本機能は早期アクセス版です。この機能を使った島を公開することは可能ですが、早期アクセス期間中は、仕掛けに加えられる変更によって島に不具合が発生し、島の修正が必要になる可能性があります。
プレイヤーの視点はゲームに大きな影響を与えます。ダイナミックなカメラはアクションの強烈さを強調し、激しいシーンをより爽快なものにしますが、固定された視点は、サスペンスと恐怖を生み出します。カメラを切り替えることで感情をより強烈なものにしたり、プレイヤーとゲーム内のキャラクターとの間に深いつながりを作り出したりすることができます。カメラ視点の選択はプレイヤーの没入感や感情移入の度合いに影響し、ゲーム体験をどれだけ楽しめるかが大きく変わってきます。
このページでは、各タイプのカメラの使い方と、作成したいゲームプレイに合わせて設定を調整する方法を解説します。
各仕掛けの詳細については、以下で確認可能です:
カメラを切り替える際には、 操作 :三人称視点 の仕掛けを使い、プレイヤーキャラクターの操作を維持できるようにする必要がありますのでご注意ください。詳細については、操作の調整のセクションで解説しています。
定点カメラ

定点カメラは、ゲームプレイ中または特定のエリア内において、予め設定された位置と角度を維持します。このカメラはプレイヤーの行動に合わせて動的に調整されます。
定点カメラは様々な場面で有用ですが、その例を以下にいくつかご紹介します。
ミニゲームに固定カメラを使用する
固定カメラは全く動かず、ゲームの環境内の特定の光景を映します。視点が大きく変化せず、魅力的なミニゲームの作成に使用することが可能です。
下記の例では、定点カメラをパーティーゲームに使用しています。砲丸を避け、他のプレイヤーを足場から落とそうとしながら、できる限り長く足場の上に留まることが目標のゲームです。
よく見ると、カメラが足場の上を動き回るプレイヤーをゆっくりと追っていることがわかるかと思います。
この例に登場する固定カメラは、下記のように設定を変更してあります:
オプション | 値 | 説明 |
---|---|---|
視野角 | 50.0 | カメラが映すことのできる垂直軸の角度です。 |
注視補正 距離 | 1.2 | カメラを少し前方に動かし、ターゲットの映る位置を調整します。 |
注視補正 垂直 | 0.24 | カメラを左右に動かし、ターゲットの映る位置を調整します。 |
注視補正 水平 | 0.24 | カメラを上下に動かし、ターゲットの映る位置を調整します。 |
ヨーの加速度 | 0.24 | 映すターゲットに向かってカメラが左右に加速する速度を決定します。0にするとカメラが一瞬で動きます。 |
ピッチの加速度 | 0.24 | 映すターゲットに向かってカメラが上下に加速する速度を決定します。0にするとカメラが一瞬で動きます。 |
プレイヤーが武器の狙いをつけたり、キャラクターの向きを変えらたりできるようにするには、レベル内にデフォルトの設定の プレイヤーコントローラー の仕掛けを1つ設置してください。
固定カメラを複数使ってサスペンスを演出する
緊張感を高めたいゲームでは、レベル全体に意図を持って配置された複数の固定カメラを使用します。この例では、プレイヤーの進行に合わせてカメラ視点を切り替え、環境の様々な側面を映し出すようにしています。これにより、次の角を曲がった先に何がいるのかわからない、というサスペンスが生まれます!
