アニメーターおよびアニメーション プログラマーに向けた、Unreal Engine アニメーション ワークフローのショートカットとヒント。
アセットのナビゲーション
このセクションでは、アニメーション アセット のナビゲーションと操作に役立つワークフロー ショートカットとヒントについて説明します。
別のタブで開く
Unreal Engine では、同じタイプの 2 つ目のアニメーション アセットを開くと、すでに開かれているアセットがオーバーライドされます。同じタイプのアニメーション アセットを複数開くには、Shift キーを押しながら別のアセットをクリックし、それを隣接した新しいタブで開きます。

未保存の変更を元に戻す
コンテンツ ブラウザ では未保存のアセットがアスタリスク (*) 付きで表示されます。未保存の変更を元に戻すには、当該のアセットを右クリックし、コンテキスト メニューから [Asset Actions (アセット アクション)] > [Reload (リロード)] を選択します。

コンテンツ ブラウザでのフィルタリング
コンテンツ ブラウザには、アニメーション コンテンツを含むすべてのファイル タイプを対象とする多様な フィルター が用意されています。Other Filters (その他のフィルター) カテゴリには、サーバーベースの開発環境での作業時に役立つフィルター オプション (チェックアウト済み のファイルなど) も含まれています。
アニメーション アセットのフィルタリング
アニメーション アセットを開いている場合は、アセット ブラウザ タブでコンテンツをフィルタリングできます。特に便利なフィルターとして、アニメーション カーブ に依存したアニメーションを検索するための [Anim Filters (アニメ フィルター)] > [Uses Curve (カーブを使用します)] や、アニメーション通知 を含むアニメーション向けの [Anim Filters] > [Uses Skeleton Notify (スケルトン通知を使用します)] などがあります。
参照ビューア
参照ビューア とは、プロジェクト内でアセットが使用されている場所を視覚化できるツールです。これは、アニメーション ブループリント 内で参照されている アニメーション シーケンス または モンタージュ をアニメーション アセットで参照する際に特に便利です。
最初に参照ビューアで確認するアセットを選択します。次に、Alt + Shift + R ホットキーを使って参照ビューアのウィンドウを開きます。

コンテンツ ブラウザを詳細検索する
コンテンツ ブラウザの詳細検索機能の使用方法については、「詳細検索シンタックス」ドキュメントを参照してください。
アニメーション ブループリント
以下のセクションでは、アニメーション ブループリント のナビゲーションと編集に役立つヒントやコツを紹介します。
コンパイル設定
アニメーション ブループリントでの作業時には、コンパイルと保存を相前後して頻繁に行います。これらの機能を同時に適用するには、まず ツールバー の [Compile (コンパイル)] の隣にある 3 つのドットからブレークアウト メニューを開きます。
このメニューから [Save On Compile (コンパイル時に保存)] オプションに移動し、[On Success Only (成功時のみ)] を選択します。

コンパイルが失敗した場合や警告が発せられた場合は、デバッグのために [Compile] ブレークアウト メニューの [Jump To Error Node] オプションを使用することで、アニメーション ブループリント内でエラーや警告が発生している場所を特定して示すことができます。
ブループリント エディタ虎の巻
ブループリント エディタでの作業における全般的なヒントについては、「Blueprint Cheat Sheet (ブループリント虎の巻)」を参照してください。
ポーズ ウォッチ
アニメーション プレビュー再生時にポーズのデバッグ描画を確認するには、アニメーション グラフ 内の任意の アニメーション ブループリント ノード を右クリックし、[Toggle Pose Watch (ポーズ ウォッチを切り替え)] を選択します。
(convert:false)
複数のアニメーション ノードを切り替えて、有効なすべてのアニメーションを確認します。[Pose Watch Manager (ポーズ ウォッチ マネージャー)] ウィンドウでは、ポーズ ウォッチによって切り替わるアニメーションを管理し、色などのプロパティを調整できます。このウィンドウを開くには、メニュー バー の [Window (ウィンドウ)] オプションに移動し、[Animation Blueprint Editor (アニメーション ブループリント エディタ)] セクションから [Pose Watch Manager] を選択します。
アニメーション シーケンスとモンタージュ エディタ
このセクションでは、アニメーション シーケンス エディタ での作業時に役立つヒントとコツを紹介します。
加算アニメーションを視覚化する
加算アニメーション をビューポートでプレビューする際に、[Character (キャラクター)] タブをクリックして [Animation (アニメーション)] ブレークアウト メニューを開きます。[Animation] ヘッダから [Additive Base (加算ベース)] オプションを選択し、ベース ポーズ スケルトンを加算アニメーションにオーバーレイします。

