選択します。
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検索バーに、「texture graph」と入力します。
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TextureGraph プラグインを有効にし、ダイアログのポップアップで、[Yes (はい)] を選択します。
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エンジンを再起動します。
新規グラフを作成する
新規テクスチャ グラフを作成するには、コンテンツ ドロワー を開き、次のいずれかを実行します。
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[Add (追加)] > [Texture (テクスチャ)] > [Texture Graph (テクスチャグラフ)] をクリックします。
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コンテンツ ブラウザ内の空いている場所を右クリックして [Texture (テクスチャ)] > [Texture Graph (テクスチャグラフ)] を選択します。このオプションでは現在のフォルダにテクスチャ グラフ アセットが作成されます。

テクスチャ グラフ UI

テクスチャ グラフ UI
メインメニュー - 1
メインメニュー バーから、保存や開くなど重要なグラフ管理メニューに簡単にアクセスできます。このツールバーにはグラフ専用の複数のツールも含まれます。

テクスチャ グラフ メインメニュー バー
アクション | 説明 |
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保存 | 現在のグラフを保存します。 |
開く | グラフをコンテンツ フォルダから開きます。 |
Export (エクスポート) | グラフの最終テクスチャ エクスポートをコントロールするエクスポート ウィンドウを開きます。このウィンドウでは、エクスポートされるグラフの出力対象をコントロールできます。単一の出力だけをエクスポートすることも、存在する場合に複数のテクスチャをエクスポートすることも選択できます。 |
Update (更新) | [Auto Update (自動更新)] がオンになっていないときに、グラフのサムネイルと出力のプレビューを更新します。自動更新では時間がかかるような複雑なグラフで役に立ちます。 |
Auto Update (自動更新) | グラフの自動更新を切り替えます。グラフが複雑な場合に、このオプションをオフにすることができます。 |
Palette (パレット) | ノードのパレットを表示します。 |
Node Histogram (ノードのヒストグラム) | ノードのヒストグラムを表示します。このヒストグラムでは、値のテクスチャ分配に関する重要な情報が得られます。 |
ノード パレット - 2
ノード パレット には、対象のテクスチャ グラフ内で利用できるすべてのノードが含まれます。ノードのライブラリをスクロールする、または、検索バーを使って特定のノードを検索することもできます。
ノードをグラフ ウィンドウに追加するには、次のいずれかを実行します。
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ライブラリからメイン グラフ ウィンドウにノードをドラッグします。
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グラフ ウィンドウ内を右クリックします。
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既存のノードのピンから、接続をドラッグします。ノードが配置されているときは、このワークフローにより、ノード接続を簡単に作成できます。元のピンから新規ノードの最初のオープン入力ピンでノード間が接続されます。

ノード パレット
メイングラフ - 3
メイングラフ ウィンドウは対象のグラフを構築するプライマリ ビューです。各ノードはグラフのどこにでも配置できます。一般に入力および作成ノードは左側に配置し、グラフのフローを右に進め、書き込まれるテクスチャの種類をコントロールする出力ノードを最後に配置します。
グラフから単一または複数の出力を利用できます。

プライマリ グラフ表示
ノード プレビュー - 4
ノード プレビュー では選択ノードのテクスチャを表示します。このプレビューには、特定のチャンネルを表示し、テクスチャのズーム レベルを調整するオプションがあります。
他のノードを調整しているときに、特定のノードを表示するためにプレビューをロックすることができます。たとえば、最終出力のビューをロックしながら、グラフで先にブレンド パラメータを調整する場合です。

2D プレビュー

イメージ ヒストグラム
詳細パネル - 5
[Details (詳細)] パネルには、現在選択されているノードのプロパティが表示されます。

[Details] パネル
3D ビューポート - 6
[3D Preview (3D プレビュー)] ビューポートでは、標準またはユーザー定義の 3D メッシュに選択出力マップを表示します。アセットをビューに直接ドラッグする、またはメッシュを選択して、カスタム メッシュ アイコン (ティーポット型) で適用することにより、メッシュを定義できます。
表示マップはビューポートの詳細パネルから選択できます。

3D ビューポート
ノード
テクスチャ グラフ向けノード デザインでは、コンパクトなレイアウトで関連情報が表示されます。このレイアウトにより、アーティストはグラフを隅から隅まですみやかに確認し、データのフローを簡単に評価できます。ノード ヘッダには、ノードの名前やタイプが表示されます。ノードには処理のタイプに応じて色が付きます。名前の下には、ノードのイメージ形式と現在の解像度に関する情報が表示されます。ノード ヘッダにはサムネイルのプレビューも含まれます。

基本ノード表示
展開すると、ノードの全属性が表示されます。これには、ノード固有の属性や、このノードの出力設定のみが含まれることがあります。一般にこれらの値は、グラフの評価に基づいて自動で設定されます。状況によっては、値ではなくカスタム設定を定義することもできます。

詳細ノード表示
マテリアル

マテリアルノード
Unreal Engine には強力なマテリアル システムがあります。テクスチャ グラフではマテリアル システムを活用できます。つまりテクスチャを作成するために、グラフでマテリアルの情報を使用します。標準的なコンクリート マテリアルなどのマテリアルを、マテリアル ノードにロードできます。さらにレンダリング属性を定義できます。

マテリアル ノードの詳細設定
マテリアル関数
テクスチャ グラフ エディタでは、一部のマテリアル関数を直接使用できます。MaterialFunction ノードでは、マテリアル関数から利用できる入力ピンと属性が公開されます。これは非常に便利で、すでに存在する場合は複雑な関数を再作成することなく、グラフを構築できます。この機能により、テクスチャ グラフでは堅牢なマテリアル関数ライブラリとツールセットを活用します。
たとえば、texture bombing マテリアル関数は、Transform で利用できる単純な繰り返しと比較すると、テクスチャをランダムに繰り返すことができ、簡単に統合できます。

マテリアル関数ノード

マテリアル関数の詳細
テクスチャ グラフ サブグラフ
TextureGraph ノードを通じて、テクスチャ グラフをサブグラフとして再利用できます。繰り返し処理をカスタマイズする場合に便利です。たとえば、何らかのノイズをマスクに追加する場合があります。
このサブグラフには一連のノードが含まれ、スカラー値で制御できる一部の専用変数で複雑なノイズ パターンを作成できます。

テクスチャ グラフ サブグラフ
TextureGraph ノードを使用すると、指定の入力が、サブグラフで定義された出力とともに公開されます。これにより共通処理を開発し、再利用することができます。

テクスチャ グラフ ノード
テクスチャ グラフとブループリント
共通のタスクを効率化するために、多様なパイプライン関連関数に対して、テクスチャ グラフとブループリントを組み合わせることができます。
Texture Graph プラグインをロードすると、ブループリント エディタの [パレット] で追加関数を利用できます。ブループリントの詳細については、「ブループリント ビジュアル スクリプティング」および「ブループリント エディタ パレット」を参照してください。
これらの関数により、既存のグラフを簡単にコントロールできます。たとえば、共通の UV チェッカー パターンを作成する基本テクスチャ グラフを利用できます。

テクスチャ グラフ用ブループリント関数
関数の全リストおよび説明は、「ブループリント API」を参照してください。
次のステップ
ここで説明したテクスチャ グラフの基本とともに、次のリソースを使用して、各ノードの理解を深め、テクスチャの作成を開始することができます。