点群 は、通常 3D スキャナを使用した建築や産業向けアプリケーションで取得されるデータ ポイントの集合です。点群は、3D モデルとレーザー スキャン データを重ね合わせる必要のあるデザイン ビジュアライゼーションの専門家やメーカー、セット デザイナー、建設業者によって使用されます。
点群はオブジェクトとして Twinmotion にインポートされ、現況 (実世界) のレーザー スキャン データと計画データ (3D モデル) を比較、集計し、プロジェクト全体のすべてのコンポーネントを一度に表示する機能を提供します。
仕組み
点群は、建物など、地質学的領域やオブジェクトの物理的特性をスキャンし測定する、3D スキャナやフォトグラメトリ ソフトを使用して作成されます。3D スキャナやフォトグラメトリ ソフトは、対象物やエリアをスキャンし、さまざまな場所から正確な測定値を作成します。そして、その情報をデータポイントの集合に変換し、各点は XYZ 幾何学的座標によって定義されます。さらに、これらの技術では、オプションとして色と法線ベクトルの方向情報を収集することができます。その後、すべてのデータ ポイントを集約して点群を作成し、3D モデリング ソフトウェアにインポートして、物体やエリアを正確に表現することができます。
点群を使用する場合の一般的なワークフローは次のとおりです。
- 対象箇所を 3D レーザー スキャナでスキャンします。様々な場所や角度から複数回スキャンします。
- スキャン中に取得したデータ ポイントを使用して 3D 点群処理ソフトウェア、または 3D スキャナ ベンダー固有のアプリケーションを使用して点群を作成します。
- 点群は、
.las
、.laz
、.e57
などのファイル形式で保存されます。 - そして、点群をオブジェクトとして Twinmotion にインポートします。
サポートされている点群ファイル形式
Twinmotion がサポートしている点群ファイル形式は以下のとおりです。
ファイル形式 | 説明 |
---|---|
.e57 |
多くの場合は 3D スキャナで取得された点群、画像、メタデータなどの 3D 画像データを保存、交換するためのオープンソースのコンパクトなファイル形式です。 macOS では |
.las , .laz |
LAS は、ユーザー間で 3D レーザースキャンされた点群データを交換するために使用される、一般的なオープン ソースのバイナリ ファイル形式です。 LAZ ファイル形式は圧縮された LAS ファイルです。LAZ ファイルは LAS ファイルよりも小さいものの、インポートに時間がかかります。 Twinmotion は、8 ビット、12 ビット、16 ビットの LAS および LAZ ファイルをサポートしています。 |
.xyz , .txt , .pts |
ASCII は、X,Y,Z 点座標、または X,Y,Z 点座標と RGB カラーを含む点群ファイル形式です。 |
Twinmotion の機能との統合
点群はオブジェクトとして Twinmotion にインポートされるため、一部の例外を除き、オブジェクトと同じように取り扱われます。Twinmotion と点群の相互作用に関する主要な点は以下のとおりです。
非リアルなレンダリング スタイル
Twinmotion の プレゼンター モード や ローカル プレゼンテーション で点群を表示する場合、様々なレンダリングスタイルを点群に適用することができます。


レンダリング スタイル オプションは [View (表示)] メニューで見つけることができます。
コリジョン ボリューム
コリジョン ボリュームは、オブジェクトを囲み、オブジェクト同士の衝突や相互作用を決定する隠れた幾何学形状として定義することができます。点群オブジェクトを含むすべての Twinmotion オブジェクトはコリジョン ボリュームを持っています。つまり、点群オブジェクトを選択したり、ライブラリから点群オブジェクトにオブジェクトをドラッグアンドドロップしたり、キャラクターが道を歩くなど、点群オブジェクトを考慮したアニメーションを追加したり、点群オブジェクトの色やカラー プロパティを変更することができます。
点群オブジェクトにオブジェクトを配置する時の精度は、点群オブジェクトに適用されているコリジョン ボリュームの精度に依存します。

点群オブジェクト上のキャラクター パスのアニメーション
シャドウとライティング
点群オブジェクトは Twinmotion の動的な空による影や、シーン内の他のオブジェクトから投影される影の影響を受けます。たとえば、時刻 を変更すると、点群オブジェクトの影は、選択した時間帯によって変化します。

