nDisplay にはカラー マネジメント ツールが含まれているため、Unreal プロジェクト自体の全体的な外観を変更することなしにカラー グレーディングと OpenColorIO (OCIO) コンフィギュレーションをディスプレイに適用することができます。これらのカラー設定は、nDisplay クラスタ全体に適用することも、個別のビューポートやクラスタ ノードに適用することもできます。
通常、これらの nDisplay 固有のカラー マネジメント ツールは、プロジェクトを希望どおりの外観にした後で使用するもので、特定のディスプレイでのコンテンツの外観を調整する場合に役立ちます。
設定は、nDisplay 3D コンフィグ エディタに公開され、さらに高速イテレーションのために nDisplay Root アクタにも公開されます。nDisplay Root アクタに対して行った変更は、 レベル スナップショット で追跡することができます。
nDisplay コンフィグ アセットに対して行った変更は、UAsset に保存されます。nDisplay Root アクタに対して行った変更はコンフィグ アセットのインスタンスにのみ適用され、UAsset には保存されません。
次からのセクションでは、nDisplay の設定でカラー グレーディングと OpenColorIO を使用する方法について説明します。
カラー グレーディング
カラー グレーディング設定の全体的なビヘイビアは、 ポストプロセス ボリューム と同じですが、nDisplay ビューポートとクラスタ ノード間のより詳細なコントロールのための追加オプションが提供されています。nDisplay に公開されている設定に関する詳しい情報は、 「nDisplay Root Actor Reference」 を参照してください。
カラー グレーディングは加法的です。複数のカラー グレーディング設定を有効にすると、スタックのように順番に適用されます。たとえば、1 つのカラー グレーディング設定で赤色を適用し、別の設定で青色を適用した場合、結果の色はその 2 色を混ぜた紫色になります。
次からのセクションでは、カラー グレーディングが nDisplay クラスタのさまざまな部分に適用される場合のビヘイビアについて説明します。
Viewport (ビューポート)
ビューポートが有効な場合、カラー グレーディングは次の順番でビューポートに適用されます。
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ポストプロセス ボリューム
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nDisplay Root アクタのクラスタ全体のカラー グレーディング
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nDisplay Root アクタのビューポートごとのカラー グレーディング
カラー グレーディングを nDisplay Root アクタのクラスタ全体に有効にすると、設定は一貫してビューポートとインナー フラスタムに適用されます。次の例は、カラー グレーディングが無効になっている nDisplay クラスタと青色が適用されている nDisplay クラスタを示しています。
また、カラー グレーディングを nDisplay クラスタの特定のビューポートに適用することもできます。これは、コンテンツがさまざまなモデルやブランドのディスプレイで色が異なって見える場合に役立ちます。
次の例では、個別のカラー グレーディングが天井パネルにレンダリングされているビューポートにのみ適用されています。カラー グレーディングは加法的なため、結果は紫色になります。ビューポートに適用されている赤色は、クラスタ全体に適用されている青色と混ざります。
ビューポートの範囲ごとにクラスタ全体のカラー グレーディング設定を含めないという選択もできます。次の例では、天井のビューポートに対する [Include Entire Cluster Color Grading (クラスタ全体のカラー グレーディングを含む)] のチェックボックスがオフになっています。天井パネルの色は赤くなりますが、これはクラスタ全体のカラー グレーディングが含まれない場合でもビューポートごとのカラー グレーディングが適用されているためです。
インナー フラスタム
カラー グレーディングが有効になっている場合は、次の順序でインナー フラスタムに適用されます。
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ポストプロセス ボリューム
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nDisplay Root アクタのクラスタ全体のカラー グレーディング
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ICVFX カメラ コンポーネントのすべてのノードのカラー グレーディング
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ICVFX カメラ コンポーネントのノードごとのカラー グレーディング
nDisplay Root アクタのビューポートごとのカラー グレーディング設定は、アウター フラスタムにのみ適用されます。インナー フラスタムには影響しません。
カラー グレーディングが ICVFX カメラ コンポーネントのすべてのノードに対して有効な場合、設定はすべてのクラスタ ノードおよびビューポート全体で一貫してインナー フラスタムに適用されます。
また、カラー グレーディングは nDisplay クラスタ内の特定のクラスタ ノードにも適用することができます。これは、コンテンツがさまざまなモデルやブランドのディスプレイで色が異なって見える場合に役立ちます。
nDisplay クラスタのインナー フラスタムに対するコントロールで最も細かい粒度は、ノード単位です。これは、mGPU が有効な場合、複数のビューポート間でインナー フラスタムが共有されることがあるためです。
次の例では、個別のカラー グレーディングが天井パネルを含むクラスタ ノードに適用されています。インナー フラスタムがバック パネルから天井に移動すると、インナー フラスタムの色が変化することがわかります。
OpenColorIO (OCIO)
nDisplay のOCIO 設定の全体的な動作は、エディタの OCIO と同じですが、nDisplay ビューポートとクラスタ ノード間のより詳細なコントロールのために追加オプションが提供されています。nDisplay に公開されている設定に関する詳しい情報は、 「nDisplay Root Actor Reference」 を参照してください。
カラー グレーディングとは異なり、OCIO 設定は加法的ではありません。通常、すべてのビューポートとインナー フラスタムにベース OCIO プロファイルを設定しますが、これらの設定はビューポートごと、またはノードごとにオーバーライドすることができます。さらに、nDisplay に設定した OCIO プロファイルによるレンダリングは、エディタに設定した OCIO プロファイルもオーバーライドします。
一般的な OpenColorIO コンフィグは、プロジェクトで OCIO を使用する開始点として OpenColorIO プラグインのコンテンツに提供されます。このコンフィグは、ほとんどのカメラやパネルの組み合わせで役に立ちますが、プロジェクトに応じて変更が必要になる場合があります。インカメラ VFX シナリオの場合、通常は設定で使用するカメラとパネルの組み合わせごとに異なる 適用先の色空間 の値が必要になります。
次の例では、OCIO コンフィグをクラスタ全体に適用する前の nDisplay クラスタと、コンフィグを適用した後の nDisplay クラスタを示しています。
カラー グレーディングの機能と同様に、クラスタ全体に加えて、OCIO コンフィギュレーションを nDisplay Root アクタのビューポートごとに適用することができます。また、ICVFX カメラ コンポーネントのクラスタ ノードすべて、またはすべてのサブセットのインナー フラスタムに OCIO コンフィギュレーションを適用することもできます。
適用できる OCIO プロファイルは 1 つのみのため、同じビューポートまたはノードが複数の OCIO オーバーライドに含まれていないことを確認してください。ビューポートやノードに複数のオーバーライドが接続されている場合、リストの一番最後にあるオーバーライドの OCIO プロファイルが適用されます。