目標
このクイック スタート ガイドでは、ArUco マーカーを使用して LED ウォールをカメラ トラッキングに合わせる手順について説明します。
目的
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LED ウォール用の ArUco マーカーを生成する。
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エディタのビューポートおよびステージ LED スクリーンで ArUco マーカーをプレビューする。
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ArUco マーカーを使用して、LED ウォールをキャリブレーションする。
1 - 必要な設定
このガイドでは、ソース ビデオ入力にプロダクション カメラ、オプティカル カメラのトラッキング システム、AJA Kona 5 を使用します。さらに、既存の LED ウォール構成と、ステージ LED ウォール構成に一致する nDisplay ブループリントが必要です。nDisplay ブループリントの作成方法については、「nDisplay を使用した複数のディスプレイへのレンダリング」の手順を実行してください。
作業を進める前に、「プロダクション向けのカメラ キャリブレーション」ガイドに従って、カメラのレンズの歪みおよび節点オフセットがキャリブレーションされていることを確認します。これにより Lens File アセットが作成されます。このアセットは、カメラ トラッキングを使用した LED ウォールのアライメントの一部として使用されます。
このガイドの例は、Epic LA RnD ステージの LED ウォールのセットアップに基づいています。
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2 - ArUco マーカーを生成する
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[Settings (設定)] > [Plugins (プラグイン)] の順にクリックして [Plugins] メニュー を開きます。
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LED Wall Calibration プラグインおよび Live Link Over nDisplay プラグインを検索して、有効にします。エディタを再起動します。
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コンテンツ ブラウザ で、nDisplay stage アクタ ブループリントを見つけて、ダブルクリックで開きます。
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[Components (コンポーネント)] パネルから最初の ウォールのメッシュ を選択し、[Cluster (クラスタ)] パネルで該当する クラスタ をダブルクリックします。これで、選択したディスプレイの解像度が表示されます。
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ウォールのメッシュを選択した状態で [+ Add Component (コンポーネントを追加)] をクリックし、Calibration Point を検索して選択します。これにより、Calibration Point コンポーネントがウォールのメッシュの子として追加されます。
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このキャリブレーション ポイントの名前を「ArucoW1」に変更します。
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キャリブレーション ポイントを選択した状態で、[Details] パネルに移動し、[Calibration (キャリブレーション)] セクションまで下にスクロールします。[Create ArUcos (ArUco を作成)] をクリックします。
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[ArUco Generation Options (ArUco 生成オプション)] ウィンドウが開きます。
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Aruco が適用されるウォールのビューポートに一致する [Texture Width (テクスチャの幅)] の値および [Texture Height (テクスチャの高さ)] の値を入力します。
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リストから適切な [ArUco Dictionary (ArUco 辞書)] を選択します。この例では、1000 個の一意の ArUco シンボルを含む DICT_6x6_1000 辞書を選択しています。
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生成される ArUco マーカーの開始 ID として使用される マーカー ID を入力します。
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[Place Modulus (配置係数)] の値を入力します。この値は、ArUco マーカーを配置する際にスキップする LED パネルの数を表します。この値は、すべての LED パネルに ArUco シンボルを配置すると 1000 個以上の一意の ArUco シンボルを使用する大規模な LED ウォールで役立ちます。デフォルト値は「2」です。小規模の LED ウォールでは、この値を「1」に変更します。1 に設定すると、すべてのパネルに ArUco が 1 つ表示されます。デフォルト値の 2 を使用すると、1 LED パネルおきに 1 つ ArUco のシンボルが配置されます。
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[OK] をクリックして ArUco マーカーを生成します。
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テクスチャを保存する場所を選択して、[OK] をクリックします。どの マーカー ID から次のビューポートを開始するかを示す確認ウィンドウが表示されます。これは UE に記憶されますが、順序を変更する必要がある場合は調整できます。[OK] をクリックして確定します。
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[Cluster] タブで、キャリブレーション ポイントの適用先の ビューポート を選択します。
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右側の [Details] パネルに移動します。[Texture Replacement (テクスチャの置き換え)] セクションまで下にスクロールして、生成されたテクスチャを [Source Texture (ソース テクスチャ)] として選択します。[Viewport Texture Replacement (ビューポートのテクスチャの置き換えを有効にする)] チェックボックスをオンにします。
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手順 5 ~ 10 を繰り返して、残りの LED ビューポートに ArUco マーカーを追加します。
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コンテンツ ブラウザ で、nDisplay ブループリント をダブルクリックして開きます。
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[+Variable (+変数)] をクリックして新規 ブール 変数を作成し、Replace_Viewport_Textures という名前を付けます。[Details] パネルに移動して [Instance Editable (インスタンス編集可能)] チェックボックスをオンにします。
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Replace_Viewport_Textures を イベント グラフ にドラッグして、Get Replace_Viewport_Textures を選択してノードを作成します。
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イベント グラフ で右クリックして、Set Replace Texture Flag for All Viewports を検索して、選択します。