点群に影を落とすライブラリ オブジェクト

Twinmotion の動的な空による影
また、次のシーン ライティング パラメータは以下の点群オブジェクトに影響します。
- HDRI 環境 スカイドームおよびバックドロップ
- 露出補正、太陽の強度、月の強度、ホワイト バランス、環境光 などの グローバル ライティング 設定
-
Twinmotion ライブラリの ライト カテゴリから追加されたライト
Twinmotion ライブラリから点群に追加されたライト
Twinmotion のライティング パラメータの詳細については、「アンビエンス設定」を参照してください。
デカール
Twinmotion ライブラリの デカール を点群オブジェクトに適用することができます。

点群オブジェクトに適用されたデカール
デカールの オフセット 設定は、デカールを適用する深さを参照します。点群オブジェクトにデカールを配置する場合、点群はジオメトリとしてではなく、データ ポイントの集合としてインポートされるため、最良の結果を得るにはオフセットの値を大きくすることをお勧めします。デフォルトでは、オフセット値は「0.01」から「100」の範囲で設定できますが、最大「1000」まで上書きすることができます。
デカールは、Twinmotion ライブラリの [Objects (オブジェクト)] にあります。
セクション キューブ
Twinmotion の セクション キューブ ツールを使用すれば、オブジェクトやオブジェクトの一部を切り取ったり非表示にしたりできます。Section Cube ツールは、ジオメトリおよび点群オブジェクトで使用できます。
Section Cube の マスクの断面 設定で、点群のみ、ジオメトリのみ、またはその両方を非表示にするかどうかを選択できます。
Section Cube は、[Tool (ツール)] > [Sections (断面)] の [Library (ライブラリ)] にあります。

Section cube を使用してオブジェクトと点群オブジェクトの一部を非表示にする
メジャー ツール
Measure tool (ライブラリの [Tools (ツール)] > [Measure (メジャー)]) は、シーン内のオブジェクトやオブジェクト間の距離の測定に使用できます。点群オブジェクトにも使用できますが、測定の精度は点群オブジェクトを取り囲むコリジョンボリュームの精度に依存します。

Twinmotion のメジャー ツール
VR
点群オブジェクトはバーチャル リアリティ (VR) でも見ることができますが、VR モード の表示品質は VR ヘッドセットによって設定された 1 秒あたりのフレーム数 (fps) に依存するため、VR ヘッドセット内でシーンを移動すると、点群のデータ ポイントの表示状態や大きさが変化する場合があります。
リフレクション プローブ
Reflection Probe (リフレクション プローブ) は、Twinmotion の スクリーン スペース リフレクション (SSR) 限界を超え、反射を改善するために使用されます。Reflection Probe を使用した場合、点群オブジェクトは正しく反射されます。
Twinmotion ファイルのマージ
別々の Twinmotion ファイルをマージして、1 つの Twinmotion ファイルとして保存することができます。点群オブジェクトを含む Twinmotion ファイルは、他の Twinmotion ファイルとマージすることができます。
ローカル プレゼンテーション
プレゼンテーション 内の 静止画、動画、パノラマ に含まれる点群は、ローカル プレゼンテーション にエクスポートすることができます。
リソース収集
Twinmotion の [Resource Collector (リソース収集)] を使用すると、Twinmotion プロジェクトで使用されているテクスチャやアセットを、.tm
ファイルとともに 1 つのパッケージ化された ZIP ファイルに収集できます。Twinmotion プロジェクトで使用されている点群オブジェクトも、ZIP ファイルに含まれます。
カメラ設定
Camera (カメラ) の設定 —視野角 (FoV)、被写界深度 (DoF)、遠近法補正、口径食、レンズ フレア、視覚効果、表示セット— は点群オブジェクトに適用することができます。