ミューテーターゾーン の仕掛けの中にプレイヤーが入ると、このゾーンに紐付けられた固定カメラがそのプレイヤーに追加されます。
UEFNで作業する場合、カメラの設置時にトランスフォーム ギズモで ワールド セッティング を使うと便利です。こうすることで、カメラを地面に対し平行に保つことができます。

プレイヤーがとあるミューテーターゾーンから別のゾーンに移動すると、プレイヤーの位置に合わせてカメラが追加/削除されます。地下は出口が1つしかない閉鎖空間なので、ミューテーターゾーンではなく、 床に設置した トリガー の仕掛けを代わりに使用しています。
この例で使っている定点カメラの仕掛けは、下記のように設定を変更してあります:
オプション | 値 | 説明 |
---|---|---|
開始時にプレイヤーに取り付ける | オフ | 仕掛けとのインタラクションを通じ、プレイヤーがカメラに追加されます。 |
トランジションの時間 | 0.0 | よりドラマチックな効果を生み出すため、カメラ間の移行は瞬時に行われるようにします。 |
トランジションアウトの時間 | 0.0 | よりドラマチックな効果を生み出すため、カメラ間の移行は瞬時に行われるようにします。 |
没入感が削がれないよう、ミューテーターゾーンは 視覚効果を有効にする の設定を無効にしてあります。
トリガーの仕掛けは、下記のように設定を変更してあります:
オプション | 値 | 説明 |
---|---|---|
ゲーム中に表示 | オフ | プレイヤーからはトリガーを踏んでいることがわからないようにします。 |
視覚効果の発動 | オフ | プレイヤーからはトリガーを踏んでいることがわからないようにします。 |
SFXを発動 | オフ | プレイヤーからはトリガーを踏んでいることがわからないようにします。 |
ディレクト イベント バインディング
カメラは以下の方法で仕掛けに紐付けられています:
仕掛け | 機能 | 仕掛け | イベント |
---|---|---|---|
定点カメラ | プレイヤーに追加 | ミューテーターゾーン | プレイヤーがゾーンに入った時 |
定点カメラ | プレイヤーから削除 | ミューテーターゾーン | プレイヤーがゾーンから出た時 |
定点カメラ | プレイヤーに追加 | トリガー | 起動時 |
定点カメラの長所
固定カメラには様々な長所があります:
映画的な演出
よく考えて選んだアングルからシーンを見せることで、映画のような瞬間を作り出し、物語性や没入感を高めることができます。
コントロールされた視点
プレイヤーが見るものをコントロールし、重要な要素やサプライズを特定のタイミングで見せることができます。
芸術的なディレクション
固定カメラはゲームのアートスタイルや建築様式、あるいは環境内の特定のディテールなどを目立たせることができます。
ゲームプレイ上のチャレンジ
視界を制限したり、難易度を上げたり、はっきりと見えない情報を頼りに解くパズルを作ったりして、プレイヤーに困難を味わってもらいましょう。
定点カメラの制約
考えなしに定点カメラを使うと、プレイヤーの体験を損なってしまう場合があります。ゲーム制作の際には、以下の点を心にとどめておきましょう。
プレイヤーの操作に対する制限
カメラを自由に操作できないと、プレイヤーは制限されているように感じたり、混乱したりする可能性があり、全体的な体験に影響を及ぼす場合があります。
フラストレーションの原因になる可能性
特定の状況では、重要な情報がよく見えなかったり、進行を妨げられたりなど、定点カメラがゲームプレイの障害になり、そのせいでフラストレーションがたまるかもしれません。
島のクリエイターおよびゲームのデザイナーとして、定点カメラの長所と短所を天秤にかけ、ゲームの体験を向上させつつも、プレイヤーを不必要に押さえつけてしまうことがないようにしましょう。
固定角度カメラ

固定角度カメラはプレイヤーと共に動きますが、角度は固定されているため、一貫した視点を提供することができます。見下ろし型、横スクロール、アイソメトリックなど、様々な角度の視点が利用可能であり、プレイヤーはゲーム内を移動する際に一貫した視覚的基準を得ることができます。このカメラで利用可能な視点は、昔のゲームでよく使われています。
ゾンビサバイバルゲームで固定角度カメラを使用する
この例では、固定角度カメラを使い、昔ながらの見下ろし型シューティングゲームの雰囲気を再現しています。レベルを上げてより良い武器を手に入れるため、プレイヤーはゾンビの大群を撃破しなければなりません。