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Event Tick ノードを Set Replace Texture Flag for All Viewports ノードに接続します。Replace Viewport Textures ノードを Set Replace Texture Flag for All Viewports ノードの Replace ピンに接続します。
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ブループリントを コンパイル して、保存 します。
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nDisplay ブループリントの プレビュー ペイン で変更を確認するには、nDisplay ブループリントを選択して [Details] パネルに移動します。[Editor Preview (エディタのプレビュー)] セクションまで下にスクロールして、[Replace Viewport Textures (ビューポート テクスチャを置き換える)] チェックボックスと [Enable Editor Preview (エディタのプレビューを有効化)] チェックボックスをオンにします。これで、ArUco マーカーが表示されます。
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複数のレンダリング ノードを使用している場合は、この時点でプロジェクトを他のコンピュータに同期させます。
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[World Outliner (アウトライナ)] で、nDisplay ブループリント を選択して、[Details] パネルに移動します。[Default (デフォルト)] タブまで下にスクロールして、[Replace Viewport Textures] チェックボックスをオンにします。ArUco マーカーが LED ウォールに表示されます。
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[Editor Preview] で ArUco マーカーを確認するには、[Editor Preview] セクションまで下にスクロールして、[Enable Editor Preview] チェックボックスをオンにします。
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LED ウォールのアライメントを確認するには、ArUco マーカーのコーナーのポイントを確認すると役立ちます。
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ArUco が追加されたときに作成された キャリブレーション ポイント を選択します。
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[Details] パネルに移動し、[Calibration (キャリブレーション)] セクションまで下にスクロールします。[Visualize Points in Editor (エディタでポイントを表示する)] チェックボックスをオンにします。
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[Point Visualization Scale (ポイント ビジュアライゼーション スケール)] で、メッシュ上のマーカーのスケールを調整します。[Visualization Shape (ビジュアライゼーション形状)] ドロップダウンでは、マーカーの形状を [Cubes (キューブ)] と [Pyramids (ピラミッド)] の間で切り替えます。これらの値は必要に応じて調整します。
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ブループリントを コンパイル して、保存 します。
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[World Outliner] ウィンドウで、nDisplay ブループリント を選択して、[Details] パネルに移動します。[Editor Preview] セクションまで下にスクロールして、[Enable Editor Preview] チェックボックスをオンにします。
これで、CG ArUco をレンズ ファイルのビューポート メッシュ上に表示できます。LED キャリブレーションが適用されると、LED ウォール上に ArUco を表示するカメラのライブ ビデオ フィードに CG ArUco が重ねて表示されます。
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トラッキングされたプロダクション カメラとその他のトラッキング オブジェクトを Tracking ノード の下に配置します。Tracking ノード を nDisplay ブループリント の親にします。
このセクションの結果
これで ArUco マーカーが生成されたので、生成されたマーカーをレンズ ファイルの一部として LED ウォールのキャリブレーションに使用することができます。
3 - ArUco マーカーを使用して LED ウォールをキャリブレーションする
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コンテンツ ブラウザ で、 プロダクション向けのカメラのキャリブレーション ガイドで作成された レンズ ファイル をダブルクリックして開きます。レンズ ファイルは、FIZ データをストリーミングする LiveLinkController 配下のカメラにアタッチされています。
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[Nodal Offset (節点オフセット)] タブをクリックします。
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[Viewport Settings (ビューポート設定)] および [Transparency (透明性)] を「0」に設定します。これで、エディタで表示されている ArUco マーカーの CG オーバーレイがオフになります。
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[Nodal Offset] セクションに移動して、[Nodal Offset Algo (節点オフセット アルゴリズム)] を [Nodal Offset ArUco markers (節点オフセット ArUco マーカー)] に設定します。
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[Calibrator (キャリブレーター)] を nDisplay ブループリント に設定します。この例では、nDisplay ブループリントは NDC_LARD_2 という名称です。
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[Show Detection (検出を表示)] チェックボックス をオンにします。これにより、ビューポート がクリックされるたびに画像がキャプチャされ、ArUco マーカーのキャリブレーション ポイントを収集するために使用されます。
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ArUco マーカーを表示している LED ウォールにプロダクション カメラを向けます。これで、LED ウォール全体の ArUco マーカーの画像が収集できるようになりました。ビューポート内でマウスをクリックすると、画像がキャプチャされます。キャプチャした画像のプレビューが表示されます。[OK] ボタンをクリックします。
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この手順を何度か繰り返して、LED ウォール全体の複数の画像をキャプチャします。キャプチャした画像が [Nodal Offset] セクションに表示されます。
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LED ウォール全体で十分なサンプルをキャプチャしたら、[Apply to Camera Parent (カメラの親に適用)] ボタンをクリックします。これで、先程作成した TrackingOrigin とその下のトラッキングされたプロダクション カメラがオフセットされます。
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LED ウォールのアライメントを確認するために、[Transparency] を「0.5」に設定します。これで、LED ウォールのメッシュに適用された CG ArUco が、実際の LED ウォールの ArUco と重なって表示されます。この時点では、両方の ArUco マーカーが互いに重なり合っています。重なり合っていない場合、バーチャル LED メッシュと実際の LED メッシュが一致していません。
このセクションの結果
ArUco マーカーを使用してステージ LED ウォールをキャリブレーションしました。