![[Camera (カメラ)] > [Visual effects (視覚効果)] のハッチング フィルターが適用されている](camera-visual-effects-on.png)
カメラ設定に関する詳細は、「アンビエンス設定」を参照してください。
表示セット、視覚効果、および SSR 反射
点群は、表示セットに追加できるため、視覚効果 (コントラスト、彩度、カラー グラデーション、クレイ レンダリングなど) および SSR 反射を点群オブジェクトに適用できます。
点群プロパティ
以下の点群プロパティは Twinmotion で変更することができます。
プロパティ | 説明 |
---|---|
Point size (点のサイズ) | この設定は、点群内のすべてのデータ ポイントのサイズを変更します。データ ポイント同士が近くにない場合、サイズを大きくすることで点群の表面を塗りつぶすことができます。このオプションを 0 に設定すると、カメラの距離やデータ ポイントの密度に関係なく、各データ ポイントは 1px の固定サイズを使用します。 オプション:0.00 ~ 3.0。値は上書きすることができます。 |
Cast shadows (影を落とす) | 点群が自己に影を落とすか、他のオブジェクトに影を落とすかどうかを決定します。 オプション:オン、オフ |
Point shape (点の形状) | データ ポイントの形状を設定します。 オプション:正方形、円 |
Collision quality (衝突品質) | 衝突品質とは、点群データと 3D モデルやオブジェクトとの衝突をどの程度検知するかを設定するものです。3D モデルやオブジェクトと点群データとの相互作用や衝突の程度に影響します。 オブジェクトと点群データを密接かつ正確に相互作用させる必要がない場合は、この設定は [Low (低)] に設定します。[High (高)] の場合は計算コストが高くなります。 オプション:低、高 |
Color source (色のソース) | 点群データの表示に使用するカラー ソースを制御します。 Solid color (単色):点群データに単色を適用します。[Saturation (彩度)]、[Contrast (コントラスト)]、[Intensity (強度)]、[Tint (色合い)] などの色のプロパティを変更することができます。 Data (データ):3D スキャナで取り込んだ点群データに埋め込まれている色です。点群データに色が含まれていない場合は、白色で表示されます。 Elevation (高度):3D スキャンした時のカメラ位置に関連する点群データの最高標高と最低標高を表示します。最高標高と最低標高は 2 色で表現され、最高標高と最低標高の間にある点は、2 つの値の間のグラデーションで色付けされます。標高の最高点と最低点を表現するために使用される色の [Tint (色合い)]、および [Saturation (彩度)]、[Contrast (コントラスト)]、[Intensity (強度)] など色のプロパティを調整することができます。 Position (位置):スキャンを実行する際に 3D スキャナがデータ ポイントからどの程度近かったか遠かったかを表示します。近さは 2 つの色で表現され、最も近い領域と遠い領域の間の点は、2 つの値の間のグラデーションを使用して色付けされます。カメラの近さを表すための色の [Tint (色合い)]、および [Saturation (彩度)]、[Contrast (コントラスト)]、[Intensity (強度)] など色のプロパティを調整することができます。 オプション:単色、データ、高度、位置 |
Tint (色合い) | 選択した色のソースの [Tint (色合い)]、[Saturation (彩度)]、[Contrast (コントラスト)]、[Intensity (強度)] を設定できます。 |
点群のエクスポート設定
点群オブジェクトを含むシーンをローカルにエクスポートする前に、[Preferences (環境設定)] パネルの [Quality (描画品質)] タブで、点群のレンダリング品質を [Low (低)]、[Medium (中)]、[High (高)]、[Ultra (最高)] のいずれかに設定してください。
品質パラメータが高くなると、点群オブジェクトのレンダリング品質も向上しますが、レンダリングの処理時間が長くなり、VRAM の使用量も多くなります。
点群の制限事項
Twinmotion の点群オブジェクトには以下の制限事項があります。
- 点群オブジェクトは Twinmotion で変更できません。点の削除や点群オブジェクトをマージすることはできません。
- Datasmith エクスポーター プラグインは、現在点群オブジェクトをサポートしていません。Revit や Archicad などの一部のアプリケーションでは点群の表示が可能ですが、Datasmith エクスポーター プラグインでは変換されません。Twinmotion で個別に読み込む必要があります。
- パス トレーサーは、点群オブジェクトをサポートしていません。点群ファイルを含むプロジェクトでパス トレーサーを有効にすると、点群ファイルは非表示になります。
- プレゼンテーションに含まれる点群オブジェクトは、Twinmotion Cloud にエクスポートできません。点群を含むプレゼンテーションを Twinmotion Cloud にアップロードした場合、点群オブジェクトはプレゼンテーションに表示されません。
- 点群オブジェクトは Twinmotion ライブラリに保存できません。
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