Lumen は、リアルタイム レンダリング環境で非常に精度の高いライティングと反射を提供する、動的グローバル イルミネーションおよび反射のシステムです。
このページでは、Twinmotion で Lumen を使用する方法について説明し、できる限り最良の結果を得るためのベスト プラクティスを提供します。
Lumen の詳細については、「Lumen グローバル イルミネーションの概要」を参照してください。
前提条件
Twinmotion で Lumen を有効にする前に、[Preferences (環境設定)] パネルで以下の設定を行います。
[Settings (設定)] タブで、[Graphic hardware support (グラフィックハードウェアのサポート)] に移動し、[DirectX 12] を選択します。 使用しているコンピュータ (Windows のみ) のグラフィックス プロセッシング ユニット (GPU) で DirectX 12 がサポートされていれば、デフォルトで DirectX 12 が選択されています。
[Quality (描画品質)] タブで、[High (高)] または [Ultra (最高)] の品質設定を選択します。
Lumen を有効にする
デフォルトでは、Twinmotion では標準グローバル イルミネーションが使用されます。 Lumen グローバル イルミネーションに切り替えるには次の手順に従います。
フッタで、[Properties (プロパティ)] アイコンをクリックすると [Properties] パネルが開きます。
[Ambience (アンビエンス)] で、[Render (レンダリング)] タブをクリックし [Real time (リアルタイム)] ボタンをクリックします。
[Global illumination (グローバルイルミネーション)] で、[Lumen] ボタンをクリックします。
メッシュの競合を視覚化する
Lumen のサーフェス キャッシュのカバレッジを視覚的に調べ、Lumen に関連する問題のトラブルシューティングを行うには、[Lumen surface (Lumen サーフェス)] ビューポート モードを使用します。
[Lumen surface] ビューポート モードに移動するには、ビューポートの右上にあるビューポート モード アイコンをクリックし、メニューで [Lumen surface] を選択します。
[Lumen surface] ビューポート モードに移動すると、シーン内で黄色と赤紫色で強調表示されているエリアは、Lumen によってカリングされており、Lumen グローバル イルミネーションの恩恵を受けないサーフェス (メッシュの一部) を表しています。
黄色のエリアは、小さすぎる、大きすぎる、離れすぎているのいずれかです。 [Scene detail (シーンの詳細)] および [View distance (見通し距離)] の設定を使用してユーザーがこれらのパラメータを制御できるため、この領域は Lumen で無効であることを意味しているとは限りません。
赤紫色の領域は、複雑すぎるためにメッシュ カードで完全にカバーできないことを表しています。 これらの領域は光をバウンスしないため、反射では黒く表示されます。
次の画像は、Lumen によってカリングされている黄色と赤紫色の領域を示しています。
大規模なシーンをインポートする
通常は、大規模な建築シーンのジオメトリ ファイルを実世界のスケールを使用してインポートすることを推奨します。
ジオメトリを Twinmotion にインポートする際に、[Unit conversion (単位変換)] 値を設定することで、モデルがインポートされるスケールを制御できます。 大規模な建築シーンでは、その値が、Lumen が生成するメッシュ カードの精度に影響を及ぼすことがあります。
ほとんどのジオメトリ ファイルでは、ジオメトリのスケールに関するメタデータに単位情報が入っています。 大規模な建築シーンの単位情報が実世界のスケールで正しく設定されていて、[Unit conversion] 値として [Auto (自動)] を選択してそのファイルを Twinmotion にインポートすると、Lumen は大規模なサーフェス上でメッシュ カードを正しく生成します。
しかし、メッシュの競合を視覚化したときに、そのシーンの大きな領域の大半が黄色で強調表示されていれば、インポートしたファイルで単位スケールが間違っている可能性があり、メッシュ カードを生成するにはメッシュが小さすぎると Lumen が判断しています。
たとえば、次の画像は、[Unit conversion] 値として [Auto] を使用して Twinmotion にインポートされたジオメトリ ファイルを示しています。 このモデルはファイルのメタデータ内の単位を使用してインポートされましたが、単位スケールが間違っているために、Lumen はメッシュが小さすぎてメッシュ カードが生成されていないと見なしています。
これを修正するには、[Unit conversion] 値として 100.0 (100%) を使用してファイルを再インポートした後に、Twinmotion で 3D モデルを 1.0 (1%) にスケールダウンします。 次の画像は上記と同じファイルを示しています。 より大きいスケールでファイルが Twinmotion にインポートされた後にスケールダウンされているため、メッシュ カードが正しく生成されています。
