このドキュメントでは、既存のスタティックメッシュまたはスケルタルメッシュから MetaHuman を作成する Mesh to MetahHuman ワークフローの概要について説明します。
前提条件
Mesh to MetaHuman 機能を使用する前に、最初に次の概念について理解を深めてください。
- Unreal Engine のスタティックメッシュとスケルタルメッシュ
Quixel Bridge のカスタム MetaHuman を表示してダウンロードできるようにするには、Unreal プロジェクトを最初に開いた際に Quixel Bridge にサインインする必要があります。
これは、Epic Games Launcher にサインイン済みである場合でも必須の手順です。Launcher にサインインしても、Quixel Bridge には自動的にサインインされません。
必要な設定
- 新しい Unreal Engine プロジェクトを作成する。
- MetaHumans プラグインをダウンロードしてインストールし、プロジェクトで有効にする。この手順の実行方法の詳細については、Unreal Engine ドキュメントの「プラグインを操作する」を参照してください。
- プロンプトが表示されたら Unreal Engine を再起動します。
ワークフロー
Mesh to MetaHuman ワークフローは次の手順で構成されています。
- キャラクター メッシュをインポートして準備する。
- MetaHuman Identity アセットを作成して設定する。
- ニュートラル ポーズを作成してトラッキングする。
- ID 解決を実行する。
- MetaHuman バックエンドにテンプレート メッシュを送信する。
- MetaHuman Creator で MetaHuman をさらにカスタマイズする。
- MetaHuman をダウンロードして Unreal Engine 5 にインポートする。
これらの手順の詳細については以下で説明します。
キャラクター メッシュをインポートして準備する
「コンテンツをインポートして取り込む」ページに記載されているワークフローに従います。
このワークフローを完了すると、MetaHuman パイプラインにインポートする準備の整った、テクスチャ化されたメッシュ アセットが作成されます。
MetaHuman Identity アセットを作成して設定する
次に、MetaHuman Identity アセットを作成して設定します。このアセットには、MetaHuman の顔メッシュ (テンプレート メッシュ)、ボディ タイプ情報、ポーズ情報が含まれています。
次の手順を実行します。
-
MetaHuman Identity アセットを新しく作成します。コンテンツ ブラウザ 内を右クリックします。コンテキスト メニューから [MetaHuman Animator] > [MetaHuman Identity] を選択します。
このアセットから MetaHuman を後に作成する場合、作成する Identity Asset のファイル名は MetaHuman Creator での MetaHuman の名前になります。
-
作成した MetaHuman Identity アセットをダブルクリックして、それを Identity アセット エディタ で開きます。
このアセットは最初は空白です。以降の手順を通じてこれにデータを取り込みます。
-
メイン ツールバーで [Create Components (コンポーネントを作成)] をクリックし、[From Mesh (メッシュから)] を選択します。インポートしたメッシュを検索して選択します。
この手順を完了すると、Metahuman Identity アセット エディタ の左側にある [Components (コンポーネント)] パネルに次のコンポーネントが表示されます。
- Face (顔)
- Poses (ポーズ)
- **Body (ボディ)
-
Body コンポーネントを選択して、[Components] パネルの下に開くパネルで MetaHuman の Height (高さ) と Body Type (ボディ タイプ) を選択します。これらの値は後に MetaHuman Creator で調整できますが、このプロセスの適切な手順に沿って、このメッシュから MetaHuman を作成する場合に限られます。
この手順を完了すると、必要なコンポーネントがすべて Identity アセットに取り込まれます。
ニュートラル ポーズを作成してトラッキングする
MetaHuman バックエンドで、アップロードしたメッシュから MetaHuman 対応のテンプレート メッシュを作成するには、事前に ニュートラル ポーズ を作成してトラッキングする必要があります。
ニュートラル ポーズの詳細については、「MetaHuman for Unreal Engine」ランディング ページの「主要な概念」セクションを参照してください。
ビューポートのライティングを調整する
ビューポートのライティングを変更して、メッシュでの作業を行いやすくできます。次の画像のように、ビューポートのツールバー で異なるライティング モードに切り替えることができます。
-
Lit (ライティングあり)
-
Unlit (非ライティング)
-
Lighting Only (ライティングのみ)