2つの固定角度カメラ間でトランジションが用いられています。1つ目のカメラはプレイヤーが武器を購入しなければならない時に有効になり、プレイヤーがゾンビの大群と戦うために店から出る時、2つ目のカメラへと移行します。
この例の1つ目の 固定角度カメラ は、下記のように設定を変更してあります:
オプション | 値 | 説明 |
---|---|---|
開始時にプレイヤーに取り付ける | オフ | このカメラはゲーム開始時にプレイヤーへと追加されません。 |
優先するトランジション | 10 | カメラのトランジションは、現在のカメラの「トランジションアウトの優先度」と移行先のカメラの「優先するトランジション」を比較し、最も高い優先度によって決定されます。 |
トランジションのタイプ | 等速的な視点移動 | カメラが有効になった際の挙動です。 |
トランジションの時間 | 0 | 瞬時に移行します。 |
トランジションアウトのタイプ | 等速的な視点移動 | トランジションのスタイルを決定します。 |
トランジションアウトの時間 | 0 | 瞬時に移行します。 |
この例の2つ目の 固定角度カメラ は、下記のように設定を変更してあります:
オプション | 値 | 説明 |
---|---|---|
トランジションのタイプ | 等速的な視点移動 | カメラが有効になった際の挙動です。 |
トランジションの時間 | 0 | 瞬時に移行します。 |
トランジションアウトの優先度 | 2 | カメラのトランジションは、現在のカメラの「トランジションアウトの優先度」と移行先のカメラの「優先するトランジション」を比較し、最も高い優先度によって決定されます。 |
トランジションアウトのタイプ | 等速的な視点移動 | トランジションのスタイルを決定します。 |
トランジションアウトの時間 | 0 | 瞬時に移行します。 |
当たり判定のタイプ | 透過 | オブジェクトがカメラと映すターゲットの間の見通し線を遮る時、そのオブジェクトを透明にします。 |
この例における、 操作: 三人称視点 の仕掛けは、下記のように設定を変更してあります:
オプション | 値 | 説明 |
---|---|---|
インタラクト距離 | 50 | インタラクションが実行可能になる、プレイヤーからの距離です。 |
回転率 | 600 | プレイヤーが回転する速さです。単位は1秒あたりの角度です。 |
射撃移動の移動速度 | 400 | 射撃時の移動速度です。単位はメートル/秒です。 |
射撃移動の旋回率 | 600 | 射撃時のプレイヤーの回転速度です。単位は1秒あたりの角度です。 |
エイムの移動速度 | 400 | エイム時の移動速度です。単位はメートル/秒です。 |
エイムの旋回率 | 600 | エイム時のプレイヤーの回転速度です。単位は1秒あたりの角度です。 |
比重を角度で計る | 0.7 | この設定は、ターゲットの優先順位の付け方に影響します。ターゲットが近づくほど、そのターゲットを狙うことが優先されるようになります。 |
遠隔ターゲティングの角度 | 180 | プレイヤーが向いている方向をもとに、ターゲットが有効であるとみなされる範囲を角度の度数で決定します。 |
エイムターゲティングの角度 | 180 | プレイヤーが向いている方向をもとに、ターゲットが有効であるとみなされる範囲を角度の度数で決定します。 |
固定角度カメラの長所
アート面の演出
ゲームの視覚的な要素や芸術的なデザインを特定のアングルから映し出す、綿密に練られた映像を可能にします。
物語のコントロール
カメラを戦略的に配置することで、プレイヤーの注意を重要なストーリーの要素や光景に誘導することができます。
一貫性
安定した視点を提供することで、プレイヤーは慣れ親しんだ信頼のおける視点でゲームを進めることができます。
デザインの最適化
アングルが固定されれば、プレイヤーが何を見ることができるのかを予測できるため、レベルデザインやゲームの仕組みを簡略化でき、より的を絞った体験の制作が可能になります。
固定角度カメラの制約
探索の制限
カメラを自由に動かして環境を見ることができないので、プレイヤーが窮屈に感じたり、特定のディテールを見逃したりする可能性があります。
視界の妨げ
アングルが固定されていると、重要な情報が隠れてしまったり、プレイヤーの視界が妨げられてしまったりして、フラストレーションや混乱に繋がることがあります。
自分の作りたいものを実現することが最優先です。見栄えの良いカメラを使う代償としてゲーム性を犠牲にしないようにしましょう!