より大きいスケールでジオメトリをインポートする
より大きいスケールでジオメトリ ファイルをインポートまたは再インポートして Twinmotion でスケールダウンするには、以下の手順に従います。
[Import (インポート)] ウィンドウで、[Unit conversion] チェックボックスをオフにし、その値として「100.0」(100%) を入力します。
ジオメトリがインポートされたら、シーン グラフのコンテナ レベルでそのジオメトリを選択します。
[XYZ] パネルを開いて、そのジオメトリを「1.0」(1%) にスケールダウンします。
レンダリング設定
Lumen グローバル イルミネーションに定義できる設定に関する詳細は、「アンビエンス設定」の「Lumen」を参照してください。
Twinmotion で Lumen を使用する際のベスト プラクティス
Twinmotion で Lumen を使用するために推奨されるベスト プラクティス、および最良の結果を得るために避けるべきことを、次の表に要約しています。
Lumen では、GPU、GPU のランダム アクセス メモリ (RAM)、および中央処理装置 (CPU) のリソースを標準のグローバル イルミネーションよりも多く必要とします。 そのため、フレームレートが低下することや、ビューポートでの操作が遅くなることがあります。 それに対処するために、[Statistics (統計情報)] パネルで以下のパラメータをモニタリングすることを推奨します。
[GPU RAM] の値が 100% に近い状態であれば、シーン内のジオメトリとテクスチャの複雑さを軽減します。
[GPU] の値が 100% に近い状態であれば、シーンでの視覚効果を減らし、[Quality] 設定の値を小さくします。
シーンの統計情報の詳細については、「統計情報」および「GPU RAM 診断」を参照してください。
| アイテム | ベスト プラクティス | 避けるべきこと |
|---|---|---|
3D モデルのジオメトリを、Twinmotion にインポートする前に複数のインスタンス化メッシュに分離する。 | 大きな単一のメッシュ構造を使用する。 | |
Lumen はエミッシブ プロパティが低い大きなサーフェスで最も効果を発揮する。 | 明るいエミッシブ プロパティがある小さな要素を使用する。 | |
可能であれば、粗いサーフェスのマテリアルを使用する。 | 光沢のあるサーフェスで覆われているシーンを使用する。 | |
SketchUp Pro ( | ネイティブの SketchUp Pro ( | |
ファイルのインポート時に [Keep hierarchy (オブジェクト階層を維持する)] 再構成モードを選択する。 | ファイルのインポート時に [Collapse by material (マテリアルごとに再構成する)] または [Collapse all (1 つのオブジェクトに再構成する)] の再構成モードを選択する。 |
メッシュ構造
床と複数の壁がある部屋全体などの 3D モデル全体を単一の連続したメッシュとして Twinmotion にインポートしても、Lumen では機能しないことが予想されます。 インポートする前に、デザイン アプリケーションで 3D モデルのジオメトリを複数の個別のメッシュに分離することを推奨します。
以下の画像は、単一のメッシュから成る場合と、複数のメッシュから成る場合に、同じ構造に対して Lumen がグローバル イルミネーションをどのように処理するかを示しています。
1 つ目の画像では、床と壁が単一のメッシュに一体化されている構造を左側に示し、複数の独立したメッシュに分離されている構造を右側に示しています。
次の画像のように [Lumen surface] ビューポート モードがオンになっている場合、単一のメッシュ構造で赤紫色のエリアは、Lumen で考慮されないサーフェスを示しています。 複数のメッシュから成る右側の構造には赤紫色の領域はないため、すべてのサーフェスが Lumen で考慮されることを意味しています。
次の画像は、Lumen が有効になっている場合の、両方の構造でのライティング結果を示しています。 左側の構造は単一のメッシュであるため、Lumen がグローバル イルミネーションを与えていないサーフェスがあります。 しかし、Lumen は、複数のメッシュから成る右側の構造のすべてのメッシュに対してグローバル イルミネーションを正確に与えています。
サーフェスのサイズとエミッシブ プロパティ
Lumen を使用すると、エミッシブ マテリアルは間接ライティングに影響を及ぼし、スペキュラ バウンスとディフューズ バウンスが生成されます。 そのため、エミッシブ マテリアルをキューブなどのオブジェクトに適用し、それを使用してシーンを照らすことができます。
残念ながら、これは堅牢なソリューションではなく、オブジェクトのサイズと比べてサーフェスが明るすぎる場合は失敗し、シーンにノイズ アーティファクトが現れることがあります。 これに対処するために、Twinmotion ライブラリ ([Library (ライブラリ)] > [Lights (ライト)]) にあるライトを、シーンでのプライマリ照明光源として使用することを推奨します。
