Verse の race | Fortnite ドキュメンテーション

race 式は、2 つ以上の async 式のブロックを並列で (同時に) 実行するために使用されます。最速の式が完了すると、その式が「レースに勝ち」、「レースに負けた」残りすべての式がキャンセルされた後、race に続く式が評価されます。

Verse

set WinnerResult = race:
    # All three async functions start at the same time
    AsyncFunctionLongTime()
    AsyncFunctionShortTime()  # This will win and its result is used
    AsyncFunctionMediumTime()
# Next expression is called after the fastest async function completes
# / when the fastest/shortest async function task (AsyncFunctionShortTime()) completes
# and all other async function tasks (AsyncFunctionLongTime(), AsyncFunctionMediumTime()) are canceled.
NextExpression(WinnerResult)

set WinnerResult = race:
    # All three async functions start at the same time
    AsyncFunctionLongTime()
    AsyncFunctionShortTime()  # This will win and its result is used
    AsyncFunctionMediumTime()
# Next expression is called after the fastest async function completes
# / when the fastest/shortest async function task (AsyncFunctionShortTime()) completes
# and all other async function tasks (AsyncFunctionLongTime(), AsyncFunctionMediumTime()) are canceled.
NextExpression(WinnerResult)

次のコードは、race 式の構文を示しています。

Verse

expression0
race:
    slow-expression
    mid-expression
    fast-expression
expression1

expression0
race:
    slow-expression
    mid-expression
    fast-expression
expression1

以下の図は、この式の実行フローを示しています。

race 式の使用法


`race` 式を使用できる場所	async コンテキスト
`race` 式の呼び出し時間	非同期
`race` コードブロックの要件	`race` 式の本体には少なくとも 2 つの式が必要であり、どの式も async でなければなりません。
`race` 式の機能	`sync` に似てはいますが、「勝者」以外の部分式のすべてをキャンセルします。その他の式が早い方の式と同じシミュレーション時間に完了した場合は、最初 (早い方) の式が「勝者」になって均衡が破られます。「敗者」の式のタスクはすべてキャンセルされます。
`race` 式が完了するタイミング	`race` は、コードブロックの「勝者」の式が完了したタイミングで完了します。最速、最短、最初に完了した、または完了までの時間が最も少ないというのがこれに該当します。
`race` の開始後に次の式が開始されるタイミング	`race` 式に続く式はすべて、最初の式が完了すると開始されます。
`race` 式の結果	`race` の結果は、最初に完了した式の結果です。結果型は、コードブロックのすべての式の最も一般的な互換型です。

これは単純に思えるかもしれませんが、race は Verse の中で最も有用で強力な式の 1 つです。重要となるのは、他の任意の複雑な async コードを構造化された方法 (早いものから終了するという形式) で停止することです。これは、停止するタイミングを見極めるのに必要なあらゆるテストと停止するコードを切り離しておくという、非常にクリーンな方法で行います。

async 式はキャンセルできます。
終わりのない loop や Sleep(Inf) などの一部の async 式は完了することがありません。それらを停止するにはキャンセルするしかありません。これは、1 つ以上の race 式と組み合わせると強力な戦略になることがあります。
async 式をキャンセルすると結果が得られないため、キャンセルされた async 式に依存する変数やその他の式はバインドされません。

一定の時間が経ってから、または一連の複雑なイベントがトリガーされた後に複雑な動作を停止する必要がある場合、 race を使用しなければ、ポーリングなど、通常は複雑な動作全体にわたるテストを行わなければなりません。一方、race を使用すれば、複雑な動作に対する兄弟部分式として all stop 条件を追加するだけで済みます。

Verse

race:
    ComplexBehavior() # Could be simple or as complex as a whole game
    Sleep(60.0)       # Timeout after one minute
    EventTrigger()    # Some other arbitrary test that can be used to stop

race:
    ComplexBehavior() # Could be simple or as complex as a whole game
    Sleep(60.0)       # Timeout after one minute
    EventTrigger()    # Some other arbitrary test that can be used to stop

race の結果は、最初に終了した (レースに勝った) 部分式を判断するために使用できます。

Verse

# Adding a unique result to subexpressions so it can
# be used to determine which subexpression won
Winner := race:
    block:        # task 1
        AsyncFunction1()
        1
    block:        # task 2
        AsyncFunction2a()
        AsyncFunction2b()
        AsyncFunction2c()