スキンのアルベド テクスチャを使用してテクスチャ化されたメッシュでは、Unlit (非ライティング) モードが最も効果的に機能します。その他のメッシュでは、Lit (ライティングあり) モードを選択して、顔全体が均等に照らされるまでライトを回転させる必要がある場合があります。ライトを回転させるには、L キー (エンジンの設定によっては Ctrl + L キー) を押したまま、マウスの左ボタンを押しながらドラッグします。
ニュートラル ポーズを作成してトラッキングする
ニュートラル ポーズを作成してトラッキングするには、次の手順を実行します。
-
[Components (コンポーネント)] パネルの [Poses (ポーズ)] で、Neutral Pose コンポーネントを選択します。
-
ビューポート カメラ のメニューをクリックして、[Field of View (視野角)] を「20」度以下に設定します。
-
ビューポート で、メッシュが正面を向き、頭部が完全に見えるようにカメラを配置します。
ビューポートをナビゲートする際は、マウスの右ボタンを押したまま WASD キーで移動し、Q キーと E キーでカメラを上下にパンします。
-
Neutral Pose を引き続き選択した状態で、メイン ツールバーの [Promote Frame (フレームのプロモート)]、または下にあるツールバーの プラス記号 (+) ボタンをクリックします。
画像をクリックするとフル サイズで表示されます。
フレームをプロモートすると、ビューポート下部の フレーム プロモーション タイムライン にそのフレームが表示されます。プロモートする最初のフレームは正面のビューとして設定され、追加の (F) マーカー付きで表示されます。
これは最初のプロモートされたフレームであるため、その名前は「Frame 0」になります。この名前はフレームをダブルクリックすることで変更できます。
-
(任意) 追加のフレームをプロモートします。フレーム プロモーション タイムライン 内で、次の画像で示されている [Free Roaming Camera Mode (フリー ローミング カメラ モード)] ボタンをクリックして、手順 4 のプロセスを繰り返します。
この手順は、耳や小鼻などのデイテールを手動でフィットさせて、マーカー アウトライナー でそれらのフレームの特定のマーカーを有効にする必要がある場合のみに実行します。法令線、唇、まぶたの全体が見える正面フレームは常に必要になります。追加のフレームには正面フレームに存在しないマーカーだけを含み、ID 解決手順の後に特徴 (耳や小鼻など) がうまくフィットしない場合のみに追加します。
同一のマーカーが複数のフレームに含まれる場合 (2 つの異なる正面フレームなど) は、ID 解決にそのうちの一つのみが使用されるようにする必要があります。「Used to Solve (解決に使用)」フラグは、[Poses (ポーズ)] > Neutral Pose コンポーネントが選択されている状態で [Details (詳細)] パネルで設定可能な、フレームごとの属性です。
プロモートされたフレームの [Use to Solve (解決に使用)] フラグ。これらのフラグは各フレームで個別に設定できます。
-
作成したフレームを引き続き選択した状態で、メイン ツールバーの [Track Markers (Active Frame) (タスク マーカー (アクティブなフレーム))] のボタンをクリックします。この操作により、メッシュの顔の特徴に沿って一連のマーカーが作成されます。
トラッキング マーカーがアクティブな、プロモートされたフレーム。アクティブなマーカーは右側の [Trackers (トラッカー)] パネルに表示されます。画像をクリックするとフル サイズで表示されます。
プロモートされたフレームのコンテキスト メニューで自動トラッキングが 有効 に設定されている場合は、カメラをロック解除して動かし、トラッカーがどのように反応するかを確認することができます。
-
現在のフレームを ロック します。フレーム プロモーション タイムライン 内でフレームを右クリックして、[Camera Lock (カメラのロック)] オプションが有効になっていることを確認します。
フレームがロックされている場合でも、カメラをフリー ローミング モードに設定すると引き続き操作することができます。このためには、フレーム プロモーション タイムライン の左側にある カメラ ボタンをクリックします。
-
(任意) ズームインして、顔の特徴に正しく配置されていないマーカーを調整します。
ID 解決を実行する
引き続き Identity アセット エディタ 内で、メイン ツールバーの [MetaHuman Identity Solve (MetaHuman Identity 解決)] ボタンをクリックします。このボタンは、タイムラインに 1 つ以上のプロモートされたフレームがある場合に限り有効になり、マーカーが有効で適切にトラッキングされている場合のみに適切な結果が生成されます。
ID 解決では、テンプレート メッシュの頂点を、先述の手順でトラッキングした Neutral Pose メッシュのボリュームにフィットさせます。プロセスのこの段階はクラウド上で処理されます。
ID 解決が完了したら、ビューポート ツールバー の [A]/[B] タブをクリックすることで、作成元のメッシュとテンプレート メッシュをビューポート内で切り替えることができます。[A] ボタンと [B] ボタンでは同一のビューポート カメラの 2 種類のフレーム バッファが有効になり、フレームをプロモートすることでそのカメラのスナップショットが作成されます。ライティングなどのビューポート設定は、これら 2 つのフレーム バッファそれぞれに対して個別に調整できます。