優先度システム
カメラの仕掛けでは、複数の仕掛けがアクティブな時、 優先度 を使ってどの仕掛けが優先されるかを決定します。
仕掛けの設置時、デフォルトの優先度は 0 です。これは優先度が最も低いということです。優先度の数値が高い(1以上)仕掛けは、優先度の低い仕掛けよりも優先されます。
優先度の視覚化
この例では、3つの固定角度カメラがオン/オフのスイッチに接続されています。1つ目のカメラは 優先度が0 に設定されており、右にある2つのカメラは両方とも 優先度が1 に設定されています。
プレイヤーは常に最も優先度の高いアクティブなカメラを使用します。優先度が同じである場合、プレイヤーは直近に追加されたカメラを使用します。
両方の優先度1のカメラがオフになるまでは、優先度0のカメラを再度起動することができません。優先度の低いカメラが優先度の高いカメラより優先されることは一切ありません。
優先度の使い方
優先度システムを正しく使えば、作業の流れがシンプルになります!
複雑なトリガーのロジックを考えなくとも、プレイヤーが建物に入った時に優先度の高いカメラを自動的に追加し、プレイヤーが外に戻った時に削除することができるのです。
自分ならどんな時に使うかを考えてみましょう!
操作の調整

レベル内にカメラの仕掛けをただ置いただけでは、プレイヤーのキャラクターが常にカメラと同じ方向を向いてしまいます。操作: 三人称の仕掛けはプレイヤーの意図をくみ取ろうとするもので、キャラクターが標的の方を向いたり、移動する方向を向いたりできるようになります。
作りたいゲームのタイプによっては、希望するプレイヤー体験を実現するためにターゲティングのロジックを調整する必要があるかもしれません。
左側では、仕掛けの設定をデフォルトのままにしてあります。ゾンビがかなり接近しないとターゲットされないため、プレイヤーは頻繁に狙いを調整して、武器の照準に収めなければなりません。
右側では、自動ターゲティングの効果が大幅に強くなっており、プレイヤーは射撃ボタンを押すだけで画面上に現れるゾンビを全て倒すことができます!
右側の例で変更した設定は以下の通りです:
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回転率:800
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ターゲットに向けて旋回:オン
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射撃移動の旋回率:800
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エイムの旋回率:800
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比重を角度で計る:1.0
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遠隔ターゲティングの角度:180
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エイムターゲティングの角度:180
自分の島でどれくらいが丁度いいのかを判断するには、自分ひとりで、あるいは他のプレイヤーと一緒に頻繁にプレイテストするのが一番です。
境界とデッドゾーン
デッドゾーンとは、プレイヤーキャラクターがカメラに影響を与えることなく動き回れるエリアを指します。プレイヤーがデッドゾーンの端に移動すると、カメラが動いて追尾します。
以下の例では、プレイヤーがデッドゾーン内を走り回っている時はカメラが静止していて、プレイヤーがデッドゾーンから出ると再び動き始めるところに注目しましょう。
デッドゾーンは、特定のエリアでプレイヤーが見られるものや出来ることを管理するのに役立ちます。
デッドゾーンはアート面の目的にも使えますよ!カメラの動きを予め決められたゾーン内に制限することで、絵画のような光景や映画的な構図を作り出し、視覚的な要素を使ったストーリーテリングを洗練させることが可能です。
境界 とは予め定義された地点で、カメラはそこまでしか動くことができません。
以下の例では、カメラがボリューム内ではプレイヤーを追尾していますが、プレイヤーがボリュームから出ると停止するところに注目しましょう。この動きはカメラの境界によって定義されています。
横スクロールのゲームでは、画面の端に境界が置かれることがよくあります。プレイヤーがこういったゾーンに到達すると、プレイヤーが先に進むまでカメラが動かなくなります。例えば、プレイヤーが特定の地点を越えると、境界によって引き返せなくなり、前進することに集中させるというふうにレベルをデザインすることができます。
UEFNを使ってデザインのレベルを上げる
フォートナイト クリエイティブでもカメラと操作の仕掛けを制限なく使うことはできますが、Unreal Editor for Fortnite (UEFN)を使えば、デザインを次のレベルへと引き上げることができます。
UEFNでのカメラの使い方に関しては、以下を参照してください:
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タイトルシークエンスの作成 (ゲームプレイ例)