エディタの環境設定
次は、[Editor Preferences (エディタの環境設定)] ウィンドウで調整可能な役立つプロパティのリストです。[Editor Preferences] ウィンドウを開くには、メニュー バー から [Edit (編集)] > [Editor Preferences] を選択します。
自動保存
[Enable AutoSave (自動保存を有効)] 設定を使って、Unreal Engine の 自動保存 機能を有効/無効にできます。[Editor Preferences] ウィンドウのサイドバーで [General (一般)] > [Loading & Saving (ロード & 保存)] に移動し、[AutoSave (自動保存)] セクションから [Enable AutoSave] プロパティを見つけます。
レベルのロード
[Editor Preferences] で [Load Level at Startup (起動時にレベルをロード)] プロパティを [Last Opened (最後に開いたレベル)] に設定すると、Unreal Engine の再起動時に、エディタで最後に開いたレベルが再び開くようになります。
Play In Editor (PIE)
以下は、エディタでのプロジェクトの実行時またはシミュレート時に コンソール で使用可能な役立つコマンドのリファレンス ガイドです。プロジェクトのシミュレート時には、バッククォート (`) キーを押して コンソール コマンドラインを開きます。コマンドを入力して Enter キーを押すことで、そのコマンドをコンソール内で実行します。
デバッグの際には、同じコマンドを頻繁に使用することがあります。このような場合は、最近使用したコマンドを簡単にコンソールに送信できます。コマンドラインの初期化後に 上向き矢印 キーを押して最近使用したコマンドのリストを表示し、矢印 キーを使って目的のコマンドに移動して、Enter キーを押してそのコマンドを再び実行できます。
アニメーション デバッグ テキスト
コマンド | 説明 |
---|---|
NextDebugTarget (PGUP) | 次のデバッグ ターゲットに移動します。 |
PreviousDebugTarget (PGDOWN) | 前のデバッグ ターゲットに移動します。 |
ShowDebug | 適用可能なすべてのデバッグ機能の表示状態を切り替えます。 |
ShowDebug ANIMATION | アニメーション デバッグ データの表示状態を切り替えます。 |
ShowDebugToggleSubCategory | 特定のカテゴリの表示を切り替えます。各カテゴリはオートコンプリートの結果として表示されます。 |
その他のコマンド
コマンド | 説明 |
---|---|
a.animnode."NODE_NAME" | 各種アニメーション ノードのデバッグ オプションを提供します。 |
Log <Category> <Verbosity> |
ログの冗長性を変更します。 例: |
p.VisualizeMovement 0 | 移動コンポーネント デバッグを非表示にします。 |
p.VisualizeMovement 1 | 移動コンポーネント デバッグを表示します。 |
show bones | プロジェクトに含まれるオブジェクトのボーンのレンダリングを切り替えます。 |
show collision | プロジェクトに含まれるオブジェクトのコリジョンのレンダリングを切り替えます。 |
Slomo 0.5 | ゲームの表示スピードを表示します。この数値はゲームをスローダウンさせるための係数になります。例:0.5 = 1/2 のスピード。 |
Stat FPS | FPS (フレーム/秒) でのプロジェクトのフレームレートの表示を切り替えます。 |
t.MaxFPS 0 | プロジェクトのフレームレートに対して制限を設定します。値が 0 の場合はフレームレートの制限が取り除かれます。 |
フレームレートの調整はエディタに影響を及ぼします。低スペックのハードウェアでは、エディタの機能に悪影響が生じる場合があります。
LOD をデバッグする
コマンド | 説明 |
---|---|
a.VisualizeLODs 0 | 表示されている LOD 情報を非表示にします。 |
