シーケンサーとは

シーケンサー は、Unreal Engine (UE) から離れずにアニメーション シーケンスやムービー シーケンスを作成するために使用できる堅牢なシネマティック ツールです。シーケンサーはノンリニア編集スイートです。ノンリニア編集とは、さまざまな UE アセット用のオフライン編集形式のことです。オフライン編集では、元のコンテンツは編集しません。
シーケンサーの一般的なユーザー ケース
シーケンサーでは、レベル フライスルーを作成したり、ライトやマテリアル、オブジェクト、キャラクターなどのアセットをアニメートしたり、シーケンスをレンダリングしたりできます。これらは、シーケンサーのより一般的な使用法の一部です。

シーケンサーのツールと直感的な UI により、レベル シーケンス、トラック、キーフレーム化されたアセット をすべて 1 つのプラットフォームで使用してシネマティックスを作成することができます。
学習内容
このチュートリアルでは、UE の新規ユーザーが経験を積む方法や、アセットのアニメート、静的なカメラやアニメート化されたカメラの設定、シーケンサーの UI の使用について簡単に説明し、シーケンサーでカメラ カットを作成する方法を学びます。
プロジェクトを設定する
- 「サードパーソン」テンプレート を使用して新しい Unreal Engine プロジェクトを作成します。デフォルトのプロジェクト設定を変更する必要はありません。
- コンテンツ ブラウザ の空いているスペースで右クリックしてフォルダを作成し、「Sequences」という名前を付けます。このフォルダは必ず「Content」フォルダの下に作成してください。
- 「Sequences」フォルダ内で右クリックし、[Cinematics (シネマティックス)] メニューから レベル シーケンス を追加します。
- このシーケンスをダブルクリックしてシーケンサーで開きます。この時点で、空のレベル シーケンスができています。
キューブをアニメートする
レベル シーケンスを設定したら、カメラ カットでフォーカスを合わせるものについて考慮する必要があります。このチュートリアルでは、シーン内を移動するキューブをアニメートし、その移動を追跡する 3 つのカメラ カットを作成します。
- アウトライナー か ビューポート から SM_ChamferCube2 を選択します。このキューブは、テンプレートに備わっている 3 つのキューブのうち最も遠い位置にあるものです。
- シーケンサーで [+Add (+追加)] ボタンをクリックし、[Actor to Sequencer (シーケンサーにアクタを追加)] > [Add ‘SM_ChamferCube2’ (‘SM_ChamferCube2’ を追加)] の順に選択します。これにより、シーケンサーでアニメートできる Transform プロパティを持つトラックが作成されます。
-
Transform プロパティ を展開し、Transform の Location プロパティのフレーム 0000 で [Add keyframe (キーフレーム追加)] ボタン をクリックします。これにより、Location の X、Y、Z 属性にキーフレームが追加されます。このキューブを動かしていない場合、Location キーフレームは X が「1050」、Y が「320」、Z が「50」に設定されています。
-
[To End (終わりへ)] ボタンをクリックして、再生ヘッドをショットの最後に動かします。
-
ツールバーの [Auto-Key (自動キー)] ボタンを有効にして、自動キーフレーム作成機能を切り替えます。
有効にすると、マグネットのアイコンが青くなります。
-
キューブをシーンの反対側 (Location の座標は X が「1050」、Y が「3200」、Z が「280」) に移動させます。このとき、再生ヘッドを前後に動かしてスクラブ再生し、ショットの開始点から終了点までのキューブの移動を確認することができます。
-
アニメーションを調整する必要がある場合、[Auto Key (自動キー)] を有効にして、選択したキューブを終了フレーム上で動かします。これにより、キューブの Location キーフレームが自動的に更新されます。または、カーブ エディタ をクリックし、必要に応じて該当するキーを上下にドラッグして値を調整したり、左右にドラッグして開始フレームや終了フレームを変更したりして、キーフレーム値を調整できます。
カメラを追加する
次に、キューブのアクションにフォーカスを合わせるカメラをいくつか作成します。
-
シーケンサーで、[Create Camera (カメラを作成)] ボタン (1) をクリックしてカメラを追加します。これにより、「Cine Camera Actor (Cine カメラ アクタ)」というカメラが作成されます。このアセットが作成されて独自のシーケンサー トラックに割り当てられ、Camera Cuts (カメラ カット) (2) トラック (詳細は後述します) が作成され、ビューポートがこの新しく作成されたカメラの視点に変更されます。
ビューポートの表示をシーン ビューに戻すには、シーケンサー トラックの [Cine Camera Actor] アイコンを有効にします。