ビューポートでの作成元のメッシュとテンプレート メッシュとの A/B 比較。さらに、プレビュー制御機能を備えたビューポート ツールバー (1) と、それぞれのフレーム バッファの個別設定 (2) も表示されます。
さらに、[Neutral Pose] オプションと [Template Mesh] オプションを有効または無効にすることで、ビューポート ツールバーから、同一のフレーム バッファの作成元のメッシュとテンプレート メッシュの両方の表示/非表示を切り替えることができます。これを行うことで、それら 2 つのメッシュにより、画面の占有で「Z ファイティング」が発生するかどうかを確認できます。
自動リギングのためにテンプレート メッシュを送信する
テンプレート メッシュを MetaHuman バックエンドに送信できるようになりました。メイン ツールバーで [Mesh to MetaHuman] ボタンをクリックし、次のオプションのいずれかを選択します。
-
Auto-Rig Identity (Skeletal Mesh Only) (ID を自動リグ (スケルタルメッシュのみ)):MetaHuman DNA が埋め込まれた、自動リグされたスケルタルメッシュが作成されます。このメッシュは自動的にダウンロードされて、MetaHuman Identity アセットと同じフォルダ内の Unreal Engine プロジェクトに追加されます。このメッシュには、この Identity Asset の名前に
SK_
プレフィックスが付いた名前が付けられます。 -
Auto-Rig Identity (Skeletal Mesh + Full MetaHuman) (ID を自動リグ (スケルタルメッシュとフル MetaHuman)) :MetaHuman DNA が埋め込まれた、自動リグされたスケルタルメッシュが作成されます。同時に、MetaHuman Creator で修正でき、Bridge を使ってダウンロード可能なカスタム MetaHuman も作成されます。
このプロセスが完了すると、Unreal Engine によって確認のダイアログが表示されます。その後、この新しいスケルタルメッシュがコンテンツ ブラウザに表示されます。MetaHuman も作成するように選択した場合は、その MetaHuman がMetaHuman Creator および Bridge で利用可能になります。
以下の手順は、スケルタルメッシュに加えて MetaHuman を作成するように選択した場合のみに適用されます。
MetaHuman Creator で MetaHuman をカスタマイズする
以上の手順が完了したら、MetaHuman も作成するように選択した場合は、MetaHuman Creator でその MetaHuman にアクセスできます。

Mesh to MetaHuman を使用して作成した MetaHuman に対しては、[Custom Mesh (カスタム メッシュ)] という追加パネルが表示されます。このパネルでは、標準的な MetaHuman のパラメータ化とのテンプレート メッシュの違い (ユーザー入力で作成された MetaHuman と、MetaHuman Creator のみで作成された MetaHuman との間のボリュームの差分) の影響度を調整することができます。
-
MetaHuman メッシュの影響度を調整するには、このパネルのサンプル MetaHuman の顔の領域をクリックして、スライダーを動かします。
-
全体的な調整を行うには、[Overall Influence (全体の影響)] スライダーを使用します。
上記のスライダーは、いずれも左右対称の調整と左右の個別調整に対応しています。
MetaHuman では Unreal Engine のテンプレート メッシュと同じテクスチャをスキンに使用するため、最初は [Blend (ブレンド)]、[Sculpt (スカルプト)]、[Move (移動)] の各編集モードが 使用不可 になっています。これらのモードを使用するには、[Enable Editing (編集を有効化)] ボタンをクリックします。現在の MetaHuman を編集するか、複製を作成するかを選択できます。
Mesh to MetaHuman プロセスでは、MetaHuman の色調をメッシュのスキンの色と自動的に一致させることはできません。スキン コントロール を使用して、MetaHuman のスキンの色を選択します。
これにより、テンプレート メッシュのテクスチャがオーバーライドされます。
新しいスキン テクスチャが正しく適用されるには、20 〜30 秒かかる場合があります。スキン テクスチャがチョーク ホワイトになった場合は、スキン テクスチャが正しく適用されるまで、カラー ピッカーを数秒ごとに動かし続けてください。これは既知の問題です。
MetaHuman をダウンロードして Unreal Engine 5 にインポートする
これで、新しい MetaHuman を Quixel Bridge でダウンロードできるようになります。Unreal Engine 5 の メイン ツールバー から Quixel Bridge を起動します。

サインインしていない場合は、Epic Games アカウントで Bridge に サインイン してください。サインインすると、Bridge の [My MetaHumans (マイ MetaHuman)] セクションで新しい MetaHuman にアクセスできるようになります。

MetaHuman をダウンロードしてエクスポートするには、次のガイドに記載されている手順を実行してください。