次の画像は、エミッシブ マテリアルが適用されている小さなオブジェクトがあるシーンを示しています。 シーン内の他の領域に望ましくないノイズ アーティファクトが生じるため、このような使用方法は推奨されません。
次の画像のように、小さなエミッシブ オブジェクトが取り除かれると、グローバル イルミネーションはノイズ アーティファクトなしで正しくレンダリングされます。
粗いマテリアルと光沢のあるマテリアルの比較
Lumen は、[Roughness (ラフネス)] 値が 40\% 以上であるマテリアルで最も効果を発揮します。 [Roughness] 値がこの値より小さいマテリアルでは、Lumen は余分な光線をトレースして反射を与える必要があるため、リソースが大量に消費されます。
次の画像では、フロアに非常に光沢のあるサーフェスがあるため、多数の反射アーティファクトが生じます。
次の画像は上記と同じシーンですが、フロアのサーフェスに Lumen にとって適度なラフネス値があるため、反射アーティファクトが抑えられています。
SketchUp Pro ファイル
Twinmotion ではネイティブ SketchUp Pro (.skp) ファイルのインポートがサポートされています。 ただし、これらのタイプのファイルには両面ジオメトリがあり、Lumen シーンではそれを適切に置き換えることができないため、Lumen によるグローバル イルミネーションは過度に暗くノイズが多くなります。
最良の結果が得られるように、SketchUp Pro ファイルを Twinmotion にインポートする前に Datasmith (.udatasmith) 形式に変換することを推奨します。 そうするには、SketchUp Pro 用の Datasmith Exporter プラグインをダウンロードしてインストールし、SketchUp Pro で Datasmith Exporter ツールバーを使用して SketchUp Pro ファイルを Datasmith 形式に変換します。
Datasmith ファイルの作成方法の詳細については、「Datasmith ファイル インポート ワークフロー」を参照してください。
次の画像は、ネイティブ SketchUp Pro ファイルが Twinmotion にインポートされたシーンです。 このファイルは Datasmith 形式に変換されていないため、想定よりも画像が暗くなっています。 メッシュの競合を視覚化した場合、Lumen では複数のサーフェスが考慮されません。
次の画像のシーンのように、SketchUp Pro ファイルが Datasmith 形式に変換されている場合は、メッシュ カードが適切に生成され、窓から入ってくる光がサーフェスでバウンスするため、部屋が適切に照らされます。 メッシュの競合を視覚化した場合に現れるメッシュの競合はごくわずかです。
再構成モード
[Collapse by material] オプションを使用してファイルを Twinmotion に取り込むと、同じマテリアルを使用しているすべてのオブジェクトが単一のメッシュとしてインポートされます。 [Collapse all] オプションを使用すると、すべてのオブジェクトが単一のメッシュとしてインポートされます。 これらのどちらのオプションでも、Lumen が生成できるカードの量が制限され、光のにじみなどの望ましくないアーティファクトがシーンに現れることがあります。
ファイルを Twinmotion にインポートする場合、[Keep hierarchy] 再構成モードを選択することを強く推奨します。 このモードでは、ソース ファイルで使用されているのと同じジオメトリ階層が維持され、すべてのオブジェクトか個別に保持されるため、サーフェス キャッシュのカバレッジが大きくなり、カードが適切に生成されるようになります。
Keep hierarchy
次の画像は、[Keep hierarchy] 再構成モードを使用して Twinmotion にインポートされたシーンです。 Lumen グローバル イルミネーションが正しく与えられており、[Visualize mesh conflicts] をオンにすると、ほとんどのカードが生成されており、表示されているメッシュの競合は小さくて薄いジオメトリに関するものだけです。
[Collapse by Material] と [Collapse All]
[Collapse by material] モードと [Collapse all] モードを使用してインポートされた次の 2 つのシーンを、上記のシーンと比べてみます。
[Collapse by material] を使用してインポートされたシーンでは、グローバル イルミネーションに関する目立った問題はありませんが、[Keep hierarchy] 再構成モードを使用した場合よりも全体的に暗くなっています。 メッシュの競合を視覚化すると、その結果はこのような小さなシーンでは許容範囲にあるように見えます。 ただし、デスク周りの一部の領域では適切なカバレッジがありません。 この種の問題は、大規模でより複雑なモデルでは指数関数的に悪化することがあります。
[Collapse all] を使用してインポートされたシーンでは、光のにじみのアーティファクトがかなり現れています。 メッシュの競合を視覚化しすると、ほとんどのサーフェスが赤紫色であり、実質的にはカードがまったく生成されていないことを意味しています。