- カメラがビューポートにロックされている間は、カメラを パイロット できます。フレームが「0000」に設定されていることを確認したら、Location と Rotation のトラック (Cine Camera Actor トラックの Transform の下にあります) を展開し、カメラを次の Transform の値に配置します。
- Location:
- X:-520
- Y:740
- Z:890
- Rotation:
- Roll (ロール):0
- Pitch (ピッチ):-25
- Yaw (ヨー (左右回転)):355
- Location:
-
再生ヘッドをキューブがカメラのビューから消える直前まで移動させます (フレーム 0050)。 これで、最初のカメラ カットを作成する準備が整いました。トラックの右端をつかんでフレーム 0050 まで引き伸ばして、カメラ ショットの持続時間を トリム します。トラックの端が青くなってカーソルが左右矢印に変わるまで、トラックの端にカーソルを乗せます。
- もう少し練習するため、シーケンサー で [Create Camera (カメラを作成)] ボタンをクリックし、「Cine Camera Actor (2)」という名前で 2 つ目のカメラを作成します。ビューポートの表示は何も変わりませんが、新しいカメラ アセットとトラックがシーケンサーに追加されます。新しいカメラは、最初のカメラと同じ位置にあります。
新しいカメラを作成すると自動的にカメラ パイロット モードになるため、その後のショットは新しいカメラを動かしてキューブを表示します。カメラを次の値に配置します。
- Location:
- X:685
- Y:2600
- Z:640
- Rotation:
- Roll:0
- Pitch:-25
- Yaw:-70
- Location:
-
Camera Cuts トラックで [+ (プラス)] 記号をクリックし、[New Binding (新しいバインディング)] > [Cine Camera Actor (2)] の順に選択します。これにより、2 つ目のカメラ トラックが Camera Cuts トラックに追加されます。
-
再生ヘッドをスライドするとキューブが移動する様子が表示されますが、カメラ間のカットは変わりません。どのカメラがアクティブなのかを覚えておいてください。ここでは 2 つ目のカメラがアクティブです。カメラ カットを確認するには、[Lock Viewport (ビューポートをロック)] を無効にする必要があります。
-
最後となる 3 つ目のカメラとして、キューブを最終位置まで追跡するカメラを作成します。再生ヘッドをフレーム 0079 まで動かします (キューブがビューポートの右下隅にかかりそうなくらいの位置です)。Cine Camera Actor (2) のカメラ カットがこのフレームで終わるようにトリミングします。このステップが完了すると、カメラはその位置から飛び出すように見えます。これはカメラ カットがこのフレームで終了し、再生ヘッドも同じ位置にあるため、想定される状況です。このカメラをダブルクリックすると、カメラ カットがシーケンサーのトラック ビュー全体に表示されます (ズームインしてカメラ カットにフォーカスが合います)。2 つ目のカメラ カットにカーソルを乗せると、UE にはカメラの名前 (Cine Camera Actor (2))、開始および終了フレーム (50 ~ 79)、フレームの持続期間 (29 フレーム) が表示されます。
-
シーケンサーのスライダーをダブルクリックしてズームアウトすると、これまでに作成したカメラ カットと残りのフレームがすべて表示されます。
- [Create Camera] をクリックして 3 つ目のカメラを追加します。このカメラの目的は、キューブが最後の静止位置に到達するまで追跡することです。
- キューブのアニメーションの最終点にフォーカスが合うようにカメラを配置します。次の Transform の値を使用してキーフレームをフレーム 0079 に設定します。
- Location:
- X:-920
- Y:1835
- Z:1410
- Rotation:
- Roll:0
- Pitch:-30
- Yaw:21
- Location:
- 再生ヘッドをフレーム 0149 まで移動させて、Cine Camera Actor (3) の Transform の値を次のように設定します。
- Location:
- X:157
- Y:2733
- Z:585
- Rotation:
- Roll:0
- Pitch:-22
- Yaw:25 自動キーがまだ有効になっている場合、カメラの位置を変更すると、これらのキーフレームが自動的に設定されます。
- Location:
- 再生ヘッドをフレーム 0079 まで動かして、[Camera Cuts Lock Viewport (カメラ カットをビューポートにロック)] を有効にします。 シーケンサーで Camera Cuts トラックを選択し、[+] アイコンをクリックしてから [New Binding] > [Cine Camera (3)] の順に選択し、3 つ目のカメラをこのトラックに追加します。これにより、自動的に最後のカメラ カットがフレーム 0079 に追加され、フレーム 0149 で終了します。
-
再生ヘッドをフレーム 0000 まで戻し、[Play (プレイ)] をクリックします。これで、アニメーションとカメラ カットができました。