a.VisualizeLODs 1 | LOD 情報を表示します。 |
FORCESKELLOD LOD=0 | すべての スケルタル メッシュ を特定の LOD レベルで強制的にレンダリングします。例:FORCESKELLOD LOD=0 では LOD 0 で、LOD=1 では LOD 1 でレンダリングされます。 |
FORCESKELLOD LOD=-1 | 強制的なあらゆる LOD レンダリングを無効にします。 |
プロパティをデバッグする
コマンド | 説明 |
---|---|
DisplayAll <ClassName> <PropertyName> |
指定したクラスのすべてのオブジェクトのプロパティ値を表示します 例:DisplayAll CharacterMovementComponent Velocity は、レベル内に含まれるすべてのキャラクター移動コンポーネントの速度値を表示します。 例:DisplayAll MyAnimBP_C AimYaw は、クラス内に含まれるすべてのアニメーション ブループリントの AimYaw 値を表示します。 |
DisplayClear | DisplayAll コマンドで表示された結果をクリアします。 |
GetAll <ClassName> <PropertyName> |
DisplayAll コマンドと同じ機能ですが、数値をエディタのデバッグ テキストではなく、アウトプット ログ にプリントします。 |
Display <ObjectName> <PropertyName> |
定義された単一インスタンスのプロパティ値を表示します。 |
Display コマンドを使ってプロパティを表示する際は、コマンドの <ObjectName>
フィールドで定義するアクタを特定する上で、GetAll コマンドが役に立ちます。
目的のアクタのインスタンスを アウトライナ で特定します。例:BP_MyPawn_C_3
実行:GetAll MyAnimBP AimYaw
アウトプット ログ に記録されたオブジェクト名へのパスを見つけます。例:/Temp/UEDPIE_0_Untitled_1.Untitled_1:PersistentLevel.BP_MyPawn_C_3.CharacterMesh0.MyAnimBP_C_0
実行:Display /Temp/UEDPIE_0_Untitled_1.Untitled_1:PersistentLevel.BP_MyPawn_C_3.CharacterMesh0.MyAnimBP_C_0 AimYaw
メモリ トラッキング
コマンド | 説明 |
---|---|
obj list class="AnimSequence" | ロードされたすべてのアニメーション シーケンス アセットをリスト表示します。クック済みのビルドにおいては、すべてのアセットが存在することを確認する上で、このコマンドの実行が推奨されます。 |
obj refs name="ASSET_NAME" | 指定したアセットの参照チェーンをプリントします。 例: |
チート スクリプト
Cheat Script (チート スクリプト) を使って、複数の コンソール コマンドを単一のコマンドにまとめることができます。チート スクリプトを定義して設定するには、プロジェクトの「Config」フォルダにあるプロジェクトの「DefaultGame.ini」ファイルにこれらを追加します。
例:
[CheatScript.ShowAnimVars]
+Cmd="DisplayClear"
+Cmd="DisplayAll CharacterMovementComponent Velocity"
+Cmd="DisplayAll MyAnimBP_C AimYaw"
新しい実行可能コマンド ShowAnimVars
は、DisplayClear
、DisplayAll CharacterMovementComponent Velocity
、そして DisplayAll MyAnimBP_C AimYaw
の機能を順に実行するものです。
エディタ ユーティリティ ウィジェット
エディタ ユーティリティ ウィジェット では、カスタム エディタ ウィジェットを完全にブループリント内で作成することができます。一般的なユース ケースとしては、一般的な コンソール コマンドをトリガーする一連のボタンを作成する場合などがあります。